借金返済 [公開日] [更新日]

未成年が個人で行った借金は無効になる?親が払う?

【この記事を読んでわかる事】

  • 未成年の借金は必ず親が支払う(返済する)義務があるのか
  • 借金が有効になり支払い義務が発生するケースとは
  • 債権者保護のための貸し手の催告権・追認権とは

 

スマートフォンのゲームで子供が勝手にクレジットカードを使ってしまった、携帯電話の支払いに借金をしてしまった、など、子供が自分自身で作った借金が一頃話題になりました。

こうした借金は親に返済の義務があるのでしょうか。

1. 未成年者が借金をするには親の承諾が必要

(1) 未成年者は1人では借金をすることができない

基本的に未成年者は1人で借金をすることができません。借金をする際には親の同意が必要となります。

もし、子供が親の同意を得ずに借金をした場合は、子供も親も後で借金を取り消すことが可能です。

しかし、借金を全額なかったことにできる訳ではありません。少なくとも現存利益での返還義務は負うことになります。

現存利益とは、手元に残っている利益のことで、たとえば未成年者が借金をして中古のバイクを買った場合、そのバイクは現存利益とみなされるので、バイクを返還することになります。

一方、子供が借金を遊興費に使ってしまった場合は、現存利益がないとみなされ、お金を返済する義務はありません。

これは飲食や遊びなら借金がゼロになるということではありません。同じ飲食でもそれが生活費として使われていたら返済義務が生じます。

なぜなら、生活費はもともと出費するものであり、借金を充てることで財産の減少を免れることができるので、その分は現存利益と見なされるのです。

また、親の同意を得ていない借金では利息の支払いも不要です。

(2) 子供が契約時に詐術を用いた場合

未成年者は親の同意がなければ借金をすることができませんが、子供が契約をするときに詐術を用いたときは借金の取り消しはできません。

詐術を用いるとは、年齢を偽って成人であるかのように装うことです。その場合は子供も親も借金の取り消しはできず、子供が借金の返済をしなければなりません。

なぜなら、このような場合は未成年者であっても保護の必要性が薄く、むしろ騙された側の方を保護する必要があるからです。

2. 借金が有効になる場合

未成年の借金は有効になることもあります。該当するケースは以下の通りです。

(1) 借金が有効になる場合

①予め親の承諾がある

未成年が借金をするにあたり、予め親が同意をしている場合、借金は有効になります。

②親が事後に承諾した

子供が借金をした後に親が認めた場合、子供に返済義務が生じます。

この2つのケースでは借金の契約は有効ですが、親に返済義務は生じません。返済義務があるのはあくまでも子供です。

しかし、親が保証人になっている場合は、子供が借金を返せないときは親が返済義務を負うことになります。

また、子供の借金を親が一部でも肩代わりした場合は、借金を追認したことになるので、親に返済義務が生じます。この場合は元金だけでなく利息も支払わなくてはなりません。

(2) 未成年者が1人で借金をしても有効になる場合

未成年者が親の同意なしに借金をしても有効になるのは以下の2つのケースです。

①子供が既婚者である

未成年であっても結婚をすると成年擬制が生じます。民法上は成人同様に扱われるので、親の同意なく借金をしても、子供本人に返済義務が生じます。

②子供が商売をしている

未成年者で商売をしている場合も成人扱いされます。この場合も親の同意なく借金しても本人が借金を返さなくてはなりません。

いずれも保証人になっていない限り、親には返済義務はありません。

(3) 子供が親の同意書を偽造して提示した場合

子供が親の同意書を偽造して提出した場合は、契約が有効になり子供に返済義務が生じます。

また、以下の刑事上の責任を問われる可能性もあります。

  • 有印私文書偽造罪…3月以上5年以下の懲役
  • 公正証書等原本不実記載罪…5年以下の懲役又は50万円以下の罰金

3. 貸し手の催告権・追認権

ここまで紹介したように、未成年者にお金を貸す場合、場合によっては借金を取り消しにされる可能性もあり、貸し手側は不安定な状況におかれます。

そのため、双方の立場をはっきりさせるために、貸し手に催告権・追認権が認められています。

  • 貸し手は、1カ月以上の期間を定めて、親に「取り消すか、追認するか」の確答を促すことができる

民法第19条では、未成年者にお金を貸した場合、貸し手は親に対して借金を取り消すか、追認するか、1ヶ月以上の期間内に返答するように促すことができると定められています。

仮に確答がない場合、追認したものとみなされるので借金は有効になります。その後は契約の取り消しができず、未成年者は借金返済義務を負うことになります。

親が返答をしない場合でも、親に借金返済義務が生じることはありません。

  • 未成年者が成年になった後、借金を追認した場合、借金は有効となる

未成年者が成人したあと、自身が借金を追認した場合も借金は有効となります。

この場合も、本人が返済義務を負うことになります。

4.まとめ

このように、基本的には、未成年者が親の同意なく借金をした場合、親が借金を返済する義務は生じません。

ただし、契約の取り消しができず借金が有効になることもあります。そのお金がどうしても返せないときは債務整理というのも選択肢の一つとなるでしょう。

もし親に内緒で子供が借金をした場合も、弁護士にご相談ください。専門家と一緒にベストの解決方法を探していきましょう。

泉総合法律事務所では、借金問題のご相談を数多くお受けしており、解決実績も豊富にございます。また、借金問題に精通した弁護士もたくさん在籍しており、安心してご依頼いただけます。

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