借金返済 [公開日] [更新日]

嫌がらせ・電話・脅迫…借金の取り立て、昔と今で大きく変わったこと

借金の取り立てなど、昔と今で大きく変わったこと

現在借金の取り立てで苦しんでいる方もいらっしゃると思いますが、法律改正前の取り立てはもっと厳しかったことをご存知でしょうか?

2006年の賃金業法の第21条1項改正の前後で、借金の取立方法は大きく変わりました。今回は、どのように変わったかを紹介したいと思います。

1. 改正前

借金の取り立てと言えば、皆さんはどんなイメージをお持ちですか?

強面の男性が複数人で家に押しかけ、大声で返済を迫る様子をドラマで見たことがある人もいると思いますが、貸金業法が改正になるまでは、そうした取り立ては実際に行われていました。

貸金業法が改正されたのは2006年なので、そうした行為は比較的最近まで行われていたことになります。

貸金業法改正以降はそうした行為は禁止されていますが、それまで行われていた取り立てには、以下のようなケースもありました。

  • 夜中や早朝など時間を問わずにひっきりなしに電話攻勢をして返済を迫る。電話に出ると強い口調で脅す。
  • 自宅に複数人で押しかけてきて、自宅前に居座る。近隣住民に聞こえるように返済を迫るので、近所に借金滞納の事実が知れ渡ってしまう。
  • 玄関先に消費者金融名で返済に関わる内容の張り紙をする。
  • 勤務先に督促電話を入れないという約束にも関わらず、勤務先に返済を迫る電話をかけてくる。
  • 家族や実家にも返済の肩代わりを迫る。家族や実家の勤務先にも督促電話をして迷惑をかける。
  • 家族や知人、もしくは他社に借金をしてでも返済しろと迫られる。
  • 弁護士が債務整理の通知をしたにも関わらず、債務整理手続を中止しろと脅す。
  • 「返済ができないなら臓器を売れ」「死んで生命保険で返せ」と迫られる。

見ての通り、上記の行動はもはや嫌がらせ以外の何物でもないと思いますが、以前は借金滞納者に対してはこうしたことが、程度の差はあれ実際に行われていました。その取り立ての厳しさから逃れるために、夜逃げ、離婚、果ては自ら命を絶つ人も出たほどです。

こうした貸金業者による取り立ての問題は全国各地で発生し、深刻な社会問題に発展しました。

そうした流れを断ち切るべく、2006年に改正貸金業法が国会にて全会一致で可決され、違法な金利や取り立て、返済能力を超えた高額融資などが禁止されました。

2.改正後

改正貸金業法の特徴は「総量規制による貸付制限」と「グレーゾーン金利の撤廃」です。それぞれの内容を解説します。

(1) 総量規制による貸付制限

改正貸金業法では、多重債務者を減らすために総量規制が設けられました。これにより、個人の借入については、総額で年収の3分の1までしか借入れることができなくなりました。

このルールによると、たとえば年収210万円の人の場合、貸し付け上限は70万円までです。

仮に年収210万円ですでにA社から50万円の借入がある場合、借入可能額は総額で年収の3分の1となるため、新たに借入ができるのは20万円となります。

総量規制によって、利用者は自分の経済力以上の借入ができなくなったので、多重債務で苦しむ人も減りつつあります。

しかし、総量規制の適用は貸金業法の規制を受ける貸金業者のみで、銀行カードローンは適用外です。

その結果、近年では銀行カードローンによる過剰貸付が問題となり、新たな多重債務問題が発生してきていると言われています。

【参考】銀行系カードローンと消費者金融の違いとは?債務整理する上の注意点

(2) グレーゾーン金利の撤廃

改正貸金業法が可決される前は、貸金業者では高利貸しが常態化しており、借金滞納の大きな原因とされていました。

高利貸しが横行した原因は、「出資法」と「利息制限法」の2つの法律が存在していたことにあります。

この2つは共に利息について定めた法律で、法律改正前は利用者の同意があれば、どちらの基準を適用してもよいとされていました。

そのため、大半の業者は出資法の上限金利(29.2%)と、利息制限法の上限金利(20%)の間の金利を設定していました。これがいわゆるグレーゾーン金利と呼ばれるもので、社会的にも問題視されていました。

