借金返済 [公開日]2018年7月10日[更新日]2019年11月5日

借金依存症とは?原因・症状と借金問題の解決方法

○○依存症と言えば、薬物やアルコール、ギャンブルなど、嗜好性が高く刺激的なものをイメージしますが、借金依存症という病気も存在します。

できれば避けたいと誰もが思う「借金」に依存をするというのは、一体どういう意味合いなのでしょうか?

ここでは、借金依存症の症状と原因、その対処法(治療法)、また、借金問題の解決方法について解説します。

1.借金依存症について

(1) 借金依存症とは

借金依存症は、文字通り「依存症」の一つで、常に借金をしていないと落ち着かないという病気です。

普通は借金があるとストレスを感じますが、この症状は「借金できないこと」によって不安に陥ります。
最近特に注目をされており、買物依存症、ギャンブル依存症、アルコール依存症などの病気を併発しやすいと言われています。

この症状の原因は、キャッシングやカードローンで僅かな額を借り入れることから始まります。
住宅ローンや自動車ローンのような多額のローンがきっかけになることは少なく、ちょっとやりくりが大変だという時に、気軽にお金を借りたことが引き金となるようです。

ただ、少額の借入は多くの人が経験していることで、全ての人が借金依存症になる訳ではありません。ほとんどの人はキャッシングに手を出しても、これ以上借りるのは止めようと歯止めが効くものです。

しかし、借金依存症になる人は、その後も借入を繰り返してしまいます。

1回目よりも2回目、2回目より3回目と、回数を追うごとに額が大きくなるのも特徴で、気が付くと借金が常態化しています。

最初のうちは、借金するときに罪悪感や後ろめたさを感じますが、回数を重ねるごとにその感情が麻痺してきて、金銭感覚自体も狂ってくるので、収入を超えた借り入れをすることに抵抗がなくなります。

最近はATMから簡単に借入できるので、借金をしているというよりは、預金口座から貯金を引き出すような感覚になってしまうのです。

借金依存の症状が進行すると、多重債務、自己破産、最悪のケースでは自殺といった問題を引き起こすことがあるので、本人はもとより家族を含めて十分注意しなければなりません。

(2) 借金依存症の兆候

借金依存症は、初期のうちは周りも気が付きにくいのが特徴です。

しかし、依存の兆候にいち早く気が付けば、早期に対処することができます。
以下の兆候が見られたときには要注意です。

ストレスを抱えている

借金依存症になる人は、何らかのストレスを抱えているケースが多く、浪費やギャンブルなどでストレスを発散するうちに借金を重ねていきます。

最初はお金を得るために借金をするのですが、そのうち借金できると精神的に安定し、借金できないと不安定になります。

ストレスを抱えていれば必ず借金依存症になるわけではありませんが、症状の引き金の1つであることは確かです。

高額商品ばかり買う、浪費が激しい

収入に見合わない高額商品を平気で購入する人も要注意です。

借金依存の前に買い物依存になっている可能性も高く、その場合は、お金がなくなった段階で借金をしてでも購入するようになります。

また、目にしたものを無視できず、強迫的に買い物や浪費をしてしまうこともあります。
このパターンは買わずにはいられない精神状態で、買い物依存症を発症している可能性が高いでしょう。

買い物をするために平気で借金を重ね、そのうちに借金が当たり前になっていきます。

[参考記事]

買い物依存症になる原因と対策・治療法。借金問題は弁護士へ

生活費がなくても危機感がない

生活費がなくても危機感を感じない場合も要注意です。

借金依存症は金銭感覚のマヒからくるもので、「必要最低限のお金がなくても平気」という場合は赤信号です。
生活に必要なお金がない=借金をすれば良いという思考回路であれば、すでに借金依存の入り口に立っていると言えます。

生活費だけでなく、いつもお金を巡る混乱の中で生活をしており、収入もギリギリという場合は、常にお金のストレスを抱えているので、何らかのきっかけで借金依存に陥っても不思議ではありません。

借金依存症は本格化しても自覚に乏しく、なかなか一人では解決するのは難しい症状です。

上記の項目に当てはまり、周りに借金依存症の可能性がある人がいる場合は、しっかり対処をする必要があります。

【本人は返せると思っているうちに依存状態になる】
借金依存症の人は、かなり症状が進行しても「自分は計画通りにお金を借りていて、依存していることはない」と信じています。借金を何度も繰り返し、いよいよ家族などに迷惑がかかり始めても、本人だけは大丈夫と思っていて、周りが止めるように言っても聞く耳を持ちません。
この頃にはキャッシングだけでなく、友人・知人からも見境なく借り入れを始めることもあるようです。
また、借金依存は常に借金をしていないと落ち着かないので、極限状態まで追い詰められても自己破産をしようとしません。
多重債務で滞納を続けて放置すれば、取り立ては激しくなり、挙句の果てには給与や財産は差し押さえられ、家族の生活も破滅してしまいます。

