債務整理・個人再生を考えた時、どこに相談するべきか

個人再生

借金が嵩んでいて何とかしたいけど、自宅は残したい。そんな方にピッタリなのが、個人再生です。

しかし、個人再生をしたいと考えた場合、実際どこに相談するのが良いのでしょうか?

1. 借金問題について

(1) 借金問題に関する相談数は減少傾向

借金がどうしても返済できないときは、債務整理で借金を減額免除してもらうことができます。

債務整理は借金を法律的に整理することをで、主に任意整理、個人再生、自己破産の3つがあります。

しかし、債務整理の相談は年々減少傾向にあり、個人再生もまた例外ではありません。

実際に個人再生件数の推移を見ると、その数は年々減少していることが分かります。

平成18年…22,379
平成19年…24,586
平成20年…21,810
平成21年…18,961
平成22年…17,665
平成23年…13,108
平成24年…9,096
平成25年…7,655
平成26年…6,982
平成27年…7,798

こうした相談件数の減少は近年の社会情勢が関係しています。

最大のきっかけは、平成22年の改正貸金業法の完全施行です。これにより、利息制限法を超える高利貸しは厳しく罰せられることになりました。

また、返済不可能なほどの多額のお金を融資することも禁じられたのです。

こうした中で、高利貸しができなくなった貸金業者が事業から撤退し、相乗効果で借金に苦しむ人は減っているのです。

しかし、依然として借金に苦しんでいる人は存在します。

今回のテーマは個人再生ですが、相談場所を紹介する前に、自分が個人再生に向いているかチェックしておきましょう。

2.個人再生に向いている人

(1) 借金額が多い

個人再生は借金をおよそ1/5程度まで圧縮できます。

100万円以下の借金には適用されませんが、それ以上の多額の借金を抱えている人にとってはメリットの多い制度です。

(2) 安定的な収入がある

個人再生が認められたら、減額後の残債は計画通りに支払わなければなりません。

そのため、認可にあたっては、計画通りに返済できる収入があることが前提となります。

収入がない、もしくは不安定な場合は認められないので、自己破産を検討しましょう。

(3) 減額されれば借金を返せる

個人再生は原則3年(例外5年)で減額後の借金を返済します。

この期間で完済できる目途が立つ場合は個人再生が適しています。

(4) 自宅を持っている

個人再生は財産没収をされません。よって、マイホームを手放したくない人にはおすすめです。

(5) 免責不可事由により自己破産できない

個人再生には自己破産にように免責不可事由はありません。事情があって自己破産できない人は、個人再生を検討しましょう。

実際に、個人再生できるかどうかは、このほかにも細かい規定があり、申立の際には専門家のアドバイスが必要です。

そうした相談できる公的機関について以下で解説します。

3. 個人再生を相談できる公的機関

個人再生を相談できる公的機関は以下の3つです。

それぞれのメリットとデメリットを比較します。

(1) 法テラス

①メリット

・弁護士費用が安くなる

法テラスは法務省所管の法人で、法律相談したくても経済的な理由でできない人を支援する機関です。一定の収入以下の方は、弁護士の相談も無料で受けることが可能です。

また、法テラスには弁護士の報酬基準があるので、それ以上の報酬を請求されることはありません。弁護士費用も安いので安心です。

・弁護士費用を少額で、後から分割払いできる

法テラスでは、弁護士費用を立て替えてもらうことができます。費用はあとから分割で返済します。

毎月の返済額は5,000~10,000円ほどです。経済的に余裕がない人でも無理なく返済していくことができます。

②デメリット

・収入・資産が一定以下でなければ利用できない

法テラスを利用するには、収入と資産が一定以下の人に限られます。

高収入または、多額の資産を保有している人は対象外なので、誰もが利用できる訳ではありません。

・審査に長時間かかる

法テラスを利用するには審査があります。

審査期間は書類を提出してから2~3週間ほどで、場合によっては1ヶ月ほどかかることもあります。

