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老後資金はどのくらい必要?3000万~5000万円、老後破産の不安の解消法

老後資金はどのくらい必要?3000万~5000万円、老後破産の不安の解消法

近年、老後資金の不足で生活に不安を感じている人が増えています。
定年退職直前になっても理想的な資産形成ができず、老後の生活設計に悩んでいる方も多いと思います。

定年を過ぎてもなお住宅ローンが残っているという方は、特に心配が尽きないことでしょう。

今回は、安心して老後を過ごすためにどれだけの資金が必要か、またその資産形成はどのようにするか、さらにローンが返済できないときの債務整理方法について、弁護士が解説します。

1.安心して老後を過ごすための必要資金

近年、老後資金の不足によって生活保護を受給する高齢者世帯が増加しています。

生活保護を受給することは、決して恥ずかしいことでも悪いことでもありません。
しかし、できれば行政の助けを借りることなく、老後の人生を全うしたいと思っている方は多いのではないでしょうか。

そのためには、老後の資産がいくら必要なのか把握し、その資産形成をどのようにするかプランを立て、それを実行していくことが肝心です。

老後の資産がいくら必要なのか、というのは個人の生活様式にもよるので、一概に金額を算出することはできません。

また、サラリーマンと自営業では年金額も異なるので、自ずと必要な額も変わってきます。さらに、独身者と既婚者でも金額は変わります。
また、退職金の有無でも違ってくるでしょう。

ここではそれぞれのケースについて、必要な額をお伝えします。

(1) 必要額の算定の基準

現在の日本人男性の平均寿命は83.14歳、女性は88.47歳なので、60歳以後の「老後」の生活は、男性で23年、女性は28年です。
これだけの期間を、年金と自己資産で生活しなければなりません。

総務省の「平成30年 家計調査報告」では、夫婦2人世帯で月々にかかる平均生活費は28万円程度としているので、年額では336万円となります。

夫の定年から亡くなるまでの期間は23年なので、その間に必要な額は336万円×23年=7728万円です。

平均寿命で計算すれば、妻は夫の死後5年ほど独身生活となるので、その間の生活費の目安は夫婦2人の6割程度となり、(336万円×0.6)×5年=1008万円です。

以上はあくまで平均寿命で算出した額ですが、夫婦2人で過ごす期間は8,000万円近くの資金がかかり、妻が残された後は1,000万円の資金が必要となります。

60歳以降、夫婦それぞれ寿命がくるまで、トータルで9,000万円必要という試算結果です。

(2) サラリーマン夫婦の老後資金

サラリーマン夫婦の老後は、2人で3,000万円ほど必要と言われています。

現在は、65歳から年金を受給できます。サラリーマンの年金(夫婦2人)の月額平均は23万円なので、年間にすると276万円の収入です。
65歳から年金を受給して、夫が平均寿命まで生きた場合は276万円×18年=4,968万円の収入です。

また、夫の死後、妻は遺族年金を受け取ることができます。年金額は元の額の4分の3なので、年額にすると207万円、5年受給した場合は1,035万円です。

夫の生前の年金と合計すると、老後に受給できる年金額は約6,000万円です。

夫婦2人のサラリーマン世帯では、60歳からの平均支出は9,000万円、年金収入は6,000万円なので、差額の3,000万円があれば、老後の生活ができることになります。

(3) 自営業夫婦の老後資金

次に、自営業夫婦の老後資金について見ていきます。
自営業であっても老後に必要とする資金はサラリーマンと同じで、60歳から平均寿命までの支出は9,000万円です。

自営業夫婦の老後の生活は国民年金が頼りです。
夫婦二人の国民年金平均受給額は約11万円、単身の場合は約5万5千円なので、この数字で試算すると老後収入は以下の通りとなります。

自営業夫婦の老後の年収:(11万円×12ヶ月×18年)+(5万5千円×12ヶ月×5年)=2,706,000円

夫婦で合計すると3千万円近くの収入となりますが、必要な支出と比べると6千万円足りないことになります。

ただし、自営業の場合定年がないので、65歳以降も事業収入があれば、老後の収支は大幅に変わります。
また、住居が賃貸か自宅かでも支出は変わるので、6千万円用意できなければ絶対に立ち行かないということではありません。

そのため、自営業者は収入が少なくなることを念頭において、早くから老後のマネープランを立てることが必要です。

(4) 独身者の老後資金

独身者の場合、1ヶ月の生活費は自宅が持家か賃貸かで大きく異なります。

政府の家計調査によると、持ち家の場合の平均支出は月に15~16万円、賃貸の場合は19~20万円程度とされています。

①独身男性

独身男性の老後資金は、賃貸生活で自営業だった場合、最大で3,700万円必要と言われています。

持ち家だったり会社員だったりすれば、必要額はこれより少なくなるでしょう。

②独身女性

独身女性の老後資金は、独身男性よりも多く必要と言われています。
会社員で厚生年金が貰える場合でも、平均受給額は男性より低いからです。

また、平均寿命は男性より5年長いので、長期的な視野でマネープランを立てる必要があります。

会社員で持ち家の場合は2,000万円強、自営業で賃貸の場合は4,800万円ほどの資金が必要となるでしょう。

とはいえ、老後資金は働く年数や生活形態によって大きく異なるので、女性の場合も単身世帯の人は自宅の確保、自営業であれば長く働くことが老後破産回避の鍵となります。

(5) 退職金なしの場合の老後資金

退職金があれば、資金準備はかなり楽になります。

サラリーマンの退職金の平均額は2,156万円。自営業者は基本的に退職金がありません。

サラリーマンで夫婦2人の老後資金を3,000万円とした場合、退職金が2,156万円あれば、残りの1,000万円を準備しておけば良いということになります。独身者であればもっと余裕が生じます。

