サブリースの問題点-実際のトラブルと対処策について

借金返済


一昨年、レオパレス21のサブリース契約を巡り、集団訴訟が相次いで提起され、国もサブリース会社にリスクの説明を徹底させるなど、対策をとりだしました。

そもそも、サブリースはなぜ台頭してきたのか、また、実際にどのような問題が起きているのかを解説します。

1.サブリースが台頭してきた背景

数年前から問題となっている不動産投資のサブリース。集団訴訟が起こるほど普及したのは、どのような背景があるのでしょうか。

・2015年からの相続税基礎控除縮小・相続税対策

サブリース台頭の理由の1つは2015年の相続税の改正があげられます。

相続税の基礎控除は法律改正により以前の6割に縮小。また、法定相続による取得金額が2億を超える場合は、相続税の税率もUP。これらは、実質的な増税であり、特に資産家にとって相続税対策は喫緊の課題となりました。

そのことが不動産投資のサブリース契約を後押しすることになったのです。

・超低金利による運用難

2016年1月29日に日銀がマイナス金利を導入。超低金利時代の現在、資産運用によるメリットは小さく、預貯金の利息収入はあてになりません。

その代わりとして、低金利に乗じてアパート経営に乗り出す人が増加。サブリースが新たな投資として注目を集めたのです。

・高齢化社会と年金に対する不安

人生100年時代とも言われる現在、65歳で定年退職をした場合、老後は単純計算で35年です。

長く元気でいられることは素晴らしいことですが、少子高齢化社会で年金制度に不安を持つ人も少なくありません。

そのため、年金の代わりとなる不動産投資に走る人は多く、特に長期家賃保証をするサブリースが注目を浴びたのです。

・副収入への期待

終身雇用制度が過去のものとなった現在、非正規雇用が拡大し、正社員でも景気次第でいつリストラが行われても不思議ではありません。

雇用情勢が不安定な中で、新たな収入源の確保を考える人は多く、副業認可が拡大したこともあり、副収入を得る手段として不動産投資が人気を集めています。

・金融機関の不動産融資拡大

2013年に日銀が金融緩和策を導入して以降、金融機関の不動産融資は拡大。2017年には減少し、不動産融資に一服感はあるものの、それまではサブリースも例外なく積極的に融資されていたのです。

2.実際に起きているトラブル

サブリースを巡って、実際にどんなトラブルが起きているのでしょうか?

・レオパレス21の集団訴訟について

レオパレス21は地方の地主にアパート経営を提案し、その物件を一括借り上げ&家賃収入30年保証でサブリースすることを売りに、建築請負業として業績を伸ばしてきました。