しかし、法律改正によってこの問題にもメスが入り、改正後は利息制限法の上限以上の金利をとることが禁じられ、現在の金利は貸付額に応じて15%から20%までと決められています。

また、出資法の金利上限も20%に引き下げられたので、グレーゾーン金利は完全撤廃されました。

現在では利息制限法の上限を超える利息は民法上無効となります。出資法の上限を超える利息は刑事罰の対象とされ、高利貸しについては厳しく取り締まりが行われています。

法律改正の大きなポイントは以上ですが、その他、禁止行為についても徹底されたので、内容を以下で解説します。

3.禁止行為

改正貸金業法では禁止行為についても細かく定められています。特に違法な取り立てや、貸付時に十分な説明なく貸すことを禁止しています。

(1) 違法な取り立ての禁止

夜21時~翌朝午前8時の間は取り立て禁止。電話、ファックス、訪問いずれも禁止です。また日中についても執拗な取り立ては禁止されています。一日の電話の回数、訪問者の人数も細かく定められています。

  • 債務者が自殺することで保険金が支払われる保険契約を、貸付業者が締結することは禁止。
  • 相手の許可なく勤務先に連絡して返済を迫ることは禁止。
  • 張り紙をしたり、第三者に借入が分かるように大声で取り立てるなど、相手の秘密をばらすような取り立ては禁止。
  • 連帯保証人以外の家族や親類への取り立ての禁止。
  • 他の業者から借入れさせて返済を強要することは禁止。
  • マグロ漁船や風俗店など、本人の意に反する労働を強要したり、臓器売買の強要など、人を脅かして返済を迫ることは全て禁止

この他にも細かい決まりはあり、こうしたルールは貸金業法だけでなく、金融庁のガイドラインにも定められています。

ガイドライン違反がある業者は業務停止命令が下る可能性もあり、取り締まりも厳しく行われています。

(2) 公正証書の作成の委任状の取得を禁止

以前であれば、貸金業者は債務者に公正証書作成の委任状を書かせ、裁判を経ないで強制執行することもありましたが、法律改正以後はそうした行為も禁止されています。

また、利息制限法の上限を超える違法な金利での貸付契約についても、公正証書作成の嘱託を禁じています

(3) 事前説明を徹底する

連帯保証人の保護をするために、連帯保証人に対しては、催告・検索の抗弁権がないことの説明を義務づけています。

これにより債務者が返済できないときは、代わりに請求されることを事前に説明しなければならないので、連帯保証人が知らないうちにトラブルに巻き込まれることもなくなります。

また、貸付にあたっては、最終的な元利負担金をしっかり説明し、書面による事前交付も義務づけています。

4.改正後の取り立て

これまで見てきたように、法律改正後は違法な金利や取り立ては、闇金業者であっても少なくなっています。

しかし、一部にはまだ存在している可能性もあるので、もし万が一、違法な取り立てをされたら、以下の2つの機関に相談しましょう。

(1) 警察へ通報する

警察では違法な取り立ての相談を24時間受け付けています。警察署だけでなく、交番や駐在所でも相談をすることができます。

違法性を証明できるものがあり、業者を特定できれば警察から業者に警告が行われます。警察から連絡があれば、違法な取り立ての多くは中止されます。

(2) 専門家に相談する

もし違法な取り立てに困っていたら、弁護士に相談するのもおすすめです。違法な取り立ての対策と同時に、借金問題の相談もできるからです。

借金の返済ができない場合でも、債務整理をすれば、弁護士の受任通知によって取り立てはすぐに止まります。

債務整理するとブラックリストに載るなどデメリットもありますが、借金は減額され、その後は執拗な取り立てもなくなるので、経済的にも精神的にも楽になります。

それをきっかけに生活を立て直すこともできるので、借金返済に困っている人は1つの選択肢として検討してみましょう。

【基礎知識】:督促がとまる「受任通知」とは

5.まとめ

もし取り立てに苦しんでいるなら、早めに専門家に相談して債務整理を検討しましょう。専門家が受任通知を発送すれば、すぐに取り立てが止まります。

そのまま放置していても取り立ては厳しくなるばかりです。泉総合法律事務所の弁護士が全力でサポートしますので、お一人で悩まず、専門家と一緒に問題を解決していきましょう。

借金問題のご相談は何回でも無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。ご相談者様に寄り添った親身な対応をお約束いたします。

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