マイナンバー制度で職場に借金はバレる?マイナンバーと借入の関係

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マイナンバー制度で職場に借金はバレる?マイナンバーと借入の関係

マイナンバー制度」は、日本に住民票を持つすべての人に12桁の番号を割り振ることで、複数の行政機関などで管理されている情報を入手しやすくするものです。

マイナンバー制度を創設するきっかけとなったのは、いわゆる「消えた年金」問題でした。個人に関するさまざまな情報が膨大となり、これまでの方法では、必要な情報へのアクセス・管理に、多大な行政コストかかっていました。

マイナンバーはこれらの行政コストを軽減する目的で創設されたのです。

マイナンバー制度は、社会保障、税、災害対策に限定して運用がはじまりましたが、2017年には年金への適用がはじまりました。また、2018年からは、銀行口座に関する情報にも適用されます。

以上のように、マイナンバーが適用される領域は徐々に拡大されています。

他方で、「マイナンバーについてはよく分からない」という方が少なくありません。「マイナンバーで自分の借金が他人に知られてしまうのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、今回は、そんなマイナンバー制度と借金について説明することにします。

1.マイナンバー制度とは

マイナンバーとは、日本に住民票を有するすべての方(外国人の方も含まれます)が持つ12桁の番号です(内閣府HPより)。

(1) マイナンバー制度が創設された背景

マイナンバーは、社会保障や税、災害対策の分野で、国の行政機関、地方公共団体などの情報交換を合理化するためのインフラとして整備されたものです。

これまでは、住民票コード、基礎年金番号、健康保険被保険者番号というように、それぞれの行政機関、地方公共団体ごとに異なる番号で、個人の行政情報を管理していました。

そのため、複数の行政機関にまたがる手続では、必要な情報の交換に無駄な時間がかかっていました。

マイナンバーはこれらの行政手続上の無駄を合理化する目的でつくられたものです。

(2) マイナンバーで紐付けられる情報

マイナンバーでは、個人に関するさまざまな情報が紐付けられることなります。そのうち重要なものを挙げると次の通りになります。

  • 氏名、住所、生年月日、性別
  • 収入、所得、納税状況
  • 雇用保険
  • 健康保険
  • 年金(2017年から)
  • 預金(口座や残高)に関する情報(2018年から、ただし任意)

(3) マイナンバーは「一元管理」のシステムではない

「マイナンバーで個人情報が一元管理される」という表現をよく目にすることがあります。しかし、「一元管理」というのは、正しい認識ではありません。

「一元管理」というのは、たとえば、上記の情報が「1つのデータベース」で集約的に管理されることを意味します。

しかし、マイナンバー制度導入後も、納税状況や、健康保険、年金、預金といったそれぞれの情報は、それぞれの行政機関や銀行で個別に管理されます。

マイナンバーが導入されても「分散管理」であることは、変わりありません。

マイナンバー制度を所管する総務省のホームページでも、マイナンバー制度は「一元管理ではない」と明言しています。

マイナンバーは分散管理されている情報にアクセスするための、「共通の鍵(マスターキー)」といった方が分かりやすいと思います。

2.マイナンバーと借入

「会社や知人などが、マイナンバーから自分の借金の状況を知ることができるのか」と不安に思う方もいるかと思います。

しかし、結論から言えば、会社はマイナンバーで従業員の借金の状況を調査することはできません

(1) 借金の情報を管理するのは指定信用情報機関

まず、個人の借金に関する情報は、マイナンバーで紐付けられる対象ではありません。

個人の借金に関する情報は、「信用情報」として、国(内閣総理大臣)が指定する指定信用情報機関で管理されています。

よく「債務整理するとブラックリストに載る」と言われることがあります。この「ブラックリスト」に該当するのが、指定信用情報機関のデータベースです。

指定信用情報で管理される情報に、一般の会社や個人がアクセスする権限はありません。

【参考】信用情報機関の違い(CIC・JICC・JBA)、掲載されるとどうなる?

