借金返済 [公開日]2018年2月27日[更新日]2021年3月4日

借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事

泉総合法律事務所では、給料の差し押さえの相談を受けることが多くあります。

返済が厳しい中、さらに給与の差し押さえまで受けてしまうと、自力で現状を打開することは非常に困難となります。

このような状況下では、専門家である弁護士に打開策を相談することが、問題解決への1番の近道となります。→問い合わせページ

このコラムでは、給与差し押さえの流れ、解除方法、回避方法、及び注意点に関して、弁護士が分かりやすく解説します。

1.給与差し押さえの範囲

給与差し押さえの範囲については、原則、総支給額から公租公課を控除した残額の給与(手取り額)の4分の1となっています。
つまり、差し押さえを受けた後も、手取り額の4分の3は引き続き受け取ることができます。

ただし、法律で、給与差押え後に受け取れる月額給与の額の上限は33万円と定められているため、手取り額の4分の3が月額33万円を超える場合(本来の手取り額が44万円を超える場合)は、33万円を超える部分については、全て差し押さえされてしまいます。

例えば、本来の手取り額が48万円の場合、差し押さえされる範囲は、48万円×4分の1=12万円ではなく、48万円-33万円=15万円となります。
(※税金滞納による差し押さえの範囲についてはこれと異なりますのでご注意ください。)

給与の差し押さえは、決まった日数が経過すれば解除されるわけではなく、差押債権者の債権が完済されるまでの間、毎月継続されます。

【給与以外に差し押さえられるもの】
給与以外の差し押さえの対象として考えられるものの代表は預貯金でしょう。預貯金はその全額が差し押さえの対象となります。さらに、現金(66万円までの現金は法律で差押が禁止されています)、土地や家屋などの不動産も差し押さえの対象となります。
尤も、差し押さえする側としては確実に回収したいと考えるのが当然です。この点、例えば債務者の預貯金を差し押さえる場合は、差押命令が金融機関に届いた時点で債務者の口座に残高が無ければ空振りに終わってしまいます。それ故に多くの債権者は、確実に回収できる財産として、債務者が勤務を続ける限り毎月一定の金額の債権が発生する「給料」を差し押さえてくるでしょう。
なお、民事執行法という法律では、家財道具や家電製品などの生活に欠かせない品は差し押さえしてはいけないと定められているため、債権者は「家財道具」や「家電製品」を差し押さえすることはできません。

2.給与差し押さえの流れ

借金の滞納をしたからといって、それだけで直ちに給与を差し押さえられてしまうわけではありません。

次に、借金滞納から給与差し押さえまでの流れを簡単に説明します。

(1) 借金の滞納

債務者が約束通りの返済ができなくなり、返済を滞納すると、債権者は通常、まずは、手紙(ハガキ)や電話などで督促を行ないます(手紙での督促は、「督促状」「催告書」といったタイトルの書面で行なわれることが多いです)。

しかし、これらの督促を無視し続け、結果的に滞納が数ヶ月に渡って続くと、今度は、残債務の一括返済を債権者から求められることになります。
一括請求を受ける=今までのような分割返済ができなくなることを「期限の利益の喪失」といいます。

[参考記事]

「期限の利益喪失通知」が届いた後にするべきこと

これまで債務者の自主的な返済を促していた債権者も、この段階まで来たら、法的措置に出る意向を固めていると考えられます。

また、この時には、既に、債権者から債権回収会社に債権回収業務が委託されている可能性もあります。

[参考記事]

債権回収会社(サービサー)から督促!無視厳禁、突然の通知の対処法

(2) 支払督促の送付・訴訟の提起

一括請求を受けたところで、債務者が債務を一括で返済できるケースは極めて稀です。分割払いでさえ厳しいわけですから、一括と言われてもまず無理でしょう。

一括請求にも応じないでいると、債権者はいよいよ訴訟を提起してきます。
あるいは、裁判所の特別送達を用いて、「支払督促」が送られてくるでしょう。

債権者が訴訟で勝訴するか、あるいは、支払督促を無視していると、債権者は判決や仮執行宣言付支払督促といった債務名義(=強制執行の根拠となる文書)を取得して、これにより強制執行手続に着手できる状態となります。

[参考記事]

簡易裁判所からの支払督促・訴状を受取拒否したらどうなる?

なお、訴訟で債権者との間で分割返済の和解をした場合、その和解調書もまた債務名義の一種です。
したがって、その後、和解条項に抵触した場合には、債権者は改めて訴訟をすることなく、直ちに強制執行手続に着手することができます。

(3) 給与の差し押さえ

判決を取得したからといって、自動的に裁判所が強制執行手続に動いてくれるわけではありません。
判決取得後、債権者は改めて、強制執行の申立を裁判所に起こさなければいけません。

債権者は、債務者の勤務先を自ら特定した上で、強制執行の申立をします。

裁判所が申立を認めると、裁判所から債務者の勤務先に対して、給与が差し押さえられた旨の通知=債権差押命令が送達されます。

つまり、給与の差し押さえがされた時点で、勤務先には、(少なくとも差押えを申し立てた債権者に対する)借金の存在がバレてしまいます

 

