借金返済 [公開日] [更新日]

名義貸しはリスク大!その違法性と被害にあったときの対処法


親しい人から「絶対に迷惑をかけないから名前だけ貸してほしい」と言われたことはありませんか?

当選したい懸賞の申し込み位であれば、頼まれたことがある人もいると思いますが、中には借金や商品購入目的で依頼してくる人もいます。

親切心から「名前だけなら…」とつい応じてしまいそうになりますが、そもそも名義貸しはしても良いのでしょうか?また借金で名義を貸すとその後はどうなるのでしょうか?

ここでは名義貸しの実態、リスク、断り方、被害にあったときの対処法を解説します。

1. 名義貸しとは?

名義貸しとは、お金を借りたり、商品を購入したりするときに名義を貸すことを意味します。

配偶者や親、親しい友人から頼まれると、状況によっては断りにくいときもあると思います。

相手が困っているときは力になりたいと思うのが人情ですが、名前だけなら実害がないと思うのは大間違いです。

名義貸しは非常にリスクの高い行為で、れっきとした法律違反なのです。

(1) 名義貸しは違法

名義貸しは如何なる事情があっても違法です。

名前を貸すのはあくまで便宜上のことであり、それほど大したことはないと思いがちですが、他人の名を語って借金をするのは、クレジット会社や消費者金融を騙す詐欺行為です。

また、ローンカードを他人に貸すことも名義貸しに相当します。

規約ではカードの貸与、譲渡は禁じられているので、親しい間柄であっても気軽にカードを貸すのは厳禁です。

警視庁のホームページにも、名義貸しをした場合は「6月以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処されると明記されています。他人だけでなく、身内に対する名義貸しでも適用される

ので十分に注意しなければなりません。

さらに、名義貸しをすることで犯罪行為に巻き込まれるケースも多発しています。借金はもちろん、以下の行為はトラブルが多いので絶対に応じないようにしましょう。

・携帯電話の名義貸し

携帯電話の名義貸しは非常に問題の多い行為です。

販売ノルマがあるなどの理由をつけて、謝礼を払うから名義を貸して欲しいと言われ、すぐに解約することを前提に契約をもちかけられます。

しかし、その後、携帯は犯罪組織に転売され、オレオレ詐欺や振り込め詐欺の連絡に使われることもあります。

実際に携帯を詐欺に使われ、名義貸しした人が警察に拘留されたという例もあるので、安易な気持ちで応じるのは危険です。

・銀行口座の名義貸し

銀行口座の名義貸しも違法です。

銀行口座の名義貸しの話は闇金から持ちかけられることが多く、本人名義の口座を新たに作って、その情報とカード、通帳を渡すことを条件にお金を貸すと言われます。

貸した口座は闇金の振り込み口座や振り込め詐欺に使用されます。

・FX口座の名義貸し

最近ではFX口座の名義貸しも問題視されています。

第三者のFX口座はマネーロンダリング、脱税に使われることが多く、貸すだけで犯罪に巻き込まれる可能性があります。

また、その口座の取引で損益がでて、万が一相手に逃げられた場合は、その穴埋めを自分でしなければなりません。

逆に利益が発生した場合でも、所得税を支払う義務があるのは口座名義人です。貸した相手が納税しなければ、自分のところに税金の請求がきます。

FX口座の名義貸しは、いくらかの報酬と引き換えに交渉を持ちかけられますが、目先のお金に惑わされるのは非常に危険です。

名義貸しはそもそも犯罪であり、メリットとデメリットを天秤にかけても、全く釣り合いがとれるものではありません。

借金、ローンカード、銀行口座、FX口座、その他も含めて名義貸しは絶対にしないで下さい。

2. 名義貸しのよくあるパターン

名義貸しを頼まれるパターンは、親しい間柄の人か、詐欺目的、借金の見返りのいずれかに別れるのが特徴です。

①家族に頼まれる

名義貸しで多いのは家族に頼まれるパターンです。本人が限度額一杯まで借りていたり、ブラック入で借りられないときに頼まれるケースが多いでしょう。

身内が困っているのなら何とか助けたい、と思うかもしれませんが、万が一相手が払えなかったときに、支払いをしなければならないのは自分です。

「絶対に迷惑をかけないから」と言ったものの、何かのアクシデントで支払が出来なくなることもあります。

また、払える、払えない以前に、名義貸し自体が違法で、トラブルがあったときにペナルティを課される自分です。そのため、協力したい気持ちがあっても、名前を貸すのは絶対に避けなければなりません。

