任意整理 [公開日]2022年3月23日

任意整理をしない方がいいケースとは?債務整理選択のポイント

シンプルかつ柔軟な手続きにより、短期間で債務負担を軽減できる「任意整理」ですが、中には任意整理に向いていないケースも存在します。

効果的に債務負担を軽減するには、ご自身の状況に合った債務整理手続きを適切に選択することが大切です。
任意整理を考えている方は、弁護士にご相談いただき、本当に任意整理をすべきかどうか、よくご検討ください。

今回は、任意整理をしない方がいいケースについて、例を挙げて解説します。

1.任意整理とは?

「任意整理」とは、債権者との直接交渉を通じて、借金などの負担を軽減する手続きです。

他の債務整理手続きである「個人再生」や「自己破産」とは異なり、裁判所を通さずに行うため、手続きがシンプル・柔軟かつ短期間で完了する点が大きなメリットです。

また、任意整理の対象とする債務は債務者が選べるため、保証付きの債務を外して連帯保証人に迷惑がかかることを防いだり、担保権付きの債務を外して財産の処分を回避したりすることもできます。

ただし、任意整理で減額・免除が認められるのは、基本的に利息と遅延損害金のみであり、元本の免除が認められることはほとんどありません。
そのため、債務の減額効果の点では、個人再生や自己破産よりも劣ります。

任意整理の詳細については、以下の記事を併せてご参照ください。
任意整理とは?

2.任意整理をしない方がいいケースの例

債務整理には、主に任意整理・個人再生・自己破産の3つの手続きがあり、債務者の状況に合わせて適切な手続きを選択することが大切です。

任意整理は比較的手軽な債務整理手続きであるものの、以下のいずれかに該当する方は、任意整理に向いていない可能性が高いです。
もしいずれかに当てはまる場合は、弁護士にご相談のうえで、別の債務整理手続きも併せてご検討ください。

(1) 借金額があまりにも多額

借金額が非常に多い場合、任意整理をしたとしても、その後債務を完済できる見込みは低いと言わざるを得ません。

任意整理の場合、減額・免除が認められるのは、基本的に利息と遅延損害金のみです。
元本のカットはほぼ認められないので、元々の借金額が多い場合には、任意整理後の返済負担も重いままとなってしまいます。

借金額があまりにも多額の場合には、任意整理ではなく、個人再生や自己破産の方が適している可能性が高いです。

個人再生の場合、債務総額に応じて、最大10分の1まで債務を減額できる可能性があります(最低弁済額は、債務総額に応じて変化します)。
自己破産の場合、財産が一部処分されてしまうデメリットはあるものの、最終的には債務全額を免除してもらえます。

非常に多額の借金を抱えている方は、債務減額効果の大きい個人再生や自己破産の利用をご検討ください。

(2) 債権者が多数

任意整理をするには、債権者と個別に交渉を行う必要があります。

債権者があまりにも多数の場合、債権者1社ずつと順次交渉を行うのは、時間や労力の観点からかなり大変です。
弁護士にご依頼いただく場合も、債権者の数が増えれば、弁護士費用の金額が嵩んでしまいます。

この点、個人再生や自己破産であれば、原則としてすべての債権者が有する債権を強制的に減額・免除の対象とすることができます。

債権者が多数の場合は、個人再生や自己破産を選択する方が、任意整理よりもかえって手間が省けるかもしれません。

(3) 安定した収入がない

無職の方・収入が少ない方・収入が不安定な方は、任意整理をすることが難しいケースが多いです。

任意整理を行う場合、任意整理後の返済計画を債権者に説明し、その内容について債権者の同意を得なければなりません。
しかし、安定した収入がない場合には、返済計画を立てても説得力や実現可能性を欠き、債権者に納得してもらうことは難しいでしょう。

安定した収入がない方が債務整理を行う際には、自己破産が第一の選択肢となります。
自己破産であれば、資産や収入に関する要件がないため、安定した収入のない方でも利用できるからです。

