個人再生 [公開日]2018年8月23日[更新日]2021年10月5日

個人再生でおまとめローンが問題になる理由

個人再生をする場合におけるおまとめローンの注意点

借入先が多数になると、毎月の返済の管理だけでも大変な手間です。
そんな中、複数の借入れを一本化することで支払いの手間が楽になる「おまとめローン」を検討する方もいらっしゃるでしょう。

しかし、借金の一本化は根本的な解決にはならず、破綻を先延ばしにするだけの結果になるおそれもあります。
また、おまとめローンで借入れを一本化すると、実は個人再生の再生計画が否決される可能性があります。

「債務整理(個人再生)をするか、おまとめローンを利用するか」でお悩みの方は、こちらの記事を参考にした上で慎重に決断をすることをお勧めします。

1.個人再生でおまとめローンが問題になる理由

個人再生手続きには、一定数以上の債権者の同意が必要になるタイプ(=小規模個人再生)と、債権者の同意を必要としないタイプ(=給与所得者等再生)の2種類があります。
おまとめローンが問題になるのは、前者を選択した場合です。

小規模個人再生は、給与所得者等再生よりも減額率が高いため、個人再生手続ではこちらを選択する方が主流になっています。

個人再生が認められると、借金は5分の1〜10分の1程度までカットされ、これを原則3年で返済していくことになります。借金の返済負担は劇的に軽くなるのです。

しかし、このような制度が誰でも自由に使えるとなると、お金を貸している債権者としてはたまったものではありません。
そのため、小規模個人再生では、再生計画案を債権者の書面決議にかけ、債権者の頭数の半数、または再生債権の2分の1を超える「不同意」があった場合、再生計画案が否決される、という仕組みになっています。

これが、おまとめローンを利用すると、個人再生を申し立てるうえで問題が生じる理由です。

おまとめローンを利用して債権者数を減らすと、おまとめローンの債権者が書面決議のキャスティングボード(投票結果を左右する力)を握ってしまい、おまとめローン1社の不同意だけで再生計画が否決されるおそれがあるのです。

具体例を挙げて解説しましょう。

【例1】
消費者金融やクレジット会社など5社から500万円を借り入れていたが、おまとめローンで借入を一本化した。

例1

 

債権者が1社になってスッキリしますが、この状況で小規模個人再生を申し立てた場合、おまとめローンの1社が不同意と回答すれば、それだけで再生計画が否決されます。

これは極端な例かもしれませんが、次のような場合もあります。

【例2】
消費者金融やクレジット会社など10社から合計500万円を借り入れていたが、おまとめローンを利用し、そのうちの5社、合計300万円分を一本化した。

例2

 

債権者数は10社→6社ですが、それでもおまとめローン1社が不同意と回答すれば、再生計画は否決されます。
なぜなら、500万円の借金のうち、おまとめローン1社だけで300万円を占めるため、金額面でも2分の1以上の議決権を持つからです。

なお、実務上は不同意の回答をする債権者はそれほど多くないのですが、債権者によっては、借金理由などを理由次第で否決することもあるので、状況次第では可能性がないとはいえません。

個人再生手続きでは、すべての債権者に対して債権者一覧表が送付されるため、債権者は他社の貸付状況を把握することができます。
そのため、自社が「不同意」と回答することで個人再生にストップをかけられる場合には、敢えて不同意とすることも十分に考えられるのです。

おまとめローンを利用し、その後に個人再生を申し立てることになった場合には、このようなデメリットがあることも把握しておきましょう。

【給与所得者再生ならば債権者の同意を得る必要がない】
給与所得者再生は債権者の同意がいらない手続きのタイプです。よって、債権者がその1社のみに絞られてしまっても個人再生手続き上の不都合はありません。
しかし、給与所得者等再生は「小規模個人再生よりも返済額が多くなる」ケースがほとんどです。給与所得者等再生では「可処分所得の2年分」の金額を返済することになり、これは通常小規模個人再生を選択した場合の返済額を上回ります(参考:個人再生の最低弁済額|月々の支払いはいくらになるの?)。
先ほど説明したとおり、実務上、債権者の不同意はそれほど多くないため、通常は小規模個人再生を選択し、債権者の不同意がありそうな場合は給与所得者等再生を選択することになるでしょう。

2.おまとめローン前に債務整理を選択するメリット

返済負担を減らす方法はおまとめローンだけではありません。
おまとめローンを利用した場合のリスクを心配する前に、「弁護士に債務整理を依頼する」という方法を検討してみても良いでしょう。

おまとめローンだと、どんなに低くても数パーセントの金利が発生します。しかし債務整理は、債権者との交渉で金利を0にしてもらったり、裁判所を通して借金の元本から減免してもらったりすることを目指します。

おまとめローンを利用しても、ほどなく返済に行き詰ってしまうことも珍しくありません。
借金問題の根本的解決を目指すならば、安易におまとめローンへ走らず、債務整理について弁護士に相談することをご検討ください。

[参考記事]

借金返済にお困りの場合、弁護士に相談をするメリットとは?

個人再生ならば、おまとめローンをした後では債権者の不同意により給与所得者等再生を選択せざるを得ないケースもありますが、一本化せずに弁護士に依頼した上で個人再生を行えば、小規模個人再生を選択でき、結果として借金の減額率が高くなるケースがほとんどです。

3.まとめ

おまとめローンを利用するときには、まさか数年後に個人再生を申し立てるなど想定していないはずです。
おまとめローンによって返済の負担が減ることに目を奪われがちですが、先々まで見通した場合、必ずしも賢明な選択ではないかもしれません。

おまとめローンを借りるか、債務整理するかで迷っている場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。

泉総合法律事務所にご相談いただければ、債務整理に強い弁護士が責任をもって、借金問題の解決を最後までサポートさせていただきます。
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