お金がどうしても必要というときには、名義貸し以外の方法で応じましょう。

②謝礼金で釣る

親族以外の場合は、謝礼金で相手を釣るケースが多いです。

名義貸しのリスクを十分に認識していない相手に対し、数万円の謝礼の代わりに名前を貸して欲しいと持ちかけます。

大抵は、借金は直ぐ返す、携帯はすぐに解約する、FX口座の場合は投資で利益が出たら還元する、などと言われるので、そういうことなら…と応じてしまう人も多いのです。

しかし、謝礼金で釣るパターンは、結局騙されて借金を背負ったり、犯罪に巻き込まれたりすることも多いので、親族への名義貸しよりもはるかにリスクが高いです。

③アルバイトを装う

名義貸しはアルバイトを装って行われることもあります。社会経験の乏しい学生などがターゲットになりやすく、消費者金融の借入実態調査を装い、ローンなどの申し込みをさせます。

学生はいくらかのアルバイト代を目当てに、申し込みだけでよいなら…と応じますが、その後、借金を返さずに逃げてしまうケースも多発しています。

そうなると、返済義務を負うのは学生本人です。督促がきてから騙されたことに気が付くケースも少なくありません。

④貸し付けの条件にする

貸付の条件で名義貸しを依頼されることもあります。闇金から借り入れをするときに、新規口座開設をさせて、自社の振込先として使用します。

闇金は足がつかないように振込口座を複数持つことが多いので、主に営業用に使用されます。

3.名義貸しの恐ろしいリスクとは?

ここまで見てきた通り、名義貸しは想像以上にデメリットの多い行為です。そのリスクについてもう一度おさらいをしておきましょう。

(1) 返済義務があるのは名義人

借入で名義貸しをした場合、基本的に返済義務があるのは名前を貸した人です。

もし、貸した相手が返済できなくなった場合には、督促が自分のところにくるので、代わりに支払いをしなければなりません。

(2) 総量規制に影響がでる

借金で名義貸しをした場合、契約上借りているのは名義人なので、自分が借入をするときに総量規制にひっかかる可能性があります。

総量規制は多重債務を防止するために、個人の借り入れ額を年収の1/3までに制限するもので、貸金業法改正時にルール化されました。

キャッシングやローンは全て貸金業法の影響を受けるので、名義貸しによって自分が借りたいときに借りられなくなる可能性があります。

(3) 知らない間にブラックリスト入り

借金で名義貸しをした場合、相手が滞納したり、返済できなかった場合は、自分がブラックリストに入れられます。

1度ブラック入りすると以後5~7年は借入や新たにクレジットカードを作ることができなくなるので、社会生活にも大きな影響を与えます。

(4) 犯罪者になる恐れあり

名義貸しは詐欺にあたるので、名前を貸した時点で既に法律違反です。

また、口座開設や携帯契約は犯罪に利用されることが多いので、結果として自分も罪を犯すことになります。

(5) 求償権はあるが回収できる保証はない

他人が支払うべき債務を肩代わりしたときには、本来支払うはずだった人に請求することが可能で、その権利を「求償権」と言います。

名義貸しをして借金の督促が自分のところにきた場合、自分が肩代わりして返した分は求償権が生じます。しかし、必ず回収できるわけではありません。

肩代わりした分を強制的に支払わせるには、裁判を起こして強制執行することになります。

しかし、名義貸しを頼んできて、その支払いもしない人に、肩代わり分の請求をしても回収できない可能性は高く、きちんと支払わせるのは難しいのが現実です。

4.名義貸しを頼まれたときの対処法

名義貸しはリスクの高い行為であることは分かりましたが、実際に頼まれたときはどう対処したら良いのでしょうか?

