借金返済 [公開日]2018年6月22日[更新日]2019年7月4日

夫が借金を残して失踪、家出!?残された家族の借金の返済義務

 

もし、夫が借金をしたまま失踪して帰ってこなかったら、残された家族はどうしたら良いのでしょうか?

まさかそんなことが、と思われるかもしれませんが、決して有り得ない話ではありません。
家族は借金の支払を肩代わりする義務があるのでしょうか?

今回は、借金を残された家族がするべき対応について解説します。

1.残された家族の返済義務

(1) 夫の借金は基本的に返済義務なし

夫の借金について、基本的に家族に返済義務はありません
そのため、督促がきても返済に応じる必要はありません。

しかし、日常家事債務と認定されるものは、返済を求められることもあります。

【日常家事債務とは?】
日常家事債務とは、日常的な家事に関する債務のことで、これについては、 夫婦相互に契約の代理権があるため、夫婦に支払い義務が生じます。
具体的には食費、日用品、家賃、医療費、光熱費、養育費などに関連したものは日常家事債務とみなされ、契約者が夫の場合でも妻にも支払義務が発生します。
日用品かどうかの見分けは、その地域、家庭の生活水準から見て判断します。実際にどのようなものが日常家事債務に該当するかは、専門家に判断してもらう必要があります。

(2) 連帯保証人の場合は返済義務あり

夫の借金については妻が返す必要はありませんが、夫の借金の連帯保証人になっている場合は返済義務が生じます。

単なる保証人の場合は、業者に対し、督促は夫にするよう促したり、夫に返済能力がある場合は支払を拒んだりすることが可能です。しかし、連帯保証人の場合はそうした権利も認められていません。

しかし、夫が無断で自分(妻)を連帯保証人にした場合はその限りではありません。無断で行った保証契約は無効なので、妻が支払う必要はありません。その場合は、業者にその旨を届ける必要があります。

この場合で注意すべきは、連帯保証人であることを知らなかったのに、督促されるがまま慌てて返済に応じてしまうパターンです。

本来、無断の場合は保証契約が無効ですが、少しでも返済すると追認したことになり、保証義務が生じてしまいます。

そのため、もし業者から脅されても、保証契約に身に覚えのない場合は決して支払いに応じないで下さい。その上で、出来るだけ早く法律の専門家に相談すると良いでしょう。

2.代理の債務整理は不可能

借金が返せないときは、法律的に整理することが可能です。これを「債務整理」といい、手続きをすれば借金は減額、または全額免除されます。

夫が借金を残して出て行った場合、借金はキレイさっぱり整理したいでしょう。
しかし、債務整理できるのはあくまでも本人だけです。妻が代理で手続きをすることはできません。

3.借金の取り立てへの対処法

(1) 債務者以外へのみだりな取り立ては禁止

業者は債務者(夫)以外の人にみだりに督促をする事は法律で禁じられています。
もし、あなたに執拗な取り立てがきて困っている場合は、弁護士に相談するか、所轄の監督官庁に苦情の申し入れをしましょう。

苦情の宛先は、銀行は金融庁、消費者金融の場合は大手は財務局、中小の貸金業者は都道府県庁の貸金業担当課です。

業者の督促が法律違反と認められた場合は、業務停止、登録取り消しなど行政処分が行われます。

(2) 専門家へ相談

夫の借金は妻が返済する必要はありませんが、しつこく督促をされると困るので、専門家に相談をしましょう。

相談できる場所は法テラス、自治体・弁護士会の法律相談、弁護士事務所などです。

ちなみに、夫名義の住宅ローンについては、その他の借金とは扱いが異なります。住宅ローンを組んだ場合は通常住宅に抵当権を設定しますから、滞納があると、住宅を競売にかけられる恐れがあるので要注意です。

もし、住宅に住み続けたい場合は、先方に事情を話して名義変更を行い、返済期間を延長してもらうなどして、残された家族で返済をしていくことになるでしょう。ただし、名義変更に応じてもらうのはそう簡単ではありません。

(3) 闇金に手を出していた場合

もし、仮に夫が一般的な業者でなく、闇金に手をだしていた場合は一大事です。その場合は以下の対処をおすすめします。

夫が闇金に借金をしていた場合でも、妻に返済義務はありません。業者が「旦那の借金は奥さんが返すのが当然でしょ?」と脅してきても、その言葉にのってはいけません。

そもそも闇金などの違法な業者に対しては、契約者本人の夫でも返済義務はありません。
ましてや妻や家族に返済義務が生じることは絶対にないので、法的に対処をして、後は連絡をしないに限ります。

大抵は弁護士が介入すれば請求がこなくなる可能性が高いので、闇金相手の場合は自分で連絡をとらず、法律の専門家に相談をして、速やかに対処してもらうことをおすすめします。

4.夫が家に戻ってきた場合の対処法

もし、失踪した夫が家に戻ってきた場合は、借金についてよく話し合いをしましょう。

(1) 支払できる場合

もし、借金の支払いがこれまで通りできるようであれば、債権者に連絡をして、滞納分についての支払いについて話し合いをしましょう。

また、夫に浪費癖があり、今後も借入を繰り返す恐れがある場合は、日本貸金業協会の貸付自粛制度を利用することも検討しましょう。

夫が帰ってきた場合は、貸付自粛申込できるのは本人のみです。夫婦でよく話し合い、本人が納得した場合は手続きに踏み切りましょう。
受理された場合、以後5年間は業者から貸付が自粛されます。

(2) 支払ができない場合

どうしても支払ができない場合は債務整理することをおすすめします。

債務整理には主に以下の3つがあります。

  • 任意整理…借金を減額する制度。将来利息分をカットして、元本のみ3~5年で返済する。利用者が一番多い制度で、任意整理をする業者を選べるので連帯保証人に迷惑をかけずに手続きすることも可能。
  • 個人再生…借金を大幅に減額できる制度。財産は処分されないので、住宅を持っている人に適している。安定的かつ継続的な収入があることが条件。
  • 自己破産…借金を全額免除できる制度。その代わりに20万円以上の価値のある財産は全て処分される。しかし、生活必需品と99万円までの現金は手元に残せるので、当面の生活費までは持っていかれることはない。

もし、夫の失踪が長期に渡った場合、利息だけでも高額になっているので、支払ができない場合は、自己破産するのが現実的かもしれません。

ちなみに夫が失踪した際に、住宅ローンの名義を妻に変更していて、その後支払いを続けている場合は、夫の自己破産の際に住宅を処分されることはありません。

そうした意味でも、夫が家出をしたときに、できるだけのことをしておくのは意味のあることです。

5.まとめ

夫が借金を抱えたままある日突然失踪をしたら、家族に督促がくる可能性があります。

もし、家族の誰かが借金問題を抱えている場合は、ご本人とともにお早めに泉総合法律事務にご相談下さい。
また、夫の借金の連帯保証人となっている妻自身の債務整理のご相談も可能です。

ご相談頂ければ、今後に向けたベストの解決方法を弁護士がご提案させていただきます。
借金問題の相談は何度でも無料で行っておりますので、お困りのことがあれば、ぜひ一度お越し下さい。

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