意外と多い農家の借金地獄。オススメの債務整理方法とその流れ

借金返済

意外と多い農家の借金地獄。オススメの債務整理方法とその流れ

【この記事を読んでわかる事】

  • 農家は初期費用がかかり収入が不安定なため、借金を抱えてしまうケースが多い
  • 農家を続けていく上での債務整理は任意整理がベスト
  • 適切な債務整理方法はそれぞれ異なるため、弁護士に相談するのがおすすめ

 

一般的に、農家は食べる物を自分で作っているのだから、生活費はそれほどかからないだろうと思われがちです。

しかし、実際は農機具などの設備投資に莫大なお金がかかり、さらに天候不順による収入不足を補うために借金が嵩みがちです。

今回は、そんな農家の借金事情と対処法について解説します。

1. 実は多い、農家の借金

農家は作物を作るので、自給自足できそうなイメージもあり、借金とは程遠い印象がありますが、実は意外にも借金を抱えがちな産業です。

農業を営むには機械の導入やリースが必要で、肥料や資材などの購入費用も大きな負担となります。

新規参入をする場合には、さらに土地の購入費用がかり、ビニールハウスなどの設備も一から揃えなくてはなりません。

初期投資額は数百万円から場合によっては1千万を超えることもあるでしょう。

農業は国からの保護もあり、他業種より融資面でも優遇されるイメージもありますが、そもそもの投資コストが高いので、資金の心配は常につきまといます。

その上、農作物の収穫は一定ではありません。不作のときも支払いは待ったなしです。

そのため、余裕があるときにしっかり貯蓄しておかないと、収穫のないときに借金を返せなくなります。

・JAからの借り入れ

農家が融資の際に頼りになるのは農協で、実際に農家の農協加入率は高く、JAから借入をしている人は多いです。

JAの融資は低金利で借りられるので、その他金融機関より有利に借入できますが、連帯保証や抵当権はつくので、その点は一般的な借金と何ら変わりはありません。

万が一借金が返せなくなったときに辿る末路は同じなのです。

また、農家は作物を作っていても、それ以外の農作物については一般消費者と同様に購入しなければないので、農家だから食べ物に困らない、ということもありません。

農家と言えど、必要な生活費は他産業の人と同じです。それだけに借金がかさむと重くのしかかります。

実際に農業を営んでいて、借金払いができずに債務整理をする人は少なくありません。

2. 農業を続けていく場合の債務整理

借金払いができなくなったとき、法律的に問題解決することを債務整理と言います。

債務整理は主に任意整理、個人再生、自己破産の3つがあります。

農業でどうしても借金を返せなくなったときは、債務整理に踏み切ることになりますが、今後も農業を続けていきたい場合は任意整理を選択するのがベストです。

その理由は2つあります。

(1) 任意整理なら債権者を選べる

農業を続けたいときに任意整理がよい理由の1つは、任意整理であれば債権者を選べる点にあります。

個人再生や自己破産を選択すると、債権者を選ぶことはできないので、借金の際に農地や機械などを担保にしている場合は、担保を回収されてしまいます。

そうなると、その後農業を継続することができません。

また、家族や親類を連帯保証人にしているときは、その人に債務の一括請求がされるので、相手に迷惑をかけることになり、その土地で農業を続けていくことが難しくなる可能性もあります。

しかし、任意整理の場合は、担保や連帯保証のある借金を除いて手続をすることができるので、機械や土地を残したまま、保証人に迷惑をかけることなく借金を減らすことができます。

任意整理は借金の減額幅は少ないですが、無理なく計画的に返済していけるよう話し合うことができるので、借金を返しつつ、その後も農業を営むことができます。

(2) 任意整理なら財産を残せる

もう1つの理由は任意整理なら財産を残せることがあげられます。この点も農業を続けたい人にとっては重要なポイントです。

自己破産の場合は、換価できる財産は全て配当に充てられるので、農業機器や土地は全て没収されることになります。そうなると農業の継続はできません。

また、個人再生の場合は基本的に財産の没収はありませんが、財産評価によって借金の減額幅は変わります。

農家の人は資産価値の高い機械や不動産を所有していることも多いので、個人再生後の最低弁済額も高くなりがちです。

その点、任意整理であれば、財産評価に関係なく手続を行うことができ、財産を没収されることもないので、農業を続けたい人には断然おすすめです。

(3) 任意整理後の支払い

任意整理をすると決めたら、弁護士を介して債権者である金融機関と相談をして、毎月の返済額を減額してもらうのが一般的です。

また状況によっては、返済期間を延長するリスケジュール(リスケ)も検討します。

ただし、このケースでは、返済期間が延びることによって利息は増えるので、借金の支払総額自体は増加してしまいます。

また、リスケジュールの一環として、一定期間は利息の支払いのみで、元金の支払いをストップできることもあります。

気象条件に左右される農家の人にとっては、こうした柔軟な対処をしてもらうことで、難局を乗り切れることもあります。

任意整理は基本的に元金のカットは行われず、話し合いで利息部分を減額してもらうのが一般的です。

そのため、借金の減額幅はそれほど大きくはありませんが、財産を残して農業を続けたい人にとっては最適な制度です。

リースしている農業機器などもそのまま引き続き使うことができるので、農業を続ける意思がある場合は、まずは任意整理を検討しましょう。

3.農業を辞める場合の債務整理

農業を辞める場合の債務整理は、継続する場合よりも選択肢は広がります。

任意整理と個人再生は、借金は減額されますが、債務整理後も返済は続くので、一定の収入があることが条件です。

そのため、もともと兼業農家で、他に安定的な収入がある場合は手続が可能です。

専業農家で他に収入がなく、支払いの目途が立たないときは自己破産一択となります。

自己破産をすると、農地を手放さなければなりません。先祖代々から受け継いだ土地であれば、それは断腸の思いかもしれません。

しかし、農地を他の所有者へ移転するのは農業委員会の許可が必要となるので、現実的には、そう簡単には買手が付かないでしょう。

事実上売却不可能と判断されれば、破産財団から放棄され、配当に回されないこともあります。

これはケースバイケースなので、専門家に判断を仰ぐのが一番です。

また、リースしている農業機器などは、没収され金銭に換価されてしまいますが、農業を辞めるのであれば必要ないので特に問題ありません。

以上を総合的に考慮すると、農業を辞める場合は、自己破産でも大きなダメージを追わない場合もあります。

自宅や高級車を所有していれば、それらは没収対象ですが、もしそうした財産を所有していない場合は、借金免責のメリットの方が大きいこともあります。

自己破産は債務整理の最終手段なので、安易に申立をするのはおすすめできませんが、借金返済に行き詰り、その後も安定した収入が見込めないときには、自己破産も選択肢に入れることをおすすめします。

  • 農家を続けるなら、任意整理か個人再生
  • 農家を辞めるなら、自己破産

4.農家の方も弁護士にご相談ください

このように、農家が債務整理するには、農家ならではの特殊な事情が絡んできます。

高齢化や跡継ぎの問題などもあり、継続するのが得策なのか否かはそれぞれのケースでも異なります。

農家の方で借金に困っていたら、ぜひ泉総合法律事務所の弁護士に相談してください。どんな債務整理手続が適しているのかは、ご状況に応じて慎重に検討する必要があります。当事務所の弁護士にご相談いただければ、その点について的確にアドバイスさせていただきます。

債務整理の専門家と一緒に問題を解決していきましょう。

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