借金返済 [公開日] [更新日]

旦那が借金を残して失踪、家出!?残された家族の借金の返済義務

【この記事を読んでわかる事】

  • 借金を残して失踪した家族の残務の返済義務はあるのか?
  • 家族がヤミ金に手を出していた場合にはどうするべきか?
  • 旦那(家出した家族)が帰ってこない場合、帰ってきた場合のそれぞれの対応

 

もし、夫が借金をしたまま失踪して帰ってこなかったら、残された家族はどうしたら良いのでしょうか?借金の支払を肩代わりする義務があるのでしょうか?

まさかそんなことが、と思われるかもしれませんが、決して有り得ない話ではありません。今回は、借金を残された家族がするべき対応について解説します。

1.夫が借金を残して家出?!

旦那さんが突然家出、失踪をして行方不明となったとき、残された家族としては本当に心配です。

本人の行方はもちろん、安否についても非常に気がかりです。

さらに、借金を残して出て行った場合、督促状は以前と変わらず自宅に届きます。残された家族としては、そのまま放置しているわけにもいきません。

・借金の時効を待つべき?

借金には時効があります。貸金業者からの借金は5年、個人からの借り入れは10年です。しかし、サラ金から5年逃げれば借金がゼロになる、というほど簡単ではありません。

業者が時効までの期間に返済を求めて訴訟を起こした場合は時効は中断します。その後、判決確定が確定すると、時効がさらに10年延長されるので、実質的に15年は逃げなければなりません。

また、一度でも支払猶予を求めたり、債務の返済をしたりした場合は、時効は振り出しに戻ります。

以上を踏まえると、旦那さんが失踪したからと言って、借金の時効を待つのは現実的ではありません。時間を味方に見て見ぬふりはできないので、すぐに法的対処をしましょう。

2.残された家族に返済義務はある?

(1) 夫の借金は基本的に返済義務なし

旦那さんの借金について、基本的に家族に返済義務はありません

そのため、督促がきても返済に応じる必要はありません。

(2) 借金は日常家事債務には該当しない?

旦那の借金は原則として返済義務はありませんが、日常家事債務と認定されるものは、返済を求められることもあります。

日常家事債務とは?

日常的な家事に関する債務のことで、これについては、 夫婦相互に契約の代理権があるため、夫婦に支払い義務が生じます。

具体的には食費、日用品、家賃、医療費、光熱費、養育費などに関連したものは日常家事債務とみなされ契約者が夫の場合でも妻にも支払義務が発生します。

日用品かどうかの見分けは金額などから判断します。その地域、家庭の生活水準から見て、日常における妥当な支払いと判断された場合は、契約者がどちらであれ、基本的に夫婦相互が責任を負います。

ただし、これは、あくまでも支払いの連帯責任を定めただけのものです。お金の準備方法とは話が別なので、夫が借金で日常家事に関する支払いを用立てた場合、妻に返済義務はありません。

日常家事債務に該当し、妻に返済義務が発生するのは、例えば、カードで食料品を買ったときのクレジット債務、賃貸契約をしている場合の居住費、水道光熱費などです。

収入に見合わない高額な洋服や貴金属、ギャンブルなどは該当しないので、妻が責任を負う必要はありません。

実際には、どのようなものが日常家事債務に該当するかは、専門家に判断してもらう必要があります。

もし、今現在、旦那さんが家出をして、何らかの督促状がきていている場合、原則として借金の支払い義務はありませんが、弁護士と相談をして対処をすることをおすすめします。

(3) 連帯保証人の場合、返済義務はある

旦那さんの借金については妻が返す必要はありませんが、借金の連帯保証人になっている場合は返済義務が生じます。

単なる保証人の場合は、業者に対し、督促は夫にするよう促したり、夫に返済能力がある場合は支払を拒んだりすることが可能です。しかし、連帯保証人の場合はそうした権利も認められていません。

旦那さんが無断で自分(妻)を連帯保証人にした場合はその限りではありません。無断で行った保証契約は無効なので、妻が支払う必要はありません。その場合は、業者にその旨を届ける必要があります。

