所得税が払えない!放置せずに解決する方法

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所得税が払えない!放置せずに解決する方法

【この記事を読んでわかる事】

  • 所得税を払わないときに、どんなペナルティが発生するか
  • 専門機関に相談したら、どんな対応をしてもらえるか(税の減免制度)
  • 専門機関に相談するときのポイントは何か
  • 所得税以外にも未払い金(借金)が多い場合の対応策

自営業を営んでいる方にとって、所得税の支払いは頭の痛い問題です。所得税が高額になると支払いができなくなり、それが原因で事業が行き詰ってしまうからです。

もし、所得税が払えなくなったら、どうしたら良いのでしょうか?

ここでは所得税を払わないときのペナルティと、払えないときの対処法を詳しく解説します。

1. 所得税を払わないと、どうなるか

(1) 延滞税を課される

所得税を納付期限までに払わないと、すぐに延滞税を課せられます。延滞税は遅延損害金のようなもので、納付期限の翌日から課せられ、年利は「特例基準割合+7.3%」か「14.6%」のいずれか低い方が適用されます。

仮に100万円の所得税に対し、14.6%の延滞税が適用された場合、1ヶ月の延滞税は12,000円、1年間の延滞税は約80,829円です。滞納期間が長くなるほど延滞税は高くなり、それでも放置していると差し押さえに発展します。

(2) 財産が差し押さえられる

所得税の延滞をすると最初に「督促状」が送られてきます。その後は電話や訪問で督促が行われ、それでも延滞が続いた場合は、差し押さえのための財産調査が入ります。

その後、差押通知書が送付され、差し押さえ=強制執行が行われます。

差し押さえ対象となるのは、現金、車、不動産の他、会社の設備なども対象となります。

自営業者の場合、生活に必要な家具、台所用品、洋服、3ヶ月分の食料、仕事道具などは差し押さえの対象外なので、実際に持っていかれるものは限定的ですが、身の回り品以外で換価できそうな財産については差し押さえを覚悟しておいた方がよいでしょう。

仕事道具の例としては、Webライターの場合はノートパソコン、ケーキ屋であればオーブンなどが該当します。

差し押さえとなったときに、『財産を隠しておけばいいや』などと考えてはいけません。
所得税の滞納に限らず、差し押さえで没収されるのを防ぐために、現金や貴金属などの財産を隠した場合、「滞納処分免脱罪」という罪で刑事裁判にかけられる恐れがあります。
有罪になれば最悪懲役を課せられるので、財産隠しは絶対に行わない様にしましょう。

(3) 納税証明書が発行されない

所得税を滞納すると、納税証明書が発行されません。
納税証明書がないと銀行からの借り入れができないので、資金調達をしなければ事業の継続ができない場合は、経営に大打撃を受けることになります。

銀行によっては事業に関する融資を行う際に、納税資金も併せて貸し付けを行っている銀行もありますが、利息は非常に高いので負担は決して小さくありません。

2.所得税を払えない時の対処法

所得税の滞納で実際に差し押さえまで発展することはまれですが、延滞を放置してしまうと税務署も強制執行をせざるを得なくなります。

そのため、どうしても延滞せざるを得ない事情があるときは、放置せず、できるだけ早く税務署に相談をしましょう。

以下では、税務署に相談に行って、具体的に何をするかを解説します。

(1) 所得税の支払の意思を見せる

まずは税務署に行って支払いできない状況を伝え、支払いの意思があることを見せましょう。

事情によっては税金の猶予や減免が認められることもあります。税金の減免に関する制度は以下の通りです。

① 納税の猶予

税金を支払う意思があるものの特別な事情によって支払ができない場合、原則1年間の分割払いを認めてもらえることもあります。

納税の猶予が認められるケースは以下の通りです。

  • 地震、風水害などの災害
  • 盗難などの被害
  • 生計を共にしている親族の病気や負傷
  • 事業の廃止、休止、損失
  • 修正申告により税額が確定する

こうした事情があれば納税の猶予は認められます。申請に際しては「納税の猶予申請書」を提出する必要があり、該当すると認められた場合は納付能力に関する調査が行われます。

その後適当と認められれば正式に猶予が決定します。その後は督促や差し押さえはなくなるので、支払いができないと判断したらすぐに相談をしましょう。

② 換価の猶予

換価の猶予とは、差し押さえされた財産の換価を猶予してもらう制度です。

通常、差し押さえをされると財産は換価されて没収されますが、換価の猶予が認められると財産は換金されず、お金で分納することができます。

換価の猶予は、以下の2つの要件を満たすことで認められます。

・納税する誠実な意思がある
・換価することで生活や事業の維持が難しくなる

上記に加えて、分納できる収入の有無も認可を左右します。
換価の猶予を希望する場合は、納付期限から6ヶ月以内に税務署に申請する必要があります。
猶予の期間は1年間で、この間に分納をしなければなりません。

