借金返済 [公開日][更新日]

国保(国民健康保険料)を滞納した場合のデメリット

皆さんは、国民健康保険料をしっかりと支払っていますか?

病院に通う必要がなければ、国民健康保険料を滞納しても、今すぐに困ることはないかもしれません。

しかし、明日健康である保証は誰にもありません。
「いずれ余裕が出たときに滞納を清算しよう」と考えて先送りにしていると、延滞金が加算され、あっという間に支払えない金額になってしまいます。

今回は、国民健康保険料の滞納によって生じる不利益と、その解決策を解説します。

1.保険料滞納の実態

国民健康保険に加入している1世帯当たりの2017年度平均保険料は、約15万2,000円/年です(厚生労働省「国民健康保険(市町村)の財政状況について」より)。

後ほど説明するように、低所得の世帯などには軽減・減免措置がありますが、それでも生活事情によっては保険料の支払いが重荷になる場合もあるでしょう。

2019年4月の厚生労働省の調査によると、2018年6月1日の時点で、全国で約267万世帯が国民健康保険の保険料を滞納しています(年々減少傾向)。

「国民健康保険料など支払った記憶がない」と不安になった方がいるかもしれませんが、会社勤めで社会保険などに加入している場合は、国民健康保険に加入する必要はありません。

また、会社の社会保険に加入している場合、保険料は毎月の給与から天引きされているので、滞納の心配もありません。

この他にも、以下のような方は国民健康保険に加入する必要がありません。

  • 勤務先で健康保険に加入している人とその扶養家族(任意継続の場合を含む)
  • 船員保険に加入している人とその扶養家族
  • 国民健康保険組合に加入している人とその世帯家族
  • 75歳以上の人(後期高齢者医療制度の対象者)
  • 生活保護を受けている人

2.保険料の滞納による不利益

保険料を滞納しておきながら、医療費の一部負担などのメリットを享受するのは不公平だと言えます。
そのため、保険料を滞納している場合には、滞納の状況に応じて一定のペナルティがあります。

それでは、保険料を滞納した場合に、どのような不利益が生じるか確認しておきましょう。
(※国民健康保険は市町村ごとに運営しているため、対応が異なる場合があります。)

(1) 延滞金が発生する

保険料を滞納すると、まずは通知書や電話などで保険料の納付を催促されます。
しかし、催促されて支払っても納付期限に遅れたことは事実ですから、滞納している日数に応じて「延滞金」が加算されます。

延滞金の年率は、納付期限から1ヶ月までであれば4%台(滞納の年度によって異なります)ですが、1ヶ月を超えると14.6%になります。

したがって、滞納が長期におよぶと、その分だけ延滞金の負担が重くなります。

(2) 病院での治療費が自己負担となる

保険料滞納に対するペナルティは延滞金だけではありません。滞納の程度に応じて、段階的に保険証の取り扱いが変わります。

納期限を経過した場合

保険料の納期限を過ぎると、市町村から保険料の支払いを督促されます。
それでも納付しないと、通常の保険証の代わりに「短期被保険者証」が交付される場合があります。

短期被保険者証」とは、有効期限が数ヶ月しかない保険証です。

有効期間は市町村によって異なりますが、1~6ヶ月程度です。この間に保険料の滞納を解消できないと、次のステップに進みます。

滞納期間が1年を超えた場合

保険料の滞納期間が1年を超えると「短期被保険者証」も取り上げられ、今度は「資格証明書」が交付されます。

保険証がないため、病院で治療などを受けた場合には、一旦は全額(10割)を負担しなければなりませんが、資格証明書があれば申請により自己負担分(3割)以外が返還されます(ただし、滞納分と相殺されることが多いようです。)。

最終的な医療費の負担額は同じですが、一時的に医療費の全額を支払うのは大きな負担となります。

滞納期間が1年6ヶ月を超えた場合

ここまでくると、保険給付はほぼ停止します。

病院での治療費・医療費は全額自己負担になるので、入院などお金のかかる医療を受けることが難しくなるでしょう。

(3) 財産が差し押さえられる

督促状や催促状を無視して未納し続けたり、分割納付の誓約を破ったりした場合には、預貯金や不動産などの財産を差し押さえられることもあります。

【国民健康保険料の未納に時効はある?】
「国民健康保険法」において、国民健康保険料の徴集権の時効は2年とされています。しかし、告知や催促があった場合には、時効が中断します。
原則、保険料の支払いの告知が忘れられることはないので、時効については期待するべきではないでしょう。

3.滞納者のすべきこと

援助してくれる親族などがいれば、その援助を受けて滞納している保険料を清算することも可能でしょう。
また、職場の健康保険などに加入している家族の扶養に入って国民健康保険から脱退し、保険料の支払い義務自体をなくしてしまうといった対処も考えられます。

しかし、現実にはこうした援助が受けられるケースや、脱退による対処方法が可能なケースは少ないはずです。

そこで、保険料を滞納している場合には次のような方法を検討してください。

(1) 市町村に相談する

保険料の滞納については、まずは市町村に相談すべきです。
何とかして滞納を解消したいと相談すれば、ちゃんと相談に乗ってくれます。

現在の生活状況などを説明し、一括納付が難しい事情がある場合には、分割納付にも応じてもらえる場合もあります。

(2) 軽減・減免措置

経済的・身体的な理由により保険料を納付できない方のために、下記のような保険料の軽減・減免措置も用意されています。

所得が一定金額以下になった場合

市区町村によって減額の方法や割合は異なりますが、一般的には、前年の世帯所得と世帯内の加入者数によって7割、5割、2割の段階で保険料が軽減されます。

倒産などで解雇された場合

倒産など、会社都合で解雇された場合などは、保険料が約7割減額される措置があります。

 

納付できない事情によって、さまざまな軽減措置や減免措置があるので、まずは市町村に相談してください。

ただし、軽減・減免措置は、申請してから審査があるため、誰でも軽減・減免措置が受けられるわけではありません。

4.借金解決は泉総合法律事務所へ

このように、国民健康保険料の滞納を続けると、滞納の程度に応じてさまざまな不利益が生じます。

しかし、保険証が取り上げられると困るからといって、借金をして滞納保険料を清算しようなどとは考えてはいけません。
また、すでに多額の借金があり、借金の返済のために保険料の支払いに困っている方もいるでしょう。

このような場合には、債務整理なども視野に入れ、借金の解決実績が豊富な弁護士に相談することをおすすめします。

泉総合法律事務所は、債務整理全般に強い弁護士が多数在籍している弁護士事務所です。
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