老後資金はいくら必要?3000万~5000万円、老後破産の不安の解消法

借金

老後資金はいくら必要?3000万~5000万円、老後破産の不安の解消法

最近、老後の資金不足の問題に悩む方が増えています。

定年退職が迫っているのに思うように資産が形成されておらず、不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
老後の生活が目の前に来ているのに、ローンが残っているという状態の方もいらっしゃるでしょう。

今回は、老後資金がどのくらい必要なのか、老後資産を貯めるためにできること、またどうしてもローンを返済できない場合の債務整理による解決方法について、弁護士が解説します。

1.老後資金はどのくらい必要なのか

(1) 老後資金は3000~5000万円

最近では、資産が足りずに生活保護に頼る高齢者の世帯も増えています。
しかし、多くの方は、できれば行政の施策に頼らず、ご自身の力で最後まで生きていきたいと願っていることでしょう。

自分で老後を生き抜くための「老後資産」は、どのくらい必要なのでしょうか?
これについては、その方の状況にもよるので、一概に言うことはできませんが、目安の数字はあります。

夫婦2人の場合、だいたい3000万円~5000万円くらいあれば足りるとされています。

(2) 老後資産が3000万円とされる理由

まず、老後資産は、基本的に3000万円あれば足りると言われています(サラリーマン世帯で夫婦2人の場合)。
その根拠は、以下の通りです。

①60歳以後の支出

現在、基本的に定年退職が60歳ですから、以下では「老後は60歳以後」として、計算をしていきます。

総務省の「平成28年 家計調査報告」によると、月々かかる生活費の平均は、だいたい28万円です。年にすると、336万円です。

そして、男性の平均寿命は83.14歳、女性の平均寿命は88.47歳です。
60歳以後の生活が「老後」になるとすると、夫が亡くなるまでの年数は23年です。

すると、夫が亡くなるまでの間、336万円×23年=7728万円が必要となります。
夫死亡後の妻1人にかかる生活費は、2人の場合の6割とします。すると、月々17万円程度となり、年間204万円が必要です。

妻が1人で生きる年数は5年ですから、だいたい1000万円くらい必要です。
つまり、夫婦が2人、老後を過ごすのに、だいたい9000万円くらいかかるという試算です。

②60歳以上の収入について

次に、収入を計算します。

夫がサラリーマンだった場合、年金の月額平均は23万円です。年間276万円となります。

夫が65歳から年金を受けとるとすると、夫が亡くなるまでの年金額は、276万円×18年=4968万円となります。

妻が受けとれる年金額は遺族年金となり、元々の年金額の4分の3となるので、年額207万円です。受取期間は5年ですから、1035万円となります。

夫が生きていたときの年金と合計すると、総額で6000万円程度です。

そこで、こういった一般的なサラリーマン家庭の場合、支出が9000万円、収入が6000万円ですから、差額の3000万円があると、何とか老後の生活をしていけることになります。

(3) 5000万円が必要とされる理由

しかし、実際には、3000万円だけでは足りないと言われます。
それは、以下のような要素があるからです。

・旅行、趣味などの余暇の支出
・家の修繕費用、車の購入などの突発的な支出
・病気や怪我、介護などの支出
・年金カット法案による影響
・自営業者の場合、厚生年金がない

①旅行、趣味などの余暇の支出

60歳を過ぎたからと言って、突然何もしなくなり、家に閉じこもったままの「生きているだけ」の生活になる方は、ほとんどいないでしょう。今は、アクティブなシニアが増えている時代です。

そこで、旅行にでかけたり、さまざまな趣味に打ち込んだり、レジャー施設に出掛けたり、好きなものを購入したりなど、余暇を楽しみたいはずです。

しかし、こうしたことには当然費用がかかります。最低限の生活費以上のお金が必要です。

②家の修繕費用、車の購入などの突発的な支出

家が古くなったら修繕が必要ですし、車を買い換えたり修理したりする費用なども必要です。

突発的な支出があることを意識しておく必要があります。

③病気や怪我、介護などの支出

高齢になると、病気もしやすくなりますし、介護が必要になることもあります。

有料老人ホームに入居すると、継続的に費用がかかるので、相当な負担となってきます。年金による最低限の生活費だけでは足りません。

④年金カット法案による影響

昨今、年金カット法案が審議にかかっており、年金受取年齢が70歳になるという話も出ています。

このような状況では、年金が65歳になったら入ってくるということも期待しにくくなりますし、入ってきたとしても、金額を減らされる可能性が高いです。

⑤自営業者の場合、厚生年金がない

自営業者の場合には、厚生年金がないため、老後の収入が激減します。

定年がないため、働ける期間が長くなりますが、サラリーマン世帯より多めに老後資金を用意しておく必要があるでしょう。

以上のように、さまざまな要因があるため、余裕をもった生活を送るためには5000万円が必要と考えられます。

2.老後資金を貯めるためにできること

老後資金を貯めるためにできること
それでは、老後資金を貯めるためには、どのようなことをしたら良いのでしょうか?

