個人再生 [公開日]2018年4月17日[更新日]2020年9月25日

個人再生手続とは?|メリット・デメリットについて

個人再生手続の概要やメリット・デメリットについて

個人再生は、将来にわたって継続的・定期的な収入のある方が裁判所に申し立てることができる債務整理方法の一種です。

裁判所が認可した再生計画案に従い、債務のうち一定の金額を3年(例外5年)かけて支払えば、それ以上の債務については支払う義務がなくなるという制度です。

任意整理よりも減額率が高く、自己破産のような財産の処分が原則としてないのがメリットですが、その反面、必要書類が多く、手続きが複雑であるというデメリットがあります。

ここでは、個人再生の手続を始めるにあたって知っておくべきことと、個人再生のメリット・デメリットについて解説していきます。

1.個人再生とは?

個人再生は、資産処分をせずに借金を大幅に減らしてもらい、その残務を原則3年間(最長5年間)で返済していく手続です。

また、これまで通り住宅ローンを支払うことができれば、ローン支払い中の自宅を失わずに済むのも大きな特徴です(住宅資金特別条項)。

個人再生には「①小規模個人再生」「②給与所得者等再生」の2種類があります。

どちらを選択するかは債務者が選ぶことができますが、一般的には①小規模個人再生を利用するケースがほとんどです。
②給与所得者等再生の方が要件が厳しく、弁済額が高くなる傾向があるためです。

もっとも、①小規模個人再生では、債権者の反対が多数であると個人再生に失敗してしまうため、債権者からの反対が予想されるケースでは、そもそも債権者の同意が必要ない②給与所得者等再生を利用することがあります。

[参考記事]

小規模個人再生。給与所得者等再生との違い、メリット・デメリット

以下では、特に断りがないかぎり、①小規模個人再生について解説していきます。

【個人再生を開始するための条件】
小規模個人再生・給与所得者等再生のいずれにしても、個人再生を開始するには以下の条件に当てはまる必要があります。(なお、他にも満たすべき条件はあります。)
・債務者が個人であること(法人ではないこと)
・住宅ローン以外の債務が5,000万円以下であること
・将来において継続的に、反復して収入を得る見込みがあること(パート・アルバイト・個人事業主などでも可)
また、住宅資金特別条項を利用する場合は、住宅資金特別条項利用の要件を別で満たす必要があります。
参考:個人再生ができない人とは?|失敗する理由と対策

2.個人再生を行うメリット

(1) 債務額を大幅に減額できる

個人再生では、大幅な債務の減額が可能です。

減額幅は債務額や手持ちの資産の額などによって異なりますが、おおよそ1/5~1/10に圧縮できると考えて良いでしょう。

[参考記事]

個人再生の最低弁済額|個人再生後の返済額はいくらになるの?

(2) 住宅を残せる可能性がある

個人再生の最大の特徴としては、個人再生申立て後も住宅ローンを支払い続け、住宅を保持することが可能な点です(ただし、一定の要件はあります)。
これを「住宅資金特別条項(住宅ローン特別条項)」と言います。

[参考記事]

個人再生で住宅資金特別条項(住宅ローン特則)の利用要件と注意点

自己破産では、住宅ローン付きの住宅は明け渡し、処分されてしまいます。

(3) 資産を残せる

住宅以外にも、自動車や生命保険など、破産であれば清算されてしまうような資産も手元に残せるというメリットがあります。

もっとも、自動車についてはあくまでも所有権留保がついていない場合(簡単に言えばローンを完済している場合)のみ手元に残せますので注意が必要です。

ローン支払い中の車は、個人再生をすることで通常ローン会社が引き上げてしまうでしょう。

(4) 資格制限や免責不許可事由がない

自己破産をすると、手続きが終了する(免責を受ける)までは一定の職業(保険外交員や警備員、各種士業など)に就くことができません。
該当の職業に就いている方は異動や退職のリスクがあります。

個人再生の場合は、そのような資格制限がありませんので、どのような職業の方でも問題なく利用できます。

[参考記事]

自己破産と仕事の関係。職業・資格制限とは?職場にバレたら解雇?

また、自己破産では、たとえば「借入の理由が浪費やギャンブルである」とか、「前回の破産・免責から7年経っていない」といった場合は、免責されない(借金がなくならない)おそれがあります。
(もっとも、実務上はこのような方でも、裁量免責の制度があります。本当に免責の見込みがないかは慎重に判断する必要があります)。

[参考記事]

免責不許可事由とは?該当しても裁量免責で自己破産ができる!

