借金返済 [公開日]2018年3月7日[更新日]2020年11月9日

住宅ローンが払えなくなったらどうなる?滞納した場合の対処法

念願のマイホームを手に入れたら喜びの気持ちが大きいでしょうが、それは住宅ローンの返済が始まる合図でもあります。

当初は問題なく住宅ローンを返済できていたとしても、コロナ等の想定外の事情による失業、癌やうつ病などの病気、または事故などで支払いが苦しくなるケースが見られます。

また、ボーナス払いを利用しようとしていた人の場合、会社の業績悪化などでボーナスが減額されて住宅ローンの返済ができない状態になることもあるでしょう。

では、住宅ローンを払えないと、どうなるのでしょうか?

ここでは、住宅ローンの支払いを滞納した場合に起こることや、滞納についての対処法を紹介していきます。

1.住宅ローンが払えないとどうなる?

まずは、住宅ローンの支払いを滞納するとどうなるのかを説明します。

なお、併記した期間はあくまで目安です。実際のタイミングは金融機関などによって異なります。

(1) 督促の開始(滞納から1~3ヶ月)

まずは、郵便や電話で督促が行われます。

最初は比較的穏やかな文面の督促状が届きますが、滞納期間が長くなるにつれて厳しい文面となっていきます。

2ヶ月程度滞納すると「このまま滞納した場合は残高や遅延損害金の一括払いを請求する」旨の書類が届きます。

(2) 期限の利益の喪失(滞納から3~6ヶ月)

滞納を放置していると、そのうち「あなたは期限の利益を喪失しました」という旨が記載された書類が届きます。

期限の利益とは、分割払いをできる権利のようなものです。
期限の利益を失った人は、残高を一括払いしなければなりません。

[参考記事]

「期限の利益喪失通知」が届いた後にするべきこと

(3) 保証会社による支払い(滞納から約6ヶ月)

ローンの債権者が保証会社に一括払いを請求し、それを受けた保証会社が債権者へ支払いを行います(代位弁済)。

以後は保証会社が新たな債権者となって、ローンの債務者に取り立てを行います。

[参考記事]

代位弁済をされたら弁護士に相談を!|住宅ローン・カードローン

(4) 競売開始決定(滞納から6~8ヶ月)

保証会社が裁判所に競売を申立て、これを受けた裁判所から「競売開始決定通知」という書類が債務者のところへ届きます。

[参考記事]

「競売開始決定通知」が届いたらどう対処する?

これによって競売の手続きが始まったことと、対象の不動産(マイホーム)が担保として差し押さえされたことが債務者に伝わります。

その後、競売に先立って裁判所の担当者と不動産鑑定士などの専門家が「現況調査」のために自宅にやってきます。

現況調査では、強制的に自宅内外の写真が撮影され、間取りも確認されるとともに、自宅周辺の環境なども調べあげられてしまいます。

この様子を近所の人に見られた場合、競売の手続きが始まったことがバレてしまうかもしれません。

(5) 競売入札期間の通知(滞納から8~10ヶ月)

競売の入札が始まったことを告げる通知が届きます。
何らかの対策を講じるのであればここが最後のタイミングですが、場合によっては既に手遅れであるおそれもあります。

できる対処法がない場合は、競売が終わることを待つしかありません。

[参考記事]

競売を取り下げてもらうことはできる?|住宅ローン滞納の解決策

(6) 立ち退き(滞納から10ヶ月~)

競売で落札されると、家の所有権は落札者に移ります。
所有権のない家に住んでいる人は、たとえ元持ち主であっても不法占拠者となってしまうため、立ち退く必要があります。

立ち退きを拒んだ場合は強制執行を受ける可能性があり、そうなると裁判所の執行官によって荷物を運び出されて家から追い出されてしまうでしょう。

このように、住宅ローンを滞納したら通常住宅の売却が行われるため、住宅ローンだけの滞納ですぐに給与を差し押さえられることはないでしょう。

ただし、競売の後に残った借金(残債務)の返済が滞った場合は、給与の差し押さえを受ける可能性があります。

2.住宅ローンの支払い滞納に対する対処法

以上のように、住宅ローンを滞納し続けると持ち家を失ってしまいます。

できるだけ滞納しないようにするべきですが、万が一滞納しそう、または滞納してしまった場合はどうすればいいのでしょうか?

