自己破産ができる条件

借金で困り果て、払えないから自己破産の申請をしても、誰でも借金がゼロになるわけではありません。自己破産の手続には、「できる条件」と「できない条件」があります。

1、自己破産ができる条件

(1)「支払不能」であること

自己破産は、裁判所に支払不能状態であることを認めてもらう手続です。

①「支払不能」とは?

「支払不能」を簡単に言うと、『客観的に見て、借金を返済出来る収入や財産がないこと』です。

②「支払不能」と考えられる例

借金総額300万円
財産僅かな預貯金
収入状況無職(月額8万円の年金)
健康状態うつ病のため通院中
住居費月額5万円(家賃)
その他事情

上記ケースの場合、売却して借金に充てる財産も無く、月8万円の中から月5万円の家賃やその他生活費を賄うと借金の返済は難しいため、「支払不能」であると言えるでしょう。

③「支払不能」と考えられない例

借金総額300万円
財産都内のマンション
収入状況無職(月額8万円の年金)
健康状態うつ病のため通院中
住居費なし
その他事情

上記ケースの場合、マンションの価値にもよりますが、マンションを売却すれば300万円は支払えるものと考えられるため、「支払不能」ではないと言えるでしょう。

④判断基準

「支払不能」の要件に、借金がいくらあればよい、債権者数が何社以上あればよい、というものはありません。借金を抱える方の年齢、健康状態、収入状況、財産状況、借金の総額等を総合的に見て判断するものです。また、あくまで目安ですが、任意整理手続で、元金を3年かけて支払えるか支払えないかが1つの判断基準になると言われています。

(2)生活保護を受けている方

生活保護を受けている方は、国が既に支払不能状態と認めているようなものですので、まず自己破産は認められると言ってよいでしょう。

2、自己破産ができない条件

(1)資格制限

資格を利用して仕事をしている人は、それぞれの資格に関する法律によって、「自己破産手続を取った場合、一定期間この資格は使えません」と定められています。資格が使えなくなる期間は、通常破産手続が始まってから終わるまで(3~4ヶ月間)ですが、資格が使えないと仕事に大きな支障が出る方は破産手続を取らない方がよいでしょう。

代表的な制限される資格一覧

  • 警備員
  • 宅地建物取引業者
  • 生命保険募集員
  • 損害保険代理店
  • 証券会社の外交員
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 弁護士
  • 司法書士

などです。

※医者、看護師、薬剤師の方は、破産しても資格に影響はありません。

※公務員の方も、破産しても資格に影響はありません。(公正取引委員会委員、公安委員会委員など特殊な場合を除く)

(2)過去7年以内に自己破産した人

ギャンブル等の免責不許可事由がある場合、自己破産手続に誠実に協力し、借金の原因が既に取り除けているなら、裁判所の裁量により借金が免除になることが殆どです。

しかし、免責不許可事由の中に「過去7年以内に自己破産したこと」も含まれるのですが、この事由だけは裁判所が厳格であり、裁量免責を得るのは非常に困難です。

これは、通常自己破産手続をとった方は、いわゆるブラックリストに載るため、7~10年程は新たな借金は出来ないはずです。それなのに、借金をすることが出来たのはおかしい、二度と借金はしないと誓ってすぐにまた借金をしているので、この人は自己破産手続をとる意味がないと考えられてしまうからと言われています。

(3)裁判所や管財人弁護士に支払う費用が用意出来ない場合

同時廃止であれば1万円ほど、管財事件であれば20万円ほどの費用が必要です。この費用を支払えないと、自己破産手続をすることができません。

(4)補足

①免責不許可事由、非免責債権との違い

ギャンブル等の免責不許可事由がある場合、そもそも借金が免除にならないので自己破産手続はできないと思う方が大勢います。これは誤解であり、免責不許可事由がある方も、自己破産手続に誠実に協力し、借金の原因が既に取り除けているなら、裁判所の裁量により借金が免除になることがほとんどです。つまり、免責不許可事由がある=自己破産手続ができない、というのは大きな間違いです。

また、ご自分の借金の中にそもそも免除にならない非免責債権があるため、破産手続はできないと思う方も大勢います。これも誤解であり、非免責債権は自己破産手続をとっても支払義務は残りますが、それ以外の借金は免除になりますので、非免責債権がある=自己破産手続ができない、というのも大きな間違いです。

②自己破産ができなかったらどうする?

弁護士と一緒に、任意整理手続か個人再生手続で解決できる可能性を模索していきましょう。

3、まとめ

自己破産ができる人は、「できる条件」を満たし、且つ「できない条件」に当てはまらない人だと言うことができます。この条件を満たすかどうかは、借金がある方の生活環境や収入状況などを確認する必要がありますので、自己破産を検討されている方は、まずは泉総合にご相談ください。