(2) 会社にマイナンバーを知らせる意味

会社勤めの方は、勤務先にマイナンバーを通知する義務があります。これは、税務署などの行政機関が所得を把握するために行われます。

つまり、簡単に言えば会社側は、「マイナンバー1234-5678-7890の方に、20万円の給与を支払った」ということを税務署などに通知するわけです。

ただ、この通知それ自体はこれまでも行われてきたことですから、マイナンバーによって新しいことが始まったというわけではありません。

また、正当な目的と権限がなければマイナンバーを用いて個人情報を取得することはできません。したがって、将来においてマイナンバーと借金の情報を紐付けることがあったとしても、会社が従業員の借金を調査することはできないでしょう。

(3) マイナンバーによる情報交換の履歴は確認できる

一般の方にはあまり知られていませんが、マイナンバーで紐付けされているあなたの情報や、行政機関などが情報提供ネットワークを通じて情報を交換した履歴は、確認することができます。

マイナンバーに関する情報の確認には、「マイナポータル」というシステムを用います。パソコンのほか、マイナンバーカード読み取り対応のAndroid端末でもアクセス可能です。

「マイナポータル」についての詳細は、下記のページ(内閣府)をご参照ください。

マイナポータルとは

3.会社に内緒で副業している場合には注意が必要

たとえば、借金返済のために、会社に内緒でアルバイトや副業をしている方は、少し注意が必要です。

(1) 預金口座とマイナンバーの紐付け

2018年より、預金口座とマイナンバーとの紐付けがはじまりました。新規に口座を開設する際には、氏名住所といったこれまで提供していた情報に加え、マイナンバーの提出を銀行から依頼されます。

これは、犯罪収益の資金洗浄(マネーロンダリング)の監視や、生活保護などの社会保障制度における資力調査、財務調査を合理化することを目的としています。

また、金融機関が破綻した場合や東日本大震災のような災害が発生したときには、預金額の調査が迅速化されることで、預金保険機構による補償がスムーズになります。

なお、預金口座へのマイナンバー付番は、現在は任意の制度です。しかし、預金口座への付番については、制度開始後3年を目処に、制度改正などの必要な措置を講じることがすでに決定しているので、近い将来「義務化」となる可能性もあります。

(2) 申告漏れを発見しやすくなる

マイナンバーが銀行口座に紐付けされることで、税務調査で「お金の流れ」を把握しやすくなります。

そのため、副業やアルバイトの収入の「申告漏れ」は今まで以上に把握しやすくなることが予想されます。

(3) 税金納入の状況から会社に副業がバレる

住民税の支払いは、特別徴収が原則です。

特別徴収とは、住民税が会社から支払われる給与から天引きされる方法のことです。副業などの収入も、当然に住民税の対象となります。

したがって、「AさんとBさんは給与額が同じなのに、住民税が違う」ということで、副業やアルバイトが会社にバレてしまう可能性があります。

ただ、これもマイナンバーが導入以前からあった特別徴収のリスクです。

4.まとめ

現状では、マイナンバーに紐付けられる個人の情報はかぎられています。しかし、近い将来、クレジットカードへの付番が検討されることも予想されています(とはいえ、会社が従業員のクレジットカード保有状況を調査することにはならないでしょう)。

ところで、税金の滞納などで給料が差し押さえられることになれば、マイナンバーとは関係なく、会社に借金を知られてしまいます。借金の返済が苦しいと感じている方は、できるだけ早く専門家に相談することをおすすめします。

早期に対応すれば「誰にも知られることなく」借金の問題を解決できることも少なくありません。

泉総合法律事務所では、家族や会社に内緒で債務整理をしたいという方からのご相談も多く承っております。借金が膨らんでしまう前に、ぜひ一度、当事務所の弁護士にご相談ください。ご相談は何度でも無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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