世論の意識向上や自然災害により仕事が減少、売上が激減し破産

会社
水利施設の測量調査・計画設計業
借入理由: 売掛金回収までのつなぎ資金
ご相談前 ご依頼後
借⾦総額 約5,600万円/債権者9名 0円
毎月の返済額 約100万円 0円
[事例 122]

背景

Aさんは、水道事業の事業計画コンサルタントとして、事業地の調査や計画を生業とする会社を運営していました。
売上が年度末にまとめて入金されるため、途中で資金が中抜けしないよう、借入金で運転資金を用意して事業をされていました。当時は、年商1億円以上もあり、売上金の回収自体は、問題がなかったため、返済は問題なく行われておりました。

しかし、世間の節水意識の向上もあり、水道の使用量が年々減っていき、次第に仕事も減少していきました。
その後、水道工事計画も激減していき、競合会社の参入等もあり、受注単価が数百万単位で減り、資金繰りが悪化していき、売上も1億円を切る状況となりました。

そして、リーマンショックの影響で、売上を維持していた継続的な取引もなくなり、とうとう年間売上が1,000万円台に落ち込みました。借入先に返済計画の見直しや追加融資の相談などを行われ、何とか立て直しを図ろうとしましたが、結局うまくいかず、Aさんは会社の事業を停止することを決意しました。

そして、所有不動産の売却で返済資金の用意も検討しましたが、その頃、東日本大震災が起こり、風評被害で買い手がつかず、さらに値も下がり、元々の売出し額の3分の1近くでの売却を余儀なくされました。

結果として、不動産等の処理を終え、総額5,000万円以上の負債が残りました。Aさんご自身で金融機関と交渉を行いましたが応じてもらえず、Aさんは、困り果ててしまい、当事務所に相談に来られました。

弁護士対応 - 会社の破産申立を説得、資産や負債調査のヒアリング

ご相談時、Aさんは、会社は清算させずに残し、債務を何とか返済していきたいというお考えでした。

しかし、事業も停止し、会社の資産もない状況であり、Aさんご自身も年齢的に新たに職につくことも厳しい状況でした。
このため、数回にわたる法律相談を経て、最終的に債権者も会社が清算された方が税務処理上で、ある程度メリットを得られるのではないかという結論に至り、破産申立を決意されました。

そして、詳しい資産や負債状況のヒアリングを行い、債権者へ通知を送り、破産申立の準備を進めていきました。

直前に不動産処理等の資産をご自身で処理されていたこともあって、処理された状況の確認が必要でしたが、関係資料をお預かりして、不当な処理等はないと思われたため、申立準備を進めていきました。

結果 - 債権者からの異議などもなく、無事に破産手続きが終了

資産処分については、破産申立後に破産管財人が再度調査を行い、不当性がないかを調査し、その透明性を判断していきます。

本件は、売却した不動産が本来の価格よりも大分低い金額での売却でしたが、値下がりした理由も説明し、売却代金の使途にも正当性があったため、特に問題とならずに手続を進めることができました。

結果として、特に債権者からの異議等も発生せずに、無事に会社の破産手続も終了しました。
Aさんは、債権者への謝罪の気持ちがあったため当初は破産手続を躊躇しましたが、最終的に満足されていました。

弁護士からのコメント

本件は、既に営業を停止され、Aさんが個人で資産や負債の整理等を進められていた案件でした。こ
の場合、どうしても資産を一部債権者に優先的に分配したり、Aさんが個人で流用したりといった問題が内在していることがあります。

しかしながら、Aさんは、知識があった訳ではないですが、一部債権者を優遇することなく処理をされていました。資産処分によって得た資産を平等に債権者の支払に充てるなどしていて、個人的に流用することなく、会社と個人の資産をきちんと区別されていました。

その結果、問題なく、破産手続が終了したのだと思われます。

ただ、どのような点や行為が良くないのかというのは、判断に迷うところだと思います。もし、会社の事業を停止され、その後の処理に迷われている場合、あるいは、会社の事業を今後どうするか迷われている場合は、お気軽に当事務所にご相談ください。

解決事例一覧