競合会社に競り勝つため薄利多売した結果、資金難に陥り倒産した事例

会社
通信販売業
創業  : 8年
借入理由: 競合会社の乱立と価格競争による利益率の低下
ご相談前ご依頼後
借⾦総額 約1億3000万 債権者54名 0円
毎月の返済額 約200万円 0円
[事例 83]

背景

主にインターネット通販事業を中心に手掛けていた会社様です。設立初年度から年商1億5000万円を売り上げ、翌年には年商4億円を計上するなど、経営は順調でした。しかし、ネット市場の出店費や、代金決済の手数料負担が大きく、利益率は売上の1~2割ほどであり、資金繰りは、必ずしも順調とまでは言い切れませんでした。
また、購入希望者に応えるため、在庫品を多数用意しておく必要があり、在庫品を数多く抱えるというリスクもありました。さらには、ネット通販の性質上、クレジットカードでの購入が多く、実際の代金が回収されるまでに最長で2ヵ月を要することもあり、資金が中抜けした際の穴埋めとして、借入れることも少なくありませんでした。
そのような中、大手業者がネット市場に参入してきました。そのため、一気に経営が厳しくなり、社長様(以下、Aさんと呼ぶ)は、金融機関に返済猶予の相談をしたり、人員整理を行うなど経費節減にも奔走しました。しかし、膨れ上がった負債を減らす手立てもなく、今後の営業に強い不安を感じたAさんは、当事務所へご相談にいらっしゃいました。

弁護士対応 - 事務所の貸主との交渉、仕入先である数多くの債権者との交渉 

Aさんは、商品発送など行うために事務所を借りていましたが、賃料未納が発生している状況でした。そのため貸主から早期退去を求められていましたが、事務所の中には、まだリース機器や事務机などの什器がそのまま置いてあり、退去するにしても少々、手間と時間を要する状態でした。
そのため、私から貸主の方に事情を説明したところ、猶予期間をもらうことができ、その間にリース物件の返却や什器備品などの処分を行いました。
また本件は、会社が数多くの商品を取り扱っていたこともあり、仕入先である債権者数が多い案件でした。そのため、そういった債権者からの問合せが多数あり、私の方から今回の事情を説明して、破産手続への理解と協力を求めました。

結果 - 賃借事務所の早期明渡、債権者からの異議ゼロ、管財人からの責任追及を回避

賃借事務所に関しては、貸主の理解も得られたこともあり、早期に明渡を済ませることができました。なお、原状回復費用は破産債権として届けてもらうようご説明しました。
また多数の債権者の方々にも、当事務所を通じて、Aさんの謝罪の気持ちをきちんと伝えたため、異議などの意見を出されることなく、スムーズに破産手続が進み、無事に手続も終了しました。最後まで債権者のことを心配されていたAさんも、ひと安心されていらっしゃいました。
また、破産管財人から一部不透明な資金の流れについて指摘を受けましたが、Aさんと私で当時の事情と指摘箇所の調査を入念に行い、その結果を説明したところ、破産管財人にも納得してもらえ、経営者であるAさんへの責任追及を回避することができました。

弁護士からのコメント

本件は、賃料の未納がすでに発生しており、貸主から退去を求められている中、いかにして貸主に理解してもらい、賃借物件の中のものを不当に処分せずに、資産の散逸回避や資料保全を進められることができるか、が求められていた事案でした。
そのため、貸主の方に事情を説明して猶予を頂戴し、一方でAさんも賃借物件の中のものをきちんと整理し、不当な処分にあたらないように正確かつ迅速に処理を進めてくれた点も、今回の手続がスムーズに行えた要因であると思います。
破産申立後においても、破産管財人からの指摘に対して、Aさんと共に数回にわたり、破産管財人の事務所に出向き、説明を行った結果、問題ではないことを理解してもらえ、Aさん自身への責任追及回避することができました。
また、何と言っても本件は債権者数が多い事案だったこともあり、数多くの手厳しいご意見をいただきました。しかし、「会社の債務状況と資産状況からすると、破産申立をせざるを得なかったこと」、「仮に法的手続をとらなかった場合は、債権者の方々にもさらなる負担を強いる可能性があったこと」などをご説明し、ご納得いただけたことで、異議が出ず手続きを無事に終えることができました。

債権者の方々から厳しい意見を頂戴してしまい、これ以上の迷惑をかけたくないと、なかなか破産に踏み切れず、悩んでいらっしゃる方は、さらなる負担や迷惑を債権者の方に強いてしまう可能性もありますので、まずは、一度、当事務所へご相談いただくことをおすすめします。

解決事例一覧