借金返済 [公開日]2020年5月20日

借金を踏み倒ししようとするとどうなる?|消費者金融・クレジットカード等

消費者金融やクレジットカードの借金を滞納している人の中には、「なんとか借金を踏み倒せないか?」と考えている人もいるようです。

「業者はたくさんの顧客を抱えているから、自分1人くらい見逃してくれるだろう」とか、「自分の借金は少額だから、払わなくても許してもらえるだろう」とか、そう思って、借金の滞納を放置したまま逃げ得を狙っていると、痛い目に遭う可能性があります。

ここでは、現在借金がある人で、それを踏み倒しできないか?と思っている人のために、様々な情報を提供していきます。

1.借金の滞納を続ける悪影響

まずは、借金を滞納することの悪影響を見ていきましょう。

(1) 督促で精神的な負担がかかる

借金を滞納をしていると、債権者から、完済するまで督促がされます。

少なくとも一般的な貸金業者については、一昔前のように「怖い人が朝晩押しかけてくる」というようなことはありませんが、郵便や電話、自宅への訪問などで、法的措置も匂わせるような督促を受ける日が連続して続くと、頭の中が借金でいっぱいになってしまい、日常生活に支障をきたす恐れがあります。

電話や訪問での督促に関しては、債務者に同居の家族がいる場合は、債務者自身が不在でも、家族に債権者への対応の手間を取らせてしまう可能性があります。

(2) ブラックリストに載る

借金の滞納を続けると、その情報(事故情報)が、滞納先の債権者が加盟する信用情報機関を介して、銀行や貸金業者、クレジットカード会社などの間で共有されます(いわゆる「ブラックリスト」扱いになります)。

「滞納している人にお金を貸すと踏み倒されるかも」と考えた業者は、お金を貸してくれなくなります。

結果的にカードやローンの利用ができなくなるので、生活が不便になってしまいます。

[参考記事]

信用情報機関の違い(CIC・JICC・JBA)とブラックリストに掲載される影響

(3) 遅延損害金が発生する

借金の滞納中は、完済されるまでの間、遅延損害金が加算されていきます。

この状態で借金を返済しても、そのお金は、先に遅延損害金や利息の支払いに充当されるため、元本を減らすことが難しくなるのです。

元本が残っていると、その元本から再び利息・損害金が発生するので、完済への道のりは厳しくなってしまいます。

(4) 財産を差し押さえらえることも

借金の滞納を続けた場合、前述のとおり、債権者からの督促がありますが、それでもなお滞納を続けると、さらに進んで、債権者が法的措置を実行する可能性があります。
具体的には、裁判所で訴訟支払督促を行います。

裁判手続等を経て、「債務名義」と呼ばれる強制執行の根拠となる文書(仮執行宣言付き支払督促、確定判決など。なお、裁判所は関与していませんが、公証人が作成した強制執行受諾文言付きの公正証書も「債務名義」の一種です)を手にした債権者は、法律上、債務者に対して、差し押さえ等の強制執行に踏み切ることができる状態になります。

差し押さえが行われると、対象となった債務者の財産(銀行口座の残高や給与など)が回収され、強制的に借金の返済に充てられます。

また、住宅ローンを滞納している場合は、住宅ローン債権者によって抵当権が実行されて、家が競売されてしまう可能性もあります。

[参考記事]

借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事

その他、車のローンを滞納しているケースや、リース物件のリース料を滞納しているケース等では、債権者によって引き揚げられるリスクが考えられます。

(5) 罪に問われる?

借金の滞納を続けている人の中には、「このまま滞納を続けていると、いずれ逮捕されるのでは…」と不安を感じている人もいるようです。
脱税などお金に関する事柄で逮捕される人を報道で見ているせいで、そのような考えを抱くのかもしれません。

しかし、単に借金を滞納し続けたからと言って、警察に逮捕されることはありません
「債務不履行罪」「借金滞納罪」などというものはないので安心してください。

ただし、最初から借金を踏み倒す気で、返済の見込みもないのに返済能力があるように偽っていた場合には(借りた時点で、返済の意思も能力も無かった場合には)、詐欺罪に当たるとして、債権者から警察に通報されるかもしれません。

この場合は、警察に出頭を求められることがあるかもしれませんが、人を騙す意思がないことを示し、返済の意思を表すなどすれば、逮捕されることは稀です。

2.借金を踏み倒すことはできる?

「借金は時効で消える」と聞いたことがある人も多い筈です。

確かに、借金の消滅時効期間が満了すれば、債務者は、時効を援用することで、借金の返済義務から解放されます。
そこで、どうせ返済できないのだから、このまま一銭も返さずに滞納を続けて、時効で借金を踏み倒すことを目指そうとする方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、これはあまり現実的ではありません。

(1) 時効の期間

まず、消滅時効に関するルールについてですが、2020年4月1日に改正民法が施行されたことで、同日以降に契約した借金に関しては、改正後の民法のルールが適用されることになります。

改正民法のルールでは、以下の条件のうち、どちらか早い方が消滅時効の期間として採用されます。

  • 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間
  • 権利を行使することができるときから10年間

もっとも、お金の貸し借りをする場合、債権者は、権利を行使できる時期、平たく言えば、返済期日を知っているのが普通です。
よって通常は、2つのの起算点は一致していますので、基本的には、消滅時効が成立するまでの期間は「返済期日から5年」と考えてください。

なお、改正民法施行日より前にされた契約(2020年3月31日までの契約)については、改正前の民法の消滅時効のルールが適用されますので、ご注意ください。改正前後の時効ルールの異同・変更点については、以下をご参照ください。

[参考記事]

2020年の民法改正による消滅時効の変更点とは?

