借金返済 [公開日]2018年5月21日[更新日]2021年1月13日

養育費が払えない!借金が理由で養育費は減額・免除できるのか

「借金が原因で離婚してしまった」、「離婚後の生活が苦しく、借金が嵩んでしまった」といった事情があると、その後の養育費が払えないという状況に陥ってしまうことがあります。

このような場合、養育費の支払いを拒否したい、減額してほしいと考えることでしょう。
果たして、それは可能なのでしょうか?

今回は、借金が原因で養育費を払えない場合の対処法を考えてみます。

なお、離婚後の養育費が払ってもらえずにお困りの方は、以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

離婚相手に養育費の支払い能力がない場合はどうすればいい?

1.離婚後の養育費について

離婚する夫婦に子どもがいる場合には、夫婦のいずれかを親権者と定めます。
親権者とならなかった親は、親権者に「養育費」を支払うことで、離婚後の扶養義務を果たします。

養育費については、民法766条に「子の監護に要する費用」として定めがあり、実親は、未成年者である子の衣食住や教育といった生活を保障する生活保持義務を負っています。

養育費については、協議離婚では協議の中で、調停離婚では調停の中で決めていくことになりますが、調停でも決まらなければ、審判や裁判で決めてもらうことなります。

養育費は、原則として子が20歳になるまで支払わなければなりません。

2.養育費の減額請求ができるケース

離婚して親権はなくなったとはいえ、実親であることに変わりなく、養育費支払義務がなくなることはありません。

しかし、やむを得ない事情がある場合など、養育費の減額請求をすることができるケースがあります。

(1) 離婚後に事情が変わり収入が減少

離婚した時点では想定外のやむを得ない事情で、収入が減少してしまった場合は、減額請求をすることができます。

また、生活保護を受けているケースでも、減額や猶予をお願いできる可能性があります。

(2) 相手の収入増加

養育費の額は、相手とのバランスできまります。

そのため、もし相手が再婚して相手側に経済的余裕がある場合や、相手が仕事で昇格・昇給して収入が増加した場合は、養育費を減額してもらえる可能性があります。

(3) 自分の再婚や再婚で子供ができた

再婚したり、再婚後子どもができたりした場合は、扶養しなければならない家族が増えることになります。

離婚相手の子どもにさける養育費を下げざるを得ない場合もあるでしょうから、減額請求の理由としては十分有効でしょう。

3.養育費の減額請求の方法

もし、上記のような事情があれば、以下の方法で養育費の減額を請求することができます。

(1) 相手との話し合い

難しいかもしれませんが、いったん取り決めた養育費の減額をするには、相手と話し合いをする必要があります。

合意ができたら、「合意書」を作成しておきましょう。書面化することで、「減額に合意した」、「合意していない」といった紛争を避けることができます。

(2) 養育費減額請求調停の申立て

養育費の減額の話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に「養育費減額請求調停」の申立てをします。そこで、調停委員により減額すべき事情について確認がなされます。

減額しなければならない事情をしっかりと主張し、調停委員に認めてもらわなければなりません。

明確な事情を調停委員が認めても、相手が応じなければ、調停は審判に移行することになります。
審判では、裁判官により適切な養育費の額が定められるので、それに従い支払っていくことになります。

4.養育費支払いのための債務整理

前述した通り、親は生活保持義務を負っており、借金があっても養育費の支払義務がなくなることはありません。

養育費に回すお金が工面できないのなら、他の借金を何とかすることを考えなくてはなりません。

ちなみに、債務整理をすれば借金は減額・免除されますが、滞納していた養育費が減額・免除されることはありません
養育費は「非減免債権」と呼ばれ、子の扶養義務に基づく生活や教育、監護に必要なもので、減額や免除の対象にすることが相応しくないからです。

[参考記事]

自己破産したら養育費はどうなる?免責・減額されない?

[参考記事]

個人再生をしても養育費は減額されない(非減免債権)

従って、「借金があるから養育費が払えない」といった言い訳はできないのです。

しかし、借金を返しながら養育費まで支払うのは、無理があることも事実です。そういった場合は、債務整理を検討してみてください。

債務整理には、「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」の方法があります。借金が膨らみきる前の段階で着手できれば、自己破産せずに、財産を失うことなく借金問題を解決することも可能です。

また、個人再生(住宅ローン特則付き)を利用すれば、住宅ローンの残ったマイホームを手放すことなく、消費者金融などの借金を解決することもできます。

借金の問題は、早期に対応することが何よりも大切です。返済が苦しいと感じたときには、できるだけ早く弁護士にご相談ください。

5.借金がある場合の養育費の支払いも弁護士にご相談を

借金があっても養育費を払わなければならないことに変わりありません。
それならば、いっそ借金を債務整理によって片付けて、養育費の支払いに注力できる環境を整えたほうが良いのではないでしょうか。

泉総合法律事務所にご相談いただければ、借金問題に関しまして様々な対処法をアドバイスさせていただきます。

債務整理に関するご相談は無料となっておりますので、「色々な借金が嵩んで養育費を払えない」等でお困りの方は、是非一度弁護士にご相談ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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