しかし、2008年のリーマンショックでレオパレスは業績が悪化。また、地方は入居者が集まりにくく、空室が目立つ物件も少なくありません。

そうした中で、当初契約では10年間家賃は不変だったのにも関わらず、経営悪化を理由にオーナーに対し家賃減額、または借り上げ契約解除を求めたのです。

オーナーがローンでアパートを建設している場合、家賃収入が減れば返済が困難になります。

そこでオーナーは集団訴訟を起こし、レオパレス側に家賃保証を求めたのです。

2016年以降は、数十~数百人規模の訴訟が相次いでおり、家賃の返還請求訴訟に発展しています。

・「家賃保証」についての明確な説明がない

家賃保証について、明確な説明がないことも問題視されています。

レオパレスは家賃収入30年保証を謳っていますが、10年後からは見直しがあることを理解しないまま契約に至るオーナーも少なくありません。

空室があっても、当初契約した家賃が30年間入ってくる、と思って契約する人は多く、オーナー側の知識不足につけ込んで契約が交わされている点は大問題です。

・近隣と異なる低い家賃補償額

サブリースは家賃保証をしますが、相場より安い家賃で賃貸契約が行われていることも多く、家賃保証自体が低く抑えられているケースもあります。

相場より家賃が安ければ空室リスクは減りますが、そもそも利益が上がりません。

それならば、サブリースにせず、空室リスクを抱えても自分で経営したほうが良いケースも多いのです。

・サブリース会社の家賃減額請求

サブリース会社とオーナは賃貸借契約を結んでおり、サブリース会社はオーナーに対し、契約途中に家賃の減額請求を行うことが可能です。

その請求が通らない場合は、契約解除できることをちらつかせ、オーナーに不利な契約を飲ませるのです。

・リフォーム・修繕費の法外な請求

サブリース会社はオーナーに対し、リフォーム・修繕費用を請求することも可能です。

中にはオーナーに対し法外な額を請求し、利益を上げるサブリース会社も存在します。

しかし、実際には大した修繕も行われていないこともあり、管理費に関する不透明さも問題視されています。

・解約したくても簡単に解約できない

オーナーとサブリース会社は貸主と借主の関係にあり、法律上、退去に関しては借主が保護されています。

そのため、不当な契約で解約をしたいと思っても、オーナー側は正当な理由がないと契約解除できません。

オーナーがサブリースをやめて自主経営をしたいと思っても、簡単には解約できないので、その点も問題と言われています。

3.賃料減額請求をされた場合の対処法

サブリースでは会社の経営状況や物件の空室状況により、賃料減額請求をされることがあります。

しかし、オーナーは請求を一方的に飲まされる必要はありません。サブリースは基本的に賃貸借契約であり、賃貸料についてはオーナーとサブリース会社の双方が交渉可能です。

もし、空室が理由で賃料減額交渉を持ちかけられた際は、合意する前に以下の提案をしてみましょう。

(1) 転借人募集条件の緩和

物件に人が入らない場合は、転借人(入居者)募集の条件を緩和しましょう。

アパート選びは人によって条件が異なります。立地、部屋の広さ、駐車場、窓の方角などはどうしようもありませんが、ペット可能、ルームシェア可能、楽器演奏可能といったことは大家さんの判断で変更可能です。

絶対にペットと暮らしたい、という希望を持った人であれば、駅から遠くてもその物件を選んでくれる可能性はあります。特に立地が不利な場合は物件に付加価値をつけるのは不可欠です。

(2) リフォームに協力姿勢を示しながら安易に妥協しない

古いアパートは人が入らないので、リフォームの要請があれば協力姿勢を示しましょう。

もしリフォームに協力しない場合は、サブリース会社は賃料減額請求をせざるを得ないので、いたずらに反対するのは得策ではありません

しかし、安易に妥協すると高額なリフォーム費用をとられる可能性もあるので、交渉にはある程度慎重に臨む必要があります。

(3) 請求に応じない根拠を提示する

家賃減額交渉をされた場合、請求に応じない場合は、その根拠を提示しましょう。

周辺家賃相場をチェックし、減額が不当であることを提示できれば、減額を回避できる可能性もあります。

請求されても困らない具体的根拠を予め調査し、日頃からいざというときのための資料は集めておきましょう。

4.サブリースで赤字が止まらない場合

(1) サブリース会社の変更を検討

サブリースで家賃減額をされ、赤字になった場合はサブリース会社の変更を検討しましょう。サブリース会社は沢山あるので、乗り換えることも十分可能です。

サブリース会社を変えるときは、契約内容はもちろん、担当者の対応経営状態などをしっかり調べる必要があります。

近年、サブリース会社が倒産する事例もあり、その場合は家賃保証を受けられなくなります。

そうしたリスクを回避するためにも、サブリース会社の経営状態には目を光らせる必要があります。

(2) サブリース契約を解除して自分でアパート経営

サブリース契約で赤字になる場合は、いっそのこと契約を解除して、自力でアパート経営をしましょう。

サブリースで既に赤字であれば、空室を抱えても自分で経営したほうがマシなケースも少なくありません。自分で経営すれば家賃は満額入り、今後不当に下げられることもありません。

いつまでもサブリース会社に振り回されるよりは良い結果になるでしょう。

(3) 債務整理の検討

サブリースで多額の借金を抱え、どうしても払えなくなった場合は、債務整理をおすすめします。

債務整理は借金を法律的に解決する制度で、借金を合法的に減額、または免除してもらうことが可能です。
債務整理には、任意整理個人再生自己破産があり、借金額と収入に応じてベストの方法を選択します。

  • 任意整理…借金を減額する制度で、比較的額が少ない場合に適しています。
  • 個人再生…借金を大幅に減額する制度で、比較的額が大きい場合に適しています。借金額はおよそ1/5程度に減らすことができます。
  • 自己破産…借金を全額免除する制度です。その代わりに一部の現金を除く財産は没収されます。

債務整理をすると、以後数年は借入ができなくなりますが、サブリースで何千万円も借金を抱え、返済に困っているのであれば、債務整理するのは決して悪い話ではありません。

債務整理=自己破産=全財産を失う…というイメージをお持ちの方もいると思いますが、任意整理や個人再生であれば、財産を没収されずに借金を減らすことも可能です。

借金問題は対処が早いほど、解決の選択肢も増えるので、お困りの方はぜひ一度専門家に相談されることをおすすめします。

5.まとめ

現実にサブリースを巡っては、様々な問題が起きています。

もし、サブリースなど不動産に関するトラブルで借金問題となっていたら、泉総合法律事務所にご相談してください。専門家である弁護士が最後までサポートさせていただきます。

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