借金返済 [公開日]2018年3月22日[更新日]2021年3月17日

未成年が個人で行った借金は無効になる?親が払う?

「子供が保護者に黙って消費者金融に行きお金を借りていた」「年齢を偽ってお金を借りていた」など、子供が自分自身で作った借金が問題になることもしばしばあります。

特に、未成年の子供は通常収入がないため、自分で支払いをすることは難しいです。

その場合に、子供が作った借金はどうなるのでしょうか。こうした借金は親に返済の義務があるのでしょうか。

この記事では、未成年が個人で(保護者に無断で)行った借金の処遇について解説していきます。

1.未成年者はお金を借りることができる?

基本的に、未成年者は1人で借金をすることができません。
借金をするには、親の同意が必要となります(なお、親の同意があったとしても、未成年者にお金を貸すかどうかは各業者が個別に判断しますので、貸し倒れのリスクを懸念して貸し付けを断られることは多いでしょう)。

もし、子供が親の同意を得ずに借金をした場合は、子供も親も後で借金を取り消すことが可能です。取り消すと、借金の契約は初めから無効だったとみなされます(利息の支払いも不要です)。

民法第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

しかし、例外的に取り消しが認められないこともあります。それはどのような場合なのか、以下で説明します。

【無効の借金でも「現存利益」の返還義務がある】
未成年の借金が取り消されて無効になったとしても、借金を全額なかったことにできる訳ではありません。少なくとも現存利益での返還義務は負うことになります。
現存利益とは、手元に残っている利益のことで、たとえば未成年者が借金をして中古のバイクを買った場合、そのバイクは現存利益とみなされ、換金して返還する義務があります。。
一方、子供が借金を遊興費に使ってしまった場合は、現存利益がないとみなされ、お金を返済する義務はありません。
これは飲食や遊びなら借金がゼロになるということではありません。同じ飲食でもそれが生活費として使われていたら返済義務が生じます。なぜなら、生活費はもともと出費するものであり、借金を充てることで財産の減少を免れることができるので、その分は現存利益と見なされるのです。

2.借金の取り消しが認められない場合

未成年の借金でも取り消しが認められない(返済義務が生じる)ケースは以下の通りです。

(1) 親の承諾がある

未成年が借金をするにあたり、予め親が同意をしている場合、借金は有効になります。
また、子供が借金をした後に親が認めた場合にも、子供に返済義務が生じます。

この2つのケースでは、借金の契約は有効ですが、親に返済義務は生じません。返済義務があるのはあくまでも子供です。

保証人や連帯保証人になっていない限り、親には返済義務はありません。

(2) 子供が既婚者である

未成年であっても、結婚をすると成年擬制が生じます。

民法上は成人同様に扱われるので、親の同意なく借金をしても、子供本人に返済義務が生じます。

(3) 子供が親の許可を受けて商売をしている

未成年者が親の許可を受けて商売をしている場合も成人扱いされます。

この場合も、親の同意なく借金をしても、本人が借金を返さなくてはなりません。

(4) 子供が契約時に詐術を用いた場合

未成年者は親の同意がなければ借金をすることができませんが、子供が契約をするときに詐術を用いたときは借金の取り消しはできません。

詐術を用いるとは、年齢を偽って成人であるかのように装うことです。また、親の同意があるとだますことも詐術に当たります。

例えば、生年月日を偽って成年であるかのように装うことや、子供が親の同意書を偽造して提出した場合は「詐術」に当たり、契約が有効になるので子供に返済義務が生じます。

その場合は子供も親も借金の取り消しはできず、子供が借金の返済をしなければなりません。

このような場合は未成年者であっても保護の必要性が薄く、むしろ騙された側の方を保護する必要があるからです。

3.貸し手・未成年の権利

ここまで紹介したように、未成年者にお金を貸す場合、場合によっては借金の契約を取り消される可能性もあり、貸し手側は不安定な状況におかれます。
また、未成年者としても、借りたお金は返そうと考える場合もあります。

そのため、双方の立場をはっきりさせるために、貸し手に催告権が、未成年には成年となった後の追認権が認められています。

(1) 貸し手の催告権

貸し手は、未成年者にお金を貸した場合、親または成年となった後の未成年者本人に対して、借金を取り消すか、追認するか、1ヶ月以上の期間内に返答するように促すことができると定められています。

取り消すとの確答があれば、借金は取り消されることになります。
一方、追認するとの確答があった場合や、取り消すか追認するかの確答がない場合は、追認したものとみなされるので、借金は有効になります。

その後は契約の取り消しができず、未成年者は借金返済義務を負うことになります。

(2) 未成年者の追認権

未成年者が成人した後に、自身が借金を追認した場合も借金は有効となります。
例えば未成年者が成人となった後に「借金をしたことを認めます」や「借金を返します」と貸し手側に伝えることです。

この場合も、本人が返済義務を負うことになります。

4.まとめ

このように、未成年者が親の同意なく借金をした場合、子供にも親にも借金を返済する義務は生じません。
ただし、詐術を用いた場合など、契約の取り消しができず借金が有効になることもあります。そのお金がどうしても返せないときは、債務整理というのも選択肢の一つとなるでしょう。

もし親に内緒で子供が借金をした場合も、弁護士にご相談ください。専門家と一緒にベストの解決方法を探していきましょう。

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