借金返済 [公開日]2020年11月9日

強制執行で差し押さえるものがない場合|通知を無視しても大丈夫?

必要な支払いをいつまでも滞納したままだと、いつか「財産の差し押さえ」に代表される「強制執行」を受けることがあります。

これまで差し押さえを受けたことがない人でも、「差し押さえをされると財産を奪われる」というイメージはあるでしょう。

確かに、差し押さえをされると、財産は債権者(お金を貸した側)の手に渡ります。
差し押さえをした債権者は、その財産を売却するなどして債権の回収を図るのです。

「財産の差し押さえは避けたい」と思う人が大半だと思いますが、いざ差し押さえをされたとしても、お金に困っている方の場合、そもそも差し押さえをされるような財産がないケースもあるはずです。

特に処分されるような財産がない状態で差し押さえをされると、一体どうなるのでしょうか?

1.差し押さえされる財産の種類

まず、どのような財産が差し押さえられるのか、そして差し押さえられないのかを知っておきましょう。

(1) 差し押さえられる財産

差し押さえられる代表的なものを以下に列挙します。

  • 66万円を超える現金
  • 不動産
  • 車やバイクなど
  • 生活に不要と思われるブランド品
  • 美術品や宝飾品、貴金属
  • 有価証券
  • 給料の一部

ケースバイケースですが、一定以上の価額の財産や当面の生活に不要な財産が差し押さえの対象となっています。

(2) 差し押さえされない財産

次に、差し押さえが禁止されている財産を見ていきましょう。

  • 66万円までの金銭
  • 衣類
  • 寝具
  • 家具家電
  • 調理器具など台所用具(鍋や包丁、食器類等)
  • 畳や建具
  • 生活に必要な1ヶ月分程度の食料や燃料
  • 債務者の仕事に必要な器具や備品

このように、生活に不可欠なものは基本的に差し押さえされません。
現金類についても、66万円以下であれば「2ヶ月分程度の生活に必要なもの」と見做されるので、手元に残せます。

家具家電類は少し特殊で、同じ種類のものが複数ある場合は、1つを残してそれ以外は処分されることがあります。
例えばテレビが2つある場合は、どちらか一方が処分される可能性があります。

【家族の財産は差し押さえされる?】
差し押さえの対象となるのは、基本的に債務者本人の財産のみです。家族の財産は債務者本人の財産ではないので、差し押さえられません。
ただし、家族との共有名義になっている財産は差し押さえの対象となります。マイホームなどが共有名義になっている場合は注意が必要です。

2.差し押さえできる財産がない場合はどうなる?

では、債務者の財産の全てが差し押さえを禁止されている財産に該当する場合は、一体どうなるのでしょうか?

この場合は、何も差し押さえをされることがないので、財産を失うことはありません。

「差し押さえられるものがないなら例外的に○○は差し押さえ可能」というようなものはないので、基本的にはいつもと変わらない生活を送ることができます。

ただし、財産がなくても働いていて給与収入がある場合、「給与の手取り額の4分の1は差し押さえ可能」とされているため、手取り額が減って生活が苦しくなってしまいます。

[参考記事]

借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事

給与などの収入がない場合はやはり何も失うものがありませんが、そもそもその状態で生活を続けていくのは厳しいはずです。

収入がない場合は、借金の有無に関わらず何らかの手段を講じる必要があるでしょう。

3.債権者が講じる差し押さえ以外の手段

債務者に目立つ財産がなく、差し押さえが空振りになったとしても、債権者はなんとかして債権を回収しようとします。

この場合、どのような方法で債権を回収するのでしょうか?

(1) 保証人から回収

借金をする場合は、連帯保証人などをつけることが一般的です。

そして、債務者本人からの返済が見込めなくなった場合、債権者は保証人へ支払いの請求を行います。

保証人が支払いをできない場合は、保証人の財産が差し押さえられることがあります。

[参考記事]

連帯保証人が自己破産してしまうケースとは?

(2) 財産調査

税金を滞納している場合、徴税側が滞納者の財産を調査することがあります。

口座のある銀行や職場、商売をしている取引先などにまで照会が入る可能性があるため、滞納者の信用に傷がつくおそれがあります。

もちろん財産調査で回収できる財産が発見されれば、それを差し押さえされてしまいます。

なお財産調査は、債権が時効で消えるまで定期的に行われることがあります。
税金の消滅時効は早くて5年なので、5年間はいつ財産調査が行われてもおかしくない状態が継続します。

4.強制執行の通知にはどう対処するのが正解?

強制執行をする旨の通知が届いた場合、残念ながら差し押さえは目の前に迫っています。
通知が来た後でできることはあるのでしょうか?

差し押さえの通知が来た段階の場合、債権者に相談しても効果は薄い可能性が高いといえます。

強制執行の通知が来てから債権者に相談すること自体は可能ですが、債権者は長期に渡り支払いを受けられなかったので強制執行に踏み切っているはずです。

「これまで支払いをしなかったのに土壇場になって相談をするというのは虫が良すぎる」と思われてしまう可能性もあるでしょう。

よって、出来るだけ早く「弁護士」に相談することをお勧めします。

弁護士に依頼をして「債務整理」をすることで、借金をゼロにする、または減らすことが可能です。

債務整理には「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3パターンがあるので、どの債務整理をするべきなのかは、弁護士に相談して判断してもらうのが良いでしょう。

弁護士に債務整理を依頼すると、債権者からの督促が止まります。
また、自己破産や個人再生の申立てをして手続きが開始されれば強制執行の効果を止めることもできます。

強制執行を防ぐことができるほぼ唯一の方法が債務整理だと考えてください。

ただし、税金など一部の特殊な債務については、債務整理をしても減額できません。

この場合は、役場や税務署などに赴いて分納や猶予の相談をします。
支払いができない理由をしっかりと説明し、支払いの意思があることを伝えることで強制執行を待ってもらえるかもしれません。

[参考記事]

税金滞納で「差押予告書」が届いた!これからどうなるの?

5.「財産なし」でも借金は放置せず弁護士へ

「差し押さえの通知が来たが、自分には差し押さえされるものがないから平気」などと考えてはいけません。

借金を根本的に解決しない限り、日常的に支払いの請求がやってきます。
仮に滞納中に高額な財産を取得した場合は、すぐに差し押さえのリスクに晒されてしまうでしょう。

支払いの請求をストップして、強制執行を防ぎ、借金そのものを解決するには、弁護士に相談して債務整理をすることが一番です。

借金は放置すればするほど解決が難しくなります。
お困りの方は、ぜひ早めに弁護士までご相談ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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