(1) 現金を貸す

家族や親しい友人など、どうしても断れない間柄の人から頼まれた場合は、名義ではなく現金を貸しましょう。

現金を貸すリスクは、お金は戻ってこないかもしれない…ということだけです。仮に返してもらえなかったとしても、法律違反になることもなければ、ブラック入りの心配もありません。

しかし、貸したお金を返してもらえないのも困るので、貸す場合は、万が一返ってこなかったとしても支障がない額にしましょう。

(2) 一切無視する

名義貸しを頼んできた人が、それほど親しくない人や怪しい業者であれば一切無視しましょう。

借金はもちろん、各種契約で個人情報を渡すと犯罪に利用されたり、同業者に情報を横流しされたりする可能性もあるので、名義貸しの話がでたら、一切コンタクトをとらないようにして下さい。

(3) 債務整理をすすめる

もし、借金を抱えている人が名義貸しを頼んできた場合は、名前やお金を貸すのではなく、債務整理を提案するのも一案です。

債務整理をすれば合法的に借金を減らすことが可能です。

基本的に名義貸しは自転車操業を助長するその場しのぎに過ぎません。借金払いのために借金を重ねても生活は苦しくなるだけです。

借金問題を根本的なところから解決することで相手をサポートしましょう。

5.名義貸しをしてしまった場合の解決法

もし、既に名義貸しをしてしまった場合はどうしたら良いのでしょうか?

(1) 借入金を返済する

名義貸しをしたものの、相手に支払ってもらう目途が立たない場合は、自分で返済をするのが現実的です。

相手に支払ってもらいたいのはやまやまですが、名義人は自分なので、契約上借りているのはあくまでも自分。滞納が続いてしまうとブラックリスト入りしてしまう可能性が高いです。

そもそも名義貸し自体が違法なので、こうしたケースは法律上も扱いが難しく、相手に責任を取らせるにも限界はあります。

督促がきたら自分で返済をして、できるだけ早く借金をなくすのが手っ取り早い方法です。そして、以後は絶対に応じない様にしましょう。

(2) 警察に相談する

口座開設や携帯の契約などで名義貸しをして、犯罪に巻き込まれたときは警察に相談しましょう。

もし警察に相談するのが不安な場合は、先に弁護士に相談することをおすすめします。

(3) 返せない場合は弁護士に相談

もし、借金で名義貸しをして踏み倒された場合、そもそも違法なので請求は通常より難しいのが現実です。相手に逃げられてしまい、自分でも返せない場合は債務整理をしましょう。

債務整理は主に以下の3 つがあり、収入や負債額に応じていずれかの制度を選択します。

①任意整理

任意整理は将来利息をカットする制度で、比較的借入額が少ない人に適しています。

将来の利息を負けてもらえるので、サラ金からの借入が多く、利息の支払いだけで一杯一杯で、元金の返済まで手が回らないという場合には、任意整理するだけでも随分楽になります。
任意整理で財産を手放す必要はありません。

②個人再生

個人再生は借金を大幅に減額できる制度で、借金額の大きい人に適しています。住宅ローンを除く負債が100万円ある場合には個人再生を検討してみましょう。

自宅を手放すことなく借金の減額ができるので、マイホームを持っている人にはおすすめです。

③自己破産

自己破産は借金を全額免除してもらえる制度で、減額されても返済の見込みがない人は自己破産を選択することになります。

家や車など、20万円以上の資産価値のある財産は没収されますが、99万円までの現金や身の回り品、日用品などは手元に置いておくことが可能です。免責決定された後は借金返済の義務はなくなります。

6.まとめ

いかがでしたか。名前だけならいいかな?と気軽に名義貸しに応じてしまうと、とんでもないリスクを抱えることがお分かり頂けたと思います。

もし、名義貸しを頼まれて断れない場合は、債務整理をすすめるようにしましょう。また、既に名義を貸してしまった場合は弁護士にご相談ください。

泉総合法律事務所は、債務整理の実績が豊富にございますので、名義貸しのトラブルについてもご相談下されば、ご相談者一人ひとりに合った解決方法をご提案させて頂きます。どうぞお早めにご連絡ください。

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