個人再生 [公開日]2018年8月23日[更新日]2020年4月30日

奨学金を返せない!奨学金滞納は個人再生の対象となるのか

独立法人日本学生支援機構(JASSO)が公表しているデータによると、奨学金の受給率は年々減少しているようです。
とは言え、大学時代に奨学金を借りている人はおよそ2.6人に1人ということです。

人によっては卒業までに500万~600万ほどの奨学金を借り、その後の返済に行き詰る人が後を絶ちません。

もし、奨学金の返済ができなくなったら、何らかの対処をする必要があります。

では、奨学金は個人再生の対象にできるのでしょうか?

今回は、奨学金を払えずに滞納を続けている場合、奨学金を個人再生の対象とすることは可能かどうかと、保証人・連帯保証人への影響を解説します。

1.個人再生をする場合の奨学金の扱い

(1) 個人再生とは

借金の返済ができないとき、法的に借金を整理することを「債務整理」といい、「個人再生」はその手段のうちの1つです。

個人再生は借金を大幅に減額してもらえる制度で、裁判所に認可されれば負債総額によって異なりますが、負債を概ね1/5程度まで圧縮してもらうことが可能です。
再生計画が認可された後は3年(例外的に5年)で減額後の借金を完済します。

個人再生を裁判所に認可してもらうには、再生計画が計画通りに実行される見込みがあることが前提となるので、「継続的かつ反復的な収入があること」が求められます。

[参考記事]

個人再生手続の概要やメリット・デメリットについて

(2) 奨学金は個人再生で整理可能

個人再生は全ての債務が対象になることから、奨学金についても減額の対象となります。
奨学金でも貸与型のものは債務の一種であり、借金なのです。

しかし、無職の場合は収入がないので、再生計画を実行するのが難しいと判断され、個人再生は不認可となります。
奨学金の返済に行き詰まる背景には就職難がありますので、現在無職の方は個人再生ではなく自己破産を検討するべきでしょう。

[参考記事]

奨学金の滞納が原因で自己破産したらどうなる?

とはいえ、「継続的な収入」といっても正社員である必要はありません。仮に非正規やアルバイト、自営業者(個人事業主)でも、毎月のように収入があれば、個人再生の認可を受けられる可能性が高いです。
心配な方は、個人再生認可の見込みについて弁護士に相談してみましょう。

【債務が奨学金だけの場合は個人再生をするメリットが少ない】
個人再生では、負債が100万円以下の場合は減額されません。また、負債が100万~500万円でも、最低弁済額は100万円です。
そのため、債務が奨学金だけで低額の場合、人によっては個人再生をするメリットがありません。
実際、奨学金を個人再生で整理する場合は、奨学金の他にも借金があるケースが多いです。負債が奨学金だけの場合は、自己破産をするかどうかを考えましょう。
(この後に詳述しますが、日本学生支援機構は任意整理に応じてくれません)

2.奨学金を個人再生した場合の保証人への影響

多くの大学生が利用する日本学生支援機構の奨学金は、借入時に保証人・連帯保証人を立てなければなりません(機関保証制度を利用しない場合)。

奨学金も借金である以上、個人再生の対象となりますが、認可されれば減額された分の請求は保証人・連帯保証人のところにいきます。

日本学生支援機構やそれ以外の奨学金でも、連帯保証人・保証人は親や親戚などがなっていることが多いので、個人再生をすることで家族に迷惑がかかる可能性が高いでしょう。

最悪の場合、連帯保証人・保証人も債務整理をしなければなりません。

[参考記事]

奨学金滞納で連帯保証人や家族にどういう影響があるか

しかし、奨学金を借りるときに機関保証制度を利用している場合は、親や親戚といった保証人・連帯保証人が不要になりますので、これら保証人・連帯保証人に迷惑がかかることはありません。

しかし、機関保証の場合でも奨学金の支払いを滞納すれば、保証機関が債務を代位弁済しますので、代位弁済した後は債務者に一括返済の請求があります。

債務者はこれを支払う必要がありますので、どちらにせよ支払い義務を免れることはできません。

【日本学生支援機構は任意整理には応じない】
債務整理で連帯保証人、保証人に影響なく手続きできる制度は任意整理だけです。任意整理は借金の将来利息をカットする形で借金の返済額を少なくすることができ、対象とする債務も選ぶことができますので、連帯保証人、保証人がついている債権者は除外して任意整理をすることができます
しかし、日本学生支援機構は月の返済額が少額であることと金利が低いので、基本的に任意整理には応じていません。考えられる方法としては、もし、奨学金の他に借金がある場合は、奨学金以外の借金を任意整理で減額してもらい、奨学金については自力で返すこと検討しましょう。
そうすれば、保証人・連帯保証人に請求がいくこともなく、借金全体の負担は減らすことが可能です。

3.返還猶予制度と減額返還制度の検討

保証人への影響を避けるためにも、日本学生支援機構の奨学金については、債務整理を検討する前に、支援機構の制度を利用して返済していくことをおすすめします。

日本学生支援機構では「返還期限猶予制度」と「減額返還制度」を設けています。

低収入や病気などの理由があれば、返還期限猶予制度を利用することで、一定期間返還を猶予してもらうことが可能です。
また、当初約束した割賦金を満額払うのは厳しくても、半額やそれ以下なら毎月払えるという場合は、減額返還制度を利用することもできます。

奨学金が払えない場合は、まずこうした制度を利用して、それでも支払ができないという場合は、弁護士に相談をして債務整理に踏み切ることをおすすめします。

なお、日本学生支援機構の制度を活用した対応策は、以下のコラムで解説しております。

[参考記事]

奨学金の猶予期間が満了!?返せない場合はどうすればいいの?

4.奨学金のお悩みも泉総合法律事務所の弁護士へ

このように、奨学金の支払いを滞納してしまった場合、個人再生が解決の選択肢として考えられます。

その他、債務整理について分からないこと・困っていることがあるなら、一度弁護士に相談してみましょう。弁護士は相談者の個別のケースに合わせ、ベストな解決策を提案してくれます。

泉総合法律事務所は、借金問題については何度でも相談無料です。債務整理に特化した弁護士が、最後まで責任もってサポートさせていただきます。

一人ひとりに合った解決方法をご提案しますので、奨学金の延滞でお悩みの方も、是非一度無料相談をご利用ください。

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