立替金も審査を経ないと利用できないので、問題解決を急いでいるときには時間が足かせとなります。

・担当弁護士を選べない

法テラスを利用する場合は、基本的に担当弁護士は選べません。法テラスでの無料相談会で弁護士の紹介を受ける場合は、先方が指定した弁護士に依頼することになります。

しかし、法テラスを利用している法律事務所に相談に行った場合はその限りではありません。

その事務所の弁護士に申し込んでもらうことで、法テラスを利用することが可能です。

(2) 弁護士会の法律相談センター

①メリット

・全国300カ所

弁護士会の法律相談センターは、弁護士会が運営する法律相談所です。

北海道から九州・沖縄まで全国各地に300カ所設置されているので、最寄りのセンターはそう遠くないでしょう。

・借金問題については、初回相談無料

借金問題については初回相談無料です。

その他、生活保護や交通事故などの相談なども無料で行っています。

・借金問題に詳しい弁護士が相談に乗る

弁護士会は全国の弁護士が登録をしているので、借金問題に詳しい弁護士に相談にのってもらえます。

弁護士によって得意分野は分かれるので、これは重要なポイントです。

各地の弁護士会で、数十人~数百人以上の弁護士が登録されているので、相談担当弁護士が受任できないときは、他の弁護士を紹介してもらうこともできます。

②デメリット

・相談の担当弁護士を指定することができない

弁護士会の法律相談センターでは、担当弁護士を指定することはできません。

相談会では初対面の見ず知らずの人に身の上話をすることになりますが、プライバシーは厳守されるので、心理的なハードル以外のデメリットはありません。

・相談時間に制限がある

弁護士会の法律相談センターの初回無料相談の時間は30分です。

以後は有料なので、話が途中でも終了しなければなりません。

・相談にのる弁護士に当たりはずれがある

相談の際の受付担当弁護士は決まっているので、自分から指名することはできません。

基本的に借金問題に詳しい弁護士が選ばれますが、依頼したいと思えるような弁護士に当たるとは限りません。

(3) 自治体の法律相談

①メリット

・相談料無料

市町村など自治体でも定期的に法律相談を行っています。

相談は基本的に無料で、借金問題以外も無料で相談にのってもらえます。

・ちょっと法律家の意見を聞いてみたい場合利用価値あり

法律相談は役所で開催されるので、気軽に利用することができます。

ちょっとした内容でも相談OKなので、それほど構えず立ち寄れるのはメリットです。

② デメリット

・相談時間に制限がある

自治体の法律相談は30分程度なので、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

行くときには要点をまとめて、時間を効率的に使うために、質問したいポイントを絞っていきましょう。

・個別具体的な解決案・アドバイスまではなかなか至らない

自治体の法律相談は時間が短いので、問題解決の核心となるアドバイスに至るケースは少ないです。

それ以上の相談をするには、別途弁護士のところに行く必要があります。

・債務整理を得意としない弁護士が担当する場合あり

自治体の法律相談は当番制なので、誰が当たるかは分かりません。

依頼者の相談も借金問題とは限らないので、債務整理を得意としない弁護士に当たる場合もあります。

4. 独立行政法人など


法律相談は以下の独立行政法人でも受け付けています。

(1) 消費者生活センター

①メリット

・全国展開

消費者生活センターは消費者の苦情相談を受け付けている行政機関で、全国各地の市町村に設置されています。

多重債務についての相談も受け付けています。

・無料相談可能

消費者センターの相談は無料で行っています。

債務整理の方法をアドバイスしたり、必要に応じて専門機関を紹介したりしてもらうこともできるので、問題解決のきっかけを作ることができます。

②デメリット

・対応は平日のみ

消費者センターの対応は基本的に平日のみです。土・日・祝日は国民生活センターが代わりに受付を行います。

その場合、相談内容によっては、即日回答を得られないこともあります。

・直接的な解決はできない

