事業拡大のために事業資金を借入れたが、その返済難で倒産した事例

会社
車販売修理業
創業  : 10年
借入理由: 売上低迷
ご相談前ご依頼後
借⾦総額 約4000万 債権者23名 0円
毎月の返済額 約50万円 0円
[事例 79]

背景

開業当初から年商1億円以上を売り上げるなど一見して順調な経営状態のようにも見えますが、実は開業するにあたり事業資金として借入れた返済が月数百万円あり、資金繰りは厳しい状況でした。
しかし、社長様(以下、Aさんと呼ぶ)の営業努力や従業員の協力で、資金繰りは厳しいながらも営業を継続していました。
とはいえ、毎月の資金借入の返済負担はかなり重く、Aさんは、経費削減や所有していた事業所の売却を進めるなど、様々な経営改善に努めました。
また、追加融資を受けて難局を乗り切ろうともしましたが、その度に金融機関から厳しい返済条件をつきつけられ、結果として、給与の遅配や事業所賃料の滞納なども発生するようになりました。
「これ以上、営業を続けて給与未払を発生させては駄目だ」と感じたAさんは、会社の事業を停止され、Aさんご自身で債務を整理するために金融機関と交渉することにしました。しかし、自身での交渉は思うように進まず、「やはり専門家に相談した方が良い」と考え直して当事務所へご相談にいらっしゃいました。

弁護士対応 - 過去に処分した資産の行方を把握するために資料を精査 

本件は、ご依頼時点での資産はめぼしいものがありませんでしたが、過去に処分した資産が決算書に記載されたままの状態でした。破産手続は、会社の資産を調査回収することが前提となりますので、処分済であっても帳簿や決算書などの資料に記載されている資産が隠匿されていないか、不当に処分されていないか、あるいは、まだ回収可能性があるのではないかなどを調査する必要があります。このため、本件では、過去に処分された資産の行方を把握するため、Aさんに様々な資料を提出していただき、それらの資料の精査を進めました。

結果 - 資料精査などの入念な事前準備が功を奏し、会社名義の借金4000万円が0円に

処分済の資産は、金額もそれなりに大きかったため、申立後に、予想通り破産管財人から処分方法や行方などについて細かい質問を受けました。しかし、ご依頼後の書類準備段階で、Aさんと何度も打ち合わせをしたり、当事務所にてご提出いただいた資料の精査を行うなど、入念に事前準備をしておいた甲斐もあって、管財人からの質問に対して、十分な説明を行うことが管財人の理解を得られました。
また、Aさんが営業停止から当所依頼までの間に行った処理に関して、細かく記録していただいたこともあり、管財人や裁判所から問題視されることもなく、無事に手続きが終了し、会社名義の借金4000万円が0円になりました。

弁護士からのコメント

帳簿に計上されたままの資産の行方について、「過去のことだから全くわからない」と投げ出されてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、Aさんは“破産手続とは資産の調査をして、債権者へ少しでも多くの配当を行うことである”という点をよく理解されていました。そんなAさんの協力があったからこそ、本件はスムーズに進んだのだと思います。
また、営業停止したあと、半ば自暴自棄になってしまい、帳簿などの資料を残さずに会社の資産を知人や取引先などに無償で譲渡してしまう方がいらっしゃいます。本件は、Aさんが帳簿を継続してつけており、資産を不当処分しなかったこともあり、破産管財人から厳しい指摘を受けなかったと考えております。
最終的に破産という結果になられましたが、真摯に経営をされていたことがわかる案件で、従業員の方々のためにも最後まで会社を存続できないかと努力をされていたことも書類作成時のAさんとのやりとりで伝わってきました。

「従業員に迷惑をかけたくない」と、厳しいながらも経営を継続した結果、給与の遅配や未払が発生してしまうと、さらに従業員の方に迷惑をかけてしまう結果を招きかねません。本件は、Aさんにとっては苦しい決断だったと思いますが、その決断ができたからこそ、一時的に給与の遅配は発生したとは言え、未払が発生する前に従業員の方々も次の職を探すことができました。
営業停止の決断に迷っていらっしゃる代表者様は、一度、当事務所にご相談ください。お早目のご相談をおすすめします。

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