いきなり「3000万円」や「5000万円」などと言われても、どうやったら貯められるのか皆目わからない、ということも多いでしょう。
今から、できることをしていくしかありません。

・貯金する
・仕事をして、年金の繰り下げ受給をする
・保険を活用する
・退職金を活用する
・投資する

①貯金する

まずは、月々貯金をするように心掛けましょう。強制的に給与から天引きするのもよいです。

たとえば今40歳なら、毎月8万円くらい貯めていくと、将来的に2000万円くらい貯めることができます。今50歳なら、毎月8万円の貯蓄で1000万円貯めることができます。

それだけあったら、老後生活の安心感が全く変わってくるはずです。

②仕事をして、年金の繰り下げ受給をする

60歳になっても、すぐに年金の受給を開始しないのも1つの方法です。今は元気なシニアが増えているので、再雇用などによって働きましょう。
このことで、年金受取時期をうしろにずらすと、受給額を増やすことも可能です。

今の制度でも、受取開始時期を1ヶ月ずらすと、0.7%分増額されることになっています。1年延ばせば8.4%増額されるのです。
70歳まで延ばすことができるので、繰り下げ受給制度を上手に利用しましょう。

③保険を活用する

保険を利用する方法もあります。たとえば、終身保険の中でも、解約返戻金の金額が低いタイプの保険が利用しやすいです(低解約返戻金型終身保険)。

この保険は、契約期間中の解約返戻金が低い代わりに保険料が安いので、普段の生活にあまり余裕がなくても、掛け金支払いを継続しやすいです。

そして、契約後30年を経過すると、大きく解約返戻金が上昇するので、大きな保険金を受けとることができます。老後の生活資金に非常に向いています。

④退職金を活用する

会社員の場合、退職金があると、ある程度安心できます。たとえば冒頭で紹介した一般的なケースでは3000万円が必要と言いましたが、退職金が2000万円あれば、残り1000万円を準備すれば足りることになります。

⑤投資する

投資も、老後資産準備の1つの方法です。
たとえば、株式投資、FX、不動産投資など、いろいろな種類の投資があります。

ただ、投資は失敗すると借金もできてしまうことがあるので、リスクがあることを認識しておく必要があります。

3000万円貯められる目処が立っていない中で、いきなり投資を始めるのはリスキーです。
3000万円が貯められるという目算がある場合に、余裕資金を投資に回しましょう。

3.老後破産しそうな場合

さて、いろいろと努力はしてみたものの、どうしても老後資金を貯められなかった、ということもあるでしょう。

たとえば、現役時代に組んだ住宅ローンを返済できなかったということもあるでしょう。最近では、高齢出産の影響で、子どもがまだ成人していないので、学費がかかっているということも多いです。病気で支出がかさんでいるというケースもあるかもしれません。

60代の方は、その親がご存命なことも多いので、親の介護費用や生活費の負担をしていることもあります。

このような中で、「どうしても借金に頼らざるを得なかった」という状況は普通に発生します。定年になって収入は減るのに借金だけが残ってどうしたらいいのかわからない、というケースもありますし、既に老後の生活が始まっているのに、カードローンの借金をしてしまって、督促が来ている、ということもあります。

このような場合、早めに債務整理をすることをおすすめします。

(1) 債務整理による解決

債務整理とは、かさんでしまった借金を法的に整理する方法です。

昔は「借金=自己破産」というイメージが強かったですし、自己破産に対するイメージも悪いので、債務整理というと、抵抗があるかもしれません。しかし最近では、かなり様相が変わってきています。

債務整理には、自己破産以外にも種類があり、財産を残せるタイプのものもあります。現在住宅ローンを支払い中の方でも、家を守って借金だけを減額する方法(個人再生)もあります。

高齢者でも、さまざまな方法の債務整理を上手に使って、借金問題を解決している方がたくさんおられます。

きちんと解決したら安心して老後を過ごすことができるので、早めに債務整理に取り組むことをおすすめします。

4.まとめ

債務整理をすると、借金を大きく減らしたり、なくしたりすることができますし、周囲に知られずに債務整理することも可能です。

借金問題は、放置しているとどんどん状況が悪化していきます。また、老後の時間を借金に追われて生活するのは、大変もったいないです。

自己破産したくない方でも、早めに対処すれば、自己破産以外にも解決方法がありますし、弁護士にご相談いただいたら、適切な方法をアドバイスいたします。
まずは、一人で悩まずに泉総合法律事務所の弁護士に相談してみてください。

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