債務整理 [公開日]2018年5月18日[更新日]2021年2月16日

債務整理中に引っ越しはできる?

借金を払えない場合、放置していても解決にはなりません。
借金の支払義務は例え「夜逃げ」などを計ったとしても継続するため、利息と遅延損害金が膨れ上がり最終的には差し押さえを受けてしまうでしょう。

借金は「債務整理」をすることで合法的に解決できます。

ところで「債務整理中に引っ越ししても問題ないの?」と思う人もいるかもしれません。

「債務整理中に引っ越しすると夜逃げだと思われない?」
「引っ越しのせいで問題が起こる可能性はある?」
そういった疑問を解決するために、この記事では債務整理中の引っ越しについて述べていきます。

1.債務整理中の引っ越しの可否

基本的に、債務整理の手続き中は引っ越しを避けた方が無難です。

債務整理は債権者と交渉するか、裁判所に申立てをして行います。

もし債務整理の手続き中に今までより家賃の高い家に引っ越したとしたら、債権者としては「そんなお金があるならちゃんと債務を弁済してほしい」と思うでしょう。
債務整理の中には債権者の合意が必要なものもあるため、債権者の心証が悪くなると手続きに支障が生じる可能性も0ではありません。

出費を抑えるという意味でも、少なくとも債務整理の手続きが済むまでは、可能な範囲で引っ越しを避けておきましょう。

とは言え、勤務先から突然転勤を命じられたり、実家の家族が病気になって急に家業を継ぐことになったりなど、本人の気持ちに関わらず引っ越しを迫られるケースは存在します。

そのようなケースでの債務整理中の引っ越し問題については、債務整理の種類によって異なります。

2.債務整理ごとの引っ越しの問題

ここからは法的な部分について、引っ越しが認められるのか、それとも禁止されているのかを紹介します。

(1) 任意整理

任意整理は、債権者と個別に交渉して減額の合意をもらうタイプの債務整理です。

任意整理において、「交渉がまとまるまで引っ越しをしてはならない」という法律はないため、少なくとも法的な制限はありません。債権者に引っ越しを告げる義務もありません。

しかし、任意整理の交渉は弁護士に依頼して代行してもらうことが一般的なので、弁護士には引っ越し先の住所や連絡先を告げておきましょう。

これを怠ると弁護士が依頼人に連絡できず、交渉に支障が生じるおそれがあります。連絡が取れない期間が続くと途中で辞任となって終了してしまいます。

(2) 個人再生

個人再生は、裁判所に申立てをして行う債務整理です。

引っ越しの際に裁判所の許可が必要だと思っている人がいるかもしれませんが、特にそういった決まりはありません。

ただし、申立前に引っ越すと管轄裁判所が変わってしまいますし、申立後に引っ越すと引っ越したことによって裁判所からの連絡が受け取れなくなると手続きがストップする可能性があるので、やはり引っ越し先と連絡先は裁判所に伝えておく必要があります。

また、引っ越し費用を支払うことで、履行テストに影響を与えてもいけません。

個人再生は通常弁護士に依頼して行うので、必ず弁護士に引っ越し先やその費用などを伝えておいてください。

(3) 自己破産

自己破産も個人再生と同様に裁判所に申立てをする債務整理ですが、個人再生と違って引っ越しや旅行に関する制限があります。

制限の根拠となるのは破産法37条1項の以下の条文です。

「破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない」

ここで言う「居住地を離れることができない」とは、引っ越しだけでなく、宿泊を伴う旅行や出張も含みます。

一見厳しいように見える決まりですが、裏を返せば「裁判所の許可があれば引っ越しができる」のです。

[参考記事]

自己破産後に引っ越しができないという噂は本当?

自己破産には「管財事件」と「同時廃止」という2種類の手続きがあるため、それぞれの場合における取り扱いについて少し詳しく説明します。

管財事件の場合

管財事件では、破産申立人の財産が調査されます。
調査にあたって破産申立人が財産を隠したり、本人が逃亡したりすること防ぐ目的があるため、移動に制限が設けられています。

そのため、原則として破産手続開始決定がなされたときの住所から破産申立人が自由に動くことはできません。

しかし裁判所に申請をして許可が出れば、自己破産の手続き中でも引っ越しが可能です。

例えば家賃の安い物件に引っ越す、または破産手続で家が処分されるため他の賃貸物件に移動するなどのケースであれば、問題なく許可を得られます。

いきなり海外へ移住するなどであれば話は別ですが、破産手続にしっかりと協力していれば基本的に許可を得られるので、過度に心配しなくても大丈夫です。

[参考記事]

自己破産で管財事件になったら|流れ・期間・予納金等を解説

同時廃止の場合

同時廃止の場合は財産の調査がないこともあり、自由に引っ越しをすることができます。

ただし、自己破産の手続きがすべて終わるまでは、引っ越し先について弁護士や裁判所へ報告する必要があります。

黙って住所を変えると手続きに悪影響がありうるので、関係者には必ず事前に連絡しておきましょう。

3.債務整理手続き終了後は制限なし

いずれの債務整理方法であっても、債務整理手続きが全て終わってから引っ越しをすることについては何の問題もありません。

なお、当然ですが、任意整理・個人再生の場合、引っ越しをした後でも借金の返済は完済するまで続けなければいけません。引っ越し先などは関係者にしっかり連絡しましょう。

誰にも告げず引っ越しをして、返済までストップしまった場合、債務不履行と判断されてしまうため注意が必要です。

4.引っ越しの不安よりも借金解決が先決

債務整理の手続き中であっても、任意整理や個人再生であれば、連絡先を告げた上であれば、引っ越しをして構いません。

自己破産の場合は管財事件の場合にのみ、引っ越しについて裁判所の許可が必要となりますが、大抵の場合は問題なく許可が下ります。

また、債務整理の手続きが済めば引っ越しは問題なく可能です。

債務整理をしたからと言って引っ越しに不安を感じる必要はほとんどありません。
引っ越しに不安を感じて悩むよりも、まずは現実に生活を苦しめている借金を解決しましょう。

一刻も早い借金問題解決のためには、お早めに弁護士までご相談ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
電話番号

受付時間: 平日9:0021:00/土日祝9:0019:00

債務整理コラム一覧に戻る