借金返済 [公開日]2018年5月2日[更新日]2019年9月11日

携帯決済(まとめて払い)の落とし穴!お金、借金の悩みは弁護士へ

携帯決算(まとめて払い)の落とし穴!お金、借金の悩みは弁護士へ

まとめて払い、キャリア決済などとも呼ばれる「携帯決済」は、モノやサービスの代金を携帯の通信料金とまとめて後払いにする決済サービスです。

とても手軽で便利な携帯決済ですが、借金問題や債務整理に絡んだ落とし穴がいくつもあります。

携帯決済は借金ではありません。しかし、携帯会社が代金をいったん肩代わりしているのです(このような取引は「信用取引」といい、クレジットカードのショッピングと同じです)。
携帯決済をすると、携帯会社に将来お金を支払う義務、「債務」を負うことになります。この点では、借金をしていることと変わりありません。

ここでは、そんな携帯決済の落とし穴について、分かりやすく説明しましょう。

1.携帯決済とスマホ解約

債務整理をすると、スマホの通信契約を解約されてしまうことがあります。

携帯決済は、解約を回避しにくくしてしまうおそれがあるのです。

(1) 債務整理でスマホが解約されるケース

携帯会社への支払いを債務整理すると、通信契約は解約されてしまいます。

①携帯会社への債務を任意整理した場合
②携帯決済や通信料金の支払いを滞納している、またはスマホ本体代金の分割払い中に、自己破産や個人再生をした場合

①の任意整理とは、裁判所を利用しないで債権者と交渉して返済負担を減らすものです。もっとも、整理する債務を自由に選べますし、携帯会社は任意整理で返済負担をあまり減らしてくれません。

携帯会社以外の借金を任意整理して何とかできるのなら、携帯決済はさほど問題にならないでしょう。

しかし、任意整理でできることは、債務の利息カットと支払回数増加だけです。
任意整理で不十分な時は多く、そんな場合には、裁判所を利用する債務整理、自己破産や個人再生を利用する必要があります。

②の通り、自己破産や個人再生では、スマホを解約されるリスクがあり、そこで、携帯決済は大きな問題を生じさせるのです。

(2) 携帯決済があると解約を回避しづらくなる

任意整理と異なり、自己破産や個人再生では携帯会社への債務だけ除外することはできません。裁判所を利用する手続ですから、債権者を公平に取り扱わなければならないのです。

このルールを「債権者平等の原則」と言います。

手続の前に携帯会社にだけ滞納通信料や本体の残金を支払うこともできません。債権者平等の原則に反する「偏頗弁済」と呼ばれる違法行為になります。

こんなときに解約を回避するには、第三者弁済か、裁判所への説得をすることになります。

第三者弁済とは、債務者以外の人が債務者に代わって支払いをすることです。債務者からお金が出ていきませんので、他の債権者が損することがないため、偏頗弁済とはなりません。

滞納していない通信料金の支払いは生活に必要な支払いとして認められていますから、そのバランスも踏まえて、裁判所を説得することができることもあります。

しかし、携帯決済の未払い分があるとどうでしょう。

第三者弁済は実際よく使われる対処策ですが、支払ってくれる人はたいてい債務者の親です。

数万円程度の滞納や本体残金ならともかく「ソシャゲのガチャを回し過ぎた」などの浪費をしていた場合、金額的にはもちろん、なんでゲーム代金を支払わなければならないんだ、と突き放されるおそれがあります。

