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老後破産の一大原因「住宅ローン」返済で必ず知っておきたい対応策!

老後破産の一大原因「住宅ローン」返済の対応策!

【この記事を読んでわかる事】

  • 住宅ローンが老後破産原因の一つになる理由
  • 老後破産回避のために住宅購入後にできること、やるべきこと
  • 持家のある高齢者のための「リバースモーゲージ」について

 

老後破産」という言葉が聞こえてきたのは、3,4年前からでしょうか。高齢者を取り巻く環境が厳しくなり、定年まで必死で働いて老後をゆっくり、と思っていたのに、今ではそれを許さない現実があります。

その現実の1つが住宅ローンです。

住宅ローンは、長期にわたり返済を余儀なくされる借金です。その間に予想もしなかったことで、返済が滞ることがあり得ます。

では、住宅ローンの返済が滞ってしまい、老後も住宅ローンに追われてしまう原因は何なのでしょうか?ここでは、その防衛策、また、リバースモーゲージという制度も含めて解説します。

1.老後破産により返済が滞る理由

ここ何年か、失業率の低下、有効求人倍率の最高値の更新と高齢者の就業率の増加が言われています。

事実、2016年の65歳以上の就業率は、男性30.9%、女性が15.8%と5年連続で前年比を超えています。

では、なぜ、老後破産という言葉が叫ばれているのでしょうか。

(1) 高齢に伴う収入の減少

実は、この就業率にもその兆候が表れています。

高齢者の4人に3人は非正規の職員・従業員で、高齢者の非正規の職員・従業員は、ここ10年で約2.5倍に増加しているのです。

非正規職員の賃金は、男性で正規職員の2/3、女性で7割と言われています。

また、平成25年度に改正高年齢者雇用安定法が開始され、65歳までの高齢者に対して雇用延長が推進されました。

多くの場合、企業は、60歳以上の雇用者に対して再雇用契約を結びます。その際、賃金が定年前の50~60%にダウンすることも少なくありません。

もう一つ数字を挙げましょう。これは高齢者に限った話ではないのですが、アベノミクスにより、景気は拡大していると言われているにもかかわらず、2017年の実質賃金は下がっています。

原因は、名目賃金の上昇が物価の上昇に追いついておらず、実質的な購買力を示す実質賃金が減少したものとみられています。

(2) 退職金の減少・廃止

退職金をあてにしてローンを組んだが、その額が予想より少ない、もしくは、退職金制度が廃止になってしまったというケースもあるようです。

時代が変わり、終身雇用制の維持が難しく、転職が珍しくない昨今、退職金の制度を見直す企業が多くなっています。

退職金は就業規則、労働契約などに根拠がなければ、法律上、支払い義務がないのです。

事実、退職金の額も1000人以上の大企業では、2008年と20013年で退職金の額を比べると、500万円以上も急減しており、また、従業員数30人以上で、退職金制度を導入している企業は、1993年には、92%だったものが、2013年に75.5%となっています。

(3) 税金・社会保険料の増額

法人税が減税されるなか、個人が負担する税金・社会保険料は増額されています。

平成27年には、相続税法改正により、相続税対象者が急増しています。

平成27年中に亡くなった方は約129万人、その内、相続税の課税対象となった被相続人は約10万3千人で、平成26年は約5万6千人だったので約1.8倍も増えました。

課税割合で見ると、ここ十数年は全体の約4%台で推移していたところ、今回は8.0%に急増しています。

社会保険料については、小泉政権が行った法改正により、2004年から2017年まで13年間にわたり、年金保険料が、徴収の上限である厚生年金保険は年収の18.3%まで、国民年金は月額1万6,900円まで増額されたばかりです。

ところが、厚生省は、「所得代替率50%を維持するには、25.9%の保険料率が必要」とひそかに保険料率の再引き上げを狙っていると言われています。

(4) 医療費

加齢に伴い、医療による出費はどうしても増加していきます。

厚生労働省の患者調査によれば、60~64歳では、7000人以上の人が入院または外来受療を受けており、同、「国民医療費」によると、65歳以上の国民1人あたりの医療費は70万円程度となっています。また、65歳以上からかかる医療費は、生涯の医療費の半分近くになるという統計もあります(厚生労働省「生涯医療費」)。

