借金返済 [公開日]2020年3月12日

給料ファクタリングによる破産も弁護士へ相談できる?

給与ファクタリングによる破産問題やトラブルの事例が深刻化し、弁護士会が注意を呼びかけています。

この記事では、「給料ファクタリング」について、概要や危険性などについて紹介していきます。

給料ファクタリングを利用してトラブルになる理由や、既に給料ファクタリングを利用しており現在トラブルの真っ只中にいる人のために、具体的な解決方法についてもあわせて紹介していきます。

まだ給料ファクタリングを利用したことがない人は、転ばぬ先の杖として。
既に給料ファクタリングを利用している人は、トラブルを予防するために。
そしてトラブルの渦中にいる人は、そこから抜け出すために、本記事の内容をぜひ参考にしてください。

1.「ファクタリング」とは?

本来の「ファクタリング」とは、中小企業等が売掛金債権をできるだけ早く現金化するための方法です。

商取引では、いつも現金払いというわけではなく、物やサービスを提供してから少し経った後に支払日が来ることが多くあります。

例えば、米屋AがレストランBに毎日お米を納品している場合、毎回現金払いでやりとりをするのではなく、毎月末までにAが納品したお米の代金をBが翌月末にまとめて払う、などという方法で取引が行われることがあります。

企業等が物やサービスを提供したことで発生した債権を「売掛債権」「売掛金債権」などと言います。

提供した側は売掛債権が現金化されるまでにタイムラグがあるため、その間に資金繰りが悪化することがあります。

そこで登場するのがファクタリング業者です。
ファクタリング業者は売掛債権を買い取り、現金を売掛債権の債権者に渡します
債権者はこの現金を運転資金にして、営業を続けられるというわけです。

その後、ファクタリング業者は売掛債権の弁済期が来たら、債権を回収して現金として受け取るので損はしません。

また、ファクタリング業者は債権者に現金を渡すときに手数料を徴収しているので、その分が利益となります。

なお、ファクタリングには、ファクタリング契約を売掛債権の債権者である中小企業とファクタリング業者の2者でのみ締結する「2社間ファクタリング」と、取引先もファクタリング契約に加わる「3社間ファクタリング」の2パターンがあります。

2.給料ファクタリングとは?

給料ファクタリングは、個人が勤務先に対して持つ給与債権を利用したファクタリングです。

一般的な労働契約では、働いてから実際に給与が支払われるまでにしばらく時間がかかります。
その間、労働した側は勤務先から給与をもらえるという債権を持っていますし、勤務先は労働者に給与を支払わなければならない債務を負っています。

この給与債権をファクタリング業者に買い取ってもらって現金化できるのが、給料ファクタリングの特徴です。

以下、2020年3月上旬における現状を参考にしながら述べていきます。

(1) 厳密には借金ではない

世の中には事情があってお金を借りられない人も多くいます。

しかし、給料ファクタリングは2020年3月上旬現在、厳密には借金ではなく、あくまでも「債権の現金化」です。
そのため、消費者金融などからお金を借りられない人(審査が通らない人)でも利用できます。

(2) 利息が発生しない

給料ファクタリングは手数料がかかりますが、厳密には借金ではないので利息はゼロです。

給料日に給与が振り込まれたら、それをファクタリング業者に渡せば取引が終了します。

(3) 現金化することで給料を守れる

「会社が倒産しそう」「給料が未払いになりそう」という場合でも、前もって給料ファクタリングを利用しておけば現金を手に入れることができます。

ただし、ファクタリング業者が債権を回収できないと判断した場合などは、契約を断られることがあるので要注意です。

3.給料ファクタリングで経済破綻する理由

「手数料が必要とは言え、現金が必要な人にとって給料ファクタリングは良いシステムなんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。

しかし実際には、給料ファクタリングのせいで経済的に破綻している人も多くいるのです。
その理由を説明します。

(1) 手数料に法的規制がない(2020年3月上旬現在)

給料ファクタリングを利用すると、業者に手数料を支払わなければなりません。

この手数料が厄介で、業者によっては「すぐに10万円渡す代わりに、給料日に15万円支払ってください」と請求するところもあります。
中には「6万円の現金に対し13万円を請求された」という事例もあるようです。

借金であれば利息制限法によって利息の上限が設定されていますが、給料ファクタリングは借金ではないので利息制限法の適用を受けません

2020年3月上旬現在においては、ファクタリング業者の手数料を制限する法律が整備されていないので、業者側が自由に手数料を設定できてしまうのです。

(2) 会社にバラすと脅される

指定日に指定額を支払わなかった人が、「支払わないと会社にバラします」と脅された事例があるようです。

給料ファクタリングをした人は、雇用主からのペナルティを嫌って誰にも相談できず、トラブルを悪化させてしまうケースが多いと考えられます。

【給与ファクタリングが労働基準法違反となる可能性】
労働基準法では、「給与を労働者に直接支払う」ことになっています。給与債権を譲渡された人に給与を支払うのは禁じられているのです。これを防ぐために、雇用契約書に給与債権の譲渡禁止条項が明記されていることもあります。
もし給与債権を譲渡したら、この条項に違反してしまいますし、さらに言えば会社が労働基準法違反となってしまう可能性があります。
労働基準法違反のキッカケを作った従業員に、雇用主から何らかのペナルティを課せられてもおかしくないのです。

