借金返済 [公開日] [更新日]

ADHD、ASD、LDなど、「大人の発達障害」と借金の関係


「大人の発達障害」という言葉をお聞きになったことがありますか?

子どものころはあまり目立たなかった特性が、社会に出て職場などで目立つようになり、発達障害だとわかる例が増えているようです。

発達障害(ADHD、ASDなど)の人は、お金の管理が苦手な場合が多く、借金を抱えてしまう傾向もあるようです。

ここでは、その特徴と借金を抱えないための対策について考えてみましょう。

1. 「大人の発達障害」とその特徴

発達障害とは、生まれつき脳の機能・発達に特徴があり、周囲の人や環境とのミスマッチにより、日常生活や社会生活において困難を抱える障害のことです。

最近よく耳にする「大人の発達障害」ですが、発達障害自体は先天性のもので、大人になってから発達障害になることはありません。

しかし、学習面で特に障害がない場合は、子供のときに障害が分からない場合も多いのです。

ところが、社会人になると職場で責任が生じ、周囲の環境も厳しくなるので、その特性が露呈しやすくなります。

最近では、大人になってから発達障害が判明し、生きづらさを抱えている人が増えており、社会の中でも注目をされています。

発達障害の特徴の1つは、得手不得手の差が激しいところにあります。

発達障害の強みを生かして大きな成果を上げることも可能ですが、苦手なことについては周囲の評価が低くなりがちで、それをきっかけに自信を失ったり、抑うつ状態になったりすることも珍しくありません。

人間関係でも苦労しやすいので、就職する場合は、落ち着いて働ける職場を見つけることが鍵となります。

また、得意な仕事・職種につくことも重要な要素です。

2.発達障害の症状

発達障害は主に以下の3つがあります。

それぞれ大人にみられる特徴を解説します。それぞれ項目に複数当てはまり、かつ生活に強い困難がある場合には、医療機関を受診して正確な検査をすることをおすすめします。

(1) 注意欠如多動性障害(ADHD)

注意欠如多動性障害(ADHD)の人の特徴は以下の通りです。

①衝動性

ADHDの人は、考える前に様々な刺激に反応する衝動性が見られます。

  • 後先を考えずに行動してしまう
  • 思ったことをすぐに言ってしまう
  • 衝動買いをする
  • 運転時に無理な追い越しをする

②多動性

多動性は成長過程で改善されるケースが多いです。

しかし、成長後もじっとしているのが苦手だったり、おしゃべりがとまらない傾向が残ったりすることがあります。

  • 貧乏ゆすりなど、体の一部が目的なく動く
  • 落ち着きがない
  • 長時間座っていられず離席してしまう
  • しゃべりすぎる

③不注意

不注意は職場での評価を落としやすい要素で、症状がでると、やる気がない、能力が低い、無責任と言われてしまいます。

  • 仕事や家事を最後までやり遂げられない
  • 長い会議に集中することができない
  • 大事な会議でも寝てしまう
  • 時間管理が苦手
  • 仕事、作業を順序立てて行うことができない
  • 外からの刺激で集中力がそがれやすい
  • 大事な約束を忘れたり、書類をなくしたりする

④抜け漏れ

不注意から努力をしても何かしら作業で抜け漏れが生じやすいのも特徴です。

  • 同時に2つ以上の作業をすると、どちらかを忘れるか、両方中途半端になる
  • 約束したことをメモしていても忘れる
  • 仕事で注意をしていても、いつも何かしら抜け漏れがある

(2) 自閉症スペクトラム(ASD)

自閉症スペクトラムの特徴は以下の通りです。

①社会でのコミュニケーションの難しさ

社会の中で適切なふるまいができず、相手との関係を構築することが苦手です。

  • チームで行う業務が苦手
  • 自分が良いと思ったことを独断で行う
  • 報告・相談などを的確に行えない
  • 業務の支持を誤って解釈する
  • ジェスチャーが多い、または全くない
  • 相手の目を見て話ができない

②想像性・ルーティンへのこだわり

相手の言っていることの意味、感じていることを想像することが苦手です。

また想定外に弱く、ルーティンに強いこだわりがあります。

  • 興味の範囲が限られる
  • 悪気がなく事実を言って相手を怒らせることがある
  • 物事を手順通りやることにこだわる
  • 気になったことがあると作業を進められない
  • こだわりをもったことに対しては常人離れした集中力を発揮する

③感覚過敏・鈍麻

感覚はときに敏感、または鈍いのも特徴です。

  • 雑音の多い場所に行くと、会話が聞き取りにくくなる
  • 臭いや味に敏感過ぎる
  • 偏食が強い
  • 季節に応じた服装などができない

(3) 学習障害(LD)

