借金返済 [公開日]2019年12月3日

家賃滞納を続けると「契約解除」されてしまう?

賃貸住宅に住んでいる方は「家賃滞納」に要注意です。
長期にわたって家賃を滞納していると、賃貸借契約を解除されてしまい、自宅を退去しなければならなくなります。

今回は、家賃を滞納するとどうなってしまうかとか、賃貸借契約解除後の対応方法などについて、自宅家賃の支払が滞納した場合を念頭に、法律の専門家としての視点から解説します。

1.家賃滞納の影響|賃貸借契約解除

賃貸アパートやマンション、戸建てなどを借りて生活している場合、あなたと大家さんとの間には「賃貸借契約」が成立しています。
賃貸借契約とは、賃貸人が不動産を貸し、賃借人が「賃料」を払うことを内容とする契約です。

賃借人が賃料を払うのは、賃貸借契約に基づくもっとも基本的な義務です。
家賃を払わないことは重大な契約違反ですので、賃貸借契約を解除されてしまうのが普通です。

ただし、支払が少し遅れたとか、1か月程度支払いが遅れただけであれば、解除はできません。

賃貸借契約の場合、だいたい3か月分以上の家賃を滞納すると、大家側からの契約解除が認められます。

反対にいうと、家賃の滞納分が3か月分に満たなければ、遅れながらでも支払い続けている限り契約解除まではされない可能性が高いです(ただし、何度も滞納を繰り返している場合は、短期間の滞納でも解除されてしまうことがあります)。

2.契約解除で強制退去されるまでの流れ

先述の通り、家賃を滞納し続けていると、最終的には大家さんから賃貸借契約を解除されてしまい、自宅を退去しなければならなくなります。

続いては、その具体的な流れについて説明します。

(1) 督促

家賃の支払いを滞納すると、通常は大家さんや不動産管理会社から督促の連絡が入ります。督促は電話や手紙による場合が多いです。
もちろん、この時点で支払いをすれば契約解除される心配はありません。

一度目の督促で支払わなかった場合には、その後も何度か督促が来るでしょう。大家さんや管理会社の職員が自宅を訪ねて集金に来たりするケースもあるようです。

(2) 内容証明郵便で家賃の支払い請求書兼解除通知書が届く

家賃滞納が2~3か月続くと、大家さんから「内容証明郵便」が届くことが多いです。

1週間や10日などの期間を区切ってそれまでの滞納家賃の一括払いを求め、入金が確認できない場合には当然に賃貸借契約を解除する、という内容が記載されていることが多いかと思います(ただし、3か月以上家賃を滞納している場合は「滞納家賃の支払いを求めるし、入金があっても契約は解除する」という内容のこともあります)。

内容証明郵便とは、差出人の手元と郵便局に控えが残る特殊な郵便です。内容証明郵便で通知を発することで、大家側が契約を解除した事実等を後に証明することが可能となります。つまり、裁判における証拠になります。

内容証明郵便による解除通知書が届いたら、大家さんは本気で契約解除や裁判を考えているということです。
一刻の余裕もないので、今の家に住み続けたいなら早急に大家さんと話し合いをして、滞納家賃を支払う必要があります(詳しくは後述)。

(3) 裁判を起こされる

内容証明郵便が届いても滞納家賃を支払わなければ、大家さんから裁判を起こされるのが通常です。
具体的には、契約解除を前提に、滞納家賃(及び賃料相当損害金)の支払と、自宅の明け渡しを求めるという内容の裁判であることが多いです。

裁判では、賃貸借契約の解除が有効であるかどうかなどが争点になることが多いですが、家賃を3か月以上滞納している場合は、通常、解除は有効と判断されます。

お互いの主張立証が終わると、判決が下されます。

訴訟提起から判決までは、早ければ1~2か月です。

裁判所が契約解除は有効であると判断したのであれば、裁判所は、通常明け渡しを命じますので、自宅を退去しなければなりません。
また、滞納家賃や、契約解除後の賃料相当損害金も支払う必要があります。

(4) 強制執行される

判決が確定しても滞納家賃の支払いや自宅を退去しなかった場合には、大家さんから「強制執行」をされる可能性が高いです。
すなわち、自宅は強制的に追い出されます。

大家さんが裁判所に強制執行を申し立てると、まずは執行官が自宅にやってきて、明け渡しの催促をします(留守の場合は「催告書」を置いておきます)。

そこからおおむね1か月後が明渡期限となります。

その日までに立ち退きができなければ、明渡期限に執行官などが自宅にやってきて、自宅を強制的に退去させられます(家財等も全て撤去されてしまいます)。

さらに、明渡にかかる費用は数十万円に及ぶことが多いですが、これらは本来借主側が負担するものですので、明渡終了後に大家さんから請求される可能性があります。

加えて、滞納家賃等の回収のため、給料や預貯金などの差し押さえをされる可能性もあります。

[参考記事]

家賃滞納を続けた場合の強制執行とその対処法

以上の通り、家賃の滞納を開始してから強制退去までは、早ければ半年もかかりません。

【裁判されても和解できるケース】
家賃滞納によって裁判を起こされても、判決以外の解決方法があります。
家賃滞納による明け渡し訴訟では、裁判上の和解が成立するケースもあります。大家さんにしてみても、強制執行を行って退去させると大変な費用と労力がかかるので、できれば話し合いで解決し賃借人に任意で出て行ってほしいと希望するものです。
裁判になった後も「今後は分割払いで支払う」「賃借人が任意で明け渡しをするので、滞納家賃を免除してもらう」などの条件で和解できる可能性があります。こういった条件であれば、裁判後に給与などを差し押さえられる危険がありません。

3.賃貸借契約を解除されたときの対処方法

では、強制退去を防ぐためには、どうすればいいのでしょうか。

ここでは、家賃を滞納し続けてしまい、大家さんから内容証明郵便で賃貸借契約の解除通知が届いた時点に遡り、このときどう対応すべきだったのかを解説します。

(1) 今の家に住み続けたい場合

もしも今の家に住み続けたいなら、大家さんとしっかり話し合う必要があります。
もちろん、ただ「住む家がなくなると困るから追い出さないでください」などと頼み込んでも、家賃を支払わない限り大家さんは許してくれないでしょう。住み続けるためには家賃を支払う必要があります。

これまで滞納している分の一括払いが苦しければ、分割払いで払う約束をしましょう。現実的な提案をして大家さんと合意し、約束通りに滞納家賃を支払えば裁判されないでしょうし、強制執行されることもありません。

(2) 引っ越しをする場合

もしも今の家の家賃が高すぎるのであれば、家賃の安い家に引っ越すことを考えてもいいかもしれません。

その場合、大家さんに対し任意で家を明け渡す用意があると伝えましょう。明け渡し時期については話し合いで決定します。

なお、任意に退去するのであれば、滞納家賃については免除してもらえることもあります。

4.他に借金がある場合、借金の解決は弁護士にご相談を

家賃を滞納してしまうほど生活が苦しい方は、借金を抱えていることが多いです。
サラ金やクレジットカードなどで借金がかさみ、返済の負担が大きく、家賃の支払いができなくなってしまったというパターンです。

そういった方の場合には、借金問題を解決することによって余剰の資金を家賃支払いに充てたり、滞納家賃も借金として整理することで、生活を立て直すことができる場合があります。

借金を抱えていて、家賃などの様々な債務を払えなくなっている方は、早期に弁護士に依頼して借金を整理することをお勧めします。
お一人で悩んでいても前に進めません。状況を改善するために、できるだけお早めに弁護士までご相談ください。

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