個人間のお金の貸し借りに注意!トラブル回避のための借用書の書き方

借金返済

個人間のお金の貸し借りに注意!トラブル回避のための借用書の書き方

お金の貸し借りする際、返済を巡ってトラブルになることは多いです。特に貸した相手が家族や親しい友人であれば、金銭トラブルはその後の人間関係にも影響します。

金の切れ目が縁の切れ目とならぬよう、トラブルを回避するためにも、お金を貸すときには正しい借用書や念書の書き方を学んでおく必要があります。

ここでは、借用書はどのような書式で書けばいいのか、また、借用書にはどのような効果があるのかを詳しく解説します。

1.借用書とは

借用書はお金を貸す人と借りる人の間で、お金の貸し借りがあったことを証明する書類です。書類を交わすことで、貸し借りに関するトラブルを未然に防ぐことができます。

借用書自体に法的拘束力はありませんが、裁判の際には強力な証拠となります。

・念書とは?

念書は「念のため記しておく書類」という意味で、借金の契約だけに限らず、誓約書の類も念書に相当します。借金の際の念書は借用書と同義と捉えて問題ありません。

念書には住所、氏名、作成年月日、捺印、要件を記載します。

(1) 借用書の効果

借用書を書くことは、お金の貸し主にとって重要です。なぜなら、お金の貸し借りの際に、口約束だけで貸してしまうと、お金を貸した証拠が残らなくなるからです。

また、借り主にそのつもりがなくても、人間の記憶は時間の経過とともに曖昧になるので、後々お互いの言い分が違ってくることもあります。

そうしたときに借用書がないと、万が一借り主が「お金を借りていません」と言い出したときに、返してもらうことが難しくなります。

しかし、借用書を作っておけば、相手がお金を受け取ったことの証明ができるので、お金を貸した証拠は残ります。最終的に裁判に持ち込むこともできるので、踏み倒される心配もなくなります。

また、借用書があると借金がごまかせないので、相手に返済を促す心理的圧力としての効果も期待できます。

(2) 借用書を作ったほうがよいケース

借用書は、お金の貸し借りをするときは必ず作りましょう。

特に個人間の貸し借りは注意が必要で、相手が家族や親しい友人の場合でも必ず作ってください。その場の雰囲気や同情で借用書なしで貸してしまうのはNGです。

親しい人に対して「借用書を書いてとは言いにくい…」という人は多いと思います。しかし、口約束でお金を貸してしまうと、それが「言った、言わない」の水掛け論につながってしまいます。

お金を貸すことで相手の力になれることは事実です。特に大切な人が困っていたら、力になりたいと思うのが人情です。この先も相手と良い関係でいるためにも、お金を貸すと決めたら、借用書はしっかり交わしましょう。

2.借用書を書く準備

ここからは借用書の書き方を解説します。

借用書を書くには、内容について双方が納得した上で作る必要があります。

実は借用書には2種類あり、借主だけが署名する「借用書」と、貸し主と借り主の双方が署名する「金銭消費貸借契約書」があります。

前者の借用書は借り主だけが書くものなので、貸し主に不利な内容になることもあり、作成も1通なので紛失の心配があります。
そのため、借用書を作成するときには、後者の「金銭消費貸借契約書」を作成することをおすすめします。

双方合意した内容で、書類は貸主用と借主用の2通作成します。金銭消費賃貸契約書を作成することで、記憶違いや紛失によるトラブルを避けることができます。

(1) 借用書作成で用意するもの

借用書の作成に必要な道具は以下の通りです。書類は貸し主、借り主ともに同じものを保管する必要があるので、お金の貸し借りに関わる人数分の書類を作成します。

収入印紙も書類の枚数分用意しましょう。

・人数分の書面
・万年筆やボールペン(パソコンでも可)
・ハンコと朱肉
・収入印紙(作成枚数分)

