嵩む養育費の出費で生活が苦しい…。高齢出産による借金の解決策

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嵩む養育費の出費で生活が苦しい…。高齢出産による借金の解決策

【この記事を読んでわかる事】

  • 他人事ではない!子供の学費や養育費による出費の現状
  • 子育てのための費用を工面する仕組みにはどのようなものがある?
  • 公的制度を利用しても生活が苦しい場合にはどうすればいい?

 

いまの日本では、いわゆる晩婚化を背景に、30代後半で初産を迎える人が増えてきました。

子どもを授かる年齢が高くなれば、子どもが独立する前に親の定年退職を迎える場合があります。

そのため、子どもにかかる費用のために、「定年退職後の生活にゆとりがない」と感じている夫婦が増えているようです。

そこで今回は、子どものためにかかる費用の実情と、その対策について解説していきます。

1.高齢出産と子育て費用

出産年齢が高いことで、将来の子どもにかかる費用負担に不安を感じている人は少なくありません。

実際にも、収入の減少と子どもにかかる費用がかさむ時期が重なってしまい生活が苦しいと感じている人も少なくないようです。

(1) 初産の平均年齢は高くなりつつある

厚生労働省の調査によると、下のグラフで示されるように、平均初婚年齢は高くなりつつあります。

それに伴って、初産の平均年齢も高くなってきています。

平均初婚年齢

また、子が就職して社会人になるまでを「子育て期間」であるとすれば、子育て期間も長くなる傾向にあります。

近年では、大学進学率も50%を超え、2人1人以上の子が大学に進学しています。

また、理系学部の学生は、4年の学士課程を卒業後、さらに修士課程(2年間)に進んでから就職することも珍しくありません。

下の表は、子が誕生した際の親の年齢ごとに、子どもの節目となるときの年齢をまとめたものです。

35歳以降に子どもを授かったときには、子育てが定年退職までに終わらない可能性があります。

子の誕生時の年齢 高校卒業 成人(20歳) 大学卒業 大学院(修士)修了
35 53 55 57 60
36 54 56 58 61
37 55 57 59 62
38 56 58 60 63
39 57 59 61 64
40 58 60 62 65
41 59 61 63 66
42 60 62 64 67
43 61 63 65 68
44 62 64 66 69
45 63 65 67 70

(2) 子育て費用

次に実際にかかる子育て費用について確認してみましょう。

子どもにかかる費用は、大きく分けて、教育費(学習費)と養育費(生活一般にかかる費用)とがあります。

①高校・大学卒業までの教育費

まず、子どもの教育費について確認してみましょう。

文部科学省の「平成28年度子供の学習費調査」によると、幼稚園入園から高校卒業までにかかる平均的な学校にかかる費用(学費・給食費・活動費の総額)は、下の表のとおりになります。

公立 私立
幼稚園 3歳 ¥210,073 ¥479,775
4歳 ¥212,400 ¥438,832
5歳 ¥259,644 ¥526,778
小学校 1年 ¥342,640 ¥1,842,650
2年 ¥270,917 ¥1,275,934
3年 ¥289,272 ¥1,365,914
4年 ¥310,908 ¥1,464,090
5年 ¥345,057 ¥1,555,738
6年 ¥375,358 ¥1,658,692
中学校 1年 ¥469,153 ¥1,572,110
2年 ¥392,794 ¥1,156,873
3年 ¥571,163 ¥1,250,538
高校 1年 ¥516,662 ¥1,275,991
2年 ¥471,549 ¥976,188
3年 ¥363,125 ¥857,620
高校卒業までの合計 ¥5,400,715 ¥17,697,723

高校までオール公立であっても500万円以上の学習費用がかかります。

これには、塾や習い事などの費用は含まれていないので、実際にはより多くの費用が必要となります。

さらに、現在では大学進学率も50%を超えています。

大学の4年間でかかる費用は、最低でも国立大学で約250万円、私立大学では300~400万円となります(学費と入学金)。

子どもの下宿代や授業で用いるテキスト代なども親が負担すれば、さらに必要な金額は増えることになります。

なお、民間企業の資産では、より多額な費用がかかるとするものもあります。

AIU保険が公表している「AIUの現代子育て現代考2005」では、大学卒業までかかる費用は、オール公立の場合でも1,345万円かかっていると指摘しています。

当然、子どもが2人、3人と増えれば必要な費用も増えていきます。

②養育費(普段の生活にかかる費用)

