学生なのにパチスロにはまって借金…自己破産はできる?弁護士に相談

借金

学生なのにパチスロにはまって借金…自己破産はできる?弁護士に相談

パチスロは、いったんはまるとなかなか抜けられないものです。

学生でも、パチスロにはまってしまい、資金がなくなって借金してしまうことがあります。自力で返すことができればよいのですが、負けが込んでくると、さらに多くの借金を重ねてしまうことも多いので、注意が必要です。

借金が膨らみすぎて返済できなくなったら、どのように解決したらよいのでしょうか?

今回は、学生がパチスロにはまって借金をしてしまったときの適切な対処方法について、弁護士が解説します。

1.パチスロの年齢制限

そもそも、学生はパチスロやパチンコをすることができるのでしょうか?

パチンコをすることが認められているのは、基本的に18歳以上の人です。
17歳以下の人は、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)や、その施行のための各自治体の条例により、パチンコ店での遊技が禁止されています。

学生でも、18歳以上なら合法的にパチンコをすることができます。大学生は通常18歳以上ですから、堂々とパチスロをすることができるということになります。

大学生になると、「大学に入った、大人になった」という解放感や達成感がありますし、新しいことをやってみたいという欲求に駆られるものです。
また、大学に入ってバイトをすると、これまでにはなかった収入を得ることもできるので、「パチンコでもやってみるか」といった軽い気持ちがきっかけでパチンコ店に足を運ぶようになる大学生が多いです。

大学生がパチンコをすることは違法ではないので、収入の範囲内で興じるのは自由です。
しかし、実際にはパチンコには人を中毒にさせる魅力があるので、パチンコにはまりすぎて、抜けられなくなる学生も少なくありません。

2.パチスロの借金が膨らむ理由

パチンコをすると、借金が膨らんでしまうことが多いので注意が必要です。

(1) 依存性

パチンコには、人を取り込む「依存性」があります。

パチンコ台は、アニメなどとタイアップして、にぎやかで楽しげな雰囲気に作られています。そして、当たると「大当たり」となり、一気に数万円お金が入ってくることもあります。

人間は、一度このように楽して大金を得ると、味を占めてしまいがちです。その後、負けが込んできても「もう一回勝ったら取り戻せる」などと考えて、さらに投資してしまうのです。

損失が膨らんできたら止めれば良いのですが、「ここまで損したのだから、今止めると損したまま。勝つまでやらないと損になる」などと考えて止められず、さらに損失が膨らんでいきます。

結局、資金が足りなくなって、消費者金融やカードローンなどで借金をしてしまいます。

(2) 闇金

パチスロにはまって借金が膨らみ、まともな金融機関では借りられなくなってしまい、闇金(ヤミ)金に手を出してしまう学生も少なからず存在します。

闇金に手を出してしまうと、場合によっては親の勤務先にまで督促が来ることがありますので、絶対に闇金に手を出してはいけません。

パチスロをするときには、こういった借金のリスクがあることを、十分に認識しておく必要があります。自分でお金の管理ができないなら、たとえ18歳以上になったとしてもパチスロに手を出すべきではありません。

3.学生が借金をする危険性

学生のうちから借金をすると、社会人が借金するより不利益が大きいです。以下で、その理由を説明します。

(1) 借金癖が身についてしまう

1つは、若いうちから借金癖が身についてしまうことです。
借金をする人は、人生において何度でも繰り返すものです。反対に、借金をしない人は、一生一度も借金しないことが普通です。

どうしてこのような差が生じるのでしょうか?

それは「借金に対する親和性」です。自分の中で、借金することが普通になってしまっているため、平気で借金をしてしまいます。20歳前後の人格形成期に借金に手を出してしまうと、その後の人生においても借金しやすくなり、借金体質になってしまいます。これは非常に危険です。

(2) 将来が台無しになる可能性がある

大学生は、本来勉強をするために学校に通っているものです。高額な学費も払っています。しかし、借金をすると、返済に追われて勉強どころではなくなってしまいます。

借金返済のためにバイトを頑張らないといけないため、学校に行けないこともありますし、その分、自宅で勉強するかと言えばできないケースの方が多いでしょう。その結果、試験にも合格できず、場合によっては試験そのものを放棄してしまったりすることもあります。

留年を続けて卒業ができなくなったり、最終的には自主退学してしまったりするケースもあります。

また、借金しているからといって就職ができないわけではありませんが、借金に追われながら就職活動も並行して行うのは、なかなか大変なものです。パチスロの借金のせいで、就職活動がおろそかになって、思うような企業に就職できない可能性もあります。

