大口の取引先との取引停止で今後の事業継続を断念した事例

会社
電子機器の設計業
創業  : 45年
借入理由: 従業員を確保するための人件費負担
ご相談前ご依頼後
借⾦総額 約3500万 債権者26名 0円
毎月の返済額 約50万円 0円
[事例 82]

背景

電子機器の設計業を営んでいた会社様です。当初は、設計業だけでしたが、次第に顧客先に製品を納品するだけでなく、顧客先に従業員を常駐させて製品の保守サービスまで行うようになりました。
このため、受注が増えて顧客企業が増えると、先方に出向く従業員数を確保しておく必要が生じ、多い時で最大20名もの従業員を雇用していました。しかし、機器の進歩もあり、保守サービスに求められる難易度も上がり、従業員の負担が大きくなりました。そのため、退職者も続出してしまい、従業員確保に力を入れる必要性に迫られ、資金借入によって人件費負担を補てんするようになりました。
そのような折、創業以来から取引があった大手企業が事業部門撤退を決め、取引が停止することとなりました。社長様(以下、Aさんと呼ぶ)は、別の大口取引先を見つけようと奔走しましたが、思うようにいかず、従業員を解雇して営業を停止することを決意し、実行しました。その後、Aさんは当事務所へご相談にいらっしゃいました。

弁護士対応 - 未払給与の立替払制度リミットに間に合うよう、大至急で破産申立の準備を進めた

本件は、営業を停止して、営業所などの解約も済んだ状態でご相談・ご依頼いただきました。
なお、当事務所へ相談される約5ヵ月前に従業員を解雇していたのですが、給与の未払が存在していました。
なお、従業員の未払給与は、①退職日から6ヵ月以内に会社が破産申立を行うか、②労働基準監督署に倒産認定の申請を行うかのいずれかの要件を満たせば、給与の立替払制度の適用を受け、未払給与の一部について国が救済してくれます。しかし本件は、その期限まで約1ヵ月しかない状態でした。
このため、ご依頼後、従業員の方には、立替払制度の適用のために一刻も早く、労働基準監督署に相談を行ってもらうよう案内をしました。また一方で、迅速に破産申立ができるよう、Aさんに事情を説明して、早めに資料収集をしてもらえるよう指導しました。
なお、従業員の方は労働基準監督署に相談に行きましたが、労働基準監督署がなかなか相談受付をしれくれなかったため、もう一方の要件を満たすべく、当事務所にて早急に破産申立を行い必要性に迫られ、何とか立替制度の適用を受けるリミットに間に合うよう大至急で準備を進めました。

結果 - 従業員が立替払制度の適用を受けられた、会社名義の借金3500万円が0円に

Aさんの協力もあって資料収集などがスムーズに進み、従業員の解雇日から6ヵ月ギリギリではありましたが、何とか、立替払制度の適用を受けられる期限内に破産申立を行うことができました。その結果、従業員の方は、破産管財人の調査を通じて、立替制度の適用が受けられました。
破産手続につきましても、事業経緯や資産の処分状況、負債の形成過程などに特に問題はなく、また会社資産がほぼなかったこともあり、債権者への方の配当はできませんでしたが、スムーズに手続が進み、無事に終了しました。結果として、会社名義の借金3500万円は0円になりました。

弁護士からのコメント

本件は、従業員の方を救済できる立替払制度の適用を受けられるかが焦点となった案件でした。
当事務所では、原則として破産申立のタイミングによって救済制度の適用が受けられるよう破産申立の準備を進めますが、ただ申立時に必要な費用や資料準備などの事情から、期限内までの破産申立が厳しい案件もあります。その際には、労働基準監督署を通じた手続も合わせてご案内して、従業員の方と経営者様が連携して、救済制度の適用が受けられるように指導しております。
しかし、前述のとおり、立替払制度が適用されるにはタイムリミットがあります。それを過ぎてしまっては非常に残念な結果になってしまいます。「会社を閉めることはもう決意しているが、従業員への給与未払で悩んでいる」といった経営者様は一刻も早く、弁護士へご相談されることを強くおすすめいたします。
泉総合法律事務所には、給与の立替払制度で従業員の方を救済してきた実績が数多くございます。債務整理のご相談は何度でも無料ですので、是非とも一度、当事務所へご相談ください。

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