子どもにかかる費用は学校にかかる費用だけではありません。

出産にも費用はかかりますし、病気をすれば医者にも診せる必要があります。当然ですが、衣料費や食費、子どものおもちゃ、家族レジャーと、あらゆることにお金がかかります。

先に紹介した、「AIUの現代子育て経済考2005」によれば、出産から大学卒業(22歳)までにかかるこれらの費用の総額は、1,640万円にものぼるとされています。

教育費と合わせれば、出産から社会に出るまでに、少なく見積もっても2,000万円以上の費用が必要だということになります。

2.親の収入状況の変化

若いときの子どもであれば、子どもにかかる費用が増えるのに合わせて世帯収入も増えていきます。

しかし、高齢で出産した場合には、子どもにかかる費用が増える時期と、世帯収入が減っていく時期が重なることがあります。

(1) 30代後半以降に生まれた子どもは、減収時期に最もお金がかかる

下のグラフは、厚生労働省の調査による年代別の平均賃金と上の表で示した40歳のときに生まれた子どもの学習費用とをかけあわせたものです。一般的に収入は、50~54歳の頃がピークで、その後は減収していきます。

法定定年年齢は60歳ですが、実際には役職定年などで60歳以前に退職するケースも少なくありません。

これに対し、40歳で子どもを授かったときには、5年間で負担する教育費のピークは55~60歳のときに訪れます。

年代別の平均賃金

(2) 子どもの教育費負担が終わったあとも、家族のための負担は続く

子どもが学校を終え社会に出た後も家族のための出費がなくなるわけではありません。子ども結婚や孫の誕生といった出来事があれば、親として何かしらの支援をしたいと思うものでしょう。

また、ご自身の両親の介護の問題が生じることもあります。

高齢出産で子どもを産んだときには、学費のピーク時期に両親の介護も必要となるというケースも珍しくありません。

3.子育てのための費用を工面する仕組み

30代後半以降に子どもが生まれたときには、子どもにかかる費用負担が少なく収入が増加傾向にある40代までのうちに、どれだけの資産を蓄えられるかが重要といえるでしょう。

将来子どもにかかるお金を貯めるためには、子育てのための公的支援や学資保険などを活用することも大切です。

(1) 児童手当

児童手当は、児童手当法に基づく制度です。

児童手当は、0歳から15歳になった年度の3月まで支給されます。支給月は、2月、6月、10月の3回で、それぞれ4ヶ月分ずつ支給されます。

支給額は対象児童の年齢や子の数によって異なります。現在の支給額は下記の表のとおりです。

支給対象児童 支給月額
所得制限額未満 所得制限額以上(特例給付)
0~3歳未満 15,000円 5,000円
3歳~小学生(第1子、第2子) 10,000円 5,000円
3歳~小学生(第3子以降) 15,000円 5,000円
中学生 10,000円 5,000円

