自己破産 [公開日]2018年5月25日[更新日]2021年8月25日

株式投資の信用取引による借金は自己破産できる?

株、FXの信用取引で借金漬け。自己破産はできるのか?

株式投資でも「信用取引」の場合、自己資金以外の投資ができます。手元にあるお金を『保証金(担保)』として証券会社からお金を借りることで、保証金の3倍ほどの金額の取引を行うことができるのです。

信用取引は大きな利益を生むこともありますが、リスクも大きく、膨大な損失の原因にもなり得ます。

ギャンブル性が高い信用取引で膨らんだ借金は、どう解決すれば良いのでしょうか?

よく、「ギャンブルや株、FXなどでできた借金では自己破産できない」と聞きますが、実はそんなことはありません。

ここでは、株式投資の信用取引で借金が発生した場合の自己破産について解説します。

1.株式の信用取引でも自己破産は可能

(1) 自己破産とは?

「次こそは」と続けるうちに貯金が底をつき、さらに消費者金融などから借入を繰り返すようになると、信用取引でもギャンブルとさほど変わりません。

株やFXの信用取引で借金が膨らんでしまった場合の選択肢としては、自己破産があります。

「自己破産をすると一文無しになり路頭に迷うことになる」などと悲観的に考えてしまう方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。
自己破産は、適切に手続を行うことで、新しい人生へ踏み出すことができる効果的な手段です。

自己破産の最終的な目的は、裁判所から「免責許可決定」を受けることにあります。
「免責許可決定」とは、平たく言うと裁判所の「借金をゼロにする決定」のことです。

すなわち、自己破産をして免責を許可されると、株式投資などによる借金も含めてほとんど全ての債務がゼロになるのです(税金などの公租公課などは除く)。

(2) 免責不許可事由と裁量免責

しかし、破産を申立てた人全員がこの「免責許可決定」を無条件で得ることができるのかというと、そうではありません。

自己破産について定められている「破産法」の第252条1項に、該当すると免責許可は出ないという内容(免責不許可事由)が箇条書きで挙げられており、その中には「射幸行為(ギャンブルや株取引)が原因で借金をした」という項目もあるのです。

[参考記事]

免責不許可事由とは?該当しても裁量免責で自己破産ができる!

しかし、安心してください。先ほど出てきた破産法第252条の第2項には「免責不許可事由があっても、裁判所は、経緯や事情を考慮して免責許可の決定を出すことができる」という旨の記載があります。

これを「裁量免責」と言います。免責不許可事由があっても、実際のところ、ほとんどの人がこの「裁量免責」を受けています。

よって、株式の信用取引で借金をしたとしても、多くの場合は自己破産ができるのです。

【裁量免責に必要な深い反省と堅実な生活】
免責不許可事由のある破産者の場合、破産手続開始決定と同時に「破産管財人」という弁護士が別途選任され、その破産管財人が財産や免責不許可事由について調査を行います。破産管財人が調査結果を裁判所に報告し、裁判官がその報告をもとに「この内容なら裁量免責を出してもいいだろう」と判断をする、というわけです。
現在破産者が次のような状況であるということが破産管財人や裁判官に認められると、裁量免責が得られます。
・借金およびその原因となった株取引について、深く反省している
・借金の原因となった株取引からすでに手を引き、堅実な生活を送り始めている
また、場合によっては裁判所や管財人弁護士から生活状況についての上申書や反省文などを求められることもあります。

2.免責が受けられなかった場合の対処法

しかし、もし免責が得られなかった場合にはどうすればいいのでしょうか?

(1) 即時抗告の申立

免責不許可の告知を受けた日から1週間以内に即時抗告の申立をすれば、高等裁判所でもう一度免責の判断をしてもらうことが可能です。

ただし、もともと免責不許可自体が特殊な事例であり、判断が覆る可能性は高くありません。

(2) 他の債務整理の方法を検討する

即時抗告をしても免責が得られない場合は、個人再生や任意整理といった他の債務整理の方法を検討してみましょう。
これらの債務整理の方法を採れば、免責不許可事由に悩まされることもありません。

特に、継続的な収入が見込める方であれば、個人再生を利用すると、借金が5分の1から10分の1まで減額することができるので効果的です。

ただし、減額された借金を原則3年で返済する必要があり、その他、利用には一定の制限があります。
詳しくは弁護士にご相談ください。

3.株取引が原因の自己破産も弁護士へ相談を

このように、借金の理由が「株取引」であっても、自己破産ができる可能性は十分にあります。
また、自己破産以外の債務整理手続(個人再生・任意整理)であれば、そもそも免責不許可事由を気にする必要もありません。

借金の状況は人によって千差万別です。
対処法について書籍やインターネットで情報を収集することも時には必要ですが、本当に借金で困っているのなら、一度専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

実際、泉総合法律事務所では、投資が原因の借金問題を解決してきた実績があります。

【事例45】「FXで作った借金1080万円が自己破産で0円になった

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