(1) 債権者と相談する

まず、滞納しそうだと判明した時点で、早めに住宅ローンの債権者と相談すると良いでしょう。
現実的な返済プランになるよう、見直しをしてくれることがあります。

例えば、支払期間を延長する代わりに、毎月の支払額を減額してくれるかもしれません。
支払期間が伸びる分、支払う利息が増える弊害がありますが、毎月の支払額が減れば滞納のリスクを減らせる可能性があります。

また、一定期間元本の返済を一時停止してもらえることもあります。
利息は払い続けなければなりませんが、一時的に収入が減っているようであれば、利息のみの支払いで難局をしのぐことができるかもしれません。

とにかく相談することで、ケースに応じた何らかの措置をしてもらえる可能性があります。

(2) ローンの借換えを検討する

金利の低い住宅ローンに借り換えるのも一案です。

ただし、住宅ローンの返済を既に滞納している場合、そのことが審査に影響して借り換えが難しくなるおそれがあります。

(3) 任意売却をする

任意売却とは、競売で住宅を失う前に自分で住宅を売ることです。
住宅を売ったお金をローンの支払いに充てることができます。

競売だと低価で買い叩かれる可能性がありますが、任意売却なら市場価格に近い価格で売れるため、うまくいけば引越し費用などを捻出できるかもしれません。

任意売却をする場合は専門の業者に依頼する必要があります。
必ず住宅が売れるわけではありませんし、担保権者の承諾を得られない可能性もあることなどがデメリットです。

[参考記事]

任意売却とは?住宅ローン付きのマイホーム売却を分かりやすく解説

【親族間で持ち家を売買するのは可能か?】
赤の他人に家を売るのではなく、親族に家を買ってもらう方法もあります。親族に買ってもらった後は、その家を借りて住み続けることができるかもしれません。
家賃の相談に乗ってもらうなど、ある程度柔軟に対応してもらえる可能性がありますが、そもそも買ってくれる親族がいるのかなどの問題があります。

(4) リースバックを利用する

リースバックとは、専門の業者に住宅を売り、その住宅を借りて家賃を払いながら住み続ける方式です。

自分の名義ではなくなるものの、同じ家に住み続けられるメリットがあります。

ただし、住宅を売ったお金でローンを返しきれなかった場合は、ローンの残債の返済と家賃の支払いが二重になって家計へ重くのしかかります。

[参考記事]

リースバックで住宅に住み続けられる!?任意売却との違いとメリット

(5) 債務整理をする

弁護士に依頼して債務整理をすれば、借金を減額またはゼロにすることができます。

持ち家を失いたくない場合は「個人再生」がおすすめです。
個人再生ならば、住宅ローンを従来通り支払うことを条件に他の借金を減額してもらい、持ち家に住み続けることができます。

減額してもらった借金は、原則3年程度かけて毎月返済していくことになります。

[参考記事]

個人再生で住宅資金特別条項(住宅ローン特則)の利用要件と注意点

住宅ローンそのものの支払いが難しい場合は、「自己破産」をして借金をゼロにした方がいいかもしれません。

自己破産をすると家を失ってしまいますが、借金が帳消しになるメリットは大きいです。

いずれにしろ、債務整理をする前は弁護士に相談し、最善策を考えてもらってください。

3.住宅ローンの滞納に関するよくある疑問

最後に、住宅ローンを滞納した、または滞納しそうな人の多くが不安に思うことについて解説していきます。

(1) 保証人のところに請求が行く?

住宅ローンの多くは、保証人が要らないようになっています(機関保証制度となっています)。

例外的に、夫婦などの収入を合算してローンを組む場合や、ペアローンを組む場合には保証人が必要です。

収入を合算する場合、例えば夫のみがローンの契約者になり、妻が連帯保証人となります。
ペアローンでは夫婦や親子などのペアがそれぞれローンの契約者になり、お互いに連帯保証人となります。

連帯保証人がいる場合、ローンの契約者が支払不能になると、連帯保証人へ請求が行きます。

そして、連帯保証人にも支払能力がない場合は、連帯保証人も何らかの対策を取らなければならない事態になります。

(2) 支払い滞納で裁判になる?

裁判になるケースは基本的に多くありません。
ローンの債権者は裁判を経なくても競売をすることができますし、競売になったとしても債権者・債務者ともに裁判所に行く機会はそう多くありません。

また、債務者の方が「競売は不当だ!」と裁判所に訴えても、支払いを滞納している以上、勝てる見込みはほぼないでしょう。

裁判をするだけ無駄になってしまうので、弁護士に相談して他の方法を検討することをおすすめします。

4.住宅ローンが払えないなら債権者や弁護士へ早めの相談を

「ローンが払えないなら家を売るしかない」…そう考えるのは間違いです。
ローンの債権者に相談することで、家を失うことなく解決できるかもしれません。

どうしても支払いができない場合は、任意売却やリースバック、親族間売買などの方法があります。

しかし、住宅ローンを含めた借金そのものを減額または帳消しにしたい場合は、弁護士に依頼して債務整理をしましょう。

弁護士は個々のケースに合わせた最もいい解決方法を考えてくれますし、債務整理の手続きも代行してくれます。
借金で困ったら、ぜひ弁護士へご相談ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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