この場合で注意すべきは、連帯保証人であることを知らなかったのに、督促されるがままに慌てて返済に応じてしまうパターンです。

本来、無断の場合は保証契約が無効ですが、少しでも返済すると追認したことになり、保証義務が生じてしまいます

そのため、もし業者から脅されても、保証契約に身に覚えのない場合は決して支払いに応じないで下さい。その上で、出来るだけ早く法律の専門家に相談すると良いでしょう。

(4) 債務整理は代理ではできない

借金が返せないときは、法律的に整理することが可能です。これを債務整理といい、手続きをすれば借金は減額、または全額免除されます。

旦那さんが借金を残して出て行った場合、借金をキレイさっぱり整理したいのは山々ですが、債務整理できるのはあくまでも本人だけです。妻が代理で手続きをすることはできません。

ちなみに、業者は債権者(旦那)以外の人にみだりに督促をする事は法律で禁じられています。

もし、取り立てがきて困っている場合は、弁護士に相談するか、所轄の監督官庁に苦情の申し入れをしましょう。

苦情の宛先は、銀行は金融庁、消費者金融の場合は大手は財務局、中小の貸金業者は都道府県庁の貸金業担当課です。

業者の督促が法律違反と認められた場合は、業務停止、登録取り消しなど行政処分が行われます。

3.闇金に手を出していたらどうする?

もし、仮に夫が一般的な業者でなく、闇金に手をだしていた場合は一大事です。その場合は以下の対処をおすすめします。

①返済義務なし&すぐに弁護士に相談する

旦那さんが闇金に借金をしていた場合でも、妻に返済義務はありません。業者が「旦那の借金は奥さんが返すのが当然でしょ?」と脅してきても、その言葉にのってはいけません。

そもそも闇金などの違法な業者に対しては契約者本人の夫でも返済義務はありません

ましてや妻や家族に返済義務が生じることは絶対にないので、法的に対処をして、後は連絡をしないに限ります。

大抵は弁護士が介入すれば請求がこなくなる可能性が高いので、闇金相手の場合は自分で連絡をとらず、法律の専門家に相談をして、速やかに対処してもらうことをおすすめします。

②警察に連絡する

闇金から脅されるようなことがあれば、警察にも連絡をしましょう。所轄の警察署の生活安全課に出向いて被害状況を伝えます。その際に、闇金業者に関する情報と被害状況をまとめたメモを持っていきましょう。

また、証拠となるようなものがあれば併せて持参し、旦那さんが失踪したことも含めて伝えます。また、必要に応じて被害届も提出します。

その後は、警察から闇金業者に連絡がいき、以後は大人しくなることが予想されます。

しかし、中にはその後もしつこく督促したり、最悪の場合、逆恨みする業者もいるので厄介です。

警察には民事不介入の原則があるので、警告はしてくれても、この手の問題にはさほど熱心に関わってはくれません。こうしたトラブルに警察が本格介入できるのは事件が起こったあとです。

