借金返済 [公開日]2020年5月20日

クレジットカードの督促状が来ない|無視しても差し押さえなし?

「クレジットカードの利用料金を滞納しているけれど、ある時期から、カード会社からの督促が来なくなった
こういった場合、「督促を諦めたんだな」などと勘違いしてはいけません。

カード会社が何らかの事情で督促を一時停止しているだけかもしれません。場合によっては、任意の督促に見切りをつけて、法的措置に踏み切る準備をしている可能性もあります。
法的措置をも放置していると、いつの間にか、自分の財産を差し押さえられてしまうかもしれません。

また、督促がない間も、遅延損害金は膨らみ続けます。

ここでは、クレジットカードの支払いを滞納したときに起きることや、督促が止む主な理由、そして差し押さえの影響について紹介します。
解決方法も最後に記載するので、是非、目を通してください。

1.クレジットカード滞納後の流れ

まずは、クレジットカードの督促を無視して支払いを滞納すると、「どのくらいの時期に」「何が起こるのか?」を理解しておきましょう。

細かな流れはカード会社によって異なりますが、ここでは、一般的なケースをご紹介します。

(1) 引き落とし日

口座残高が少なくて、引き落とし日に引き落とせなかった場合、その翌日から遅延損害金が発生します。

数日以内にカードの利用が停止され、一週間以内に郵便で督促状が届きます。

(2) 再引き落とし日

2週間程度で再引き落としが行われ、滞納分+遅延損害金が引き落とされます。

ここでも引き落とせなかった場合は、郵便物での督促に加えて、電話や訪問などで督促が行なわれることがあります。

(3) 次の引き落とし日

滞納分+遅延損害金+最後にカードを使った月の引き落としです。

これも引き落とせなかった場合、債権者からの督促が、今まで以上に頻繁に行なわれます。

(4) 滞納から1ヶ月半~2ヶ月程度

カードの契約を強制的に解除されることがあります。
こうなると、そのカード会社と2度と再契約できないと考えましょう。

加えて、解約の履歴は、「信用情報」という業者間の情報ネットワークにデータが登録され、他社と契約するときなどにも、契約審査の際にチェックされてしまいます(そのため、それまで全く借金したことがない業者が相手であっても、契約を断られてしまう可能性が出ます)。

また、契約解除になったカード会社からの残金の督促は、引き続き行われます。

(5) 滞納から2ヶ月程度~

この頃から、滞納分の一括払いを請求されるようになります。

さらに、この段階になると、信用情報に『長期延滞』の記録が登録されます。
この記録も業者間で共有されるため、どの貸金業者・クレジットカード会社・銀行からも、一定期間お金を融通して貰えなくなります。

(6) 滞納から3ヶ月以降

法的措置に踏み切るカード会社の場合は、このくらいの時期になると、裁判所に訴えを起こし、判決(債務名義)を取得した上で、財産の差し押さえの手続に移行します。

なお、債権者が訴訟ではなく支払督促を利用した場合は、異議を申し立てれば通常の訴訟手続に移行し、債務名義の確定を遅らせることができます。
しかし、特段争点がない事案では、結論としては債権者の請求を認める判決が確定してしまうので、最終的には、財産の差し押さえが避けられなくなると考えておいた方が良いでしょう。

より詳しい滞納後の流れや強制解約については、以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

クレジットカードの滞納で強制解約!?各カード会社の対処策

2.督促状が来なくなるタイミング

稀にですが、債権者からの督促状が債務者の元に来なくなることがあります。
その理由は主に以下のようなものです。

(1) 債権者が債務者の住所を把握できない

債務者が引っ越したことを債権者が知らない場合などです。

そのまま時効まで逃げ切りを図る人もいるようですが、債権者は法律に則って債務者の住民票などを調べることができます。

新住所はあっさり突き止められてしまうので、新住所宛に督促状が来るのは時間の問題です。

また、たとえ債務者の新住所がわからなくても、債権者は、裁判を起こすことが可能です。
訴状や呼出し状が公示送達された場合は、裁判が始まったことを債務者(被告)が現実には知らなかったとしても、債務者に訴状等が実際に送達されたものと同様の扱いで裁判手続が進み、被告欠席のまま判決となります。

不動産などの財産の在り処が知られている場合には、裁判の後、判決等の債務名義を利用した強制執行手続で、不動産が差し押さえられることがあります。

[参考記事]

借金を踏み倒ししようとするとどうなる?|消費者金融・クレジットカード等

(2) 債権者側の事情

最初に述べたように、カード会社が法的措置に踏み切る用意をしているため、その準備の関係で、数日程度、督促が止むことはあります。

あるいは、債権回収会社に回収業務を委託する手続の最中かもしれませんし、単に、担当者が病気や退職などで、業務の引き継ぎに時間がかかっているだけというケースもあるでしょう。

