三菱東京UFJ銀行カードローンが返せない場合の対応策
三菱東京UFJ銀行カードローンでお金を借りている方必見です!
銀行カードローンは、消費者金融などと比べると心理的なハードルも低く、手軽に利用できますし、審査も厳しくないものが多く、収入が少ない方でも借りやすいです。
ただ、病気やリストラ、減給などの事情があり、いったんは借入をしてもその後支払いが厳しくなってしまう方がいらっしゃいます。
銀行カードローンの中でも利用者の多い「三菱東京UFJ銀行カードローン」を返せなくなったら、どのような問題が発生するのでしょうか?
今回は、三菱東京UFJ銀行カードローン「バンクイック」の特徴と、返せない場合の対応方法について、弁護士が解説します。
1.三菱東京UFJ銀行のカードローン「バンクイック」の特徴
三菱東京UFJ銀行のカードローンは「バンクイック」という商品名で販売されています。
バンクイックには、以下のような特徴があります。
(1) 利用限度額
三菱東京UFJ銀行カードローンの設定金額は、10万円~500万円です。
(2) 年利
年利は、1.8~14.6%です。
利用限度額により、適用金利が変わります。具体的には、以下の通りです。
10万円超100万円以下 | 13.6~14.6% |
---|---|
100万円超200万円以下 | 10.6~13.6% |
200万円超300万円以下 | 7.6~10.6% |
300万円超400万円以下 | 6.1~7.6% |
400万円超500万円以下 | 1.8~6.1% |
以上のように、利用限度額が高額になると、一気に金利が下がります。
そこで、バンクイックは、複数のカードローンやサラ金、クレジットカードの借金がある場合の「おまとめローン」としても、利用しやすいカードローンと言えます。
(3) 融資スピード
融資スピードは速いです。三菱東京UFJ銀行の支店にある「テレビ窓口」から申込みをすると、最短で翌営業日にキャッシングができる状態になります。
なお、基本的には貸付は申請日の翌営業日以降となるので、「即日融資」には対応していません。土日祝日でも申込みを受け付けています。
また、利用限度額の増額(増枠)も可能です。
増枠するときには、電話(0120-76-5919)もしくはウェブ上の会員ページから申請をしますが、増枠時にも審査が行われます。
(4) 利用しやすい人
三菱東京UFJ銀行カードローン「バンクイック」の審査に通りやすいのは、以下のような方です。
・勤務形態
仕事をしていれば、勤務形態は特に問われません。
正社員や公務員、契約社員などの給与所得者、自営業者、経営者、またパートやアルバイトの方でも利用できますし、年金生活者でも審査に通ることがあります。
・収入
収入は、おおむね税込年収が60万円程度以上あれば、審査に通ります。
・勤続期間
1ヶ月以上継続勤務していれば、カードローンを利用できます。
・他社借入件数
他社における借金は、4件未満であることが望ましいです。
カードローンの利用申請をすると、電話で勤務先に対し、在籍確認が行われます。本人が出たらすぐに確認が終了します。
本人が出られなかった場合には、電話に出た人から「今席を外している」など、本人が確かに会社に在籍していることを確認できれば、確認が完了します。
審査担当者が、電話に出た人に対し、カードローン申請のことや銀行名を明かすことはありません。
また、カードローンの審査は同じ三菱東京UFJ銀行グループの、「アコム」が行っています。
(5) 口座開設の要否
三菱東京UFJ銀行カードローンを利用するとき、口座開設は不要です。ただし、口座がないと、利用できるサービスが限られます。
口座への入金や口座引き落としを利用できないので、借入や入金の際には、必ずATMを利用しなければなりません。
入金や出金に利用できるATMは、三菱東京UFJ銀行のATMと、セブン銀行、ローソン、E-netのATMです。ATM利用の際に手数料はかかりません。
(6) 返済方法
口座がある方は、口座引き落としとATM入金を選べますし、インターネットバンキングも利用可能です。口座のない方は、ATMによる入金のみが可能です。
以上のように、三菱東京UFJ銀行ローンは、年収が100万円未満の低収入の方や、アルバイトなどの収入が不安定な方でも利用可能です。どのような方でも利用しやすい分、支払いが厳しくなるケースが発生しやすいです。
利用限度額も比較的高額に設定できますが、反面、その後に病気などの何らかの事情変更があったとき、支払い不能になるリスクがあります。
2.返済が滞ったらどうなる?
