銀行系カードローンの借金解決方法まとめ-弁護士に債務整理相談
【この記事を読んでわかる事】
- 銀行系カードローンとは?サラ金やクレジットカードとの違い
- 代表的な銀行系カードローンの一覧とそれぞれの特徴
- 銀行系カードローンでの借金の解決方法、流れ
「銀行系カードローン」は、借入先が信用性の高い銀行や銀行を中心とする金融グループなので、安心感から気軽に利用される方が多いです。
しかし、借りた当初は返済ができても、病気やケガ、リストラや減給などで、支払いが厳しくなる可能性があります。
また、借りすぎて支払い額が大きくなり、返済できなくなることもあるでしょう。
このように、銀行系カードローンを支払えなくなってしまったら、どうすればいいのでしょうか?
今回は、銀行系カードローンの特徴と、支払いが厳しくなった場合の対処方法について、解説します。
1.銀行系カードローンの特徴
そもそも、「銀行系」カードローンはどういったサービスなのでしょうか?
サラ金やクレジットカードなどの他の借金との違いも含めて、理解しておきましょう。
(1) 銀行系カードローンとは
「銀行系」カードローンは、「銀行カードローン」に加えて、銀行を中心とした金融グループの傘下にある消費者金融(貸金業者)によるサービスを加えたカードローン全般を意味します。
つまり、銀行系カードローンには「銀行カードローン」と、それ以外の「銀行系列会社が発行するカードローン」の2種類があります。
たとえば、三井住友銀行が発行している三井住友銀行カードローンや三菱UFJ銀行が発行している三菱UFJ銀行カードローン(バンクイック)などは、プロパーの銀行カードローンです。
これに対し、銀行系列の貸金業者が行っているカードローンの場合には、銀行そのものが債権者となるわけではありません。
たとえば、新生銀行の場合、新生銀行そのものではなく、「新生フィナンシャル」という貸金業者がカードローン事業を行っていますし、三井住友銀行系の「モビット」という貸金業者もカードローン事業を行っていますが、これらについても「銀行系カードローン」の1種と考えられています。
(2) 銀行系カードローンとサラ金やクレジットカードとの違い
銀行系カードローンとそれ以外のサラ金やクレジットカードは、何が違うのでしょうか?
1つには、発行主体と銀行との提携関係の有無です。
銀行系カードローンの場合、発行主体は銀行もしくは銀行と提携している貸金業者です。
これに対し、一般のサラ金(消費者金融)やクレジットカードなどは、銀行と無関係に、自社名でカードローン事業を行っています。
たとえば、「アイフル」などのノンバンク系の貸金業者は、そもそも銀行と提携していません。
(3) 銀行系カードローンのメリット
次に、銀行系カードローンのメリットを見てみましょう。
①低金利での資金調達
銀行カードローンは、サラ金やクレジットカードのキャッシングなどと比較すると、低金利です。
サラ金などの場合には、年利18%程度になることもありますが、銀行カードローンの場合、だいたい14%程度までであることが多いためです。
これは、銀行カードローンの場合、銀行が発行主体となっており、資金が潤沢で、顧客に還元しやすいからです。ただ、銀行と提携している貸金業者が発行主体となっている銀行系カードローンの場合には、金利が高いケースもあります。
②総量規制の対象外で、極度額が高い
銀行系カードローンの中でも、銀行自体が発行主体となっているものについては、借金の総量規制の対象外です。
借金の総量規制とは、「年収の3分の1までしか借金をしてはならない」という規制です。
ただし、借金の総量規制が適用されるのは、貸金業者からの借金であり、銀行からの借入は対象になりません。
そこで、銀行カードローンを利用する場合、年収の3分の1を超える金額を借入れることができる可能性があります。
実際に、銀行系カードローンの中でも、銀行そのものが債権者となるプロパーのカードローンの場合、極度額が500万円~1000万円など、高額に設定できるケースが多いです。
ただし、すでに他のサラ金やクレジットカードなどで多額の借金をしている場合には、銀行カードローンの審査には通りにくくなるので、必ずしも年収の3分の1以上の借入ができるとは限りません。
③銀行のグループ会社という安心感
銀行系カードローンの場合、名の知れた銀行または、銀行のグループ会社が債権者となるので、安心感があります。
一般的に、借入先が消費者金融やクレジットカード会社などの場合、滞納した場合の対応も厳しいのではないかと思われていることがありますが、銀行系カードローンであれば、何となく安心して気軽に借りる方が多いです。
(しかし、実際には銀行カードローンでも、滞納した場合の対応は、あまり変わりません)。