③ 滞納処分の停止

滞納処分とは税金が期日までに納められないときに差し押さえ、換価、配当の措置をとることです。

所得税が払えない場合、最終的に差し押さえ=滞納処分となりますが、そうなると生活が困窮する場合は、滞納処分の執行停止になることがあります。
また、差し押さえする財産がない場合も処分の停止を受けることができます。

滞納処分が停止されている間は、延滞税は免除されます。停止期間が3年間続くと納税の義務は消滅します。

④ 延滞税の免除

納税の猶予が認められると、延滞税は免除されます。延滞税は時間がたつほど増えていき、非常に重い負担となるので、免除が認められるだけで精神的にも楽になります。

猶予期間中は差し押さえになることもありません。既に差し押さえになっている財産があるとすれば、猶予の措置により差し押さえ解除になる可能性もあるので、猶予は単に納税を待ってもらうこと以上に意味のあることなのです。

3.所得税を払えないときの相談先

(1) 税務署

所得税を払えないときの第一の相談先は税務署です。支払いの意思があることを見せると、税務署はあらゆる方法を考えてくれます。

納税について誠実な態度で話し合いに臨めば、税務署は分納や支払い期限の延期に応じてくれるケースも多いようです。

誠実さを伝える上で大事なことは「できない約束はしない」ことです。合意をしたのに約束が守られないということになると、税務署からの信頼を失うことになります。逆に、正直に等身大の状況を伝えることで、担当者からの信頼を得やすくなります。

誠実さは猶予が認められる大きなポイントになるので、約束を反故にするといったマイナス要因を自ら作ることのないように気を付けましょう。

(2) 全国商工団体連合会

もし自営業の人で、税務署に取り合ってもらえない場合は全商連(全国商工団体連合会)に相談に行きましょう。全商連は民商の全国組織で、全国で600の事務所を構えています。

全商連は中小零細企業の経営者をサポートする組織で、全国で約20万人の人が全商連に入会しています。

税金に関わる相談も受け付けており、所得税を払えない場合も相談すれば適切なアドバイスを受けることが可能です。全商連の相談で助かったという自営業者は多く、猶予の申請の方法、申請書の書き方など基本的なことからアドバイスを受けることができます

もし、所得税が払えずに悩んでいたり、このままでは滞納処分になりそうな場合で、税務署に行くのを躊躇してしまう場合は、先に全商連に相談に行くことをおすすめします。

4.借金が多く、猶予を受けても所得税が払えそうもない場合

借金の額が大きい場合などは、納税猶予などを受けても、所得税の支払いに現実的な目途が立たない場合もあるかと思います。

その場合、支払いの猶予を受けると同時に、債務整理することを検討してみましょう。

税金は非免責債権なので、債務整理をしても所得税が減免されることはありませんが、借金を整理することで収支のバランスを立て直し、所得税が払えるようになる可能性は高いです。

債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産の3つの制度があります。

(1) 任意整理

任意整理は借金を減額する制度です。大抵は将来利息をカットして、残りの元金を返済する形になるので、利息の支払いだけでも膨大な額になっている人にはおすすめです。残債は3~5年かけて完済を目指します。

任意整理は裁判所を介することなく手続きできるので、家族にバレる心配もなく、官報に載ることもありません。債務整理の中では最も多く利用されている制度です。

(2) 個人再生

個人再生も借金を減額する制度です。任意整理より減額幅が大きく、借金は1/5まで圧縮することが可能で、残債の返済期間は3~5年です。

住宅を手放すことなく借金を大幅に減額できるので、マイホームを持っている人にとってはベストの選択肢と言えます。

(3) 自己破産

自己破産は借金を全額免除する制度です。その代わりに財産は差し押さえ、換価、配当されることになります。所得税を払えないときも最終的に差し押さえは行われますが、借金がある場合は自己破産で差し押さえをされる方がメリットは大きいでしょう。

自己破産をしても所得税の支払い義務はなくなりませんが、所得税滞納の場合、差し押さえする財産がない場合は滞納処分の停止となり、以後3年間状況が変わらなければ納税の義務は消滅します。

5.困ったら一人で悩まず、専門家に相談を

所得税が払えなくなってしまっている方は、資金繰りや日々の業務に追われ、誰かに相談する時間や心の余裕がなくなっているかもしれません。
しかし、滞納を放置し続ければ、延滞税や差し押さえなど、更なる不利益を被ることになります。

絶対に放置せずに、速やかに税務署や関係団体に相談に行くことをおすすめします。

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