借金返済 [公開日]2018年5月1日[更新日]2020年11月9日

家賃滞納で取り立て・立ち退き要請となった場合の対処法

住居は日々の生活をする上で必要不可欠なものですが、毎月の家賃の支払いが負担になっている、という方も多いです。
もし、その家賃の支払いを長期間滞納してしまったらどうなるのか、考えたことがありますか?

「留守の間に鍵を勝手に交換されるのか」「家財を撤去されるのか」など、様々な不安があるかと思いますが、今回は、家賃を滞納してから内容証明が来るまでの基礎知識をご紹介します。

家賃を滞納しそうで不安な方はもちろん、今現在立ち退き要請や取り立てに怯えているという方も、その後の対処法までしっかりとご紹介しますので、ぜひご覧ください。

1.家賃滞納後の流れ

(1) 電話・郵便による督促

家賃の滞納は、1~2日であれば特にアクションはないことが多いでしょう。この間にしっかりと支払えば、特に問題はありません。
しかし、数日経過したころから督促の電話がかかってくることが多いです。

電話がつながらないときは、郵便で「督促状」が送られてきます。

(2) 数ヶ月以上の滞納により催告書が送付

度重なる督促にも関わらず、家賃滞納が数ヶ月以上続く場合は「催告書」が送付されます。

この催告書が内容証明郵便で送られてきた場合は、立ち退き請求が出される一歩手前と考えて良いです。

なお、家賃滞納は基本的に3カ月程度までは待ってもらえます。
貸主が借主に立ち退きを求めるには、信頼関係の破たんが要件になりますが、滞納が3ヶ月未満の場合は信頼関係が破たんしたとはみなされないので、その間に立ち退きを要求するようなことはありません(契約解除はされません)。

しかし、取り立ては随時行われます。

[参考記事]

家賃滞納を続けると「契約解除」されてしまう?

ちなみに、無茶な方法での取り立ては法律で禁止されており、以下の行為は違法となります。

  • 張り紙を張る
  • 深夜・早朝の訪問
  • 鍵の勝手な交換
  • 家財の無断撤去
  • 職場への訪問

張り紙や深夜・早朝、職場訪問による督促は一切認められていません。また、鍵の交換や家財の撤去などは、裁判所による強制執行以外には認められていません。

滞納初期の段階でこうした行為があった場合には、専門家に相談することをおすすめします。

(3) 貸主が裁判所に建物明渡請求の申立

たとえ借主が家賃の滞納をしていたとしても、貸主が借主を勝手に追い出すことはできません。
立ち退きを求めるには、裁判所に建物明渡請求の申立をする必要があります。

申立後は借主に訴状が届きます。
実際の裁判では、「家賃滞納の有無」や「貸主と借主との間の信頼関係破綻の程度」などが審理されます(裁判前に滞納者に内容証明郵便を送るのは、家賃滞納の事実があり、正式に未納分の請求をしたことを証明するためです)。

これをもとに、貸主は相手(借主)に落ち度があることを裁判所に訴えます。

(4) 裁判所が建物明渡判決

貸主の請求が裁判所に認められた場合、裁判所は建物明渡判決を下します。

(5) 貸主が裁判所に対して強制執行の申立

建物明渡判決が出ても借主が退去しない場合、貸主は建物明渡判決をもとに強制執行の申立てを行います。執行官が立ち退きの催告を行い、催告から1ヶ月以内に退去しない場合は、執行官による強制執行が行われます。

これにより、部屋の家具は全て外に出され、鍵も差し替えられて中には入れなくなるでしょう。

[参考記事]

家賃滞納を続けた場合の強制執行とその対処法

【家賃保証会社が一連の取り立てをすることが多い】
家賃保証会社とは、賃貸住宅の契約時に必要となる借主の連帯保証人を代行する会社です。借主が家賃滞納などの債務不履行があった場合に、借主に代わって貸主に代位弁済を行います。
賃貸の連帯保証人については、以前は親族が行うのが一般的でした。しかし、近年の核家族化や身寄りのない一人世帯の増加により、近年は連帯保証人を立てられない人が増加しており、不景気もあり連帯保証人としての役割を果たせない人も増加しました。
そうした社会的な背景もあり、連帯保証人に代わって家賃保証する保証会社が台頭しました。
参考:代位弁済をされたら弁護士に相談を!|住宅ローン・カードローン

2.家賃滞納の解決方法

このように、家賃の滞納を続けると、最終的には強制退去をさせられてしまいます。

督促が開始する前に、大家さんや管理会社と交渉をして猶予や分割払いを認めてもらうのが一番ですが、それでも「今後も継続して家賃を支払っていくことが厳しい」という方がいらっしゃるかもしれません。

[参考記事]

家賃を滞納してしまった場合、どんな「言い訳」で待ってもらえるの?