しかし、事件がおきてからでは遅いので、やはり弁護士に相談して法的に事件解決をしてもらうのが確実です。

4.旦那が家に戻ってこない場合の対処法

(1) 最初に警察に連絡

旦那さんが失踪、家出をしたら、最初にすべきは警察への連絡です。

もし、失踪、家出の原因が借金の場合、精神的にも追い詰められている可能性が高いです。携帯電話や財布を置いて行った場合は特に危険で、命に関わることもあります。

そのため、心当たりのあるところを自力で探すのと同時に、必ず警察の手を借りましょう。

もし、自殺の恐れがあると判断される場合は、特異行方不明者として優先的に捜索してもらえます。警察署に行くときは、自分(妻)の身分証明証と印鑑は持参しましょう。

また、旦那さんの写真や捜索の手掛かりになるようなものがあれば、それも併せて提出します。

捜索願を提出すると7割近くは1週間以内に発見に至ると言われています。また、毎年8~9万件の失踪届提出される中で、7~8万件は解決しています。

単なるプチ家出であれば、本格的な捜索はなされませんが、生命に関わるときは動いてもらえるので、警察には状況をしっかりと伝えましょう。

(2) 借金相談をする

旦那さんの借金は妻が返済する必要はありませんが、しつこく督促をされると困るので、専門家に相談をしましょう。

相談できる場所は法テラス、自治体・弁護士会の法律相談、弁護士事務所などです。

ちなみに、旦那さん名義の住宅ローンについては、その他の借金とは扱いが異なります。住宅ローンは滞納があると、競売にかけられる恐れがあるので要注意です。

もし、どうしても住宅ローンの支払ができないときは、先方に事情を話して名義変更を行い、返済期間を延長するなどして、残された家族で返済をしていきましょう。

(3) 3年以上戻らなければ離婚可能

失踪してから旦那さんが3年以上戻らず、生死不明の場合は、離婚をすることが可能です。

最後に消息があった日からカウントします。家からいなくなった日や、最後の目撃日などが該当します。

しかし単なる行方不明では、離婚事由に該当しません。捜索願を出したり、安否確認をしたりしても消息が分からない場合に適用されます。

(4) 7年以上戻らない場合は、失踪宣告を提出

旦那さんが失踪して7年以上戻らない場合は、法律上は死亡したことになります。その場合は戸籍から抹消され、婚姻は解消されます。

法律上、死亡扱いになると、相続、生命保険については受取が可能です。

ただし、その後に旦那さんが発見された場合は、失踪宣告を取消し、戸籍は元通りに復活できます。

生命保険については有効ですが、生存確認ができた時点で、使っていない分は返還する必要があります。

また、相続についても、現存利益については返還しなければなりません。

5.旦那が家に戻ってきた場合の対処法

もし、失踪した旦那さんが家に戻ってきた場合は、家出をしたことを責めずに、借金についてよく話し合いをしましょう。

(1) 支払ができない場合

どうしても支払ができない場合は債務整理することをおすすめします。
債務整理には主に以下の3つがあります。

  • 任意整理…借金を減額する制度。将来利息分をカットして、元本のみ3~5年で返済する。利用者が一番多い制度で、連帯保証人に迷惑をかけずに手続きすることも可能。
  • 個人再生…借金を大幅に減額できる制度。財産は没収されないので、住宅を持っている人に適している。安定的かつ継続的な収入があることが条件。
  • 自己破産…借金を全額免除できる制度。その代わりに20万円以上の価値のある財産は全て没収される。しかし、生活必需品と99万円までの現金は手元に残せるので、当面の生活費までは持っていかれることはない。

もし、旦那さんの失踪が長期に渡った場合、利息だけでも高額になっているので、支払ができない場合は、自己破産するのが現実的かもしれません。

ちなみに夫が失踪した際に、住宅ローンの名義を妻に変更していて、その後支払いを続けている場合は、夫の自己破産の際に没収されることはありません。

そうした意味でも、旦那さんが家出をしたときに、できるだけのことをしておくのは意味のあることです。

(2) 支払できる場合

もし、借金の支払いがこれまで通りできるようであれば、債権者に連絡をして、滞納分についての支払いについて話し合いをしましょう。

また、夫に浪費癖があり、今後も借入を繰り返す恐れがある場合は、日本貸金業協会の貸付自粛制度を利用することも検討しましょう。

夫が帰ってきた場合は、貸付自粛申込できるのは本人のみです。夫婦でよく話し合い、本人が納得した場合は手続きに踏み切りましょう。

受理された場合、以後5年間は業者から貸付が自粛されます。

6.まとめ

旦那さんがある日突然失踪をしたら、家族としては本当に心配だと思います。万が一のこともあるので、すぐに警察に連絡をしましょう。

また、借金を抱えたまま消えた場合は、家族に督促がくる可能性があるので、弁護士に相談をして下さい。弁護士が介入すれば、督促が止まるケースは多いです。

もし、旦那さんが突然いなくなり、借金問題を抱えている場合は、泉総合法律事務にご相談下さい。泉総合事務所は、特殊な事情を抱えた方の債務整理の実績も豊富にございます。

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