逆に自営業で退職金がない場合は、老後の支出で紹介した額を全て自力で用意しなくてはなりません。

【老後に5,000万円必要となる時代が到来!?】
これまではサラリーマンで夫婦2人の世帯の場合、老後資金は3,000万円必要とされましたが、今後はそれでは足りなくなる見通しです。
その根拠は「旅行・余暇・趣味の支出」「家のリフォーム、車の購入など急な出費」「病気やケガ、介護の支出」「平均寿命が延びる」「年金カット法案の影響(年金の受給年齢が70歳になると予想されます)」などです。今後は将来設計について、より慎重に考える必要があるでしょう。

2.老後資金を貯めるためにできること

これまで、必要な老後資金の目安をお話ししてきましたが、3,000万円〜5,000万円という金額は莫大です。どうしたらこんな大金を貯められるのか…そう不安に思っている方も多いことでしょう。

こうした大きな資金を貯めるには一体どうしたら良いのでしょうか。

老後の生活を少しでも豊かなものにするために、現役時代からできることは以下の通りです。

(1) 貯蓄する

当然ですが、老後資金を貯めるのに最も確実なのは貯蓄です。毎月強制的に天引きにするのもおすすめです。

現在40歳なら、毎月8万円貯金すれば老後までに2,000万円、50歳なら1,000万円貯めることができます。毎月8万円が厳しいという方もいらっしゃるかもしれませんが、これだけあったら、老後の安心感は随分変わります。

(2) 働いて年金の繰り下げ受給をする

現在、年金受給は70歳まで延ばすことができます。年金受給は1ヶ月延ばすことに0.7%分増額するので、1年延ばすごとに8.4%増額されるのです。

老後資金が不安な人は、サラリーマンでも再雇用などで出来るだけ長く働き、年金受給繰り下げの制度を上手に利用しましょう。

(3) 保険を活用する

老後資金作りには保険を利用する方法もあります。終身保険の場合は「低解約返戻金型終身保険」と呼ばれる解約返戻金が低い商品を選ぶことをおすすめします。

この保険は解約返戻金が低い代わりに保険料が安く設定されているので、普段の生活に大きな負担をかけずに支払いを継続することが可能です。

また、契約から30年過ぎると解約返戻金が上昇するシステムなので、老後に大きな保険金を受け取ることができます。老後の資金作りにはピッタリの保険です。

(4) 退職金を活用する

サラリーマンの場合は、退職金がある人も多いと思います。退職金は老後資金の強い味方となるので、老後の資金として大いに活用しましょう。

退職金は2,000万円あれば、仮に老後資金が3,000万円必要でも、残りの1,000万円だけを用意すれば良いことになります。

[参考記事]

老後破産の不安を解消するために今からできる5つの対策とは?

【投資をするのは有効か?】
老後資金の準備には、確かに投資も有効です。一口に投資と言っても、その種類は株式投資、投資信託、FX、不動産投資など多岐に渡ります。
ただし、投資である以上、失敗すれば借金を抱えるリスクもあります。そのため、投資は余剰資金で行うのが正解です。
老後資金が3,000万円必要で、その用意の目途も立たないうちに投資を始めるのはもはやギャンブルです。投資を行うのであれば、3,000万円を貯められるという目途が立って、余剰資金が生まれる場合に、そのお金を投資に充てることをおすすめします。

3.老後破産しそうな場合の債務整理

老後の生活には多額の資金が必要であることが分かりましたが、住宅ローンの返済が終わっていない、高齢出産で定年後も子供の教育費を払っている、定年後に親の介護費用を捻出しているなど、想定外の出費で貯金もままならない人も多いと思います。

そうした中でどうしても借金をせざるを得なかった、という方は少なくありません。

定年後に収入が減り、カードローンの支払いで首が回らず、破産寸前で悩んでいる人もいることでしょう。
その場合は、早めに債務整理することをおすすめします。

債務整理は、法律的に借金問題を解決する手段で、手続後は老後の生活不安を解消することができます。

債務整理に対して良いイメージを持っていない人も多いと思いますが、債務整理は借金問題で悩んでいる人を救済する制度です。その制度を利用して生活を立て直すことは、より良い老後を迎えるにあたって決して悪い話ではありません。むしろ、まだ頭も体も動けているうちに解決を図っておくべきでしょう。

高齢者の方の中にも、債務整理を上手に使って、借金問題を解決している方は多くいらっしゃいます。
例えば、定年後も住宅ローンの返済が残っているが、自宅はこのまま維持したいという人は、個人再生手続を利用して住宅ローン以外の借金を減額することで、住宅ローンの返済を維持出来る可能性があります。

お金の悩みは早めに解決することで、それだけ安心な老後を過ごすことができます。
もし、定年を過ぎてなお借金問題を抱えていたら、早めに債務整理の検討をすることをおすすめします。

なお、債務整理をしても、その後の年金の受給などには影響がありませんので、ご安心ください。

[参考記事]

老後破産の不安…個人再生、任意整理は年金受給者でも可能?

4.まとめ

借金を抱えている生活は、とても辛いものです。心穏やかに老後を過ごすためにも、借金問題は出来るだけ早く解決するに越したことはありません。

また、借金問題を長く放置するほど状況は悪化します。
自己破産したくない方は、早めに対処すれば他の道も探すことができますし、弁護士にご相談いただければ適切なアドバイスもさせて頂きます。

どうか決して一人で悩まず、泉総合法律事務所の弁護士に相談してください。

当事務所では、ご相談は何度でも無料ですので、まずはお問い合わせいただけたらと思います。

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