学習障害は知的問題がないにも関わらず、特定の課題に困難が生じます。読み書き計算に支障をきたすので、学業成績を落とす原因となります。特徴は以下の通りです。

  • 文章を読んでも理解できない
  • 文章を読むのが遅い、理解が正確でない
  • 文字や文章が書けない
  • 数字の大・小について理解ができない
  • 数の概念が分からず、計算もできない

3.発達障害とお金の管理問題

大人の発達障害とお金の管理には密接な関係があると言われています。実際に、発達障害の症状によって破産する人もいます。

それぞれの症状ごとの、よくあるお金にまつわるトラブルは以下の通りです。

(1) ADHD

①お金の管理が苦手

ADHDの人は不注意な傾向があるので、そもそもお金の管理は苦手です。

家計簿をつけても途中で挫折することが多い傾向にあります。

②金銭感覚がマヒ、衝動買いが多い、無駄遣いが多い

欲しいと言う衝動を我慢することができません。

定型発達の人の場合「欲しいけど買ったらお金がなくなるから止めておこう」というブレーキがかかるところでも、ADHDの人は欲しいと思う気持ちを抑えることができません

お金がない場合はカードや借金で買ってしまいます。

③ギャンブルにはまりやすい

ADHDの人はギャンブルにはまりやすい傾向もあります。

ADHDの人は脳の報酬系に特徴があり、リスクを冒してでも大きな報酬を得ようとします

リスクがない状況では興奮できず、物足りなく感じてしまうので、ギャンブルの快感に心惹かれてしまうのです。

④対策

・現金生活

ADHDの人は現金生活を心がけましょう。

衝動的に買い物をしたくなっても、お金がなければ買うことはできません。しかし、カードがあるとつい買ってしまいます。

またカードの限度額を把握するのが苦手な人は、特に破産しやすいので、カードは持たずに現金だけで過ごしましょう。

・使用する金融機関を絞り、口座も1つにする

ADHDの人は金銭管理を複雑にしないことも重要です。できるだけ使用する金融機関を絞り、口座も1つにしましょう。

金銭管理が簡単になれば、お金のトラブルも減るのでぜひ実践してみて下さい。

・ギャンブルには近寄らない

ADHDの人はギャンブルに惹かれやすい傾向があるので、そもそも近寄らないようにしましょう。

また、ネットゲームにも要注意で、中には課金破産する人もいます。射幸心をあおるものはできるだけ距離をとるようにして下さい。

(2) ASD

①借金癖、いったん欲しいと思ったら借金してまで手にしようとする

ASDの人はこだわりがあるので、いったん欲しいと思ったら、どんな障害があっても借金してでも手に入れようとします

そうしないといられないのですが、それで借金を繰り返すと余計に苦しむことになるので、本人は辛さを抱えています。

②お金の管理が苦手で家計簿をつけても途中で挫折

ASDの人もお金の管理は苦手です。また、家計簿をつけても途中で挫折しやすい傾向にあります。

③相手の言葉を鵜呑みにして詐欺にあう

ASDは相手の言葉を鵜呑みにしやすいので、お金の面でも詐欺にあう可能性があります。

最悪のケースでは、知らないうちに犯罪の片棒を担がされたり、借金の保証人にされたりするトラブルもあります。

ASDの人は特に金銭トラブルには十分注意しなければなりません。

④対策

・予め計画をたて、その通りにお金を使う

ASDの人はルーティンにこだわりがあるので、その特性を金銭管理に生かしましょう。

予め計画をたて、その通りにお金を使い、よほどのことがなければ、それ以外のことはしないと決めるのは効果的です。

具体的には1週間で使うお金を決めて、口座からお金をおろし、その範囲で生活をします。

計画通りに行動することにかけては、定型発達よりも得意なので、浪費予防できる可能性は高いです。

・本人がお金の管理をできない場合、信頼できる人に依頼

また、どうしてもお金の管理が苦手な場合は、家族など信頼できる人に任せてしまうのもおすすめです。

飲み会の幹事を任されたときも、会計は別の人にお願いするなど、自分の評判を決定的に落とさないような方法を考えましょう。

(3) LD

LDの人はADHD・ASDを併発していることが多いので、上記で紹介した管理方法を、それぞれの特徴に合わせて実践してみましょう。

数の概念や計算ができない場合は、金銭管理を信頼できる人に任せることをおすすめします。また重要な契約を一人で行わないことも大事です。

LDが原因で破産に至る人も少なくないので、できるだけクレジットカードはもたず、お金のことは人と相談をしながら生活することをおすすめします。

4.まとめ

もし、借金でお悩みであれば、泉総合法律事務所にご確認ください。

借金問題のプロが状況に適した解決策を提供いたします。また、金銭管理に問題を抱えている場合には、今後の対処法についてもアドバイスいたします。

相談は何度でも無料ですので、お金の問題は専門家と一緒に解決していきましょう。

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