借金返済 [公開日]2018年4月12日[更新日]2019年12月3日

国金(日本政策金融公庫)への返済ができない場合の対処法とは?

日本政策金融公庫(いわゆる国金)は、営利企業の銀行などの金融業者とは異なり、日本政策金融公庫法に基づいて設立されました。
政府が100%出資して運営しているため、営利目的ではありません。

そのため、一般の金融業者と比較して、融資の審査も緩く、低金利で借りられることが特徴で、特に起業の際には国金からお金を借りて事業を行っている会社企業も多いことと思います(いわゆる創業融資)。

しかし、簡単に借りられるからといって、必要以上に借入をしてしまったり、資金繰りが上手くいかず、計画通りに収益が上がらなかったりすると、そのうち返済出来ない状態となってしまい、けれども、国金の取立ても厳しくないが故に、そのまま放置してしまう、ということもあります。

この場合、数ヶ月も滞納を続けていると、「代位弁済履行通知書」あるいは「債権譲渡通知書」などといった書面が届くことになるでしょう。

そんな時にどうしたら良いか分からないという方へ、このコラムでは、債務整理に詳しい弁護士が解決方法をアドバイスさせていただきます。

1.日本政策金融公庫を滞納した後の流れ

(1) 日本政策金融公庫からの取り立て

先述の通り、日本政策金融公庫(国金)は、政府系の機関であるため、厳しい取り立てもなく、督促の電話があったとしても温厚な態度で接してきます。

そのため、「すぐに支払います」などとその場凌ぎのことを言ってしまい、結果的には支払わずに放置してしまう、という方もいらっしゃるようです。

もちろん、数日滞納してしまったとしても、本当にすぐに支払えたのであれば、それ以上は問題となりません。
しかし、滞納が続くと、督促の電話や督促状が頻繁に届くようになります。

(2) 保証人が代位弁済をする

日本政策金融公庫から融資を受ける場合は、保証協会や保証会社が保証人となります(会社への融資の場合は、これにプラスアルファして、経営者等の個人が会社の保証人になることも多いでしょう)。

主債務者である借主が返済できなかった場合、保証人であるこれらの機関が、借主の代わりに、貸主である国金に返済(代位弁済)をし、その後、保証人から主債務者である借主に対して、代位弁済した分のお金を求償する、という流れになることがあります。

この、保証人が主債務者に対して求償をする権利を、「求償権」と言います。

冒頭でも説明した「代位弁済履行通知書」という書面は、この「保証人が借主に代わって代位弁済しましたよ」ということを借主に通知している内容の書面なのです。

ですから、滞納を続けていた結果この書面が届いた場合、借主は、もう国金に返済する必要はありませんが、一方で、この代位弁済した機関(保証会社)に対して、自分の代わりに支払って貰った分のお金を返済していかなければならない、ということになります。

代位弁済がされる時期はケースにもよりますが、概ね滞納開始から数ヶ月経った頃になるでしょう。

ただし、代位弁済をしたこれらの機関は、もとの貸主である国金のように、政府から100%の出資を受けるようなところではなく、営利目的の私企業です。
よって、保証会社の場合は、債権の取立てのため、支払督促の申立や訴訟の提起といった、裁判所を通したより厳しい手続を取ってくる可能性があります。

また、保証会社に代位弁済された時点で、債務者は、期限の利益を喪失しています。期限の利益とは、「期限が到来しない限りは債務の履行をしなくても良いという利益」のことで、簡単に言えば、この利益が切れることで、分割払いで返済する権利を失うことになります。
よって、債務者は、保証企業から、債務の一括返済を要求されてしまいます。

なお、信用保証協会に代位弁済をされた場合は、以下のコラムでも詳しく解説しています。

[参考記事]

中小企業が信用保証協会に代位弁済をされた場合の対応

(3) 強制執行される

この一括請求も放置していると、保証会社、若しくは、ここから債権譲渡を受けた債権回収会社(サービサー)から法的な処置を取られることになるでしょう。
(債権が譲渡された場合は、先に「債権譲渡通知書」などが届くでしょう。)

[参考記事]

債権回収会社(サービサー)から督促!無視厳禁、突然の通知の対処法

具体的には、裁判所に訴訟を提起されてしまい、判決が出て、強制執行が可能になれば、会社の資産(預貯金、売掛金を含む)を差し押さえられてしまいます。
結果的に会社が破産を余儀なくされれば、経営者が会社の保証人になっていた場合、経営者も会社と一緒に自己破産をしなければならないかも知れません。

[参考記事]

会社法人が破産・倒産したら社長・代表取締役は責任追及されるのか?

2.返済できない場合の対処法

では、日本政策金融公庫(国金)への返済が不能となった場合は、どのような対応をすれば良いのでしょうか。

(1) 日本政策金融公庫に相談する

まず、返済出来ない(返済が厳しい)と感じた時点で、日本政策金融公庫(国金)に相談をしましょう。

出来れば、滞納が発生する前に相談することが理想ですが、滞納発生後であっても、支払いの意思があれば、担当の方は柔軟に対応してくれるでしょう。

早期に日本政策金融公庫に直接相談することで、返済期限を猶予して貰えたり、分割払いを受け入れて貰えたり、返済計画をリスケジュールして貰えたりする可能性があります(逆に、相談が遅れれば遅れるほど、応じて貰える条件は厳しくなっていってしまうとも言えます)。

(2) ビジネスローンやファクタリングを行う

返済が苦しい場合、ビジネスローンやファクタリングで借入をすることも考えられます。

しかし、これらの借り増しには、当然リスクも付き纏います。あくまで一時のつなぎとして利用するのは良いかもしれませんが、安易に頼り過ぎて、今以上に資金繰りが悪化しないように注意する必要があります。

[参考記事]

ビジネスローンとファクタリングの違い。会社破産は弁護士に相談を

(3) 債務整理をする

どうしても返済が厳しく、完済の目処が立たない場合には、会社を債務整理することをお勧めします。

会社の債務整理にはいくつかの種類があり、借金を全て免責してもらった上で会社を消滅させる「破産」が全てではありません。中には、会社を残したままで返済額を減らす方法(民事再生等)もあります。

会社に少しでも多くの資産が残っているうちの方が、取れる対策の選択肢も多くなります。
会社の借金を支払えないという場合は、お早めに弁護士へご相談下さい。

3.まとめ

代位弁済をされてしまった場合、代位弁済を履行した保証会社から、訴訟を提起される可能性も小さくありません。
そのような状況になると、差押えなどの強制執行までされるリスクも考えなくてはならなくなってきます。

したがって、「代位弁済履行通知書」や「債権譲渡通知書」などという書面が届いた場合は、出来るだけ早期に、債務整理の専門家である弁護士にご相談されることをお勧め致します。
さもなければ、これまでの債権者であった国金よりも、督促などが厳しくなることが予想されます。

泉総合法律事務所には、国金は勿論、その他の貸金業者、信販会社などからの借入でお困りの方々から多数のご相談が寄せられます。
また、それら借金問題の解決実績も豊富にありますので、借金問題でお悩みの方や、倒産・破産手続をご検討中の方は、是非とも当事務所にご相談下さい。

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