また、銀行系であれば、いきなり倒産したり取引を停止されたり、条件変更されたりすることもないでしょう。
さらに、借金しているとは言っても「銀行からの借入」であれば、何となく周囲に対する世間体も保たれます。
④銀行のATMや提携ATMを利用できる
銀行カードローンを利用すると、借入や返済の際にATMを利用する機会が多くなります。
このとき、利用銀行のATMはもちろんのこと、全国の提携しているコンビニのATMなどの利用ができて、料金も無料になることが多いです。
(4) 銀行系カードローンのデメリット
次に、銀行系カードローンのデメリットを確認していきましょう。
①口座開設が必要なケースがある
銀行系カードローンを利用しようとすると、対象銀行における口座開設が必要な場合があります。
また、口座開設が不要であっても、口座がないと、入金や出金が不便になるケースなどもあります。
たとえば、口座があったらカードローンの借入と返済について、口座を通じてできるけれど、なかったら、いちいちATMを使って入金しないといけないことなどがあります。
②比較的審査が厳しい
銀行系カードローンは、低金利で極度額も高く、利用者にとってメリットが大きいのですが、その分審査が厳しめです。
銀行にもよりますが、年収の少なすぎる人や主婦などの人や、サラ金なら簡単にキャッシングできる人でも、銀行カードローンの審査に落ちてしまう可能性があります。
③審査期間が長い
銀行カードローンは、比較的審査期間が長いサービスが多いです。
申込みをしてから入金まで数日から1週間以上かかるケースもあり、即日融資を受けられる銀行は少ないです。
サラ金なら、申し込んですぐにキャッシングを利用できることが多いので、急いでいる人にとってはメリットが小さくなるでしょう。
2.銀行系カードローンの注意点
次に、銀行系カードローンを利用するときの注意点をご紹介します。
(1) 総量規制の対象になるケースがある
銀行系カードローンは、借金の総量規制の対象にならないので、年収の3分の1を超える借金をできる可能性があることを説明しました。
しかし、これは、銀行が発行主体となっているプロパーの銀行カードローンの場合です。
銀行の関連会社(信販会社や貸金業者)が発行主体となっている銀行系カードローンの場合、総量規制の対象になるので、年収の3分の1を超えて借入をすることはできません。
銀行系カードローンを利用するときには、誰が債権者となるのか(銀行か、銀行系列の貸金業者か)について、きちんと把握して意識しておくことが重要です。
(2) 貸金業法の各種規制について
日本には「貸金業法」という法律があり、消費者金融会社や信販会社に対し、各種の規制を行っています。
銀行系カードローンの場合でも、銀行系列の関連会社としての貸金業者がローン事業を行っている場合には、発行主体が貸金業者なので、貸金業法に従います。
これに対し、銀行そのものが発行主体のケースでは、貸金業法は適用されず、銀行法が適用されます。
ただし、実際のカードローン事業運営の場面においては、銀行も貸金業法の規制内容に沿った行動をするので、さほど違いを意識する必要はないでしょう。
(3) 代位弁済について
銀行系カードローンを利用するときには「代位弁済」に注意が必要です。
代位弁済とは、借金返済を滞納したときに、保証会社が代わりに債権者に支払いをしてしまうことです。
代位弁済が起こると、その後は代位弁済をした保証会社が債権者となり、債務者に対して支払いを請求してきます。
銀行系カードローンの中でも、銀行そのものが債権者となるプロパーの銀行カードローンの場合、返済を滞納すると、ほとんど確実に保証会社が代位弁済します。
保証会社となっているのは、たいてい関連する消費者金融会社や保証会社です。たとえば、三井住友銀行カードローンを滞納すると、プロミスが代位弁済して、その後はプロミスが借金返済を督促してくるのです。
銀行系カードローンの場合、「銀行系列だから安心」、という思い込みがありますが、返済を滞納すると結局は貸金業者が対応するので、このような安心感はあまり意味がないものと言えます。
3.主な銀行・銀行系カードローンの特徴
銀行系カードローンには、非常にいろいろな種類があります。
そもそも銀行が発行主体となっているプロパーのカードローンと、系列の貸金業者が運営しているものがありますし、大手銀行のものと地方銀行のものによる違いもあります。店舗を持たず、ネット専業の銀行によるカードローンもあります。
これらの中でも人気が高いのは、やはり名前の知られている大手銀行のプロパーのカードローンや、手軽に利用しやすいネット系の銀行カードローンです。
ネット系の銀行カードローンの場合、大手と比べて審査が甘いことも多く、専業主婦などでも利用できるものが見られます。
では、具体的な銀行系カードローンの例としては、どのようなものがあるのでしょうか?