最悪の場合、強制執行(差し押さえ)!
それでは、三菱東京UFJ銀行カードローンの返済が難しくなってしまったらどのような問題が発生するのでしょうか?
(1) 電話で催促される
支払期日までに入金がないと、まずは銀行の担当者から督促の電話がかかってくることが多いです。
このとき、銀行側で入金が確認できていないことを伝えられて、どうなっているのかを聞かれ、いつまでに入金できるのかを尋ねられます。
そこで、期日を伝えて入金することを伝えて、約束通りに入金ができれば、それ以上、特に問題が大きくなることはありません。
この段階できちんと支払いをすれば、ブラックリスト状態(ローンやクレジットカードが使えない状態)になることもありません。
(2) 督促状が届く
電話がかかってきても支払いの約束ができなかったり、約束通りの支払いができなかったり、あるいは電話を無視して出なかったりしていると、銀行から自宅宛に、入金を促す督促状が届きます。
この段階で届く督促状は普通郵便であり、滞納金額や遅延損害金が書かれています。
この段階できちんと連絡を入れて、滞納分を支払ったら、それ以上問題が大きくなることはありません。ブラックリスト状態にもならないことが通常です。
(3) 内容証明郵便で一括請求書が届く
もしも、郵便による督促状が届いても無視したまま2、3ヶ月が経過すると、三菱東京UFJ銀行から内容証明郵便で一括請求書が届きます。
この段階になると、分割ではなく、残債全額と遅延損害金の一括払いを請求されるので、注意が必要です。
銀行カードローンの契約内容では、返済遅延している金額が2、3ヶ月分になると、「期限の利益」(分割払いできる利益)を失って、そのときの残債務を一括払いしなければいけない約定になっているからです。
なお、内容証明郵便自身には差し押さえなどの効力はないので、一括請求書の通りに支払いをしなくても、給料などを差し押さえられることはありません。
そして、銀行が、内容証明郵便で一括請求書を送ってくる主な目的は、次に説明するように、アコムによる代位弁済を受けるためです。
また、一括請求書が届く頃には、個人信用情報に事故情報が登録されるので、いわゆるブラックリスト状態となり、その後は一切のローンやクレジットカードなどを利用できなくなります。
(4) アコムが代位弁済する
内容証明郵便による一括請求書が届いても、多くの方は支払いができないので無視してしまいます。すると、「アコム株式会社」から「代位弁済通知書」が届きます。
そこには、「銀行のカードローンの残債を、アコムが代位弁済した」と書かれています。
そして、「今後の返済などの連絡は、アコムとやり取りするように」ということも記載されています。
・アコム
アコムは、有名な消費者金融ですが、どうしてアコムが新たな債権者になるのでしょうか?