また、今後の高齢者の医療費自己負担も、少子高齢化など、社会環境の大きな変化に伴い、大きな見直しを迫られています。

厚生労働省は、2017年度から高齢者の医療費・介護の自己負担額を引き上げる改革を行いました。

今年8月から70歳以上で年収370万円以上の所得がある者は、外来日の負担限度額が、月8万円以上へと引き上げられ、70歳以上で、年収156万円から370万円未満までの一般所得者も、月額1万8000円に増額される予定です。

そして、年収156万円未満の低所得者については、現行のままということです。

後期高齢者医療費保険の保険料の特例も減らされることが決まっています。年収153万円~211万円で一定の所得がある者については、元々5割軽減の措置がとられていたものが、今年の4月から軽減措置がなくなることになっており、74歳まで、夫・子に扶養されていた専業主婦は、保険料9割軽減であったものが、今年4月には5割軽減に引き下げられることが決まっています。

介護保険も例外ではありません。介護保険の自己負担は、今年3月には2割から3割負担へと引き上げられる予定になっています。

医療費と借金につきましては「病気(治療費・医療費)で借金が返せない場合の対応策」で詳しく説明しています。

また、老後破産について更に詳しく知りたい方は「他人事ではない!悲惨な老後破産の現実と現状・今からできる対策」、老後資金に不安がある方は「老後資金はどのくらい必要?3000万~5000万円、老後破産の不安の解消法」もご覧ください。

2.住宅ローン契約時に気を付けるべきこと

では、住宅ローンを組むときには、何に気を付けるべきなのでしょうか。

(1) 返済期間

単純な話ですが、返済期間は、短くした方がより利息が少なくなるので負担は抑えられますが、月々の支払額は大きくなります。

実際、住宅金融支援機構の調査によると、当初の貸出期間で一番多いのは、30年以下の40.6%となっており、35年以上のローンを組んでいる方は、2013年度の7.9%より増えてはいるものの僅か13.1%となっています。

ちなみに、25年以下のローンを組んでいる方は、46.3%となっています。

ただし、無理な返済計画は禁物です。

(2) 金融機関・住宅業者のアドバイスに盲従しない

金融機関は、利ザヤを稼ぐために限度の範囲でできるだけ多額の貸付をしようとしますし、住宅業者もできるだけ高額の物件を売ろうとします。

自分の身の丈に合ったローン・物件選びを心掛けてください。

FPや住宅ローンアドバイザーなど、専門家に相談することも無理なくローンを組むための賢い選択でしょう。

3.住宅購入後にできること

住宅購入後に、ローン返済以外に何かできることはないのでしょうか。

(1) 繰り上げ返済

前述した住宅金融支援機構の調査によると、完済までの平均期間は、15.0年。2013年の14.3年からは、若干長くはなっていますが、10年以下で返済した方が33.1%、10年超15年以下で返済した方が30.5%と、15年以下で返済した方が、全体の6割を超えています。

15年で完済できれば、40歳でローンを組んでも50歳半ばでローンは終了することになります。

確かに繰り上げ返済をすると繰り上げ返済手数料を取られますが、何かあった場合のリスクを減らし、ローンからより早く解放されるメリットの方がずっと大きいでしょう。

多少の頑張りで、老後の安心が保証されます。

(2) 退職金の額を確認する

では、もし退職後も住宅ローンが残ってしまいそうな場合、どうすればいいのでしょうか。

先述した通り、退職金の額は、以前よりは少なくなっていきていますし、制度自体の変更が行われている場合もあります。

退職金の額を確認することによって、その後の対策を講じることもできます。

(3) 年金額を確認する

退職後の大切な収入源である年金。日本年金機構に問い合わせることで、自分が「何歳から」「いくら」の年金を支給されるのかを確認することが可能です。

退職金の額と年金額が確認できたら、完済計画を考えましょう。

60歳時点で会社との再雇用契約など、減収になるケースが多いですが、自分の収入を考えて、ローンがどのくらい残るのかを計算し、65歳くらいを目途に年金生活に入る前までに完済できるよう計画を練ってみましょう。

