個人再生で問題となる偏頗弁済とは?債権者平等の原則の基本

[公開日]2017年11月17日[更新日]2019年11月6日

個人再生をはじめとする債務整理をする際に、多くの方が抱く疑問があります。
それは、「あちこちの借金の支払いが滞り個人再生を考えているが、友人や勤務先にも借金がある場合、その借金だけ先に支払ってはいけないの?」という疑問です。

しかし、個人再生や自己破産においては「全ての債権者を平等に扱う」というルールが存在します(債権者平等の原則)。

したがって、結論から言いますと、どんな事情があっても特定の債権者のみを有利に扱うことはこのルールに反し許されませんから、友人や勤務先の借金のみ先に支払うことはできません。

ここでは、個人再生をする際に注意すべき「債権者平等の原則」(偏頗弁済の禁止)について、わかりやすく解説します。

1.債権者平等の原則について

冒頭で述べた通り、個人再生を行う上で理解しておくべきルールに、「債権者平等の原則」があります。
(任意整理は、裁判所を利用する法的手続きである個人再生や自己破産とは異なり、私的な交渉となるので、債権者平等の原則から外れることが一定程度許されています。)

特に友人や勤務先など、特定の借入先に優先的に借金を返済することを「偏頗弁済(へんぱべんさい)」といいます。
個人再生を申立てる際に、最も気を付けなければならないものの一つがこの「偏頗弁済」です。

2.偏頗弁済について

(1) 偏頗弁済とは

債務者が支払いできないことを自覚したあとに、一部の債権者だけに支払いを行うことを「偏頗弁済」といいます。
この偏頗弁済が、自己破産や個人再生で債権者を平等に扱わない「偏った弁済」であるとして、問題になることがあります。

特に、弁護士に債務整理の手続を依頼した後は、もはや自身が債務返済を行える状態でないことを認識していたと考えられますので、その時点からの弁済は確実に「偏頗弁済」とみなされてしまいます。

たとえば、家族や友人、勤務先に迷惑をかけたくないという理由でこれらの者に借金の支払いを続けていた場合や、ローン会社に自動車を引き上げられたくないという理由で自動車ローンを支払い続けた場合、いずれも偏頗弁済にあたります。

したがって、借金については全て、かつ正確に、個人再生(債務整理)を依頼した弁護士に申告する必要があります。

[参考記事]

個人再生で友人・親族からの借金を別に返済することは可能?

もし、このような債権者平等の原則に反する行為をしてしまった場合、債務者が持っていた資産が特定の債権者のみに渡ってしまい、債務者の資産が減ってしまったことになります。

こうなると、個人再生手続きに様々な影響が出てきます。

(2) 偏頗弁済をすることによる影響

偏頗弁済をした場合、個人再生であれば、その分の金額を上積みして個人再生計画に基づく支払いを続けていかなくてはならないということも有り得ます。
これは債務者にとって多大なる痛手でしょう。

さらには、偏頗弁済の程度が悪質な場合は、個人再生手続が取り消されてしまう可能性もあります。

【住宅ローン特則は偏頗弁済にならない?】
ただし、住宅ローンの返済については例外があります。
個人再生の場合、住宅ローンはそのまま支払い、住宅を残しながら、他の借金を減額することが可能な「住宅ローン特則」というものがあります。これにより、住宅ローンのみを支払い続けることが可能となります。
もっとも再生手続開始後の住宅ローンの支払いについては、裁判所に弁済許可を受ける必要があります。

3.個人再生の相談は泉総合法律事務所へ

個人再生をして債務を減縮するためには、これまで述べてきたように、偏頗弁済は絶対にしてはいけません。
どうしても返済をしたい借入がある場合は、「個人再生手続以外にどのような債務整理の手段が自分に合っているのか」を弁護士に相談することをおすすめします。

泉総合法律事務所では、多額の借金を背負ってしまったという多くの方々を個人再生手続で救済してきました。どのようなケースにおいて、「偏頗弁済」とみなされるのかという点についても熟知しております。

個人再生手続による借金問題の解決をご検討中、もしくはご希望の方は、是非とも当事務所の無料相談をご利用いただければと思います。

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