それはアコムが、三菱東京銀行カードローンの保証会社となっているためです。
アコムは、今は三菱東京UFJ銀行の傘下に入り、提携関係にあります。そこで、三菱東京UFJ銀行カードローンの審査をしたり、保証会社となって契約に入り、債務者が支払いをしないときに全額を代位弁済したりして、銀行に損失が発生しないようにしているのです。
三菱東京UFJ銀行カードローン借入の際に、アコムが保証会社になることが規定されているので、契約時に意識していなくても、当然にアコムが保証会社となっています。
これが、アコムが代位弁済して新たな債権者となる理由です。
アコムが代位弁済すると、銀行に支払った全額と、それに対する遅延損害金を一括請求してきます。
【参考】借金返済が不可能に!?代位弁済をされたら弁護士に相談を
(5) 裁判を起こされる
アコムから一括請求をされても、多くの方は支払いをすることができません。放置していると、アコムから貸金請求訴訟を起こされます。
この場合、銀行カードローンを借りて約定通りの返済をしていないわけですから、裁判で争っても通常は負けます。
判決を避けるためには裁判の途中で和解する必要がありますが、裁判所からの呼び出しを無視していたり、裁判で不適切な対応をしたりしていると、判決が出てしまいます。
判決では、アコムが代位弁済した銀行カードローンの残債と遅延損害金、訴訟費用についての一括支払い命令が下されます。
(6) 強制執行(差し押さえ)を受ける
アコムから裁判を起こされて、判決で支払い命令が出てしまったとき、多くの方は支払いをすることができないのでやむなく放置することになります。
すると、アコムは判決にもとづいて、債務者の財産や債権などを差し押さえます。
たとえば、預貯金や生命保険、不動産や車などの資産はすべて差し押さえの対象になりますし、給料も差し押さえられる可能性があります。
三菱東京UFJ銀行カードローンを申し込んだときと同じ会社に勤務している場合には、その会社の給料を差し押さえられる可能性が高くなります。給料を差し押さえられると、会社にも借金や給料差し押さえのことを知られてしまうので、注意が必要です。
また、預貯金などもある日突然差し押さえられて、入金も出金もできなくなってしまうので、大きな不利益がおよびます。
判決が出て強制執行が開始されたら、放っておくと生活に支障が大きいので、すぐにでも対応をしなければなりません。
本来であれば、もっと早期に対処しておけば、ここまで状況が悪化することは避けられるのです。
【参考】借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事
3.返せなくなってしまった場合に検討すべきこと
それでは、三菱東京UFJ銀行カードローンの返済ができなくなってしまったとき、どのように対応するのが良いのでしょうか?
(1) 対応を開始すべきタイミング
まずは、いつ、対応を開始すべきか、考えてみましょう。
上記の流れで言うと、当初に返済を滞納する「前」に、対応を開始することが望ましいです。
滞納前であれば、督促のプレッシャーを感じる必要もありませんし、三菱東京UFJ銀行からの督促状が家に届いて家族に借金を知られる可能性などもありません。
ただ、それ以降になってしまったとしても、とにかく早めに対応すべきです。
具体的な対応方法としては、借り換えや援助、と任意整理の2種類の方法が考えられます。
(2) 借り換え
借り換えとは、借金を別の借金に借り換えることです。
この方法は、三菱東京UFJ銀行カードローンの借入額が小さいために金利が高くなっている場合や、他にもカードローンやサラ金の借金がある場合におすすめです。
そのようなとき、別のもっと金利が低い借金に借り換えると、支払いが楽になって継続できるようになるケースがあります。
たとえば、三菱東京UFJ銀行カードローンや他のサラ金の借金がある場合、おまとめローンを利用すると、金利が下がり、複数の借金が一本化されて、返済管理をしやすくなることがあります。
ただし、おまとめローンを利用しても、おまとめローンの金利支払いが必要ですし、もともとの借入利率が低い場合には、必ずしも得にならないケースもあります。
おまとめローンを申請する前には、本当にそれで支払いが楽になるのか、事前にきっちりシミュレーションしておくことが重要です。
【参考】債務整理とおまとめローンの違い
(3) 援助
たとえば、親や親戚などに援助してもらえるのであれば、借金の立て替え払いをお願いするのも1つの方法です。
特に、病気や交通事故などのやむを得ない事情で返済できなくなったケースなどでは、遠慮なく親族を頼って良いでしょう。
ただ、友人知人や恋人などに借金の立て替えをしてもらうと、トラブルの種になることもあるので、注意が必要です。
また、親に立て替え払いしてもらった場合でも、きちんとその後に返済していくべきです。
(4) 任意整理
以上のような方法では解決できない場合、法的な対応が必要です。
まず検討すべき方法が「任意整理」です。
