シングルマザーで教育費が不足した結果借金生活になってしまったら?

借金返済

シングルマザーで教育費が不足した結果、借金生活になってしまったら?

シングルマザーの家庭では、相対的貧困率が50%を超えています。あなたの家庭の状況は如何でしょうか?

子供の教育費のために借金せざるを得ない、借りたお金を返せないという人も多いでしょう。

ここでは、シングルマザーで生活に苦しむ方々に向け、その解決策を説明していきます。

1.シングルマザーの置かれた現状

現在の日本では、離婚は決して珍しくありません。実際、子供の8人に1人はひとり親世帯で生活しているという統計も出ています。

近年言われる子供の貧困の問題は、ひとり親世帯、とりわけシングルマザーによる養育と密接な関係にあります。

実際にひとり親世帯の85%は母子世帯と言われており、多くの母子が貧困に直面し、深刻な社会問題にも発展しています。

(1) 母子家庭の貧困率は高い

厚生労働省「平成28年・国民生活基礎調査の概況」を見ると、平成 27 年の貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)は122 万円で、それを下回る等価可処分所得しか得られない人の割合を表した「相対的貧困率」は15.6%です。

これは全国民を対象とした調査におけるデータです。

ちなみに、等価可処分所得とは、収入から社会保険、税金などを引いた、いわゆる「手取り金額」のことを言い、平成27年度で言えば、手取りが年間で122万円を下回ると貧困状況にあると判断されます。

その割合が15.6%ということは、日本人のおよそ6~7人に1人が貧困状況にあるということになります。また子供の貧困率(17 歳以下)については全体の13.9%です。

さらに、調査対象を「子供のいる現役世帯」に絞ると、貧困率は12.9%と全体よりやや数値は下がりますが、問題はふたり親とひとり親の間で数字が大きく異なる点です。

世帯の構成別に見ると、大人二人世帯の貧困率は10.7%であるのに対し、大人一人世帯の貧困率は50.8%です。

この数字を見る限り、ひとり親世帯の2件に1件は貧困状態にあることが分かります。そしてその大部分は母子家庭なのです。

この数字はOECD諸国の中でも群を抜いて高く、とりわけ児童のいるシングルマザーは生活の苦しさを実感している人が多く、厚労省の調査でも全体の約83%は「生活が苦しい」という回答をしています。

2.貧困から抜け出せない理由

シングルマザーが貧困から抜け出せないことには構造的な問題があります。主な理由は以下の3つです。

(1) シングルマザーの5割以上が非正規雇用

シングルマザーが貧困状態にあるのは、5割以上が非正規雇用であることに原因があります。

シングルマザーは仕事と子育てを両立させる必要があるので、時間の融通のきくパート、アルバイト、派遣といった就労形態で働かざるを得ない人も多いでしょう。

また、正社員を希望しても子供がいることで敬遠されることも少なくありません。

非正規雇用の収入の平均は125万円。この数字は正規雇用と比較しても大幅に下回っています。

平均値が相対的貧困ギリギリの収入となると、非常に厳しい生活をしている母子家庭が多いことが分かります。

(2) 親が働いていないひとり親世帯の貧困率は50.4%

シングルマザーは働いても貧困から抜け出すことが難しいという側面があります。

現実的に、ひとり親世帯で親が働いていないケースの貧困率は50.4%で、働く親がいる場合の貧困率についてもほぼ横ばいの50.9%です。

ひとり親が働いても働かなくても貧困率が変わらないということは、就労による収入が如何に少ないかを如実に表しています。

(3) 離婚後の養育費の未払い問題

シングルマザーの貧困の原因には養育費の未払いもあります。現在離婚した母子家庭のおよそ8割は養育費が未払いであると言われています。

離婚後に養育費の取り決めをしても、その後は不履行という事態が横行しており、泣き寝入りしている人が大半というのが現状です。

そうなると、まさに女手一つで子育てをしなければならず、シングルマザーの生活は困難を極めます。

こうした事態を受けて、2016年には法務省が民事執行法の改正の検討に入りました。

法律が改正されれば、養育費を支払う義務のある人の銀行預金口座の有無を銀行に照会できるようになります。

そうすると、裁判所は元配偶者の給与や預貯金を差し押さえることができるので、強制的に養育費を回収することが可能となります。

法務省は「改正民事執行法」を2018年以降に国会に提出予定とのことで、この法律が改正されれば、養育費の未払い問題が解決する日は近いかもしれません。

【参考】離婚した相手が借金まみれでも養育費を受け取るにはどうすればいい?