裁判所としても、生活に必要な支払いだからこそ支払いを認めてくれるのです。携帯決済による浪費やギャンブルの支払いを認めてくれるわけがありません。

そのため、携帯決済を利用していると、スマホの通信契約が解約されてしまうリスクが高くなるのです。

(3) 解約されてしまった場合

スマホが解約されてしまったら、元の携帯会社と契約することはまずできません。

手続が終われば他の携帯会社と再契約できることはあります。しかし、手続中は携帯会社間で情報を共有しているため通常の契約はできません。

手続中にスマホを利用するには、元のスマホがSIMフリーであればSIMカードの交換を、あるいはプリペイド携帯を利用することになります。

ちなみに、借金を整理するなどして信用情報機関、いわゆるブラックリストの登録をされてしまうと、スマホ本体を分割払いで購入することは数年の間できなくなります。

2.携帯決済と自己破産

携帯決済は、自己破産できないリスクや手続負担が重くなるおそれにつながります。ギャンブルや浪費などの問題を引き起こしやすいからです。

携帯決済はブラックリスト登録の影響を受けませんが、弁護士に相談した後に携帯決済を利用すると、自己破産できない、または、自己破産に成功してもその代金が免除されない可能性もあります。

(1) 携帯決済は「免責不許可事由」につながりやすい

自己破産では、借金を免除させるには不適切な事情として「免責不許可事由」が定められています。たとえば、ギャンブルや浪費、ウソの説明や財産隠しなどです。
先ほどの「偏頗弁済」も免責不許可事由の一つになっています。

携帯決済を利用すると、使い道次第では一瞬で万単位の支払いをしてしまいます。

10万円程度の上限額があること、翌月に通信費と一緒に支払わなければならないことから、負担が膨らみにくいように見えますが、以下のような事情があれば、借金は一気に積みあがっていきます。

  • 通信費をクレジットカード決済(特にリボ払い)にしている
  • 通信費の引き落とし口座にサラ金や銀行カードローンから借りたお金を補充している

家計を無視した浪費や、スマホアプリのガチャに毎月課金していると、免責不許可事由につながりやすいのです。

携帯決済に関わる免責不許可事由としては、「携帯決済の現金化」も問題になります。携帯決済で購入したギフト券を業者に売却して現金に換えることです。

そもそも、携帯決済の現金化は、携帯会社の規約に違反します。発覚すれば即解約です。

(2) 免責不許可事由があると生じるリスク

免責不許可事由がある場合、借金が免除されないリスクがあります。ほとんどの場合は、手続にかかる費用やプレッシャーも重くなります。

免責不許可事由があると、裁判所は、破産管財人という手続の監督役を選任する「管財事件」で手続を始めます。
破産管財人に免責不許可事由を調査させるためです。

浪費やギャンブルがあると、破産管財人は定期的に債務者と面談をして、反省をしているか、生活を立て直しているかを確認します。

携帯決済は、ブラックリストに登録されていても、通信契約さえあれば利用可能です。

手続中に携帯決済でまたガチャを回していることが破産管財人にバレれば、反省していないと思われてしまうでしょう。

破産管財人は、銀行口座など様々な財産に関する調査権限を持っています。債務者に説明を要求することもできます。ウソをついてごまかしても逆効果です。

携帯決済でまた失敗をしてしまったら、正直に白状して、悪い癖をどう直していこうとしているのか、説明してください。

多くの場合、免責不許可事由があっても、裁判所がほかの事情も含めて判断して借金を免除する「裁量免責」がされます。

しかし、破産管財人が、反省の色がないなど悪質な事情があると裁判所に報告した場合には、本当に借金が免除されないこともあるのです。

破産管財人には、報酬を少なくとも20万円は支払わなければいけませんので、破産管財人が選任されない「同時廃止」の倍よりも、はるかに手続の費用負担が重くなります。

破産管財人との対応は、裁量免責されるかどうかに直接かかわってきますから、大きなプレッシャーになるでしょう。

【弁護士に相談した後に携帯決済をしないこと】
手続が始まる前の、弁護士に自己破産を依頼して以降も、携帯決済の利用は厳禁です。
遅くとも弁護士に相談して以降は、債務をすべて支払うことができない「支払不能」となっています。弁護士相談後に携帯決済をすると、支払不能なのに新しくまた債務を負担したことになってしまいます。それを支払ってしまうと「偏頗弁済」になってしまいます。
そして、自己破産に成功しても、その支払い義務は免除されないおそれがあります。詳しくは省きますが、「非免責債権」といって自己破産しても例外的に免除されない債務になってしまう可能性があるからです。