3.基本的な借用書の雛形

借用書を書く準備が整ったら、実際に中身を書いてみましょう。借用書に記載する基本的な内容は以下の通りです。

・借用書の作成した日付
・借主の氏名・住所・押印
・貸主の氏名・住所・押印
・金額
・お金を貸した日付
・返済方法
・返済期日

これらの項目を実際の書面にすると以下のテンプレートのようになります。

基本的な借用書の雛形

借用書の基本的な書き方は上記の通りです。その他にも連帯保証人などの取り決めがあれば、それも盛り込みます。作成にあたっては、印鑑は三文判でもOKですが、できれば実印の方がよいでしょう。

また、鉛筆書きは書き換えられるリスクがあるので使用を避けましょう。手書きではなくパソコンやワープロで作成する場合も、感熱紙を使用すると文字が消える可能性があるので、普通紙を利用します。

(1) 必要事項は記載する

借用書の基本的なフォーマット以外でも、必要事項があればどんな些細なことでも記載しておきましょう。たとえば、利息や遅延損害金など取り決める場合は、その詳細も記しておくことをおすすめします。

また期限の利益の喪失(約束の期日にお金を返さないときに一括返済を求めることなど)もあれば、その旨も記載しておきましょう。

(2) 借用書作成時の注意点

借用書を作成するときには、絶対に書かなくてはならないことが決まっている訳ではありません。しかし、以下の点には気を付けてください

①日付や金額は正確に

数字は漢数字で記載します。金額の前に「金」、金額の後に「円」をスペースを入れずにつけることで、前後に余分な数字を付け足すことを防ぐことができます。

仮に数字で記載すると、100万円→1100万円と簡単に数字を足せてしまうので、トラブル防止のためにも漢数字で表記しましょう。

②曖昧な言葉や方言

借用書に書く文言は、誰が読んでも同じ意味に捉えられるように記載しましょう。曖昧な表現や方言は誤解を生む原因となり、行き違いのリスクが高くなります。

③法律を犯すことは書かない

借用書の中に記載することは基本的に自由ですが、法律を犯すことを記すことはできません。また公序良俗に反することも認められません。

たとえば双方の合意があったとしても、法律上の上限利息を超えた金額を課すことは禁じられています。

また「お金を返せないときには、窃盗をしてでも返金するように」などと犯罪を強要するような約束させることは勿論、それを借用書に書くこともできません。

お金を貸し借りするときの約束事はあくまでも法律の範囲内で結びましょう。

(3) 借用書の中にあるといいもの

借用書を作成する際に、金額や日付、住所・氏名の他に盛り込んでおいた方がよいことは以下の通りです。

・返済方法
・利息・遅延損害金の定め
・期限の利益の喪失とその条件
・連帯保証人
・分割払いの支払い方法(返済の間隔、返済期日、1回の返済額、返済回数など)

以上のことを正確に記載しておくことで、後のトラブルを未然に防ぐことができます。

4.既にお金を貸してしまっている場合

もしお金を貸すときに借用書を作っていなかったら、あとから作ることも可能です。お金を貸したあとに書類を作る場合は、借用書ではなく「債務弁済契約書」を作成します。

債務弁済契約書の内容は借用書に準じます。書類作成時には以下のことを記載してください。

・お金を貸した日付
・金額
・貸主・貸主の氏名
・利息・遅延損害金
・期限の利益の喪失条項
・連帯保証人

この他に必要なことがあれば、どんな些細なことでも盛り込んでおきましょう。借用書(金銭消費貸借契約書) も債務弁済契約書も、基本的に法的な拘束力はないため、もし踏み倒される心配があるときには、公正証書にしておくと安心です。

万が一返済が履行されなかったとしても、公正証書にしておけば、裁判なしで強制執行(差し押さえ)することが可能だからです。相手に返済の自覚を持たせる意味でも、公正証書の効果は高いと言えます。

5.まとめ

お金の貸し借りで家族間に溝ができたり、今まで付き合いがよかった友人と疎遠になったりするのは悲しいことです。

相手を助けるためにお金を貸したのに、それが原因で人間関係が壊れたのでは本末転倒です。お金の貸し借りを作らないに越したことはありませんが、どうしても必要になった際は、お金のトラブルを防ぐためにも借用書をしっかり作成するようにしましょう。

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