収入が少なすぎる、または不安定なために支払不能に陥ってしまった方は、弁護士にご相談のうえ、自己破産をご検討ください。

(4) 任意整理できない債務が大半の場合

税金・社会保険料などに係る債務は、その制度上、任意整理をすることができません。個人再生・自己破産による減額・免除の対象からも外されています。

また、奨学金返済について、JASSO(日本学生支援機構)は基本的に交渉に応じてくれません。
そもそも奨学金は利率が低いので、減額効果は限定的です。有効な解決手段とは言いづらいでしょう。

税金・社会保険料が原因で苦しい財務状況に陥っている方は、税務署や年金事務所などの窓口に相談して、猶予・免除の制度が利用できないかを確認しましょう。

資産・収入などに関する一定の要件を満たせば、税金・社会保険料の納税(納付)を猶予または免除してもらえる可能性があります。

奨学金の返済についても、減額変換精度や返済猶予制度が設けられていることが多いです。
また、奨学金の返済債務については、個人再生や自己破産による減額・免除の対象となります。

任意整理ができない債務が原因で苦境に陥った場合、上記を参考にして、任意整理以外の方法による解決を図りましょう。

(5) 債権者の大半が任意整理に応じない

債務者による任意整理の申し出に応じるかどうかは、債権者の完全な裁量に委ねられています。

交渉を通じて返済計画についての納得を得られない場合や、債務者に対する悪感情から任意整理の交渉を拒否されている場合などには、個人再生や自己破産などの別の手段を検討しなければなりません。

債権者が任意整理に応じない場合の対処法の詳細については、以下の記事も併せてご参照ください。

[参考記事]

任意整理に応じない業者はいる?和解できない理由とは

3.任意整理を弁護士に依頼すべき理由

任意整理についての検討・交渉は、弁護士にご依頼いただくことをお勧めいたします。

任意整理を弁護士にお任せいただくことには、以下のメリットがあります。

(1) 債権者からの取り立てがストップする

弁護士に債務整理をご依頼いただいた直後、弁護士は全債権者宛に受任通知を発送いたします。
受任通知の発送以降、債権の取り立てに関する窓口はすべて弁護士が担当いたしますので、依頼者は取り立てのストレスから解放されます。

法的にも、貸金業者が弁護士から受任通知を受け取った場合、それ以降は原則として、債務者本人に対する直接の取り立て行為が禁止されます(貸金業法21条1項9号)。

日々の取り立てに悩んでいる方は、お早めに弁護士までご連絡ください。

(2) 任意整理を行うべきかどうかアドバイスしてくれる

債務整理によって、借金などの負担を効果的に軽減するためには、任意整理・個人再生・自己破産の中から、ご自身の状況に合った手続きを選択することが大切です。

これまで解説したように、任意整理は比較的手軽に行えるメリットがある一方で、任意整理に向いていない方も存在します。

任意整理をすべきなのか、それとも個人再生や自己破産を選択すべきなのかについては、家計の事情やご本人の希望を総合的に考慮して判断しなければなりません。

弁護士にご相談いただければ、依頼者からの丁寧なヒアリングを通じて、最適な債務整理手続きは何かを分析・検討のうえアドバイスいたします。

(3) 任意整理の交渉を任せられる

実際に任意整理を行うことになれば、債権者との交渉を弁護士が一括して代行いたします。

収入・債務の状況を勘案しながら返済計画の作成をサポートし、依頼者にとって無理のない内容によって任意整理の和解を成立させられるように尽力いたします。

4.まとめ

任意整理はシンプル・柔軟・迅速な債務整理手続きであり、保証人に対する迷惑をかけることや、財産の処分などを回避できるメリットもあります。

一方で、任意整理に向いていないケースも存在します。
その場合には、任意整理ではなく個人再生や自己破産など、別の方法による解決を目指すべきでしょう。

任意整理を含めた債務整理の手続き選択については、弁護士へのご相談がお勧めです。

弁護士にご依頼いただければ、受任通知を発送して債権者からの取り立てをストップしたうえで、依頼者のご状況を踏まえて手続き選択のアドバイスをいたします。
また、実際の任意整理の交渉や、個人再生・自己破産の裁判手続きについても、弁護士に一括してお任せいただけます。

借金の負担が重く、債務整理による改善を図りたい方は、ぜひお早めに弁護士までご相談ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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