保証会社が付いているケースでは、保証会社が代位弁済の手続に着手した関係で、元の債権者からの督促が一旦止まる可能性がありますが、この場合は、代位弁済を行なった保証会社から、改めて督促を受けることになります。

いずれにしろ、上記のような場合は、一時的に督促が止まっているだけであり、決して債権者が回収を諦めたわけではないので、油断は禁物です。

(3) 過払い状態にある

債務者が利息を払い過ぎている場合、本来、債権者は、超過分の利息を返還しなければなりません。
これを嫌って、債権者がわざと連絡を断つことがあります。

取引期間が長い場合は、弁護士に依頼して、過払い金が発生しているのかを調べて貰い、返還請求も視野に入れてください。

特に、貸金業法の完全施行(2010年6月)前に締結された契約の場合は、念のため、利息制限法に基づく引き直し計算をすることをお勧めします。

3.滞納後の差し押さえの影響

督促を無視しているか、督促が来なくなったことを幸いに滞納を続けていると、いずれ財産を差し押さえられるリスクがあります。

差し押さえが行われるとどのようなことが起きるのか、最後にご説明します。

(1) 預貯金口座の差し押さえ

口座を差し押さえられた場合、差し押さえ時点での口座残高の中から、差押債権者に対する負債額と同じ額だけの残高が差し押さえられ、債権者への弁済に回されます。

もし、差し押さえ時点での口座残高が、差押債権者に対する負債額に満たない場合は、差し押さえ時点での口座残高の全額が差し押さえられてしまうので、生活への悪影響は必至です。

なお、差し押さえがあっても、口座の凍結はされないので、差し押さえ後も、同口座を利用した入金や出金は可能です。

しかし、口座への入金後に、再度口座を差し押さえされると、また残高が減ってしまいます。

口座にお金を入金しないか、口座を解約すれば、それ以上の差し押さえは防げますが、一度差し押さえを受けてしまうと、その金融機関には、差し押さえの事実がバレてしまうので、その金融機関から融資を受けるのは難しくなるでしょう。

[参考記事]

銀行口座が差し押さえられた!どうすれば良い?

(2) 給与の差し押さえ

勤務先が、従業員の給与の一部を、従業員本人ではなく、従業員の債権者に直接支払うことになるのが、給与の差し押さえです。

「一部」と言ったのは、給与に関しては、法律で、一定の範囲で差押禁止財産として保護されているためです。

具体的には、給与の手取り額の4分の3(ただし、手取り額の4分の3が33万円を超えるときは33万円)が、差押禁止財産として、給与差し押さえを受けた場合であっても支払いを受けることができます。

例えば、手取り額が60万円の人の場合、差し押さえ対象の給与は、①60万円×4分の1=15万円ではなく、②69万円-33万円=27万円となります。

給与差し押さえの場合は、ひとたび給与差し押さえが始まれば、差押債権者が債権を満額回収するまでの間は、差し押さえが毎月続きます

給与の差し押さえを受けると、手取り額が減って生活が苦しくなることは勿論、勤務先に借金のことがバレてしまうため、居心地が悪くなるかもしれません(差し押さえを受けたこと自体を理由に解雇することは許されませんが、勤務先内における仕事の内容や地位・役職、昇給・昇進の査定などに、事実上の悪影響が及んでしまう可能性はあるでしょう)。

[参考記事]

借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事

4.督促は無視せずに弁護士へ相談を

かつては、怖そうな人が家や職場に乗り込んできて取り立てる…ということが横行していました。
さすがに現在では、電話でも訪問でも、丁寧な口調で対応する業者が殆どです。

しかし、対応が丁寧だからといって借金を返済しないでいると、債権者は裏で粛々と裁判手続や差し押さえの準備などを進めていきます。

滞納を続けると、カードは解約され、どこからもお金を借りられなくなり、裁判まで起こされた挙句、最悪、財産(口座や給料等)が差し押さえされる恐れがあります。良いことは何もありません。

督促を無視せず、たとえ督促が来ない場合でも、借金の悩みがある方は、早い段階で弁護士へ相談するべきです。

弁護士に依頼すれば、弁護士が即座に債権者に連絡して、本人への督促をストップさせるので、執拗な督促からは解放されます。
また、弁護士は、債権者から開示された取引履歴をもとに引き直し計算をして、過払金の有無を調べてくれますし、債務超過の状態にある場合でも、個々の状況を踏まえて、適切な債務整理の方針を示してくれます。

債権者との交渉も、弁護士に任せておけますし、裁判所を使う債務整理の場合でも、専門家である弁護士がいれば安心です。

最終的に「利息が減った」「過払い金が戻ってきた」「返済額が減った」「借金がなくなった」という例も多くあるのです。

債権者がいつ差し押さえをしてくるかは、債務者側ではわからないため、「督促が来なくなった」と安心してはいけません
滞納中の借金は、是非、泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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