(3) 救済策が少ない

給料ファクタリングは、2020年3月上旬時点において、利息制限法、出資法、貸金業法等の対象外です。
そのためトラブルが起きても、法的根拠に基づいた救済策を取りづらいのが実情です。

また、企業向けのファクタリングに比べて金額が少ないこともあり、警察などが消極的な対応しかしてくれないことも多いようです。

結果的にファクタリング業者へのお金を支払えなくなり、経済的破綻を迎える人が出てしまうのです。

4.給料ファクタリング問題の解決策

(1) 給料ファクタリングに対する金融庁の見解

業界団体である「日本ファクタリング業協会」は、給料ファクタリングを違法なものだと考え、金融庁に見解の問い合わせを行いました。

この結果、2020年3月6日に、金融庁は給料ファクタリングに関して「貸金業に該当すると考えられる」と述べました

この回答はあくまでも金融庁の判断を示したものに過ぎず、現状ではまだ給料ファクタリングに対する法整備が整っていないことに変わりはありません。

しかし、この見解の影響で、給料ファクタリング業者が貸金業法違反と見做される・将来的に関連する法律が整備されていくなどの可能性があります(貸金業を行うには、金融庁の許可が必要です)

例えば、給料ファクタリングに貸金業法が正式に適用される場合は、給料ファクタリング業者に対して業務停止命令などが下される可能性がありますし、過払金の請求ができるようになることも考えられます。

今後、給料ファクタリングを取り巻く状況が変化していく可能性があるので注視する必要があります。

(2) 自己破産

給料ファクタリング自体を規制する法律は現在少ないですが、今、借金に困っている人を救う方法はあります。
それが、弁護士に相談することによる「自己破産」です。

自己破産は裁判所に申立てをする法律的に正当な債務者救済制度で、問題なく行うことができれば借金が帳消しになります。
多額の借金で悩んでいる人にとっては地獄に仏の制度と言っていいでしょう。

ただし、自己破産をすると一定以上の自分の財産は処分の対象になり、お金に換えられて債権者への弁済に充てられてしまいます。
特に、不動産などはかなりの確率で処分の対象となるので注意が必要です。

しかし、さしたる財産がなければ一切財産を処分しないで借金を帳消しにすることができるので、過度な不安は必要ありません。
全く財産を処分しないまま自己破産に成功している人も数多く存在します。

自己破産は弁護士へ相談が必要

自己破産は効果的な借金解決方法で、給料ファクタリングによる負債も整理することができますが、自分が利用できるケースに当てはまるかどうかは弁護士への確認が不可欠です。

例えば、お金に困っている人の中には公租公課を滞納している方もいらっしゃるかと思いますが、税金などは自己破産でも帳消しにならないので、別途行政側との交渉などが必要となります。

また、借入の理由がギャンブルや浪費等の場合は、反省の色が見られないと裁判所が借金を帳消しにしてくれない可能性があります。

自分の場合は自己破産がするのが有効なのか、それとも別の道を考えた方がいいのかを知ることは大切です。
借金問題に詳しい弁護士に相談してから自己破産を進めるかどうかを決めるべきでしょう。

5.給料ファクタリングで困ったら弁護士へ

給料ファクタリングを給与の前借り感覚で使う人もいますが、手数料などに対する法的規制が及んでいないため、経済的な破滅を迎えてしまうケースも多く見受けられます。

しかし、弁護士に相談すれば自己破産などの方法を提案してくれるため、困った人はできるだけ早く相談・依頼した方が良いでしょう。

自己破産は法的な手続であり、多くの書類が必要となります。
書類に不備や不足があると裁判所が手続を進めてくれません。

しかし、弁護士に依頼すれば書類をしっかりと整えてくれるので、自己破産が成功する確率が飛躍的にアップします。

また、借金の理由が浪費等の場合は自己破産できないことがあると既に述べましたが、そういった事情があっても、弁護士が最大限努力して自己破産が成功に終わるように物事を進めてくれます。

実際に、浪費が原因の人が自己破産を成功させた例は数多く存在します。
依頼者は弁護士の指示に従うことで、スムーズかつ確実に自己破産を終わらせて、借金生活から迅速に解放されるのです。

早く動けば、それだけ早く傷口を小さくできます。
困ったことは、まずは一度泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

債務整理コラム一覧に戻る