以下で、当事務所へのご相談でも特に多い、代表的なカードローンサービスとその特徴を、簡単にご紹介します。
代表的な銀行系カードローンの一覧
- 住信SBIネット銀行
- SMBCモビット
- 新生フィナンシャル(新生銀行)カードローン
- 楽天銀行スーパーローン
- 三井住友銀行カードローン
- 三菱UFJ銀行カードローン
- みずほ銀行カードローン
- JAネットローン
- ソニー銀行カードローン
- 横浜銀行カードローン
(1) 住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行は、店舗を持たずにネット専業で営業している銀行で、カードローンの利用者も非常に多いです。
住信SBIネット銀行のカードローンの商品名は「MR.カードローン」です。金利は0.99~14.79%となっており、比較的低金利です。
また、SBI証券やSBIネット銀行の住宅ローンなど、SBI関係のサービスを利用していて、住信SBIネット銀行を引き落とし口座にしていると、さらに金利を引き下げてもらえます。
極度額は、10万~1200万円と、非常に幅広くなっており、最高限度額が高額です。
申込みは、ネットでしか受け付けておらず、返済方法は自動引き落としのみとなっています。審査は比較的厳しいです。
【詳細】住信SBIネット銀行からの借入で借金を作ってしまった場合の対応策
(2) SMBCモビット
SMBCモビットは、三井住友銀行系列の貸金業者である「モビット」が運営している銀行系カードローンです。
申込みから借入までの手続はすべてウェブ上で完結できるので、とても便利です。
また、2017年5月には、「スマホATM取引」が利用できるようになっています。専用アプリをダウンロードすると、カードがなくてもセブン銀行ATMを使って出金や入金ができます。
審査は比較的甘く、収入証明書や担保・保証人は基本的に不要で、勤務先への在籍確認もありません。
審査スピードが非常に早く、申し込んだら、最短で即日融資を受けられます。
金利は3.0~18.0%となっており、銀行プロパーのカードローンと比べると、高めになっています。
約定支払日は毎月5日と15日、25日、末日から選択でき、毎月の返済額は最低4000円~となっています。
【詳細】SMBCモビットからお金を借りて返済できなくなった場合どうすれば良い?