任意整理とは、債権者と直接話合いをして、借金の残金(利息も含む)と支払い方法を決め直す手続です。
三菱東京UFJ銀行カードローンを任意整理するときには、アコムと話合いをすることになります。
もしもアコムによる代位弁済前に銀行に任意整理の交渉を持ちかけた場合であっても、すぐにアコムが代位弁済するので、債権者がアコムになります。
ただ、アコムもきちんと任意整理の話合いには応じてくれるので、不安に感じる必要はありません。
任意整理をすると、アコムが代位弁済したカードローンの残債と遅延損害金、アコムと任意整理を開始するまでに発生した遅延損害金を支払うことになります。アコムとの合意後に発生する利息はカットできるので、支払い総額はかなり減額されます。
任意整理後は、3~5年の間に分割払いしていくことになります。
以上の手続により、多くのケースで支払いができるようになります。
・三菱東京UFJ銀行カードローンを任意整理した方の具体例
三菱東京UFJ銀行カードローンを利用して返済できなくなった方が、当事務所で任意整理を行い解決された例をご紹介します。
Aさん(20代後半 女性)は、OLでしたが、友人付き合いなどのためにバンクイックで借金をするようになり、また、買い物などにも使っているうちに、他の銀行カードローンも合わせて総額が150万円にまで増えてしまいました。
利息もかさむため、いつのまにか、月々の返済額が6万円以上となり、給料からでは支払いが厳しくなったので、弁護士にご相談に来られました。Aさんの場合には、まだ督促状などが届いておらず、早い段階でした。
当事務所の弁護士がすぐに介入し、銀行およびアコムと話合いをしたところ、5年にわたって150万円の元本のみを返済していくことで和解しました。
月々の支払いは25000円に抑えられたので、Aさんは、比較的楽に支払いができるようになり、今は借金のない生活を送っておられます。
その後、ご結婚されたという嬉しいお知らせも頂きました。
4.任意整理しても返せそうにない場合
以上のように、任意整理は銀行カードローンの整理に非常に有効な解決方法ですが、カードローンの借金が大きくなりすぎている場合や、収入がなくなってしまった場合には、任意整理では解決できないことがあります。
そのようなときにも、個人再生または自己破産によって、解決できるので、諦める必要はありません。
(1) 個人再生
個人再生は、裁判所に申立をして「再生計画案」を認可してもらうことにより、負債の支払い額を大きく減額してもらえる手続です。
特に大きな財産のない方が個人再生をすると、借金の返済金額を5分の1~10分の1にまで減らしてもらえるので、カードローンやその他の負債の残債が膨らんでいる方の場合に有効です。
たとえば、三菱東京UFJ銀行カードローンの残債が500万円の場合でも、100万円にまで減額される可能性があります。
減額された借金は、3年のうちに返済をしていきますが、3年では厳しい場合には、5年にまで返済期間を延ばしてもらえることもあります。
また、住宅ローンの負担がある方の場合、住宅ローンについては支払いを継続して、家を維持することも認められます。
手続後に返済が必要になるので、サラリーマンや自営業者、アルバイトの方など、何かしらの収入がある方におすすめする手続です。
(2) 自己破産
自己破産は、裁判所に申立をして「免責」を受けることにより、借金の支払義務を免除してもらえる手続です。
カードローンの借入金が多額になっていて、支払いを圧縮しても解決できないケースや、病気やケガで働けなくなったり、リストラや失業などで収入がなくなったりして一切の支払いができないケースでおすすめする方法です。
自己破産をしても、生活に必要な最低限の財産は手元に残すことができますし、世間で思われているほどの大きな不利益はありません。
支払いを滞納して給料差し押さえを受けている場合などには、自己破産や個人再生をすると差し押さえを停止または失効させることもできますので、お早めに手続されることをおすすめします。
5.債務整理するときの注意点
以上のように、任意整理、個人再生、自己破産は、銀行カードローンの返済ができなくなったときに非常に効果的ですが、これらの債務整理をすると、個人信用情報に事故情報が登録されて、ブラックリスト状態となります。
ただ、カードローンを滞納していると、どちらにしてもブラックリスト状態になりますから、このデメリットを重視しすぎる必要はないと言えるでしょう。
支払いができないのであれば、ブラックリスト状態のことを心配するよりも、早めに債務整理で解決すべきです。
【参考】ブラックリストとは
6.まとめ
三菱東京UFJ銀行カードローンを返済しないまま放置しておくと、不利益が大きくなります。任意整理や個人再生、自己破産のうちから、適切な方法を選択して、早めに解決しましょう。
債務整理をするときには、債務者が自分で対応するよりも専門知識を持った弁護士のサポートを受けることにより、万全の体制で進めることができるものです。
銀行カードローンの支払いが厳しいと感じているならば、お早めに泉総合法律事務所の弁護士までご相談ください。