借金返済 [公開日]2020年10月12日[更新日]2021年9月24日

車のローンが払えないとどうなる?相談先・対処法を解説

収入減や不意の出費、災害や失業などの事情で、それまで払っていた自動車ローンを払えなくなってしまうことがあります。

自動車ローンを払えないとどうなるのでしょうか?そして、解決するにはどうすれば良いのでしょうか?

解決するために行うべき方法は個々のケースによって異なります。ネットの知恵袋的なサイトには似たような悩みがいくつも載っていますが、あなたにとって最適な方法とは限らない例も多々あるでしょう。

この記事では、車のローンを支払えない場合の対策を考えていきます。
ローンの滞納問題を解決したい方、ローンを含めた借金にお悩みの方は、ぜひお読みください。

1.車のローンを払えないとどうなる?

まず、車のローンを支払えないと何が起きるのか見ていきましょう。

(1) 督促や催告が来る

ローンを滞納すると、郵便や電話などで支払いの督促や催告が行われます。

最初は「残高不足で引き落としができませんでした。ご確認ください」など、督促というよりも確認などのニュアンスが強いことが多いです。

しかし、滞納期間が長くなるにつれて、督促の内容は残額の一括請求や法的措置を示唆する文言になっていくでしょう。

(2) 期限の利益の喪失(残額の一括請求)

滞納を続けると、ローンの債権者から「期限の利益の喪失通知書」などの文書が届きます。

期限の利益とは、簡単に言えば「分割払いできる権利」のことです。

期限の利益を喪失すると分割払いすることができなくなり、ローンの残額の支払いを一括請求されます。

[参考記事]

「期限の利益喪失通知」が届いた後にするべきこと

(3) 自動車の回収(引き上げ)

自動車ローン支払い中の自動車の所有権は、車の買主ではなくローンの債権者にあることが多いです(「所有権留保」といいます)。その場合、車の所有権は、ローンを完済したときに初めて買主に移るのです。

ローンを滞納し続ける債務者がいると、ローンの債権者は自己の所有権に基づいて車を回収(引き上げ)してしまいます。

この引き上げは一般に考えられているよりも早く行われることがあります。

例えば、オリコのローンで自動車を買った場合、3週間程度の滞納で自動車引き上げの予告が届くという情報が一部で見られます。

予告から3~4週間で自動車の回収が行われることもあるようなので、早ければ滞納から1ヶ月半程度で自動車を失ってしまうことになります。

【ローン会社に車を返すのを拒否できる?】
車の所有権者であるローン会社であっても、債務者の敷地から勝手に車を持ち出すことはできません。窃盗罪などの罪に問われる可能性があるからです。そのため、車の引き上げ日時は事前に債務者へ連絡されますし、引き渡しに際して債務者は債権者から同意のサインを求められます。
このサインを拒否すれば車の引き渡しを拒むことはできますが、後で裁判を起こされて強制執行が実施され、車を差し押さえられて結局回収されてしまいます。サインの拒否はその場しのぎにしかならないとお考えください。

 

なお、車を引き渡しても債務者の返済義務がなくなるわけではありません。

車を引き上げたローン会社は、その車を売却するなどして債権の回収を図ります。それでも回収できなかった部分は債務者が支払うことになります。

こうなると、債務者は車を失ったうえにお金も払うことになってしまうのです。

(4) 保証人へ請求が行く

ローンの契約時に連帯保証人などを立てていた場合は、連帯保証人へも督促が行きます。

連帯保証人の支払義務は債務者本人と同等なので、金額によっては連帯保証人の支払能力を超えることもあるでしょう。連帯保証人もまた支払いできない場合は、連帯保証人に対して支払いを求める訴訟を起こされるかもしれません。

ローンの滞納は自分だけでなく、連帯保証人へも大きな悪影響を与えるおそれがあるのです。

2.車のローンを払えない場合の対策

ここからは、車のローンを払えなくなったらどうするべきなのか、可能な対策を紹介していきます。

(1) ローンの組み直し

別のローンを借りて既存の自動車ローンを一括返済し、その後は新しいローンを支払っていく方法です。

しかし、組み直し後のローンは金利が高くなる傾向があります。新しいローンの支払いができなければ、結局滞納してしまい、高い金利と遅延損害金を支払うことになりかねません。