(3) 新生フィナンシャル(新生銀行)カードローン
新生フィナンシャルカードローンは、新生銀行のカードローンです。
銀行のプロパーカードローンではなく、新生フィナンシャル(旧レイク)という貸金業者が運営しています。
銀行プロパーではないので、金利は4.5~18.0%と、比較的高くなっています。
申込みは、ウェブサイトや電話、自動契約機のいずれかから申請すれば、すぐに仮審査の結果(利用の可否や限度額)が分かります。その後の本審査でも大きく結果が変わることは少ないです。
申込みから借入、返済まで、すべての手続をウェブサイトや専用アプリによって完結できるので、便利ですし、一定の条件を満たせば、「無利息期間」が適用されます。
ただし、審査において、必ず在籍確認が行われますし、専業主婦は利用できません。(収入のあるパートの主婦は、利用可能です。)
(4) 楽天銀行スーパーローン
楽天銀行スーパーローンは、楽天銀行が発行しているプロパーの銀行カードローンです。
銀行カードローンなので金利は低く、1.9~14.5%でとなっており、大手銀行のカードローンと同水準です。楽天銀行で口座を作らなくてもカードローンを利用できますが、申込みの際に口座を作ると、30日間無利息になります。
申込みは、ウェブサイトやスマホの操作によって可能です(郵送などは不要)。24時間365日、申込みを受け付けています。
審査には比較的時間がかかり、最低限2営業日ほど必要です。即日融資には対応していません。
審査の際には必ず勤務先への電話があり、在籍確認が行われますが、「楽天銀行」と名乗ることはありません。
申し込むと、楽天ポイントが付与されるキャンペーンなども行われています。
【詳細】楽天銀行スーパーローンが返せない時に必ず知っておくべき対処法とは
(5) 三井住友銀行カードローン
三井住友銀行カードローンは、メガバンクである「三井住友銀行」が運営している銀行カードローンです。
銀行のプロパーローンであるため金利は低く、4.0~14.5%であり、限度額の設定は10万円~800万円と、非常に幅広いです 。
審査は、消費者金融などと比べると厳しめになっており、利用するには一定の収入が必要で、学生や主婦は利用できません。
また、審査には数日かかり、即日融資には対応していません。審査時、在籍確認が必須となっています。
三井住友銀行に口座がなくてもカードローンの利用ができますが、口座がないと、ネットバンキングを利用した借入やウェブ上での明細照会、口座引き落としによる返済などのサービスを利用できないので、利便性が悪くなります。
【詳細】三井住友銀行カードローンが返せない時に必ず知っておくべき対処法とは
(6) 三菱UFJ銀行カードローン
三菱UFJ銀行カードローンは、「バンクイック」という商品名で、メガバンクである三菱UFJ銀行が運営しているプロパーの銀行カードローンです。
金利は1.8~14.6%であり、銀行カードローンとしては通常の水準ですが、貸金業者のサービスよりはかなり低金利です。
借入限度額は10万~500万円であり、そう高い方ではありません。
審査はあまり厳しくはなく、何らかの仕事をしていれば通る可能性が高く、年金生活者でも利用可能です。審査スピードは銀行カードローンにしては早いですが、必ず電話で勤務先に対し、在籍確認が行われます。
三菱UFJ銀行で口座を持っていなくてもカードローンの利用ができますが、口座がないと、口座振替やインターネットバンキングなどのサービスが使えないので、利便性が落ちます。
【詳細】三菱東京UFJ銀行カードローンが返せない場合の対応策
(7) みずほ銀行カードローン
みずほ銀行カードローンは、全国展開しているメガバンクであるみずほ銀行が運営している銀行カードローンです。銀行自身が運営しています。
金利は2.0~14.0%であり、低金利です。限度額は10万円~800万円までであり、高額な部類に入ります。
審査は比較的緩く、何らかの収入があれば通る可能性が高く、主婦でも利用できます。
審査の際には必ず電話で勤務先に在籍確認が行われます。
ただし、みずほ銀行に口座を持っていないと、カードローンの利用ができません。口座なしに審査に申し込むと、口座開設の手続が必要になるため、カードローンを利用できるまでに2~3週間かかってしまうケースもあります。
キャッシュカード兼用型のカードとカードローン専門のカードの2種類があり、カードローン専門の方が、使えるATMの種類が多いです。ATMを利用するときには、基本的に手数料が発生します。
(8) JAネットローン
JAネットローンはJAバンクが運営しているカードローンです。
JAの組合員はもちろんのこと、組合に入っていなくても利用できますし、ネット上で申込みをすることができて、便利です。
地域によってサービス内容に差があります。
ただ、全体的に低金利であり、最大でも年利が11%弱にしかならない地域もあります。
多くの銀行カードローンの金利は14%台なので、JAネットローンはかなり低金利と言えるでしょう。