借金があると、大学生の将来が台無しになってしまうリスクがあります。

(3) 親に迷惑をかける

学生は、バイトをしているとは言っても返済能力は低いものです。
そこで、学生が借金をすると、結局は周囲に頼ることになってしまいます。まず頼るのは親でしょう。

通常、学生は「親に迷惑をかけたくない」「親に借金を知られたくない」「パチスロにはまっていることは、秘密にしている」という人が多いのではないでしょうか。

しかし、借金が膨れ上がると、そのようなことは言っていられません。親に迷惑をかけることになりますし、親から怒られて、「何をやっているんだ」と言われてしまいます。

親に学費の支払をしてもらえなくなるかもしれませんし、下宿を辞めさせられて、実家から遠い大学まで通学するように言われるかもしれません。

(4) 友人や恋人を失う

借金をすると、返済のために周囲の友人や恋人に頼ることが多いです。
友人や恋人も、当初は「いいよ」と言って貸してくれるかもしれません。しかし、返済ができないと「早く返してくれ」「約束が違う」ということになり、トラブルになります

借用書を作る、作らないでトラブルになることもありますし、恋人と会う度にお金の話ばかりしていては、何の楽しみもありません。
借金が原因で、大切な友人や恋人を失うこともあるので、注意が必要です。

(5) 今しかない若い時間が無駄になる

20歳前後の大学生の時間は、非常に貴重です。

友人や恋人と出掛けることもよいですし、1人でバックパックの旅行に行くのもよいでしょう。いろいろなバイトを経験したり、学校でたくさんの知識を得たり、ボランティア活動をしたり、美術館や博物館に行ったり、美味しいものを食べたり、スポーツに精を出すのもよいでしょう。

しかし、借金があると、こういったことはすべて難しくなります。貴重な4年間が、「借金返済」一色になってしまうのですから、もったいないとしか言いようがありません。

以上のように、学生が借金をすると、大人が借金するよりもリスクが高いので、学生の方は、絶対に借金しないようにしましょう。

4.未成年の借金を取り消せる場合

未成年の借金を取り消せる場合

(1) 未成年取消とは

ところで、今の法律では、20歳以下が未成年者となっています。

民法は「未成年者が法定代理人(普通は親)の同意なく法律行為をした場合には、取り消すことができる」と規定しています(民法5条2項)。借金も、法律行為に含まれます。

そこで、18歳、19歳の学生が、1人で消費者金融などから借金をした場合には、その借金を取り消すことができます

借金を取り消した場合「現存利益」の範囲内で返済をすればよいと考えられています。現存利益というのは、現在残っている利益のことです。つまり、手元に残っている分だけ返済すればよいということです。

つまり、30万円借りて、パチンコに20万円使ってしまっていたら、残り10万円だけ返せば返済義務がなくなります。

①未成年取消をする方法

未成年取消を行うときには、未成年者名や親の名前で、借入先に対し、内容証明郵便で、契約の取消通知を送りましょう。親に言いたくない場合、未成年者が単独で取り消すことも可能です。

その後、業者と話をして、残った分だけ返せば借金から解放されます。

②未成年取消ができないケース

ただし、未成年取消が認められないことがあります。

1つは、未成年者が「詐術」を使ったケースです(民法21条)。詐術というのは、相手を騙して契約をしたことを意味します。たとえば、未成年者が、成人していると見せかけるために積極的に働きかけた場合や、他人の身分証明書を使って契約した場合などには、取消は認められません。

また、親が同意していた場合にも、取消はできません。

さらに、未成年であっても、結婚すると成年として擬制されるので、やはり取消が認められなくなります。

5.パチスロの借金を完済する方法

20歳以上になっているなどの事情で借金を取消すこともできず、借金が残る場合には、完済する方法を検討しなければなりません。

以下で、その方法を紹介します。

(1) 自力で返す、周囲に頼る

1つ目は、自力で返す方法です。バイトを増やして何とか返済をしたり、親、友人、恋人や親族などに頼ったりする方法もあります。
ただ、バイトばかりしていると、上記のように借金に追われて大切な学生生活が無駄になりますし、周囲に頼ると、迷惑をかけたり人間関係を崩したりするデメリットが大きいです。借金額が小さくて簡単に返済できる場合以外は、別の方法を検討すべきでしょう。

(2) 任意整理する

そこでおすすめする方法が、任意整理です。
任意整理とは、債権者と直接交渉し、利息をカットした金額を3年~5年くらいかけて支払っていく手続です。

たとえば、30万円の借金がある場合、月々5000円(5年払いの場合)~8300円(3年払いの場合)程度まで、返済額を減らすことができます。

このように、支払いが楽になるので、負担なく返済を継続していけます。学生であっても、無理矢理バイトを増やしたり、周囲に頼ったりしなくても、完済することが可能です。

(3) パチスロを辞めることは鉄則

パチスロの借金を完済するときに、絶対条件となるのは「パチスロを辞めること」です。

パチスロにはまったままでは、借金を完済しても、また借入をしてしまいます。

冒頭でも説明しましたが、まともな金融機関から借入ができなくなると、闇金に手を出してしまう人も多いです。そのようなことのないよう、パチスロとはきちんと縁を切って、借金しない生活習慣を身に付けましょう。

6.学生は自己破産できるのか?