3.携帯決済と個人再生

個人再生は、借金の一部を原則3年(最長5年)にわたって支払う「再生計画」を裁判所に認めてもらい、その支払いを終えると残る借金が免除されるというものです。

  • 財産が債権者に配当されない
  • 住宅ローンのあるマイホームを手元に残せる
  • 資格制限がない(自己破産手続中は、警備員など他人の財産を取り扱う仕事ができなくなります)
  • 免責不許可事由がない

など、自己破産のデメリットを回避できることが特長です。

弁護士に相談したあとに携帯決済をしてしまうと、自己破産と同じように借金の負担が減らなくなるなど問題が生じます。

さらに、自己破産と異なり借金を一部とはいえ返済しなければいけませんので、携帯決済に関連した様々な問題が生じます。

(1) 携帯決済による浪費癖と「履行可能性」

個人再生するために不可欠の条件。それが、「再生計画の履行可能性」です。
再生計画の履行可能性とは、法律の規定や債務者の財産などにより決められた、最低限支払いが必要な借金を、再生計画のスケジュール通りに支払える見込みです。

個人再生では免責不許可事由の規定がありませんので、浪費やギャンブルによる借金があるからと言って直ちに問題が生じるわけではありません。

しかし、再生計画の履行可能性を認めてもらううえで、浪費癖などがあると厳しい目で見られることになります。携帯決済によるガチャなどを弁護士に相談して以降もしていれば、なおさらのことです。

(2) 個人再生が債権者の反対にあうリスクが高くなる

一般的に利用されている「小規模個人再生」では、債権者の多数決、具体的には頭数の半分以上、または債権額の半分を超える反対があると手続が打ち切りになってしまいます。

携帯決済などの支払いをクレジットカードや借金で補っていた場合、特定の債権者にだけ携帯決済の債務が集中し、手続打ち切りとなるリスクが高まります。

債権者が少ないほど、あるいは、特定の債権者への債務がほかの債務より大きいほど、小規模個人再生が反対されやすい状況になってしまうからです。

もう一つの手続の種類、「給与所得者等再生」では債権者の反対制度がありません。
しかし、収入が安定している必要があるため、歩合給や自営業の方の場合、手続を利用できないおそれがあります。

さらに、給与所得者等再生では、再生計画で返済すべき金額が高額になりやすいという問題もあります。

自由に使えるお金、「可処分所得」の2年分以上を支払わなければならないという基準が追加されるからです。特に独身の方ではほとんど借金が減らないこともあります。

再生計画の履行可能性も認められにくくなりますから、場合によっては、個人再生を用いて避けようとしたデメリットを覚悟のうえで、自己破産を検討することになります。

4.借金で困ったら泉総合法律事務所の弁護士へ

携帯決済はクレジットカードのショッピング利用と同じ、「信用取引」です。携帯決済を利用すると、あなたは携帯会社に債務を負うことになります。

携帯決済には、

  • スマホの解約を回避することが難しくなる
  • 自己破産や個人再生ができない、または負担が大きくなる

など、借金問題や債務整理に関して、大きな問題を引き起こすおそれがあります。

特に、ソシャゲのガチャやアイテム課金を携帯決済で毎月上限まで回し続けていると、自己破産の免責不許可事由、個人再生の再生計画の履行可能性や債権者の反対など、それぞれの手続の中でも最も大きなハードルを呼び寄せてしまうおそれがあるのです。

携帯決済の使い過ぎで家計が回りそうにない。そうなってしまったら、通信料の滞納などが生じないうちに、すぐに弁護士に相談しましょう。

泉総合法律事務所では、これまで多数の借金問題を、債務整理で解決してきた豊富な実績があります。皆様のご相談をお待ちしております。

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