以上のような流れを経て、債務者の給与は差し押さえられてしまいます。

最初の借金の滞納から給与の差し押さえまでの期間は、概ね約半年前後と考えられます。

訴訟に関しては(過払金がある等といった特段の争点が見られないケースでは)、訴状が届いてから判決になるまでが大体2~3か月程度と考えられます。

3.給与差し押さえの解除方法

給与の差し押さえに至る方の多くは、やはり多重債務者です。
多数の貸金業者などへの返済に追われる中で、返済が滞ってしまい債権者から訴訟を起こされるというケースが多いわけですから、さらに収入源である給与まで差し押さえられてしまうと、債務者の生活に甚大な影響を及ぼすことになります。

したがって、このような状況下で「借金を完済して差し押さえを終わらせる」という手段は、極めて困難であると言えるでしょう。

そこで、債務者としては、個人再生や自己破産をすることで借金を減免し、差し押さえを解除する方法があります(債権者との話合いによる任意整理では、差し押さえを解除できません)。

そもそも、差し押さえは借金があるために行われるものであるため、個人再生・自己破産により借金を減免すれば、差し押さえも解除できるのです。

また、破産や再生では、債権者平等の原則があり、全ての債権者は、破産・再生手続が開始すると、給与差押によって自分だけ優先的に債権を回収することが禁止されます。

しかし、債務整理による給与差し押さえの解除について、気をつけなければならない点もあります。

(1) 自己破産(管財事件)

自己破産には、「管財事件」と「同時廃止」との2つの手続きの種類があります(どちらになるかは裁判所が判断するため、申立人は選べません)。

自己破産における「管財事件」の場合は、破産手続の開始した時点で給与差押が「解除」されるので、直ちに給与が満額受け取れるようになります。

同時廃止と管財事件の違いについては、以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

自己破産で管財事件になったら|流れ・期間・予納金等を解説

(2) 自己破産(同時廃止)・個人再生

自己破産における「同時廃止」、もしくは個人再生の場合は、手続が開始しても、直ちに給与を満額受け取れる状態に戻るわけではありません。

これらは、破産・再生手続の開始により、差押手続が一旦「中止」されるだけになります。
「解除」ではないので、差押手続そのものは残っている状態です。

その後、個人再生では再生計画案の認可決定が、同時廃止では免責許可決定が確定して初めて、給与差押手続が「解除」となります。

この間の差押分の給与は、差押債権者にも債務者にも支払われることなく、勤務先でプールされ、手続の最終結論に応じて、引き渡す相手が異なってきます。

すなわち、再生計画認可決定が確定した場合(個人再生)や免責許可決定が確定した場合(同時廃止)は、給与差押手続が解除され、給与が満額受け取れる状態に戻った上、それまでプールされていた差押分の給与も、勤務先から債務者に引き渡されます。

(他方、再生計画が認可されなかった場合(個人再生)や免責不許可となった場合(同時廃止)には、一旦中止していた給与差押手続が再開される上、プールされていた差押分の給与は、勤務先から差押債権者に引き渡されます。)

したがって、個人再生、もしくは自己破産で同時廃止の場合は、手続中は、引き続き減額分の給与しか受け取れないことになります。
日数としては、申立から個人再生ならば約半年、同時廃止ならば3~4ヶ月程でしょう。

(3) 差し押さえ解除の債務整理は会社にバレる?

給与を差し押さえがされている状態で個人再生・自己破産を行なうと、差押の解除あるいは中止の手続を取る関係で、裁判所から勤務先へ通知が行くことになります。

したがって、その時点で、勤務先には、再生・破産した事実も知られてしまうことになります。
ただし、通常は、破産・再生手続をしたこと自体を根拠に労働者を解雇することはできません。

[参考記事]

給料差し押さえのリスク|会社にバレる?無視するとどうなる?

【税金(市民税・住民税など)の滞納による滞納処分】
再生手続もしくは破産手続が開始されても影響を受けることなく続いてしまうのが、税金滞納などで行われている滞納処分です(滞納処分に関しては、判決等の債務名義(差押の根拠となる文書)の取得も不要です)。
税金は「非免責債権」として、債務整理による減免の対象になりません。この場合は、債務整理では解決ができませんので、担当部署との個別の交渉が必要となります。
参考:税金滞納で「差押予告書」が届いた!これからどうなるの?

4.給与差し押さえを回避したい場合

一方、まだ現実に給与の差し押さえはされていないが、このままでは近い将来差し押さえがされてしまいそう(既に支払督促が届いている・訴訟を提起されてしまった等)という人は、どうすれば良いのでしょうか。

滞納している債務を弁済することが厳しい場合にも、弁護士に相談しましょう。
早めに弁護士へ相談し、債務整理の手続を行なえば、給与が差し押さえられるより前に借金問題を解決することができます。

繰り返しますが、給与の差し押さえがされると、その時点で借金が勤務先にバレてしまいますし、給与の差押を受けた後で破産や個人再生の申立を行なうと、その事実も勤務先に伝わってしまいます。

こうした事態を避けるためにも、借金問題はできるだけ早期に弁護士へ相談することをお勧めします。

[解決事例]

緊急に自己破産を申し立て、給料の差し押さえを回避

5.給与差し押さえの解除・回避なら泉総合法律事務所へ

総合法律事務所では、債権者から給与差し押さえを受けそうな方、又は受けている方の破産申立を数多く手掛けてきました。

最善のタイミングで差し押さえを回避するためには、専門的な知識とともに豊富な経験が必要です。債権者から給与差し押さえを受けそうな方であれば、受けてしまったあとでは取れる手段が極めて限られてきますので、一刻も早くご相談ください。

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