借金返済 [公開日]2018年3月19日[更新日]2024年1月18日

介護費用がかさみ借金が返せない!介護破産への対応策

介護破産の対応策。介護費用が嵩んで借金が返せない場合はどうする?

高齢化に伴い、両親または配偶者の介護をしている人が増えています。

介護が必要になると、時間的・物理的負担に加え、経済的負担も大きくなってくるでしょう。
介護離職も話題になりましたが、介護を続けるために借金をして介護破産に陥ってしまうケースもあります。

この記事では、介護による破綻を避けるために利用できるさまざまな介護支援制度や、借金問題の解決方法について解説します。。

1.介護破産になる原因

近年では、介護をきっかけに困窮し自己破産する人が増加の一途をたどっています。
その理由は以下の通りです。

(1) 介護離職をして収入が途絶える

親が認知症や寝たきりになると、在宅で常時ケアする必要があり、フルタイムでの会社勤務が難しくなります。
離職当初は退職金や失業手当で凌げるかもしれませんが、介護が長期になればそれも難しくなります。

融通のきく職場への転職を目指して離職しても、結局再就職ができないまま困窮する人も少なくありません。

このように、介護離職は介護破産の大きな要因の一つです。

(2) 介護費用の増加

介護では「いつまでにいくらかかるのか」を完璧に予測することは不可能で、それなりの預貯金がある人でも経済的な破綻を招くリスクがあります。

また、しっかり準備をして臨んだつもりでも、いざ介護が始まったらできるだけ良いケアをしたいという気持ちにもなります。
より長く、そして介護が上質になるほどそれだけ費用も嵩みます。

理想的な介護と現実の出費の狭間で苦しんでいる介護者は多く、介護費用の支払いでローンの返済や生活費に手が回らず破産に至ることもあります。

(3) 施設入所による費用の負担

要介護のレベルが上がると、自宅ではケアできずに施設に預けることを検討する家庭も増えています。
特に、認知症で徘徊が見られる、家の人が介護に専念する時間がない、というケースでは、介護を施設にお願いする方が良いこともあります。

施設入所にあたっては、被介護者と施設の相性や生活面での心配もありますが、施設費用の支払いも懸案事項です。

施設ごとの月々の利用料金の相場は以下の通りです。

  • 特別養護老人ホーム:5~15万円
  • 介護老人保健施設(老健):5~13万円
  • 介護療養型医療施設:9~17万円
  • ケアハウス(軽費老人ホーム):6~20万円(入居金が必要な施設もある)

この他、有料老人ホームの月額相場は約12~40万円、近年注目されているサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)では5~25万円、グループホームでは12~20万円となっています。
有料老人ホームの入居金については~1億円までと幅が広く、高住では敷金として家賃の2~3ヶ月分、グループホームでは10万円~100万円となっています。

どういう施設を利用するかで入居金や月額負担金は大きく異なりますが、上記の金額が毎月家計から出ることを考えると、決して軽い負担ではありません。
被介護者に十分な蓄えや年金がある場合は別ですが、そうでなければ介護者が毎月の出費を捻出する必要があります。

近年では施設の利用料を本人が滞納し、ある日突然保証人である子供に請求がくるというケースもあるようです。

2.利用可能な支援策

「老後はどうするのか?」は、親が元気なうちからしっかり話し合いをするのがベストですが、介護は突然必要となるケースも多く、計画通りにいかないものです。

こうした問題を受けて、現在は介護に関する負担を軽くする支援制度も整ってきています。
先の見えない介護を全うするためにも、利用できる支援策については熟知しておきましょう。

介護が始まったら、特に以下の4つの支援については利用を検討することをお勧めします。

(1) 介護保険

日本では40歳以上になると介護保険に加入することが求められ、65歳以上で要介護認定を受けると保険を使って介護サービスを受けることができます。

サービス内容は訪問介護、デイサービスの通所利用、ショートステイの短期利用、特養や老健などの施設入居、介護用具の購入補助や貸与などのサポートです。
また、ケアマネージャーによるケアプランの作成も保険の範囲で行ってもらえます。

介護認定は、自立した生活が難しく何らかの介護が必要である場合には「要介護」となり、介護レベルは1~5段階に分けられ、最も重いものは要介護5、軽いものは要介護1とされます。
また、要介護よりも手前の「要支援1~2」というカテゴリもあります。介護レベルが重くなるほど介護保険の支給限度額は高くなります。