そもそも審査に通るのかどうかの問題もあるため、利用できないことも考えられます。積極的にはおすすめできない方法です。

(2) ローンの債権者へ相談

黙って滞納すると債権者の心象が悪くなります。
督促状が届いてすぐ、できれば滞納しそうだとわかった時点で、債権者に連絡して相談してください。

その際、滞納した理由や支払いの意思、支払いが可能になる時期などを明確に伝えられるようにしておくことが大切です。

支払時期が分かれば債権者も安心し、事情を汲んでリスケジュールに応じてくれるかもしれません。

【勝手に車を売るのは厳禁!】
債権者の許可を取らずにローン支払い途中の車を売ってはいけません。
ローンを完済していない以上、その車の所有権はローンの債権者にあります。他人の所有物を勝手に売却するのは違法行為となります。
債権者の許可があれば車を売ることができるため、車を売ったお金でローンを返済することも可能です。ただし、車の売却金額がローンの残額を下回った場合は差額を弁済しなければなりません。たとえ債権者の許可がある場合でも、車を売却する前は入念な検討が不可欠でしょう。

(3) 弁護士へ相談

どう考えても支払いの目処が立たない場合や、債権者が交渉に応じてくれない場合などは、できるだけ早く弁護士に相談してください。

弁護士は、「債務整理」により借金やローンの問題を解決することが可能です。
債務整理の方法についてはこの後解説します。

3.自動車を残したい場合の債務整理

債務整理には主に3つのパターンがあり、それぞれのケースで車を手元に残せる可能性があります。
弁護士に「車を手放したくない」ことを伝えれば、あなたにピッタリの債務整理方法を検討してくれるでしょう。

以下で、債務整理の種類をご紹介します。

(1) 任意整理

それぞれの債権者と個別に交渉して、将来発生する利息や遅延損害金などをカットしてもらう債務整理方法です(仮に期限の利益を喪失していても、分割払いに戻してもらえるように交渉できます)。

任意整理では、交渉する債権者を任意に選べるため、自動車ローン債権者以外の債権者と交渉して、支払条件を見直してもらいましょう。自動車ローン以外の借金を整理することで、自動車ローンを支払う余裕が生まれるかもしれません。

この方法では自動車ローンを従来通り支払う必要がありますが、しっかり支払っていれば車を引き上げられることありません。車を手元に残して以前のように利用できます。

(2) 個人再生

個人再生では、借金を元本含め大幅に減額してもらった上で、原則3年の分割払いで返済していきます。

個人再生では全ての債権者を整理の対象とするため、通常ですとローンが残っている車は債権者が引き上げてしまいます。

しかし、債権者と交渉して「別除権を行使しない」という旨の合意を取り付ける(別除権協定)ことにより、車を手元に残せる可能性があります。

別除権協定とは、ローンの債権者に残額を支払うことを約束したうえで、車の引き上げをしないことを認めてもらう協定を結ぶことです。認められれば自動車を失わずに個人再生ができるでしょう。

しかし、別除権協定は現実的に認められることが難しい制度です。
例えば運送業者やタクシー運転手など、自動車が業務上不可欠な場合であれば、例外的に認められることがあります。

「自動車がないと通勤に不便」「家族の送り迎えに自動車が必要」などの事情では、認められる可能性が非常に低くなってしまいます。

[参考記事]

破産における別除権をわかりやすく解説

しかし、第三者弁済や保証人による支払いなどによりローンを肩代わりしてくれる人がいるのであれば、この方法を使ってローン支払い中の車を手元に残しておける可能性が出てきます。

(3) 自己破産

自己破産をすると、ほとんど全ての借金の返済義務が免除されますが、破産する人の持つ一定額以上の財産が裁判所によって処分されてしまいます。処分・換価された財産は、債権者に平等に分配されます。

しかし、手持ちの財産全てが処分されてしまうわけではありません。

生活必需品などの他、裁判所によって異なりますが、単体で20万円以下の資産は処分を免れることが多いです。

そのため、ローンを完済済みの自動車の場合、現在の査定額が20万円未満であれば、処分されず手元に残せる可能性が生まれます。

一方、ローンを支払っている最中の車ならば、個人再生同様に債権者が引き上げてしまうのが通常です。
しかし、個人再生同様、第三者弁済や保証人による支払いが可能ならば、車を残しておける可能性があります。

自己破産で車を残す方法の詳細を知りたい方は、以下のリンク先をご参照ください。

[参考記事]

自己破産でも車を残したい!自家用車を残す方法とは?

4.車のローンを払えなくなったら弁護士へ

自動車ローンの滞納を続けると、場合によっては裁判を経て強制執行を受けることになってしまいます。

強制執行によって車を引き上げられた後でも、ローンの残債を支払う義務は残ります。その支払いをしなければ、弁済をめぐって再び裁判を起こされて、また強制執行を受けるかもしれません。その強制執行によって車以外の大切な財産を差し押さえられるおそれがあります。

お金を工面できない場合は、一刻も早く弁護士にご相談ください。借金問題は人に相談しにくいものですが、まずは「助けて!」と声をあげることが大切です。

黙って耐えていても借金問題は解決しません。解決の第一歩として、債務整理の解決実績豊富な弁護士法人泉総合法律事務所にご相談ください。

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