また、多くの銀行カードローンの場合、年齢制限があり、62歳や65歳が限度ということも多いのですが、JAネットローンの場合、70歳まで申込みができますし、年金生活者でも審査に通ります。
JAバンクに口座を持っていなくても、カードローンの申込みができますが、本審査の際には口座開設が必要となります。
仮審査後の本審査という流れになり、正式手続の際には身分証明書などを持って店頭に行かないといけないなど、手続は多少煩雑です。
【詳細】 JAネットローンが返せない場合の対応策
(9) ソニー銀行カードローン
ソニー銀行カードローンは、ソニー銀行が提供している銀行カードローンのサービスです。
金利は2.5~13.8%となっており、銀行カードローンの中でも低金利です。
申込み、借入、返済までの一連の手続を、すべてウェブ上で済ませることができるので、便利です。ただし、ネット上でしか受け付けておらず、店舗で申し込むことなどはできません。
審査スピードは早く、即日で融資を受けられることもあります。
ただし、利用の際にはソニー銀行の口座が必要となるので、口座を持っていない人の場合、まずは口座開設しなければなりません。口座開設もネット上のみで完結します。
審査は緩やかで、何らかの収入を得ていれば利用できますし、専業主婦であっても配偶者に収入があれば利用可能です。ただし、専業主婦の場合、利用限度額が50万円となります。
一般の利用者の利用限度額は、10万円~800万円となり、幅広いです。
借入時にはセブン銀行やイオン銀行、三井住友銀行や三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行や各種のコンビニATMを利用でき、ATM利用料は、基本的に無料となります。
返済の方法は、口座引落のみとなっています。
(10) 横浜銀行カードローン
横浜銀行カードローンは、地方銀行の中では最大規模を誇る横浜銀行が運営している銀行カードローンです。
金利は1.9~14.6%と比較的低金利(銀行カードローンの中では標準的)ですが、限度額が10万~1000万円となっていて、非常に高いです。
また、来店不要でカードローンを利用できますし、最短で即日融資に対応しており、急いでお金を借りたい人にも便利です。他の銀行カードローンが65歳までに制限する中、69歳まで申込みができる点も、利用者の間口を広げていると言えるでしょう。
ただし、神奈川県、東京都、群馬県前橋市、高崎市、桐生市のどこかに居住しているか勤務している方でないと利用できないという、地域的な制限があります。
また、横浜銀行に口座を持っている人でないと、利用資格がありません。
返済方法は毎月10日の自動引き落としのみとなります。
(11) その他の銀行系カードローン
- 千葉銀行カードローンが返せない場合の対応策
- 埼玉りそな銀行カードローンが返せない場合の対応策
- きらぼし銀行(旧八千代銀行)カードローンの借入が返せない!
- じぶん銀行でカードローン。返済できない場合の対処法は?
- ジャパンネット銀行からの借入・借金の解決策
4.銀行系カードローンの返済が滞ったらどうなるのか?
もしも銀行系カードローンを利用して、その後返済が苦しくなったら、どのようなことが起こるのでしょうか?
(1) 督促される
返済を滞納すると、当然のことですが、借入先から督促されます。
まずは電話がかかってきて、その後郵便で督促状が送られてくることが多いです。
電話は、申込みをしたときに記載した電話番号にかかってきますし、郵便は自宅に送られてきます。
電話や督促状が届いたときに、きちんと対応して遅延分を支払えば、特に大きな問題にはなりません。
(2) 内容証明郵便が届く
電話や手紙による催促が行われても無視していると、内容証明郵便によって一括請求書が送られてきます。
内容証明郵便が送られてくるのは、だいたい滞納してから2~3ヶ月後です。
(3) 代位弁済が起こる
内容証明郵便が届くと、ほどなくして保証会社による代位弁済が行われます。
銀行カードローンの場合、多くのケースで保証会社がついていて、債務者が支払いをしない場合、保証会社が一括で銀行に支払いをしてしまう約定になっているからです。
代位弁済が起こると、自宅宛に「代位弁済通知書」が送られてきます。
そして、保証会社により、代位弁済をしたカードローンの残金と利息、遅延損害金の一括払いを請求されます。
(4) 裁判と強制執行
保証会社からカードローン残金の一括払いを請求されても、支払いをせずに放置していると、保証会社から裁判(保証債務履行請求訴訟)を起こされて、判決にもとづいて強制執行されてしまう可能性が高くなります。
強制執行とは、いわゆる差押えのことであり、判決が出ると、預貯金や生命保険、不動産や給料などのさまざまな資産や債権を差し押さえられるおそれがあります。
5.返せなくなってしまった場合の対処方法
もしも銀行系カードローンを借りて、支払いができなくなってしまったら、どのように対応すれば良いのでしょうか?
