個人再生 [公開日]2018年8月23日[更新日]2019年11月1日

奨学金を返せない人が急増中!奨学金は個人再生の対象となるのか

2018年8月現在、大学生(昼間部)の48.9%が、何らかの奨学金を受給しているそうです。大学時代に奨学金を借りている人はおよそ2人に1人ということです。

人によっては卒業までに500万~600万ほどの奨学金を借りている人もおり、その後の返済に行き詰る人は後を絶ちません。

数ある奨学金の中でも最も利用者が多いのは日本学生支援機構ですが、これも貸与型なのでれっきとした借金です。

最近では取り立ても民間の業者並みに厳しくなっているので、払えないからといって放置することはできません。
もし、奨学金の返済ができなくなったら、何らかの対処をする必要があります。

では、奨学金は個人再生の対象にできるのでしょうか?

今回は、もし借金がかさんでしまい個人再生をすることになった場合、奨学金を個人再生の対象とすることは可能かどうかと、その注意点を解説します。

1.個人再生をする場合の奨学金の扱い

借金の返済ができないとき、法的に借金を整理することを「債務整理」といい、「個人再生」はその手段のうちの1つです。

個人再生は借金を大幅に減額してもらえる制度で、認可されれば負債を1/5程度まで圧縮してもらうことが可能です。再生計画が認可された後は3年(例外的に5年まで延長してもらえる可能性があります)で減額後の借金を完済します。

奨学金でも貸与型のものは債務の一種であり、個人再生は全ての債務が対象になることから、奨学金についても減額の対象となります。

しかし、個人再生を認可するには、再生計画が計画通りに実行される見込みがあることが前提となるので、「継続的かつ反復的な収入があること」が求められます。

奨学金の返済に行き詰まる背景には就職難がありますが、無職の場合は収入がないので、再生計画を実行するのが難しいと判断され不認可となります。

とはいえ、継続的な収入といっても正社員である必要はありません。仮に非正規やアルバイトでも毎月のように収入があれば、個人再生の認可を受けることもできます。
また、自営業でも3ヶ月に1度くらいのペースで収入があれば認可される見込みがあります。

また、個人再生をする場合は他の借金と全く同じ扱いとなり、認可決定後は信用情報機関に事故情報が載り、いわゆるブラックリスト入りします。
ブラックリストとなると、以後5~10年ほどは新たな借入や、クレジットカードを作ることができなくなります。

その後の就職や結婚などに影響を与える可能性もあるので、個人再生をする際には将来についても十分検討する必要があるでしょう。

【債務が奨学金だけの場合は個人再生をするメリットが少ない】
個人再生では、負債が100万円以下の場合は減額されません。また、負債が100万~500万円でも、最低弁済額は100万円です。
そのため、債務が奨学金だけで低額の場合、人によっては個人再生をするメリットがあまりありません。
実際、奨学金を個人再生で整理する場合は、奨学金の他に借金があるケースが多いです。負債が奨学金だけの場合は、別の対策をとるのが得策です。

2.奨学金を個人再生した場合の保証人への影響

多くの大学生が利用する日本学生支援機構の奨学金は、借入時に保証人・連帯保証人を各1人ずつ立てなければなりません(機関保証制度を利用しない場合)。

奨学金も借金である以上、個人再生の対象となりますが、認可されれば減額された分の請求は連帯保証人・保証人のところにいくので、その人に必ず迷惑がかかります。

個人再生では全ての負債が対象となるので、保証人に迷惑をかけられないからといって、特定の負債だけ除外して手続きをすることができません。

日本学生支援機構やそれ以外の奨学金でも、連帯保証人・保証人は親や親戚などがなっていることが多いので、個人再生をすることで家族に迷惑がかかる可能性が高いでしょう。
最悪の場合、連帯保証人・保証人も債務整理をしなければなりません。

[参考記事]

自己破産・個人再生などをすると連帯保証人にどのような影響を与えるか?

しかし、奨学金を借りるときに機関保証制度を利用している場合は、保証人・連帯保証人が不要になりますので、保証人・連帯保証人に迷惑がかかることはありません。

機関保証の場合、保証機関が債務を代位弁済した後、債務者に一括返済の請求があります。債務者はこれを支払う必要がありますので、どちらにせよ支払い義務を免れることはできません。

【日本学生支援機構は任意整理には応じない】
債務整理で連帯保証人、保証人に影響なく手続きできる制度は任意整理だけです。任意整理は借金の将来利息をカットする形で借金の返済額を少なくすることができ、対象とする債務も選ぶことができます。
しかし、日本学生支援機構は基本的に任意整理には応じていません。考えられる方法としては、もし、奨学金の他に借金がある場合は、奨学金以外の借金を任意整理で減額してもらい、奨学金については自力で返すこと検討しましょう。
そうすれば、連帯保証人に請求がいくこともなく、借金全体の負担は減らすことが可能です。

3.返還猶予制度と減額返還制度の検討

奨学金の借入を個人再生すると、漏れなく保証人に迷惑がかかります。
このため、日本学生支援機構の奨学金については、債務整理を検討する前に、支援機構の制度を利用して返済していくことをおすすめします。

日本学生支援機構では「返還期限猶予制度」と「減額返還制度」を設けています。

低収入や病気などの理由があれば、返還期限猶予制度を利用することで、一定期間返還を猶予してもらうことが可能です。

また、当初約束した割賦金を満額払うのは厳しくても、半額やそれ以下なら毎月払えるという場合は、減額返還制度を利用することもできます。

奨学金が払えない場合は、まずこうした制度を利用して、それでも支払ができないという場合は、弁護士に相談をして債務整理に踏み切ることをおすすめします。

なお、日本学生支援機構の制度を活用した対応策は、以下のコラムで解説しております。

[参考記事]

奨学金の猶予期間が満了!?返せない場合はどうすればいいの?

4.奨学金のお悩みも泉総合法律事務所の弁護士へ

このように、奨学金の支払いで保証人・連帯保証人に迷惑をかけたくない場合、債務整理をすることが選択肢として考えられます。

その他、個人再生をはじめとする債務整理について分からないこと・困っていることがあるなら、一度弁護士に相談してみましょう。弁護士は相談者の個別のケースに合わせ、ベストな解決策を提案してくれます。

泉総合法律事務所であれば、借金問題については何度でも相談料無料で、債務整理に特化した弁護士が最後まで責任もってサポートさせていただきます。
一人ひとりに合った解決方法をご提案しますので、是非一度無料相談をご利用ください。

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