借金返済 [公開日]2020年1月28日[更新日]2021年11月10日

国民健康保険が払えない時はどうすればいい?

国民健康保険に加入している場合、毎年、市町村に国民健康保険料を払わねばなりません(自治体によっては、国民健康保険税の方式を採用しているところもあります)。
しかし、意外に高い保険料を支払えず、これを滞納してしまう方もいらっしゃいます。

国民健康保険料の滞納は、どうやって解決すれば良いのでしょうか?

今回は、国民健康保険料を払えないときの対処方法を解説します。

1.国民健康保険について

国民健康保険は、健康保険(社会保険)等の保険に加入していない方が加入する公的医療保険です。
市町村が運営しており、自営業やフリーランス、無職の方、定職に就いていないフリーター・アルバイトなどの方が加入しています。

国民健康保険に加入している場合、所得に応じて「国民健康保険料」を払わねばなりません。
支払い方法としては、毎年6月頃に国民健康保険料の納付用紙が送られてくるので、それを使って支払いをします。

まとめて一年分支払うことも可能ですし、分割払いもできます。

口座引き落としにされている方は、自動的に引き落としが行われます。

2.国民健康保険料滞納は債務整理で解決できない

国民健康保険料を滞納し続けて延滞金もかさみ、不払い金額が高額になったとき「債務整理で解決できる」と考える方もいるかもしれません。

しかし、国民健康保険料は債務整理の対象になりません。個人再生をしても国民健康保険料は減額されませんし、自己破産をしても免除されずそのまま全額が残ります。

もちろん、引っ越しをして他の市町村に転居しても支払の督促は続きます。

国民健康保険料を滞納した場合、免除してもらうか時効にならない限り、絶対に支払いをしなければならないのです。

なお、国民健康保険料の徴収権の時効は2年(国民健康保険税の場合は5年)とされています。しかし、告知や催促があった場合には、時効が中断します。

保険料の支払いの告知が忘れられることは原則ないので、時効については期待するべきではないでしょう。

支払いをせずに滞納した場合のリスク・デメリットについては、以下のコラムで詳しく解説しています。

[参考記事]

国民健康保険料(国保)を滞納した場合のデメリット

3.国民健康保険料を支払えない場合の対処方法

国民健康保険料をどうしても支払えない場合、以下のように対処しましょう。

(1) 分割払いの交渉をする

どうしても支払えないときには、役所の担当者に連絡を入れて支払い方法の相談をすべきです。

市町村の方も、滞納者に真摯な支払い意思があって、実際に分割でなら支払い能力があると考えられる場合には、分割払いの交渉に応じてくれるケースが多数です。

しかし、支払いをせずに放置して延滞状態が長くなると「支払い意思があります」と言っても通用しづらくなりますし、延滞金もかさみます。

支払えないと思ったときには、無視せずにすぐに役所に連絡を入れて相談しましょう。

(2) 徴収猶予をしてもらう

国民健康保険には「徴収猶予」の制度があります。以下のような一定事由があるときに国民健康保険料の支払いを延ばしてもらえる制度です。

  • 震災や風水害などの災害で著しい損害を受けた場合、又は盗難にあった場合
  • 事業や業務の休廃止によって著しい収入の減少があった場合
  • 干ばつや冷害などによる農作物の不作、不漁など、事業について甚大な損害を受けた場合
  • 上記に類する事情が発生したとき など

上記のような事情により国民健康保険料を支払えない場合、市役所に相談したら半年程度は支払いを待ってもらえる可能性が高いので、一度相談してみてください(詳細は自治体により異なります)。

(3) 減額してもらう

国民健康保険には「減額」の制度もあります。

前年の総所得金額が一定金額以下であれば、保険料均等割額が減額される可能性があります。

(4) 減免してもらう

各自治体は、国民健康保険料の「減免」制度を設けており、「倒産した」「家族が病気になった」など、滞納者の事情に応じて国民健康保険料が減額されたり免除されたりします。
細かい基準は自治体によって異なりますが、以下のような場合に減免されるケースが多数です。

  • 生活に困窮している
  • 生活保護を受けることになった
  • 災害によって大損害を受けた

支払いができない場合、減免措置が適用される可能性があるので、放置せずに役所に相談することが重要です。

なお、上記の減額や減免の制度とは別に、高額な医療費の自己負担を減らす公的制度もあります。詳しくは以下をご覧ください。

[参考記事]

医療費による借金で生活が苦しい人の為の公的制度

(5) 他の借金問題を解決する

国民健康保険料を滞納している方は、消費者金融やカードローンなどの負債を抱えているケースも少なくありません。そのような場合、国民健康保険料以外の一般の借金を「債務整理」することで、状況を大きく改善できる可能性があります。

先ほど簡単にご説明しましたが、国民健康保険料は債務整理の対象になりません。しかし、他の一般の借金は整理できます。

携帯電話代や光熱費、NHKの受信料や滞納家賃なども、債務整理で解決できるのです。

自己破産をすれば、他の借金を0にすることも可能です。他の借金が家計を圧迫している場合、そちらの問題を解消すると、国民健康保険を支払う資金を捻出できるケースも少なくありません。

自己破産とは?

国民健康保険料が払えなくて借金を抱えているなら、まずは他の借金問題の解決からはじめましょう。

[参考記事]

入院費・治療費・医療費が払えない場合の対応策

4.国民健康保険料と借金を抱えてお悩みの方はお早めに弁護士へ

国民健康保険料や税金を払えず借金も抱えている状態なら、まずは一般の借金問題の解決を進めましょう。

借金問題を解決するには「債務整理」が有効です。債務整理を進めるときには、状況に応じた適切な手続きを選択する必要があり、債務整理の手続き自体にも専門的な対応を要求されます。お一人で進めるのは困難で、弁護士などの専門家に依頼する必要性が高い手続きです。

泉総合法律事務所では、借金問題の解決に積極的に取り組んでいます。
他に借金があるなどの事情から国民健康保険料の納付が苦しい状況に陥っているなら、お早めに弁護士までご相談ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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