借金返済 [公開日]2020年1月6日[更新日]2020年1月6日

「期限の利益喪失通知」が届いた後にするべきこと

家のローンなどの借金を滞納していると、突然「期限の利益喪失通知」が届くかと思います。

もしこれが届いたら、今すぐにでも何らかの対応を行うべきです。
というのも、債務の一括返済を求められてしまう事態となりかねないからです。

今回は、期限の利益や期限の利益喪失通知についてご説明します。内容や効果、いつどのようなタイミングで期限の利益喪失通知が来るのか、通知が届いたあとの対応になどついてご説明しますので、是非お読みください。

1.「期限の利益」とは?

皆さんは「期限の利益」という言葉を聞いたことがありますか?
法律の勉強をしたことがあるという方は別として、一般的にはあまり聞きなれない言葉かもしれません。

期限の利益については民法137条に規定がありますが、その意味については詳しく書かれていません。

簡単に説明すると、期限の利益とは、返済までの猶予期間のことを指します。

借金をする場合、必ず契約などで毎月の返済期日が決まっていますが、この返済期日まで返済をしなくても大丈夫ですよ、と言う権利です。
つまり、返済期日に約束した通りの金額を返済すれば問題ありませんということを示した法律用語です。

例えば、毎月決まって返済期日に分割払いで支払っているのに、「来月に一括返済してください」と債権者にいわれたら、「期限の利益があります」と主張できるということです。

そして、「期限の利益を喪失する」というのは、簡単に言うと「返済までの猶予がなくなってしまう」ということです。

例えば、家のローンを組んでいる場合は、30年ローンなどで月々数万円を支払い続けることを銀行と契約しているはずです。
しかし、「あなたは期限の利益を喪失しました」と言われたら、残債務全てを一括返済しなければいけなくなるのです。

このように説明すると、突然何事もなく債権者から期限の利益を奪われてしまうように感じますが、勝手に喪失するわけではないのでご安心ください。期限の利益が喪失するのは、法律や契約に定められた事由が発生した場合となります。

2.「期限の利益の喪失」のタイミング

(1) 期限の利益の喪失時期

では、期限の利益はいつ喪失するのでしょうか?

民法137条の規定を見てみると、以下が規定されています。

  • 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき
  • 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき
  • 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき

債務者が自己破産の手続きに入ったときや担保を失ってしまったとき、担保を提示しない場合は、返済の可能性がなくなる・減少するという事態となります。
そうすると、債権者は損をする可能性が高くなりますので、このような場合に期限の利益の喪失を法律は認めています。

また、民法137条の規定以外でも、契約の中で一定の事由があった場合に期限の利益の喪失を定めていることがあります。

例えば、「返済期日を一度でも遅れたら、期限の利益を喪失しますよ」という規定です。

これ以外でも、重大な契約違反があった場合、虚偽申告があった場合には、期限の利益を喪失するとする旨の規定を盛り込むことがあります。

(2) どのようなタイミングで通知が来るのか

では、具体的にどのようなタイミングで期限の利益喪失通知が行われるのでしょうか?

まず、一番多いのが借金を滞納した場合です。仮に「返済期日を一度でも遅れたら、期限の利益を喪失しますよ」という契約だったとしても、一度の返済遅れで期限の利益喪失通知は送られてくることはほとんどありません。
多くは何度も返済期日に支払いをしなかった場合に期限の利益喪失通知が送られてきます。

もっとも、一括請求しても支払えないケースも多いため、催告などを続けることで利息を加算するという手法をとる業者もいます。
そのようなケースでも、返済の見込みがないと判断した段階で期限の利益を喪失させるでしょう。

またこれ以外でも、重大な契約違反や虚偽申告があればそれが判明した段階で、一括弁済を求めるケースもあります。
ただし、契約に関わる重大な違反行為に限ると考えられますので、軽い違反で期限の利益が喪失するとは考えられません。

さらに、債務整理の手続きに入ったことが期限の利益の喪失事由にあたる場合もあります。この場合は、債権が回収できない可能性が高いからです。

3.期限の利益喪失通知後の対応

では、通知後に入金した場合、通知が来ても入金しなかった場合、それぞれその後の流れはどうなるのでしょうか。

(1) 期限の利益喪失通知後に入金した場合

期限の利益喪失通知が届いた後に債務を支払った場合はどうなるのでしょうか?

期限の利益喪失通知には、「◯月◯日までに弁済がない場合は期限の利益を喪失します」といった内容が書かれています。

そのため、その期日までに弁済を行った場合には、特に問題ありません。この場合は、支払い期限がきた分のみ支払えば、期限の利益は喪失しません。

そのため、期限の利益喪失通知が届いたら、記載された期日までに支払うようにしてください。

もし支払えないことがわかっている場合は、すぐに債権者に連絡してください。
返済時期を猶予してもらうなどの交渉をすることで、期限の利益喪失を回避できることがあります。

期限の利益喪失の通知が届いたあとでも、最終の期日までに支払うか、債権者と交渉し期限を延ばしてもらえれば、次回以降の返済はこれまで通りとなります。

そのため、支払える場合は、期限の利益を失う前に滞納分の返済をすることが大切です。

(2) 弁済期日に入金しなかった場合

弁済期日に支払えず、入金を行わなかった場合はどうなるのでしょうか。

この場合は、残念ですが期限の利益を喪失します。
喪失するとどうなるかというと、先にご説明したように一括弁済を求められます。貸金などの場合は、残額の全部の支払いを求められるでしょう。
これまでのような期日毎の返済はなくなります。

なんとか工面できる場合は良いのですが、積み重なった債務が高額で支払えない方が多いことと思います。
この場合、裁判などの手続きを経て財産の差し押さえといった強制執行の手続きを取られてしまう可能性が高いです。

[参考記事]

債権差押通知書が届いたら、どう対応すべきか?

一括弁済を求められて支払いができない場合は、すぐにでも弁護士に相談してください。弁護士に相談すれば、債権者と交渉して期限を猶予してもらう、任意整理をする、場合によっては個人再生や自己破産をするという方法も検討できます。

特に、住宅ローンを滞納している場合、自宅を失うのは困るという方も多いでしょう。個人再生であれば、住宅ローンは残したまま、最大で1/10まで他の借金を減額することもできます。
借金全体としての返済額が減れば、家を手放さずとも返済が行えるのではないでしょうか。

[解決事例]

個人再生で住宅ローンの期限の利益を回復した事例

期限の利益喪失通知が届いても、返済できない場合は弁護士にご相談されることをおすすめします。

4.期限の利益喪失通知が届いたら、弁護士に相談を

期限の利益があることで、私たちは毎月安心して分割払いをすることができます。家のローンなどの場合は、金額が大きいため期限の利益があることで大変助かります。

しかし、期限の利益喪失通知が届いたら大変です。期日までに滞納分を振り込まないと、一括返済が求められてしまいます。

滞納分の返済や今後の支払い継続が難しい場合は、弁護士に相談してください。弁護士と債務整理について話し合い、対策を講じることで、今後の生活が楽になる可能性があります。

期限の利益喪失通知が届いたら不安を感じることと思いますが、弁護士がついていれば安心です。泉総合法律事務所の無料相談を、是非一度ご利用ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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