家賃を滞納してしまうのは、収入が途絶えたときや、借金返済で家賃までお金が回らないときなどでしょう。

家賃は毎月発生するので、一度払えなくなると雪だるま式に滞納金が膨らみます。
家賃を含めた借金がどうしても支払えず、督促に怯えているのであれば債務整理で乗り切るのも一手です。

滞納家賃も基本的には「借金」とみなされるので、債務整理の対象となります。

ただし、家賃滞納で債務整理をした場合は立ち退きを迫られる可能性が高いので注意が必要です。

(1) 任意整理

今の家に住み続けたい人や、保証人に迷惑をかけたくない人、他の借金が多く家賃滞納をしてしまっている人は、任意整理を最初に検討しましょう。

任意整理は、他の債務整理方法と異なり、整理する借金を選んで手続きを行うことができます。
そこで、滞納家賃だけ外して手続を行うこともできるので、その場合は立ち退きを迫られる可能性が低く、保証人に請求がいくこともありません。

ただ、任意整理は借金の減額幅が小さいのがネックです。基本的にカットされるのは将来利息のみで、元金が減ることはありません。
また、減額してもらった借金をその後も継続して支払っていく必要があります。

債務額が多い場合や、そもそもの家賃の負担が大きすぎる場合には、問題を全面的に解決させられるほど経済的に楽になるとは言えないでしょう。

(2) 個人再生・自己破産

任意整理では借金問題を解決できない場合や、現在の収入がない場合は、個人再生や自己破産を検討すべきです。

個人再生は、全ての債務を整理の対象としなければなりませんが、借金の総額が元本も含めて大幅に縮小されます。

また、自己破産をすると、借金は全て免責され、家賃の支払い義務もなくなります。以後は督促もなくなるので、手続前と比べると天と地ほどの差があります。

その代わり、自己破産では一部の現金を除く財産は全て没収されます。
(賃貸物件に住んでいる人の場合は、持ち家や車などの大きな財産を所有していないことが多いので、他の債務整理方法と比べて特別なデメリットがあるとは言えないかもしれません。)

注意しなければならないのは、個人再生では借金が大きく減額され、自己破産では全額免除されるので、債権者である大家さんや保証会社は、未納分の家賃を全額は受け取ることができなくなることです。
そのため、家賃滞納をした状態で個人再生や自己破産をすると、立ち退き請求をされる可能性が高いでしょう。

とはいえ、住居は生活をする上でなくてはならないものです。それを債務整理で失うとなると、債務者の不利益が非常に大きくなるので、特別に滞納分の家賃を支払うことを裁判所が認めてくれる場合があります。

しかし、独断で家賃を支払うのは、債務整理が失敗する可能性もあり大変危険ですので、一度弁護士に相談することをお勧めします。

[参考記事]

自己破産すると賃貸アパートは借りられない?賃貸保証会社の注意点

3.債務整理を考えるならば弁護士へご相談を

家賃滞納を放置すると、督促・催告の後に立ち退き要請されてしまいます。住んでいる家を強制退去となる前に、何かしらの対応をする必要があるでしょう。

先述の通り、滞納している家賃も債務整理の対象となります。任意整理で他の借金を整理すれば家賃を支払えるようになるかもしれませんし、個人再生や自己破産をしても、裁判所の許可を得て滞納分の家賃を支払えば、今現在家賃滞納をしていてもそのまま住み続けることができるかもしれません。
(ちなみに、今まで家賃の滞納がない人は、個人再生や自己破産をしても問題なく賃貸に住み続けることができます。)

債務整理と一口に言っても、個々のケースで状況や対応が変わってきます。
泉総合法律事務所の弁護士にご相談いただければ、あなたにピッタリの解決策が見出せるでしょう。

家賃が払えない時や、借金でお困りの時は、1人で悩まずお早めに弁護士にご相談ください。

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