2.借金依存症の家族に対してできること

「家族や友人が借金依存症かも…」と思い当たる場合は、以下の方法で対策をとりましょう。

(1) お金は貸さない

借金依存症の人は症状の自覚がありません。「まだ返せる」と思い込んでいることがほとんどです。
そのため、まずは借金を申し込まれたらお金を貸さないようにしましょう。

借りられないことで自信を無くして不安定になるようであれば、専門的なカウンセリングが必要となります。

(2) 借入できない状況を作る

借金依存症の疑いのある人がキャッシングを繰り返すようであれば、日本貸金業協会の貸付自粛制度を利用するのも一案です。

「貸付自粛制度」は浪費癖のある人に貸付をしないようにする制度で、自ら申し出ることによって一定期間、申し込みをしても貸付を自粛してもらうことができます。
この制度を利用することで、衝動的な借金を防ぐことが可能です。

なお、親族などが申し込む場合は、本人を説得する必要があります。

貸付自粛制度の利用が無理であれば、クレジットカードの使用の禁止を約束することも効果的です。

(3) 医療機関・カウンセリングに同行する

借金依存症を治すには、依存症であることを自覚することが非常に重要です。
借金依存症は特に自覚に乏しくなりがちなので、家族が説得をして本人に自覚させるのは難しいことかもしれません。

この場合、専門の医療機関に相談し、適切な治療を行うことが有効でしょう。
以下で紹介する専門的な機関に一緒に相談にいくことをおすすめします。

3.借金依存症の相談先

借金依存症の主な相談先は、医療機関、自助グループ、精神保健福祉センターの3つです。

(1) 医療機関(精神科)

借金をやめようと思っているのにやめられない場合は、精神科のカウンセリングが有効です。

何らかの依存症になっている場合は、本人の意思の弱さでなく、脳が衝動的にその行為を欲しているので、素人が気合だけで治すのは困難です。

精神科に行く際も、依存症の治療のプログラムが充実しているクリニックを選びましょう。

治療は症状に応じて、カウンセリングや薬物療法によって進められていきます。

(2) 自助グループ

自助グループに参加するのも効果的です。現在、各地に買物、ギャンブル、借金依存症を克服する自助グループがあり、独自の回復プログラムに参加することで、社会復帰を目指します。

自助グループでは同じ悩みを持った仲間とともに、悩みを分かち合いながら治療を進めていきます。

プログラムも集団で行うので、環境面でも途中挫折することなく治療を続けやすいでしょう。

(3) 精神保健福祉センター、保健所

各都道府県の精神保健福祉センター(こころの健康センター)、市町村の保健所でも依存症の相談を受け付けています。

こうした機関では、本人はもとより家族が相談することも可能です。依存症は「否認の病気」とも言われ、自分が病気であることを認めないまま症状が悪化していきます。

そのため、本人だけでなく、家族など周りの人も正しい知識を持って問題に対処していくことが肝心です。

各自治体で対応は異なりますが、センターごとに医師、保健師、看護師、臨床心理士などの専門職員が配属され、デイケア、家族会などもあるので、相談を希望する場会は直接電話かHPから問い合わせてみましょう。

4.借金依存で借金を返せないときの対処法

もし、借金依存で借金を返せなくなった場合は、治療と並行して借金を整理することをおすすめします。

借金を法律的に整理することを債務整理といい、手続きが認められれば借金を減額または全額免除してもらえます。

債務整理には主に3つの制度があり、任意整理、個人再生、自己破産のうちのいずれかを選択します。

  • 任意整理…将来の利息を免除してもらうことで、借金を減額する制度です。減額幅は少ないものの利用者は多く、裁判所に行かずに、債権者との話し合いだけで手続きすることが可能です。利息の支払いだけに追われているような状態であれば、任意整理でも大分楽になります。
  • 個人再生…借金をおよそ1/5まで減額できる制度です。減額幅が大きいので比較的高額の借金を抱えている人に適しています。自宅を手放すことなく手続きできるので、自分名義のマイホームを持っている人におすすめの制度です。
  • 自己破産…借金を全額免除する制度です。自宅や車など高価な財産は処分されて、債権者に配当されますが、99万円までの現金や身の回り品は手元に置いておくことができます。
    減額されても借金を払いきれない場合は、自己破産一択となります。

5.まとめ

借金依存症は本人の自覚がないままに症状が進行するので、悪化する前に周りの家族が対処することが大切です。

もし、借金依存症の兆候が見られる場合は、クリニックや行政機関に相談するのが良いでしょう。
また、もし既に返済できないほどの借金を抱えている場合は、弁護士に債務整理の相談をすることをおすすめします。

泉総合法律事務所は債務整理の経験が豊富にございますので、ご相談頂ければ、それぞれの方にとってベストの解決方法をご提案させて頂きます。
相談は何度でも無料ですので、どうぞ一度お気軽にお越しください。

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