(4) 借り換えローン

退職後、ローン契約を再度締結するのは、困難と言わざるを得ないでしょう。借入の申込時の年齢が20歳以上、66歳未満であることがほとんどだからです。

また、完済時の年齢が80歳以下であること、現在の住宅ローンを3年以上正常に支払っていることなども条件となってきます。

その借り換えローンの1つとして、ご紹介するのがリバースモーゲージです。

4.リバースモーゲージの有効利用

リバースモーゲージの有効利用

リバースモーゲージという制度をお聞きになったことはあるでしょうか。

これは、マイホームに住みながら、住宅を担保に金融機関から借入をすることができる制度です。この契約時に、自宅を担保に、借入を行い、住宅ローンを返済してしまいます。

後は、月々、リバースモーゲージの利息を支払い、元本は、契約者死亡時もしくは、契約満期時に抵当不動産を売却して返済します。

最近、リバースモーゲージを取り扱う金融機関が急増しています。50以上の金融機関が取り扱いを始めており、検討中の金融機関も多いです。

上手に活用すれば、マイホームを手放すことなく金融機関からお金を借りることができますが、もちろんそこにはデメリットも存在します。

返済が滞ってしまった場合の一つの手段として、ここではリバースモーゲージをご紹介してみましょう。

(1) リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、持家のある高齢者が、マイホームを担保に一時金・年金の形式で借入ができる制度のことです。

残高に対する利息も未払いのまま残高に複利として加算されます。

契約満期時、または、契約者の死亡時のいずれか早い時期に一括返済しなければならず、現金での返済ができない場合には、金融機関が抵当権を行使して、担保物件を競売し、返済に充てることになります。

リバースは逆、モーゲージとは抵当を意味する英語で、通常のローンでは、一定期間内に分割で融資を受け、分割で返済をしていきますが、リバースモーゲージの場合は、分割で借り受け、一括で返済するのでこの名がついています。

(2) メリット

①現金収入が可能

高齢者であっても、借入金で現金を入手することができます。これは、収入源が年金のみになってしまった場合、大変貴重な収入となります。

②元金の返済不要

借主が死亡後、担保不動産の売却益で清算する方式なので、年金収入しかない高齢者であっても、毎月の生活費を圧迫せずに融資を受けることができます。

③家族に借金が残らない可能性が高い

借主死亡後、担保不動産の売却益で清算する方式なので、借主が契約満期時以降も長生きした場合や、評価額が下落し、売却益が借金の完済に足りないような場合を除いては、家族に借金が残りません

④自宅を手放すことなく融資を受けられる

一括で借り受ける場合と、年金のように毎月受け取る場合があります。

⑤生活資金以外にも利用可能

借入金の使途については、自由型と限定型があり、金融機関によって異なりますが、自由型であれば、原則として、使途に制限はありません。

⑥契約時の収入要件が比較的緩い

契約を締結する際の収入要件が住宅ローンほど厳しくありません。

⑦本人生存中は、返済義務がない

(3) デメリット

①長生きするリスク

皮肉なことですが、契約期間を超えて長生きして返済ができない場合、マイホームを担保に取られて失ってしまう可能性があります。

②金利変動リスク

リバースモーゲージの場合、基本的に、変動金利を採用しているため、金利が上昇してしまうと、契約期間中でも貸付金額の上限に達してしまうこともあり得ます。

③評価下落リスク

地価下落など、資産評価額が下がり、自宅売却代金が借金の完済に足りなくなってしまった場合、法定相続人が負債を負うことになります。

④法定相続人の事前承認が必要

上記3つのリスクがあるので、法定相続人の事前承認が必要となります。

また、子どもは、自宅を相続することができなくなるので、相続問題が発生しないように事前に納得がいくまで話し合っておく必要があります。

⑤利用できるのが、都市部に限られている

対象エリア内であっても、立地により、資産評価額が低く、担保条件を満たさない場合もあります。

また、最近では、マンションも対象にする金融機関も増えましたが、売却時に資産価値がある場合のみ対象となります。

⑥配偶者へ契約が引き継げない場合がある

配偶者(妻)に契約が引き継げないということは、夫の死亡後、妻が自宅を失ってしまうということになります。絶対に避けなければならない事態です。

⑦借入可能額が担保評価額の40%~70%

期待したほどの資金を借りられない場合があるかもしれません。

⑧子どもとの同居の場合は、利用できない

契約者が亡くなった後、担保不動産の売却処分を進めることが難しくなるため、子どもが同居している場合は、利用できません。

5.まとめ

住宅ローンというのは、長期にわたり返済計画を立てなければならず、予測不能な変数によって、思いもよらない結果になってしまうことはあるでしょう。

大事なのは、できるだけ短期間で、少なくとも現役なみの収入が期待できる60歳までに返済を済ませてしまうことです。

それには、さまざまな専門家の知識を取り入れることも必要ではないでしょうか。

それでももし、住宅ローンの返済が重く負担になってきた場合には、泉総合法律事務所に相談してみてください。借金問題について、あなたに最も適した解決方法を提案いたします。

相談は何度でも無料ですので、お気軽にご相談いただけたらと思います。

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