借金返済 [公開日]2020年1月6日[更新日]2021年3月15日

「水道料金を滞納してしまった…」払えない場合の対応方法は?

多額の借金に悩んでいる時、公共料金の支払いを後回しにしてしまう方がいらっしゃいます。
水道やガス、電気などは生活費に必ず必要なインフラのため「滞納してもしばらくはストップされないはず」と考えている方も多いでしょう。

しかし、水道料金などの公共料金を滞納していると、いずれは供給がストップするだけではなく、延滞金を支払わなければいけなくなるなど、様々なデメリットが発生することになります。

今回は、水道代が払えない方のために、水道料金を滞納するとどうなるのかという基本的な事柄から、払えない場合の対応策、水道料金に時効はあるのかという点までご説明します。

1.水道料金を延滞するとどうなるのか?

結論から言うと、水道代を支払わないと、最後には給水がストップします。
しかし、滞納が発覚するとすぐに給水が止まるわけではなく、幾つかのステップを踏んで、それでも支払わない場合に給水が止まります。

(1) 水道料金滞納から給水停止まで何ヶ月?

「滞納すると水道はいつ止まるの?」という不安は多いでしょう。以下では、水道料金滞納から給水停止までの一般的な流れをご説明します。なお、細かい流れは自治体により異なる可能性があります。

滞納を始めると、20日以内に督促状が送られてきます。督促状には「◯月◯日までに支払いを行ってください」という記載があります。

仮に滞納をしてしまったとしても、この期限内に支払えば何も問題はありませんが、期限内に支払わない場合には「催告書」が届きます。
(※口座振り替えをしている場合は、口座振替請求が届き、それでも支払わない場合に催告書が届きます。)

催告書は、督促状の期限から1ヶ月が経過した頃に届くようです。

このまま滞納を続けていると、やがて水道の給水はストップします。具体的には、滞納から約2ヶ月半程度でストップすることになるでしょう。

とはいっても、催告の後にそのままなんの音沙汰もなくいきなり給水が止まるわけではありません。

催告書が届いてから2週間程度で「給水停止予告」が通知されることになるでしょう。

これに対しても無視し続けると、最終的には「給水停止の通知」が届きます。これは、給水停止予告から2週間程度で送付されます。

給水停止の通知が届いたら、いよいよ給水停止となります。全額支払い滞納を解消しない限り、水道が再度開栓されることはありません。

なお、例え水道料金を滞納したままで引っ越しをしても、水道局は引っ越し先の住所を調査することが可能ですので、引っ越し先の水道を停水するなどの措置がとられてしまうケースがあります。

(2) 裁判・差し押さえの可能性

未納の水道料金ですが、差し押さえなどの強制手段で法的措置が講じられることはないの?と不安になる方も多いでしょう。

実際上、水道料金に関しては、裁判や強制執行などは行われないことが多いといわれています。
というのも、裁判や強制執行をするためにはお金がかかるため、数万円程度の水道料金の滞納でこれをするケースは少ないといえるのです。

もっとも、絶対に裁判や強制執行がないとは言い切れません。もし裁判となった場合は確実に負けてしまい、給料や口座の差し押さえなどが行われるでしょう。

また、口座振替にしている方の場合、差し押さえが行われると金融事故にあたります。
そのため、ブラックリストに載ってしまい、クレジットカードなどが利用できなくなってしまいます。今後ローンを組む・新規のクレカを作成するなども数年は難しくなってしまうでしょう。

 

このように、水道料金を滞納すると2ヶ月半程度で給水がストップしてしまいます。支払える場合は、できる限り催告の段階で支払うようにしてください。

(3) 延滞金はどのくらいかかる?

延滞金に関しては、督促状が届いた段階ですでに加算されていることが多いでしょう。

もっとも、延滞金に関しては発生する地域とそうでない地域があるので、延滞金が加算されていない場合もあります。

延滞金が発生する地域であっても、その額は少額です。具体的には、督促手数料といって100円程度が加算されます。
これ以外にも、督促状の発送費用などが請求されることもあるようです。

2.水道料金をどうしても払えない場合にできること

次に、水道料金をどうしても支払えない場合にできる対応策をお伝えします。

(1) 減免・猶予

母子家庭などでは、生活に困窮していて、どうしても水道代が支払えないというケースもあるでしょう。
一度は支払えたとしても、今後また滞納しそうという方もいらっしゃると思います。

