楽天カード(クレジットカード)で自己破産!?滞納時の正しい対処法
楽天カードは、テレビCMでもおなじみのクレジットカードです。「今入会したら8000ポイントプレゼント!」などの文言も、聞き覚えがある方はいらっしゃるのではないでしょうか?
楽天カードは比較的審査が通りやすいと言われており、楽天での買い物で多くのポイントが貯まることもあってその会員数は1700万人(2019年3月現在)を突破しました。多くの人が使っているとても便利なクレジットカードです。
しかし、楽天カードには「自動リボ払い」の設定があるために、気付かないうちに残債が膨らむ可能性があることも多く、ネットショッピングの気楽さが使いすぎを招き、支払いが苦しくなる例も多く見受けられます。
楽天カードの使いすぎで支払いを滞納し、自己破産・個人再生などの債務整理手続を法律事務所の弁護士のもとに問い合わせに来る方も多くいらっしゃいます。
この記事では、楽天カードの注意すべき点と、滞納してしまった場合の対処方法を解説していきます。
1.楽天カードの注意点
ポイントの貯まりやすさやスピード審査など、非常に多彩で便利なサービスを展開している楽天カードですが、その分リスクや問題点も多いので、注意が必要です。
以下では、楽天カードの抱える問題を指摘します。
(1) 支払い能力の低い人が簡単にカードを作れる
楽天カードは審査基準が緩くスピードも速く、「誰でも簡単にカードを作れる」というメリットがありますが、これは反面「支払い能力が低い人でもカードを利用する」状況を生み出します。
つまり、支払いが困難になる人が生まれやすいということです。
「他のカードは作れないけれど、楽天カードなら作れる」という方の場合、裏を返せば、将来支払いが厳しくなる危険を抱えていることになりやすいので、注意が必要です。
(2) 自動リボ払い設定
楽天カードのもっとも大きな問題は、「自動リボ払い設定」です。
自動リボ払いとは、カードを申し込んだとき、標準で「リボ払い」に設定されていることを言います。
つまり、楽天カードを申し込むと、何も手続をしなければ当然のようにリボ払いが選択されてしまうのです。
リボ払いとは、負債の総額が増えても、月々の返済金額が変わらないという支払い方法です。どれだけ借金しようと月々に払う額は変わらないので、利用額が増えてしまう傾向にあります。

[参考記事]
リボ払いで借金はどれくらい膨らむのか?仕組みと計算方法
この支払い方法が、楽天カードではデフォルトになっているのです。
もちろん一括払いに変更する事も出来ますが、利用規約をよく読まないでそのままにしていると、いつの間にか負債がとんでもない額になっていることもあるようです。
楽天カードを利用するならば、当初契約時に必ず「支払い方法」を確認し、リボ払いの設定になっていたらすぐに一括払いに変更することが重要です。

[参考記事]
債務整理・自己破産でリボ払いの借金地獄から抜け出す!
2.楽天カードを滞納してしまうとどうなるか
では、楽天カードを利用していて返済が苦しくなり、滞納をしてしまったら、どのような状況になってしまうのでしょうか?
(1) カードの利用停止と遅延損害金の発生
まず、楽天カードの支払いを遅延すると、引き落とし日の次の日から利用が停止となることが多いようです。また、同じく滞納の翌日から、年14.6%(カードショッピングの場合)の遅延損害金が発生します。
楽天カードでは、引き落としを楽天銀行・みずほ銀行・三井住友銀行などの一部の口座に指定している場合、滞納から4営業日までは自動引き落とし(再振替)が実施されています。
この時点で引き落としがされれば、過去に遅延を繰り返していない限り特に問題なく、金融機関からの引き落としが確認された後(入金から2~3日後)にカードが再び利用できるようになります。
しかし、目安として一ヶ月以上滞納を続けていると、利用停止の後に強制解約となってしまうでしょう。この場合、楽天カードに再度新規申し込みすることは難しいです。
また、短期間の滞納を何回も繰り返している場合でも、強制解約となってしまう可能性はあります。
(2) 督促のハガキ(手紙)・電話
再振替でも引き落としができず、滞納から5営業日以上が経過すると、「楽天カード株式会社」からのハガキ(手紙)や電話による督促が始まります。
督促状には、未払いになっている元本と利息、遅延損害金の金額が書いてあります。
最初はハガキによる督促状の送付がほとんどですが、滞納の期間が長引くと電話による督促も始まります。
また、「阿部東京法律事務所」という事務所から手紙が届くこともあります。
阿部東京法律事務所は楽天カードから債権回収の依頼を受けているようで、その事務所からの郵便封筒には一切「楽天」の文字はないものの、中には楽天につながる電話番号が書かれた書類が入っているようです。
この法律事務所からの封筒に焦って、初めて楽天カード株式会社に電話をしたり、弁護士に相談したりする方も多くいらっしゃるといいます。
これらのハガキを無視したり、電話に出ないまま支払いを放置したりすると、楽天カード株式会社は遂に法的処置をとってきます。
なお、長期間返済をしないでいると、「信用情報機関」に事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」に載る、ということです。
一般的には、滞納から2~3ヶ月ほどでブラックリストに載ると言われています。こうなってしまうと、楽天カード以外でも、一切のローンやクレジットカードを利用できなくなります(この状況は信用情報機関から情報が消えるまで続くので、最大5年もの間、クレジットカードの利用も携帯の分割払いもできなくなってしまう事になります)。
(3) 内容証明郵便が届く
カード負債の返済をしないまま約2~3ヶ月以上が経過すると、楽天カード株式会社から委託を受けた債権回収業者(サービサー)から、「内容証明郵便」による一括請求書が送られてきます。
内容証明郵便とは、「誰が、誰宛てに、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」を公的に証明してくれる郵便です。これで重要な通知をしたという「証拠」が残ることになり、債権者が本格的に債務の回収に動き出していると見て良いでしょう。

