債務整理 [公開日]2017年10月18日[更新日]2021年2月16日

債務整理をすると銀行口座が凍結される?

債務整理をすれば借金を解決できますが、反面デメリットもあります。
その1つが「銀行口座の凍結」です。

口座の凍結とは、簡単に言えば銀行口座からお金を引き出せなくなってしまうということです。

債務整理すると必ず口座が凍結されるというわけではありませんが、場合によっては口座を凍結されてしまいます。

お金を引き出せないままだと生活に困ることは想像に難くありません
債務整理をしながら口座凍結を回避する方法はないのでしょうか?

ここでは、口座凍結に至る理由と、口座凍結への対策について解説していきます。

1.債務整理をすると口座を凍結される理由

凍結される理由が分かれば、口座凍結への対策も自ずと見えてくるはずです。

そこで、まずは「なぜ口座を凍結されるのか?」について解説します。

債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」などの種類がありますが、このいずれかを債務者が行った場合、債権者は当初想定していた弁済を受けられないことになります。

もし債権者に銀行が含まれており、その銀行に債務者の口座がある場合、銀行は債務者の口座を凍結してお金を動かせないようにします。

凍結した後に、銀行は口座内の残高と債権を相殺して、債権の回収を図ります。

こういった事情があるため、以下の条件が揃った場合に銀行口座の凍結が起こることがわかります。

  • 滞納している借金の債権者の中に銀行や銀行のグループ会社が含まれている
  • その銀行に口座を開設している

同じ銀行であれば別の支店で開いた口座であっても凍結されることがあるため、何らかの対策をしなければなりません。

2.口座凍結はどうすれば解除される?

債務整理が原因で凍結された場合、銀行側の債権回収手続きが終わるまで凍結は解除されません。

口座内の残高と債権が相殺され、それでも残った借金については、銀行の保証会社が債務者に代わって弁済する「代位弁済」が行われます。

代位弁済が終われば凍結された口座を再び使えるようになります。凍結から凍結解除までの期間は約1~3ヶ月です。

しかし、銀行によっては口座を強制解約する場合があるようです。

3.口座凍結による悪影響

口座凍結による影響は、お金を引き出せないことだけではありません。

以下のような部分にも悪影響を及ぼします。

(1) 口座引き落としがされなくなる

口座が凍結されると口座内のお金を動かせなくなります。
そのため、電気代や水道代、携帯電話の利用料金などが引き落とされなくなります

引き落とされない以上、未払いや滞納という状態になってしまいます。
そのまま放っておくと電気や水道が止まり、携帯電話が使えなくなるおそれがあります。

【入金はできることが多い】
口座凍結の効果は基本的に「現金を引き出せない」というものです。出勤の反対である「入金」は可能な場合があります。(ケースによっては入金も止められます)
しかし、入金が可能な場合、凍結された口座に給与等が振り込まれてしまうと、そのお金も口座から動かせなくなってしまいます。勤務先に「口座凍結のせいで先日の給与を引き出せなくなったので、別の口座に振り込むか現金払いしてください」とお願いしても、勤務先としては1度お金を払っているため、再び支払う義務はありません。
つまり、実質的に給与を受け取れない状態になってしまうため、注意が必要です。

(2) 残高が減る

銀行は、凍結した口座から債権を回収します。

口座内のお金と債権を相殺するため、口座内の残高は債権額の分だけ減ってしまいます。
場合によっては残高がゼロになることもあるでしょう。

口座凍結が解除されて中身を確認してみたら、引き出すお金がなかったという事態に陥りかねません。

なお、相殺が許されているのは「凍結の時点で口座内にあった残高」の範囲までです。

凍結後に入金された部分を相殺することは法律で禁じられているため、入金分は凍結解除後に受け取ることができます。

(3) 口座の新規開設ができなくなることも

債務整理中でも後でも、新規口座の開設は可能です。

しかし、借金をしている(過去に口座凍結をされた)銀行に口座を開こうとすると、断られる場合があります。どの顧客と契約をするかは銀行の自由だからです。

その銀行のグループ企業である貸金業者やカード会社から借金をしている場合も同様です。

よって、債務整理後に新しく口座を作る場合は、過去に付き合いのない銀行を利用すると良いでしょう。

4.口座凍結への対策

では、口座凍結の影響を最小限にする方法を見ていきましょう。

(1) 受任通知の発送前に口座のお金を全額引き出す

債務整理は弁護士に依頼して行うことが一般的です。

依頼を受けた弁護士は「受任通知」というものを債権者へ送付します。
これを受け取った債権者は、その後債務者本人ではなく、債務者の弁護士とやりとりをしなければならなくなります。

そして口座凍結が行われるのは、銀行側が弁護士からの「受任通知」を受け取ってからです。

そのため、受任通知の送付前にお金を引き出して残高をゼロにしておけば、口座内のお金と借入金を相殺されることはありません。

弁護士に依頼するときには受任通知の発送タイミングをうまく調整して、受任通知の発送前に口座からお金を引き出しましょう。

【財産隠しや偏頗弁済に注意】
口座凍結に先立って、銀行口座から全ての預貯金を引き出したとします。しかし、この現金で一部の債権者に有利になるような返済をした場合、個人再生や自己破産で禁じられている「財産隠し」「偏頗(へんぱ)弁済」だとみなされるかもしれません。
「財産隠し」や「偏頗弁済」となると、債務整理手続きに大きな悪影響が出る恐れがありますので、現金の引き出しや使用先については必ず前もって弁護士に確認してください。

(2) 引き落とし口座や給与受取口座を変更する

口座が凍結されると公共料金などの引き落としがされなくなるので、先手を打って他の口座に変更するか、支払用紙による支払いに切り替えておきましょう。

給与受取口座も別の口座に切り替えるように、会社へ申請することをおすすめします。

口座変更のときに会社の人に事情を聞かれるかもしれませんが、そもそも会社は「従業員が指定した口座に給与を振り込むこと」が義務となっています。
裏を返せば、本人が希望していない口座へ給与を振り込むのは違法行為なのです。

そのため、振り込み口座を変更してほしい理由を話す義務はありません。

もっとも、どうしても勤務先に言い出しづらいという方は、弁護士に相談してアドバイスをもらうことをお勧めします。

(3) 銀行からの借り入れを整理の対象から外す(任意整理)

任意整理は、債権者と個別に交渉して行う債務整理です。
交渉相手を選ぶことができるため、口座のある銀行からの借り入れを整理せず、そのままにしておけば口座の凍結はされません。

特に銀行からの借入は比較的利率が低いので、銀行以外の借り入れを減額することで、借金の支払いができるような状態であれば、この方法を選択するのもいいでしょう。

5.口座凍結に関する相談も弁護士へ

多くの人は口座凍結を経験せずに一生を過ごすでしょう。
そのせいか「口座を凍結される」と聞くと、一大事だと慌ててしまうかもしれません。

しかし、口座凍結による被害を軽減する方法は意外と多くあります。
弁護士に相談すれば最も効果的な方法をアドバイスしてくれるでしょう。

借金でお困りの方は、債務整理に強い泉総合法律事務所の弁護士にぜひご相談ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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