参考までに、介護保険制度の支給限度額は、標準的な地域で「要介護1:月額16万6,920円」「要介護5:月額36万650円」まで認められています。
実際の負担額はサービスの利用状況や介護レベルによって異なるので一概には言えませんが、重度の要介護者にはより厚い手当が保障されていることが分かります。

介護保険は介護に関わる人にとってなくてはならない制度で、介護生活を支える柱になります。

もし、家族に介護が必要になったら、介護保険サービスの利用に関して、できるだけ早く市町村の担当窓口で相談することをおすすめします。

(2) 高額介護サービス費制度

高額介護サービス費制度は、介護保険の自己負担額1割の合計が一定の金額を超えたとき、超過分のお金が戻ってくる制度です。自己負担額は所得によって変動します。

この制度は介護費用の負担軽減に非常に役立つのですが、あまり知られていないのが現状です。

毎月の負担額の上限は所得によって決められており、内訳については厚生労働省のサイトをご覧ください。

高額介護サービス費に含まれないのは、介護施設での食費、住居費、生活費などの自己負担分(ショートステイ含む)と、福祉用具の購入費用、住宅改修などです。

介護サービスを利用すると3ヶ月後にこの制度の通知と申請用紙が送られてくるので、必要事項を記載して市町村に提出すると本制度を利用することができます。
申請の際には介護サービスの領収証も必要となるので、支払いに関する書類は必ずとっておきましょう。

手続の方法は市町村によって異なるので、詳しくは最寄りの市役所、役場の窓口にお問い合わせください。

(3) 特定入所者介護サービス費

施設の利用者は食費や居住費、生活費は自己負担が原則ですが、そうすると低所得の人はサービスを利用することができなくなります。
特定入所者介護サービスは、このような施設での食費や居住費が減免される制度です。

この制度では、所得に応じて利用者の負担限度額を設定し、所得の少ない人は負担限度額も低く設定されています。
負担額認定設定区分は高額介護サービス費制度に準じており、このサービスが利用できるのは第3段階までです。

  • 第1段階……生活保護を受給している方等、世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金年収入額(※)+その他の合計所得金額が80万円以下
  • 第2段階……世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金年収入額(※)+その他の合計所得金額が80万円以下
  • 第3段階①…世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金年収入額(※)+その他の合計所得金額が80万円超~120万円以下
  • 第3段階②…世帯全員が市町村民税非課税で、本人の公的年金年収入額(※)+その他の合計所得金額が120万円超
市区町村民税課税世帯、現役並み所得ありの人は、このサービスを利用することはできません。

このサービスを利用した場合、仮に食費が41,400円、居住費が59,100円かかる特養を利用する場合、第1段階の人であれば食費は9,000円、居住費は24,600円となり、サービスを利用できない人に比べると、(41,000+59,100)−(9,000+24,600)=66,900円減免された額で利用することが可能です。

この制度が適用されるのは特養、老健、介護療養型医療施設などです。

(4) 生活保護

介護離職で収入が途絶えたり、介護費用で生活が破たん寸前という状況であったりするならば、生活保護の申請も検討しましょう。

生活保護は大きな資産があると申請できませんが、世帯収入が生活保護基準額を下回っている場合には受給できる可能性があります。また、たとえ年金を受け取っていても、年金額が基準額を下回っていれば、足りない分は生活保護費が支給されます。

生活保護を受けると生活費だけでなく、医療、介護、葬祭の扶助もあります。こうした目に見えない部分の負担軽減のメリットも大きいです。

3.介護費用の滞納・借金問題は弁護士に相談を

介護は心身ともに大きな負担がかかります、そのうえ経済的に追いつめられると、親子共倒れということにもなりかねません。
そうなる前に、介護に関する制度の利用を検討することもおすすめします。

とは言え、現実問題としてある程度の費用がかさむのは避けられません。
もし、介護離職でローンの支払いができない、介護のために借金をしたが返せない、施設費用を滞納している、といった問題を抱えていたら弁護士に相談してみてください。

実際、介護費用などを工面するために借金を重ね、当事務所に債務整理のご相談をいただくケースは多々ございます。弁護士はご状況に応じた解決方法をアドバイスし、迅速に解決へと導きます。

自己破産は悪いイメージが先行しますが、思ったよりもデメリットやリスクが少なく済むケースも多いです。また、できるだけ早く対処すれば、自己破産を免れる道も見つけられるかもしれません。
借金問題は1人で悩まずに、専門家と一緒に解決していきましょう。

ご相談は無料ですので、弁護士への相談を迷われていらっしゃるようでしたら、まずは気軽にお問い合わせいただけたらと思います。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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