もし、それほど生活に困窮しているならば、公的扶助制度などの受給を考えてみてください。生活保護や児童扶養手当受給世帯などの場合は、水道料金の減免が受けられることもあるからです。

地域によって減免できる世帯の内容や金額などは異なるため、現在お住いの地域の水道局のホームページにて確認してみてください。

具体的には、以下のような公的支援を受けている家庭は、水道料金の減免措置が受けられることが多いようです。

  • 生活保護受給世帯
  • 児童扶養手当受給世帯
  • 特別児童扶養手当受給世帯
  • 身体障害者世帯、など

また「もう少し支払期限をのばしてもらえれば支払える」というケースの場合は、期限の延期をお願いするという方法もあります。
ほとんどのケースでは難しいようですが、例外的に受け入れてくれることもあるようですので、一度お住いの地域の水道局に問い合わせてみましょう。

(2) 分割払いが可能な地域もある

また「分割なら支払が可能」というご家庭もあるでしょう。
これも地域によるのですが、分割払いを受け入れてくれる水道局もあります。そのため、一度問い合わせてみるのがおすすめです。

督促状などには問い合わせのための電話番号なども記載されているはずですので、確認して問い合わせてみてください。

分割払いの場合は、誓約書や納入計画書などの作成を要求してくる場合もあります。これは分割払いを確実に実行してもらうためです。

仮に支払を怠った場合には、分割納付自体が取り消され一括請求を受ける、料金を支払わない限り水道が再開栓されない、などの措置がとられてしまいます。

したがって、分割をお願いしたら、しっかりと支払うようにしてください。

(3) 債務整理で減免の可能性

水道料金の滞納額全ての支払が困難という場合は、債務整理を検討することもできます。

公共料金を滞納しているという方は、他にも消費者金融などから借入をしているケースがほとんどでしょう。多額の借金があり、それを減額・免除できれば水道料金を支払うことができるという場合は、他の借金を債務整理することで公共料金を支払うことがお勧めです。

債務整理には任意整理・個人再生・自己破産の3つの種類があります。

任意整理:どの債務を整理するかを自分で決めることができますが、未払いの公共料金については減額交渉できません。公共料金以外の債務の利息を免除し、支払い計画のリスケジュールを行います。

個人再生:1/5~1/10程度まで減額した借金を、3~5年かけて返済します。また、住宅ローンつきのマイホームをそのまま残せる可能性があります。しかし、公共料金は直近6ヵ月分は支払わなければなりません

自己破産:消費者金融からのキャッシングや銀行のカードローン、クレジットカードの利用料金といった債務は全額免除が望めます。自己破産申立前の滞納分の公共料金も免除される唯一債務整理方法です(下水道料金は除く)。

[参考記事]

公共料金の滞納も自己破産で解決可能!

各債務整理方法のメリットとデメリットを天秤にかけ、最適な方法を選んでいくべきです。

なお水道料金などのライフラインは、自己破産を理由にして供給を止められることはありません(破産法55条1項)。
しかし、債務整理手続き後に発生した水道料金は、当然ながらしっかりと支払い必要があります。

このように、支払えない場合の対応としては債務整理が可能です。弁護士と一緒に、どの手続きを選択するか考えることをおすすめします。

3.水道料金に時効はあるのか

最後に、水道料金の時効についてお話しします。

実は、水道料金にも時効があります。水道料金の上下水道の時効は5年です。
つまり、最長で5年前に滞納した料金に関しては、支払う必要がありません。

とはいえ、公共料金であっても時効の成立には「援用」が必要のため、ご注意ください。

[参考記事]

消滅時効援用通知書の記載内容・書式・書き方について

4.水道代などの滞納・債務整理の相談は弁護士へ

水道料金の滞納で債務整理をお考えの方は、法律の専門家である弁護士にご相談ください。

債務整理の手続きを行う場合は、個別ケースによって、任意整理・個人再生・自己破産の中でどの手続きが適しているかが異なります。
借金問題を根本的に解決するためにも、その人の状況に合った方法を選ぶ必要があります。そのため、弁護士にご相談の上で、手続きを実行されることをおすすめしています。

泉総合法律事務所では、債務整理の経験と知識が豊富な弁護士が借金問題を解決に導きます。水道料金や借入の返済が難しくなったら、どうかお早めにご相談ください。

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