(1) 任意整理できないケース

さて、学生がパチスロのために借金をするとき、借金額が意外と膨らんでいることがあります。そのようなときには、任意整理によっても解決が難しくなります。

たとえば、100万円の借金がある場合、5年返済にしても月に16000円以上の支払いが必要です。200万円なら、33000円程度の支払いが必要です。学生の収入では、このような金額を毎月支払うことは簡単ではありません。

(2) 自己破産とは

借金の支払いができない状態であれば、自己破産しなければなりません。

自己破産すると、借金の支払い義務を完全に0(ゼロ)にしてもらうことができるので、借金返済は一切不要になります。
1円も返さなくてよくなるので、バイトをする必要もなくなりますし、借金から解放されて、勉強やその他の学生生活に専念することができます。

(3) 学生でも自己破産できる

ただ、「自己破産」というと、世間では大変なことだというイメージもあります。「そもそも学生が自己破産できるのか?」と疑問を持たれることもあるでしょう。

この点、学生でも、借金があって支払い不能の状態になっていたら、問題なく自己破産することができます。
破産法やその他の法律によっても、未成年であることは、自己破産できない事情とされていません

(4) 未成年者が自己破産するときの注意点

ただし、未成年者が自己破産するときには、単独ではできないため、法定代理人による同意が必要です。つまり、18歳や19歳の学生が自己破産するには、親に同意してもらわないといけないということです。
未成年の場合、基本的に、先にご紹介した未成年者取消によって対応すればよいのですが、詐術などによってどうしても取消ができない場合には、親に正直に話して自己破産を進めましょう。

7.免責不許可事由について

(1) パチスロは免責不許可事由になる

ここまでお読みになった方の中には「パチスロの借金は、自己破産できないのでは?」と考えた方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、自己破産には、「免責不許可事由」があります。免責不許可事由とは、その事情があると、「免責」が認められなくなる事情のことです(破産法252条1項各号)。

免責とは、借金を免除する決定のことですから、免責が認められないと、借金がなくなりません。
そして、浪費やギャンブルは、典型的な免責不許可事由です(破産法252条1項4号)。

パチスロをして借金を作ってしまっていたら、免責不許可事由に該当してしまいます。

(2) 年齢を偽っていても自己破産できる

免責不許可事由には「詐術を使って借金した場合」というものもあります(破産法252条1項5号)。

未成年者が借金をするとき、借入先に対して年齢を偽るなどして、詐術を使っていることがあります(民法21条)が、このような場合でも、「詐術」があるので、自己破産できなくなってしまうのでしょうか?

実は、そのようなことはありません。

民法21条の「詐術」と、破産法252条1項5号の「詐術」は、意味が異なるからです。
民法21条の「詐術」は、年齢を積極的に偽り「未成年ではない」として、相手を騙したケースです。

これに対し、破産法252条1項5号の「詐術」は、無職無収入でまったく貯蓄もない状態で、支払う気持ちもないのに借金したり、すでに借金がかさんでいて、到底借金返済できないのに「支払えます」と言って騙してお金を借入れたりしたことを意味します。

年齢を偽り、成人であると言って騙しても、当初は支払う気持ちと能力があったのであれば、破産法252条1項5号の「詐術」には該当しません。問題なく、自己破産によって免責を受けることができます。

ただし、未成年であっても、すでにパチスロでたくさんの借金がかさんでいて、もはや返済できる状態ではないのに、あえて収入があると見せかけて借金したようなケースでは、破産法252条1項5号の「詐術」があると評価されてしまう可能性があります。

8.免責不許可事由に当てはまった場合

パチスロが借金の原因になっていると、基本的に「免責不許可事由」となります。
ただし、その場合でも、実際には免責を受けられる可能性が非常に高いです。

なぜなら、破産には「裁量免責」という制度があるためです。

裁量免責とは、免責不許可事由がある場合であっても、裁判所が総合的に判断して免責相当だと判断する場合には、免責を認めてよい、という制度です。
実際には、免責不許可事由がある場合であっても、ほとんどの事案で免責が認められています。

免責不許可になっているのは、破産の全体件数のうち、1%程度に過ぎません。具体的には、相当に悪質な場合や、自己破産を何度も繰り返しているような事案に限られます。

したがって、学生がパチスロにはまってしまい、数十万や数百万円の借金ができてしまったという場合でも、免責を受けられる可能性が高い、と考えて大丈夫です。

9.学生でも躊躇(ちゅうちょ)せず弁護士に相談を

自己破産すると、しばらくの間、ローンやクレジットカードを使えなくなりますが、5~10年程度が経過すれば、そういった制限もなくなります。
また、借金返済に追われている時間は、とにかく「もったいない」の一言に尽きます。

弁護士に手続を依頼したら、親に知られずに自己破産の手続をしてしまうことも無理ではありません。もちろん、学校や友人、恋人などに知られることもありません。

また、ご本人の可処分所得次第ですが、任意整理で解決ができる可能性も十分あります。

借金が返せない場合「まだ学生だし…」と躊躇(ちゅうちょ)せずに、一歩を踏み出して債務整理をしましょう。どうか一人で悩まずに、債務整理手続の経験豊富な泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

債務整理コラム一覧に戻る