(1) 借り換えについて
このような場合、まずは「借り換え」を検討される方が多いです。
確かに借り換えにより、金利が低くなったり返済期間が長くなったりすると、月々の支払い額が低くなり、返済が多少楽になるケースはありますし、それによってどうにか支払いができるようになることもあります。
ただ、借り換えは、所詮借金問題を借金によって解決しようとするものであり、問題の根本的な解決にはなりません。
よほど有利な条件での借り換えができない限り、借り換えに頼って借金問題を解決する方法は、得策ではないことが多々あるので、注意しましょう。
たとえば、生命保険の契約者貸付を受けるとか、親族、親などに無金利もしくは低金利で借りられるなどの事情があるならば、借り換えが有効になる可能性があります。
(2) 任意整理が有効なケースが多い
銀行系カードローンの返済が苦しくなった場合の解決方法として、もっとも有効になりやすいのが任意整理です。
任意整理とは、借金返済が難しくなった債務者が、債権者と直接話し合いをして、借金の支払い方法や支払い期間などを決め直す手続です。
任意整理をすると、金利をカットすることが一般的なので、借金の支払金額がかなり減額されます。支払い期間を調整して、月々の返済額を支払える範囲に抑えれば、何とか完済まで返済を続けられるようになる方が多いです。
任意整理をするときには、銀行の保証会社や貸金業者と交渉をしなければならないので、債務者が自分で進めると、不利になるケースも多々あります。
銀行系カードローンの支払いが苦しくなって任意整理を検討されるのであれば、まずは専門の弁護士までご相談ください。
(3) どうしても返せない場合の債務整理方法
銀行カードローンを利用したとき、任意整理でも解決できないケースがあります。
それは、借入金額が大きくなりすぎている場合や、病気や失業などによって支払い能力がなくなっている場合です。
任意整理では、借金を大きく減額することができませんし、手続後にある程度の支払いをする必要があるので、借金額が大きい方や支払い能力のない方は利用できないのです。
このように、任意整理ができない方の場合には、個人再生か自己破産をすることで、借金問題を解決できます。
個人再生をすると、借金を元本ごと大きく減額できるので、銀行カードローンの負債が膨らみすぎている方でも効果的に圧縮することができます。
個人再生をしても財産がなくなることはありませんし、住宅ローンを抱えている方の場合、家を守りながら、銀行カードローンやキャッシングなどの借金だけを減らすことも可能です。
自己破産をすると、一切の支払いが不要になるので、支払い能力がまったくない方でも借金問題を解決できます。
一般に、破産すると、財産が無くなることが知られていますが、生活に最低限必要な資産(99万円分まで)であれば手元にもったまま破産できます。
自己破産後にお金を得るのは自由ですし、世間で思われているような大きな不利益はありません。
個人再生や自己破産をすると、すでに裁判をされて給料差押えが始まっているケースでも、差し押さえ手続を止めて、債務整理を進めることができるので、大変メリットが大きいです。
「銀行系カードローンの支払いが苦しいかも」と感じたら、状況が悪化する前に、できる限りお早めに弁護士までご相談ください。
6.まとめ
銀行系カードローンの支払いが苦しくなったなら、任意整理か個人再生か自己破産、いずれかの債務整理方法によって解決可能です。
どの手続きを選ぶにしても、債務整理をするときには、専門知識を持った弁護士のサポートが必要です。
当事務所では、上記でご紹介したような、各種の銀行系カードローンの負債整理のご依頼を数多くお受けして、解決してきました。
借金問題は、早く対応を開始すると、その分傷を浅くして解決が可能となります。銀行系カードローンの支払いが厳しいと感じたら、すぐに泉総合法律事務所までご相談ください。