[参考記事]
債権回収会社(サービサー)から督促!無視厳禁、突然の通知の対処法
(4) 訴訟の提起・裁判
内容証明郵便による一括請求書が届いても支払いをしないで放置していたら、最終的に楽天から「貸金請求訴訟」という裁判を起こされます。
具体的には、裁判所から「支払督促」という督促状が届き、「遅延損害金を含めた延滞金の全額を一括で払うか」「裁判で争うか」の二択を選ぶことになります。
選択の猶予は2週間で、もしこれも無視してしまうと、相手の言い分をすべて認める形となってしまい、強制的に敗訴になってしまいます。
そうなってしまうと、預貯金などの資産や給料などを差し押さえられる可能性も出てきます。
給与の差し押さえは会社に通知が行きますし、預貯金は全額が差し押さえられてしまうケースが多いので、会社や家族に借金の存在と滞納がバレてしまいます。

[参考記事]
借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事
「便利だから」という理由で楽天カードを使いすぎてしまうと、最終的にはこのような大変な目に遭う可能性があるので、くれぐれも注意が必要です。
3.楽天カードで借金をしてしまった場合の解決方法
それでは、楽天カードの返済が苦しくなってしまったときには、どのように対応すれば良いのでしょうか?
(1) 節約や仕事でお金を用意する
借りたお金は返さなければいけません。身の回りのものを売ったり、短期のアルバイトをしたり、家族や友人からお金を借りたりして、なんとか急場をしのぐ、という事も考えてみる必要があります。
(2) 債務整理
楽天カードで借金された方には、多額の借金問題に悩まされている方も多く見受けられます。
そうなってくると、短期的にお金を工面しても根本的な解決にはなりません。楽天カードの借金だけを解消しても、またすぐに首が回らなくなってしまうと思われます。
そんな方は、債務整理を考えてみてください。
①任意整理
債務整理手続きの1つに「任意整理」というものがあります。まずは、任意整理によって借金を整理する事を検討しましょう。
任意整理は、裁判所を利用せずに、直接債権者と話し合いをして、借金の支払い金額やその方法を再構成する方法です。
任意整理をすると、利息をカットして長期分割払いをする、一括返済するので債務を減額してもらう、といった事ができます。大体は利息分をカットしてもらう方向に動きます。
楽天カードを利用されている方の場合、リボ払いなどで高額な利息がかかり続けることが負担になっているケースが多いので、任意整理によって利息をカットできれば、それだけで解決につながりやすくなると言えます。→任意整理とは?
【泉総合法律事務所で楽天カードの借金を任意整理した具体例】
Aさん(27歳 女性)は、楽天カードを作り、ネットショッピングを中心に利用していましたが、自動リボ払い設定に気づかず、どんどん買い物をして負債を増やしてしまいました。
他のカードも利用していたため、気づいたときには、クレジットカードによる負債総額が120万円を超えていて、怖くなり、当事務所にご相談に来られました。
このままではいつになったら支払いを終えられるかわからないので、弁護士が介入して任意整理を進めることになりました。
Aさんは契約社員であり、毎月カード借金の返済に充てられる金額が2万円までということでしたので、カード会社と交渉をして、2万円を60回払いで返済していくことに決めました。
この方法であれば、これまでのようにリボ払いの利息がかかり続けることもありませんし、月々の支払いが全額元本に充当されて安心なので、Aさんも安心して支払いを続けていらっしゃいます。
②個人再生
個人再生も債務整理手続きの1つです。任意整理とは違い裁判所に申立をして「再生計画」を認可してもらうことにより、借金の支払い額を減額してもらう手続です。元本ごと5分の1や10分の1などの金額まで、大きく減らすことができます。
借金額が増えてしまって任意整理では支払いができない場合には、個人再生が有効です。
ただし、個人再生できるのは、サラリーマンや自営業者、アルバイト、年金生活者など、何らかの収入がある方に限られます。→個人再生とは?
③自己破産
個人再生で減額してもらっても負債が大きすぎる場合や、無職無収入でまったく支払い能力がないために個人再生を利用できない場合でも、「自己破産」によって解決できる可能性が高いです。
自己破産は、裁判所に申立てて「免責」という決定をしてもらうことにより、借金などの負債の支払い義務を全額免除してもらう債務整理の方法です。
どれだけ楽天カードの借金が増えていても、自己破産すると支払い義務が0になりますし、楽天カード以外のカードやサラ金、銀行カードローンなどの負債も自己破産免責の対象になります。→自己破産とは?
4.楽天カードなどのクレジットカード滞納も弁護士へ相談を
以上のように、楽天カードのリボ払いなどによって借金が膨らんでしまっても、債務整理をすれば、仕切り直しができます。
ただ、債務整理をするときには、個々のご事情に応じた適切な方法を選択する必要があり、そのためには専門家からアドバイスを受けることが望ましいです。
泉総合法律事務所には楽天カードの債務整理の相談・お問い合わせが非常に多く、解決実績も豊富ですので、スムーズに状況改善させることが可能です。
楽天カードで借金をして返済に困っていらっしゃるのであれば、まずは一度、当事務所の無料相談をご利用ください。