消費者センターでの相談は、あくまでも債務整理の対処法を聞いたり、専門機関を紹介したりしてもらうだけです。

借金問題を根本的に解決するために、債権者に対して働きかけてもらうことはできません

直接的な解決をするには、別途、法律の専門家に依頼をする必要があります。

(2) 日本クレジットカウンセリング協会

①メリット

・無料カウンセリングが可能

日本クレジットカウンセリング協会では、借金に関する相談を無料で行っています。

最初に電話で相談をして、後日、協会で弁護士と面接を行い、相談者にとって最も良い解決策をアドバイスしてもらうことが可能です。

・任意整理であれば、無料で対応

日本クレジットカウンセリング協会では、任意整理については無料で対応してもらえます。

相談だけでなく弁護士費用も無料になるので、任意整理をする場合はおすすめです。

・自己破産・個人再生については、専門家の紹介可能

債務整理でも自己破産や個人再生をする場合は、裁判所に申立をする必要があるので、弁護士など専門家の紹介を受けることができます。

②デメリット

・対応日時が限られている

日本クレジットカウンセリング協会の相談受付時間は、平日(月~金)午前10時~12時40分、午後2時~4時40分です。

対応時間が限定的なので、仕事をしている人は相談をしずらい点がデメリットです。

5.借金問題を相談できる士業

借金問題は司法書士と弁護士に相談することができます。それぞれの特徴は以下の通りです。

(1) 司法書士事務所

①140万円以上の債権には対応できない

司法書士は訴額が140万円を超える民事事件の取り扱いはできません

140万円以上の事案を扱うと弁護士法違反で刑事罰の対象となります。

②自己破産場合、依頼者の代理人として申立はできない

自己破産を申立する場合は、依頼者の代理人として申立することはできません。対応できるのは書類の準備、作成です。

また、審尋の際も同席できないので、当日の受け答えについては、事前によく打ち合わせをしてから臨むことになります。

このように、司法書士が債務整理を担当する場合は、手続上一定の制約がありますが、書類の作成だけして後は何もしない、ということではありません。

債務整理が終わるまでしっかりとサポートを受けることは可能です。

(2) 弁護士事務所

①依頼者の代理人として手続き・弁護を行うことが可能

弁護士は書類の作成はもとより、依頼者の代理人を務められるので、手続き、弁護、全てにおいて制約がありません

また、個人再生や自己破産で裁判所が審尋を必要と判断したときには、弁護士は同席することが可能です。

(3) どちらに依頼するべきか

①費用の比較

司法書士と弁護士の報酬を比較した場合、前者より後者のほうが割高です。

しかし、個人再生をする場合、司法書士に依頼すると本人申立となるので、個人再生委員の報酬が必要となります。

弁護士に依頼した場合は、個人再生委員が選出されないことがほとんどです。

また、東京地裁ではどちらも選出されますが、弁護士に依頼をした方が10万円安くなります。

東京地裁の例
司法書士に依頼した場合…個人再生員の報酬は25万円
弁護士に依頼した場合…個人再生委員の報酬は15万円

このように、司法書士に依頼をすると、個人再生委員が選任されるので、トータル費用としてはあまり変わらないのが実際のところです。

②委託可能な業務の比較

司法書士に依頼をできるのは書類の代理作成です。個人再生の書類は細かいので、専門家に依頼することで申立が認められる可能性が高くなります。

しかし、弁護士に依頼すれば書類作成だけでなく、代理人も務められます。裁判でも同席可能なので、精神的にも大きな支えになります。

以上を踏まえると、トータルの依頼費用が変わらないのであれば、弁護士に依頼をする方が得と言えます。

6.まとめ

公的機関へ相談することももちろん可能ですが、最終的には弁護士に依頼しなければならないことがお分かりでしょう。

泉総合法律事務所であれば、相談料無料です。敷居が高いと思われるかもしれませんが、どうぞ一歩踏み出してみてください。借金の解決に詳しい弁護士が親身になってサポート致します。

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