3.シングルマザーの貧困の解決策

シングルマザーの貧困の解決策

シングルマザーの貧困を解決するには一体どうしたら良いのでしょうか。

問題を根本から解決するのは就労収入と非就労収入の両方の増収が必要ですが、解決に時間を要するものもあります。

しかし、以下の4つの制度については、速やかな収入増および生活の負担軽減につながるので、シングルマザーの皆さんは是非チェックしてください。

  • 児童扶養手当
  • 母子父子寡婦福祉資金貸付金
  • 生活保護
  • 債務整理

(1) 児童扶養手当

児童扶養手当は離婚や死別で片親になった児童がいる親(扶養者)に支給される手当です。

当該の児童が片親と生計を同一にしていないことが受給要件となるので、この他にも父親(または母親)の暴力や遺棄、行方不明などで同居できない場合も含みます。

対象となる児童の年齢は0歳~18歳で、児童が18歳の誕生日を迎えたあとの最初の3月31日(18歳の年度末)まで支給されます。

平成28年8月以降の厚生労働省の規定による支給額は、全部支給で対象となる児童が1人の場合は月額 42,330円で、2人いる場合は上記金額に10,000円を加算、3人目以降はさらに6,000円ずつ加算されます。

児童扶養手当は所得によって支給額が変わるので、一部支給となった場合は対象児童1人あたり月額 42,320円~9,990円と幅がでます。

二人いる場合は9,990円~5,000円の加算、3人目以降は5,990~3,000円と、児童が複数いる場合でも支給額は変化します。

所得が高額になるほど児童扶養手当の額は減りますが、シングルマザーの平均的な収入を考慮すると、大幅な減額になる人は一部の人でしょう。

ちなみに養育費を受け取っている場合は、その8割は所得とみなされます。

また、再婚や事実婚で新たな配偶者がいる場合は児童扶養手当の受給資格はなくなるので注意が必要です。

児童扶養手当の受給は市町村で受け付けています。平成29年4月以降は物価スライド制が全面的に導入されるので、詳しい金額を知りたい人、受給相談を希望する人は、最寄りの市町村へ問い合わせましょう。

(2) 母子父子寡婦福祉資金貸付金

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、ひとり親世帯の児童が就職や就学で資金が必要になったとき、都道府県、政令指定都市、中核市から貸付を受けられる制度です。

この制度は、ひとり親世帯の経済的自立を支援し、児童の福祉、成長に寄与する目的で創設されているので、基本的に無利子で貸付が行われています。

償還期間は3年から20年で、親に貸し付ける場合、連帯保証人は子供となります。

貸付金額の一例を挙げると、私立で自宅外通学の場合、高校は月額52,500円、大学は月額96,000円が上限となっています。

就職支度資金としては一般100,000円、特別330,000円が上限となっています。

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、子供が進学、就学をする際には強力な味方となります。受給を希望する場合は管轄の市役所に問い合わせをしましょう。

(3) 生活保護

生活保護は憲法で保障される「健康で文化的な最低限度の生活」の実現を保障するための制度で、自分の資産や能力を全て使っても生活に困窮する人を保護し、その後の自立を支援します。

育児で時間をとられ就労時間に制限のあるシングルマザーにとって、生活保護は非常に助かる制度です。

受給資格を得ると基本的な生活費が受給できることに加え、年金、税金は免除され、医療費、義務教育費も扶助があるので、生活は格段に楽になります。

受給金額は世帯人数や市町村によって異なりますが、たとえば横浜市の場合、子供1人の母子家庭の場合、生活扶助基準額(約7万5000円)+母子加算(約2万3千円)+自動養育加算(10,000円)+住宅扶助基準額(52,000円)でトータル約16万円の受給が可能です。

生活保護は不動産や車など、売却できる資産があると、まずは売って資金を作ることを求められますが、特に財産がない場合は失うものもありません。

パート・アルバイト収入しかない母子家庭では、生活保護のサポートは絶大です。受給要件は細かくあり、誰でも受給できるわけではありません。

しかし、特別な事情があり就労もままならないような状況であれば、受給できる可能性はあるので、一刻も早く市町村に相談することをおすすめします。

(4) 債務整理・弁護士費用も分割払いできる

シングルマザーで借金を抱えていて生活が苦しい場合は、借金を整理することが大事です。もし借金をどうしても返せないときは、法律的に問題を解決する方法もあります。

借金を減額、または免除できる制度を債務整理と言い、主に任意整理、個人再生、自己破産の3つがあります。

任意整理と個人再生は借金を減額できる制度で、自己破産は借金が全て免除される制度です。

それぞれメリットとデメリットはありますが、返済に苦しんで生活が困窮している状況であれば、債務整理に踏み切ることをおすすめします。

借金問題が解決すれば、経済的に出直すことができるので、生活は今より楽になります。

また精神的にも解放されるので、子育ても余裕をもって行うことができます。

債務整理をするには弁護士の力が必要ですが、弁護士費用もあとで分割払いが可能なので、手元に資金がなくても債務整理に踏み切ることは可能です。

今、借金に困っている人は、一刻も早く専門家に相談して問題を解決しましょう。

4.まとめ

シングルマザーの貧困は、個人的な問題に留まらず、日本の将来を担う子供たちの貧困の固定化につながる重大な社会問題です。

抜本的な解決にはさまざまな支援が必要ですが、もしその原因が借金にあれば、債務整理を1つの選択肢として、弁護士に相談いただくことが解決の早道です。

今苦しくても貧困から脱する道は必ずあります。悩みがあれば決して一人で抱えずに、適切な機関で専門家・弁護士に相談しながら問題を解決していきましょう。

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