(2) 時効成立は現実的ではない理由

債権者側は、金貸しのプロですから、当然、時効制度のルールも熟知しています。

そんな債権者が、漫然と時効期間の満了を待つなどとということは考えにくいことであり、実際、債権者は、時効を成立させないように、様々な手を打ってきます。

例えば「督促」です。
督促を受けた債務者が「◯日後に払います」と約束した場合、時効の期間がリセット(時効が更新)されて、返済約束から新たに5年経たなければ、時効が成立しなくなります。

また、「100円でいいから払ってください」「すぐ支払ってくれたら利息をお得にしますよ」などと言われて払ってしまった場合も、同様に(返済義務を前提にした行動であるため)期間がリセットされてしまいます。

債務者が督促に応じない場合には、債権者は、裁判所に訴訟や支払督促を起こすことが可能です。
訴訟や支払督促の間は時効が進まなくなり(時効の完成が猶予され)、決着すると時効がリセットされます。

しかも、裁判後(確定判決等で権利が確定して裁判が終了した後)は、さらに10年経たないと時効が完成しません。

このように、債権者側には様々な対策があるため、債権者の不作為を前提として時効の成立を期待することは、まずできないのです。

[参考記事]

借金の時効が成立するには?時効の援用ができないケース

(3) 住所変更や海外逃亡も無駄

督促を受けないように住所を変えるか、海外逃亡をしても、法律的な意味で借金を踏み倒すことはできないでしょう。
その理由を説明していきます。

①債権者は住民票を調査可能

「結婚したら名字が変わるし、引っ越して住所も変わるから、債権者から逃げやすくなる」
そう考えるのは甘いです。

債権者には、法律に基づいて債務者の住民票を調べる権利がありますし、旧姓や改姓の情報把握にも努めています。

情報技術の発達によってカード会社や消費者金融の調査能力が向上しているので、昔よりも遥かに早く居場所を探り当てられてしまいます。

引っ越し後も住民票を移さないという方法もありますが、そうなると行政サービスを受けるのに支障をきたします。

何年も逃げ回って「もう大丈夫だろう」と住民票を移した途端に居場所を把握された例もあるようです。

②本人不在でも訴えられる

債務者が海外にいても、借金の時効自体は進みます

また、裁判を始めるに当たっては、原告(債権者)が提出した訴状や、裁判期日を書いた呼出し状を、被告(債務者)に送達する必要がありますが、この送達は、特別送達の手続により、被告に直接書類を交付するのが原則です。

そのため、「自分が海外にいるか、居場所を知られなければ、裁判になんてならないだろう。裁判ができなければ、いずれ時効が成立するので、それまでの間だけ逃げておけばいい」…こう考えて海外に逃げる人もいるでしょう。

しかし、裁判には「公示送達」という手続があります。
これは、住所不明で連絡の取れない人間を訴えた場合、その旨を裁判所内の掲示板に広告することによって、被告側に通知したとみなす(つまり、訴状や呼び出し状を被告本人に交付したものと同じ扱いにする)制度です。

裁判所内の掲示板を定期的に見る人はほぼいないため、被告側は、訴えられた事実すら知らないまま、裁判だけが予定されたスケジュール通りに進みます。

裁判が起きている事実自体を知らない以上、当然、被告が裁判所に出廷したり、反論の書面を裁判所に提出したりすることもありませんから、この場合、最終的には、被告が原告の訴えの内容を争わずに全面的に自白したものとして、原告の請求を全て認容した判決が言い渡されます。

被告に対する判決の送達も、公示送達の方法により行われることになり、控訴期間の経過を待って、判決が確定します。

債権者が債務名義である確定判決を取得すると、そこから、差し押さえなどの強制執行が行われる可能性があるのです。

国内に財産がある場合には、それが差し押さえられるかもしれません。

特に、現在の民事執行法のルールでは、債務名義を取得している債権者は、(詳細についてはここでは割愛しますが)一定の条件を満たした場合、債務者の財産に関する情報の提供を第三者(金融機関、登記所、市区町村など)に求めることが可能となっていますので、債務者が債権者に自ら財産の所在・内容を申告したことがないからと言って、決して安心はできません。

【保証人に請求がいく】
この他にも、借主である債務者本人と連絡が取れなくなった場合、債権者は、借金の保証人へと請求を行います。
保証人に請求が行くため、保証人は大きな迷惑を被ります。場合によっては、保証人自身が債務整理をせざるを得なくなる(債務整理をしたことでブラックリストになる)可能性があります。

3.借金問題は債務整理で根本的な解決を!

「時効で借金を踏み倒してしまおう」
こう考える人は意外と多いのですが、債権者が金貸し・回収のプロである場合、時効の成立を阻むためにあらゆる手段を講じてきます。

結果として、債務者側にとって勝てる見込みのない裁判に発展するなどして、事態が深刻化するかもしれません。

借金でお悩みの場合は、弁護士に相談してください。
弁護士は「債務整理」という、借金を減額したり返済計画を変えたりする手続によって、無理なく返済できるようにしてくれます。

場合によっては、借金を原則ゼロにできる「自己破産」が可能かもしれませんし、あるいは、借金を大幅に減額した上で分割で返済していく「個人再生」が可能かもしれません。

いずれにせよ、その人にとって選択し得るあるいは選択すべき債務整理の方針というのは、素人である本人では判断が難しいケースが多いです。

弁護士は借金解決に役立つ様々な知恵を持っています。一人で悩まず、できるだけ早く、泉総合法律事務所の無料相談をご利用ください。

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