児童手当の受給には手続きが必要です。通常は出生届を出すタイミングで手続きを行います。

なお、転入転出の際にも手続きが必要となるので忘れないようにしましょう。

(2) 学資保険

将来こどもにかかる費用を貯蓄するのが苦手という方には、学資保険の利用がすすめられます。

学資保険では、学費の準備だけでなく、特約によって子どもの医療費の確保もできます。

学資保険に加入すると、毎月の保険料の支払いの代わりに、加入時に選択した時期に保険金を受け取ることができます。

特に30代後半以降に子どもを授かったときには、高校進学・大学進学といった多額の学費が必要な時期に保険金を受け取るよう設定しておくとよいかもしれません。

なお、学資保険は固定金利なので、途中解約がなければ、受け取れる保険金の総額は、支払った保険料総額よりも多いのが通常です。

ただし、固定金利なので大きな物価変動(インフレ)に弱い側面もあるので注意は必要です。

さらに、学資保険には子どもに入院・手術が必要となったときにも保険金が受け取れる特約があることが一般的です。

ただし、医療保障の特約を付加すると、満期時に受け取れる保険金は、特約がない場合よりも少なくなります。

学資保険に加入する際には、目的・用途を明確に定めて慎重に契約することが大切でしょう。

(3) 奨学金

いまでは子どもの2人1人が大学に進学していますが、大学進学者の2人に1人は奨学金の支給を受けています。

特に、大学が遠く家から通学できないときには、その分の生活費も工面しなければならず、学費は奨学金に頼るほか場合も少なくないようです。

①日本学生支援機構の奨学金

高校・大学生向けの奨学金として最も有名なのは「日本学生支援機構」の奨学金です。

日本学生支援機構の奨学金には、給付型・貸与型の奨学金があり、さらに貸与型には、無利子奨学金(第1種)と有利子奨学金(第2種)とがあります。有利子奨学金の利率は、利息固定型で年0.22%です。

奨学金の返済期間は、貸与を受けた総額と返済方法(所得連動返還・定額返還)によって定まります。

一例を挙げれば、奨学金を毎月3万円・4年間(48か月)の貸与を受けた(総額144万円)場合には、156回(13年)の返還となります。詳しくは、下記の日本学生支援機構ウェブサイトをご確認ください。

返還期間(日本学生支援機構ウェブサイト)

②その他の奨学金

奨学金は、民間企業や大学が給付・貸与してくれるものを含めれば、他にもたくさん存在します。

高校の担当窓口に問い合わせをしてみたり、それぞれの大学のウェブサイトなどで情報を集めた上で、希望大学を選択することも1つの方法です。

また、私立大学でも特待生制度を利用できれば、国立大学並(あるいはそれ以下)の学費で進学できる場合も少なくありません。

③奨学金は借金

奨学金は支援の仕組みではありますが借金です。最近では、「奨学金が返済できなくなった」ことを原因とする自己破産者も増加しています。

奨学金は、奨学生である子が就職後の収入から返済するのが原則です。当時の想定とは異なり、十分な収入が得られない場合や、就職後の事情によって返済が厳しくなることもあり得ます。

また、貸与型の奨学金は、親権者などが連帯保証人となるのが一般的です。子が奨学金の返済に行き詰まったために、親も連鎖して自己破産するケースも増えています。

そのような事態を受けて、いまでは、日本学生支援機構の奨学金には、保証会社による保証を選択できるものも設けられています。

奨学金が原因の借金の返済については「大学の奨学金を延滞・滞納するとどうなる?取り立ての実態と対処法」「奨学金を返せない時の制度!減額返還・返還期限猶予・返還免除制度」をご覧ください。

4.万が一のときには、債務整理も選択肢の1つ

子どものための教育費や養育費をコツコツと積み立てていても、想定外の出来事でお金が足りなくなることも起こりうるでしょう。

急な病気や会社の業績不振、さらには両親の介護など、さまざまなリスクがあります。

場合によっては、教育ローンの返済が苦しくなったり、子どもにかかる費用が家計を圧迫して住宅ローンの返済が苦しくなることもあるかもしれません。そのようなときには、債務整理で解決することも選択肢の1つです。

債務整理をすると、「子どもの将来に悪影響がでる」ことを懸念する人は少なくないようです。

しかし、債務整理しても、住民票や戸籍などに記録が残ることはありません。

また、子の就職の際に、親の信用情報が確認されることもありません。

そもそも、信用情報は、融資の審査などの限られた場合にのみ調査することが認められているものです。

債務整理や自己破産といわれると不安に感じる人は少なくありませんが、早期に着手すれば大きなデメリットを生じさせずに借金問題を解決することも不可能ではありません。

万が一のときには、できるだけ早めに弁護士に相談されることをおすすめします。

泉総合法律事務所には、債務整理の解決実績が豊富な弁護士が多数在籍しており、日々多くの借金問題を抱えたご相談者様が来所されています。

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