債務整理をすると銀行口座が凍結される?事前にできる対策は?

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債務整理をすると銀行口座が凍結される?事前にできる対策は?

債務整理をすると口座が凍結されるというのはよく聞きますが、本当でしょうか?凍結されない方法や、債務整理前にできる対策はないのでしょうか?

ここでは、債務整理と銀行口座の凍結について解説していきます。

1.債務整理で口座凍結される場合

(1) 債務整理で口座凍結されるのはなぜ

口座凍結とは、銀行などの金融機関が行う口座の取引停止措置のことをいいます。銀行が口座凍結をすると、その口座名義での入出金や振込み・引き落としができなくなります。

結論から申し上げますと、債務整理を行うと銀行の口座が凍結される場合があります。では、それはなぜでしょうか。

そもそも預金者と銀行間にはお金を預けるという契約(消費寄託契約といいます。)とお金を借りる契約(諾成的消費貸借契約といいます。)が通常は成立しています。

これらの契約の詳細な内容を定めるにあたり、銀行は、不特定多数の者と画一的な契約を締結するために、銀行取引約定を用いて契約を行っています。

この銀行取引約定を根拠として口座凍結が行われているのです。

(2) 銀行取引約定の内容など

①債務整理の受任通知と銀行取引約定

弁護士などの専門家に債務整理を依頼すると、弁護士などから受任通知が送付され、その内容に支払の停止が記載されています。

たとえば、受任通知には、弁護士などへの依頼後は、一切の支払いを停止するとともに、「今後依頼者へのご連絡は一切お断りします。」などといった文言が記載されており、これらの債務者の行動は銀行取引約定第5条第2項第5号の「前各号の外債権保全を必要とする相当の事由が生じたとき」に該当します。

そうすると、銀行は全額一括請求するかを決める必要があります。
他方(その可能性は非常に低いものとしても)債務者が債務の弁済を行ってくるかもしれません。

銀行としてはどちらかを判断するために、緊急の措置として口座の使用停止措置である口座凍結を行うことができるものとされています。

○受任通知の例

受任通知の例

(3) 口座凍結の対象

銀行からの融資や銀行系のカードローンやクレジットカードが債務整理の対象になっている場合には、口座凍結がなされることになります。

他方、消費者金融しか債務整理の対象としない場合であれば、特に口座凍結がなされることはありません。

(4) 債務整理の方法と口座凍結

自己破産と個人再生の場合には、基本的にはすべての債権者を対象としますので、たとえば銀行系の債権者のみを除外して手続を進めることはできません。したがって、自己破産と個人再生の場合には、口座凍結を回避することはできないのです。

債務整理手続の選択肢として、自己破産や個人再生を選択する場合には、受任通知の発送前に預金の全額を引き出すことや、給料振込口座の変更をすすめているのはそのためなのです。

他方、任意整理の場合には、任意整理の対象とする債権者を限定することができますので、銀行系の債権者のみを除外することも可能です。

2.口座凍結されることで生じる影響

(1) 出金

口座凍結されている以上は新たな出金はできません。口座内の残額は、銀行の債務があれば、残額の限度で相殺されてしまいます。

(2) 振込みについて

たとえば、給料が振り込まれた場合には、その口座の銀行の債務と相殺されてしまいますので、引出しはできません。

(3) 引き落としについて

たとえば、光熱費や保険料・税金の引き落としも、口座凍結がされてしまう以上はできません。したがって、これらは未納扱いとなってしまいます。

3.口座凍結がなされる流れ

あなたは、銀行系のカードローンから借入をしていて、債務整理を弁護士などに委任しました。その後、弁護士が受任通知を発送したとしましょう。

まず、債務整理の受任通知が銀行に届いた時点で、カードローンの契約に基づいてあなたは「期限の利益」を失います。そして、あなたの口座は凍結されます。もしくはあなたの口座にカードローンを支払うに十分な残高がある場合には相殺されます。

相殺してもなお債務残高がある場合には、次のステップに移ります。

相殺してもなお債務残高がある場合には、通常、銀行は、保証会社にあなたの借入を保証させているので、保証会社がその債務を「代位弁済」します。代位弁済とは、保証会社があなたに代わって、銀行に残債務を弁済することです。

それ以降、あなたは保証会社に対し弁済していくことになります。

そして、あなたの口座は、受任通知が銀行に到達してから、保証会社の代位弁済までの1~2ヶ月の間、凍結されることになります。ただし、代位弁済後は、口座凍結が解除されます。

4.口座凍結に対する対策

債務整理の手段により口座凍結への対策は異なります。

(1) 自己破産・個人再生

自己破産と個人再生の場合、基本的には債務整理しない債権者を選ぶことはできませんので(個人再生の住宅ローン債権者は除きます)、受任通知を送付したあとは、口座に残高があってもしばらく引き出すことはできません

そこで、受任通知を発送する前に口座から残金を引き出します。加えて、電話代・光熱費・水道代については引き落としの設定をしていたとしても、その時から引き落とされませんので、コンビニ払いなどに変更しておく必要があります。これぐらいしか対策はありません。

(2) 任意整理

他方、任意整理の場合には、銀行のカードローンを含めた借金を債務整理の対象から除外する方法もあります。これであれば口座凍結はされません。

ただし、消費者金融などの他の債権者に対し受任通知が到達すると、信用情報機関に登録されますため、いずれは銀行にも発覚することになりますので、時間の問題かと思います。

したがって、この場合には、できるかぎり、早期に口座から現金を引き出しておいたり、当該口座が給料の振込口座であれば口座を変える、または可能であれば、現金支給に切り替えるなどの対策が必要です。

5.口座凍結対策も泉総合法律事務所へ

債務整理で口座凍結されると、さまざまな影響が出てきます。対策については、専門的な知識を持った弁護士に相談しましょう。

泉総合法律事務所は、様々な債務整理手続の経験や実績が豊富ですので、ご相談者様一人ひとりに合った債務整理方法をご提案することが可能です。口座凍結の対策につきましてもアドバイスいたしますので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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