資格制限や免責不許可事由に不安があるような場合には、個人再生を利用すると安心でしょう。

3.個人再生を行うデメリット

(1) 利用の条件が厳しい

個人再生は、債務整理手続きの中でも特に手続きが複雑で、利用の条件も厳しくなっています。

まず、減額した借金を支払っていくという都合上、今現在継続・反復した収入がない方ですと利用はできません。

また、再生計画に従い弁済額を3年程度かけて支払っていく必要がありますので、継続・反復した収入があっても、弁済のための原資を得られない方は利用できません。

収入を証明するための書類・資料も多く必要になりますので、弁護士に収集や作成のサポートをしてもらうことが必須と言えるでしょう。

(2) ブラックリストに掲載される

これは個人再生に限った話ではありませんが、債務整理をすると「信用情報機関(いわゆるブラックリスト)」に登録されます。

ブラックリスト状態になるとどうなるのかというと、個人再生からおよそ7年〜10年間は、新たな借入やローンの締結、クレジットカードの利用(新規作成を含む)ができなくなります。

携帯・スマホの本体を購入する場合、分割払いもできなくなってしまいます。

ローン会社・銀行・消費者金融などは、お金を貸したり何かを分割払いで購入されたりする場合、信用情報機関へその申請者についての情報の照会を行います。

そこで、過去に個人再生などの債務整理をしていることが判明すると、返済能力に問題があるとして審査に通してくれなくなるのです。

なお、一定の期間が過ぎると、ブラックリストからは削除されます。

[参考記事]

ブラックリストとはそもそも何なのか?掲載されることの悪影響

(3) 財産次第で弁済額が高額になるおそれ

個人再生は、自己破産のように借金の全額が免除になるわけではありません。
手続き後も減額後の借金を支払っていかなければならないわけですが、債務者の手持ち資産が多額な場合は、その弁済額が高額になるおそれがあります。

特に注意が必要なのは住宅で、住宅の査定額がローンの残債額を上回る場合は、上回った額が資産扱いされます。

このようなケースを「アンダーローン」と言いますが、アンダーローンの住宅ですと結果的に資産が高額になり、弁済額が予想以上に高額になるケースもあります。

ほかにも、退職金や保険の解約返戻金、ご自分名義の自動車も資産とされますので注意が必要です。

何故、手持ち資産が多額な場合に弁済額が高額となるのかについては、以下のコラムで解説しています。

[参考記事]

個人再生の最低弁済額|個人再生後の返済額はいくらになるの?

(4) 官報へ掲載される

個人再生をすると、官報に住所・氏名が掲載されます(自己破産でも同様です)。

もっとも、官報は一般の方が通常手に取るものではないので、そこから「周囲にバレるのでは」と不安になる必要はありません。

個人再生が家族にバレる可能性があるのは、家族の給与明細などの書類を収集する必要があるためです。
ですから、家計を別にしている家族や、それ以外の友人に個人再生がバレることはほとんどありません。

[参考記事]

自己破産・個人再生で掲載される官報とは何か?

4.弁護士に依頼すべき理由

個人再生を利用するには、弁護士など法律の専門家に手続を依頼するのが一般的です。
それは、以下の理由によります。

(1) 手続を熟知している

個人再生は、裁判所を通して行う債務整理手続です。法律上の手続に従い、裁判所の指示通りに対応しないと、手続が進行しません。

申し立て一つとっても、個人でその手続をするのは負担が非常に大きいと言わざるを得ません。

弁護士に手続きを依頼すれば、申し立ての準備から認可決定までの手続きの大部分を代行・サポートしてもらえるので、スムーズに手続きを進めることができます。

裁判所への出頭も弁護士に任せることができ、債務者は個人再生後のご自身の生活の再建に集中することができるのです。

(2) 貸金業者からの督促が止まる

弁護士が個人再生を受任すると、弁護士から貸金業者などに対して、受任通知を送付します。

この受任通知には、債務者からの直接の取立を停止する効果があり、また、債務者への支払いもストップします。これだけで精神的に楽になるという債務者の方は多いです。

個人再生の準備に専念できるだけでなく、ストップした債権者への支払い分を弁護士費用や裁判所への予納金として積み立てることもできます。

督促がとまる「受任通知」とは

(3) 手続上の書類作成を代行してもらえる

弁護士に依頼すれば、申立書・陳述書や、債権者一覧表、財産目録などの必要書類をほとんど作成し、裁判所に提出してくれます。

一部債務者本人で準備する必要がある書類もありますが、これについても収集方法や書き方をアドバイスしてくれるのでご安心ください。

また、個人再生は、個別のケースによって必要書類が異なります。個人で手続を進めるには「自分はどの書類が必要なのだろう?」と混乱してしまうことがあるでしょう。

この点も、弁護士に依頼すれば的確にアドバイスをもらえます。
必要な書類を集める際にもスムーズに進むことで、個人再生自体が失敗なく、早く終わることでしょう。

[参考記事]

自己破産と個人再生の必要書類|揃わないとどうなる?

5.個人再生の手続については泉総合法律事務所へ

個人再生のメリット・デメリットについて大まかに説明してきました。

実際のところ、個人再生の手続きは複雑であり、そもそも個人再生を利用できるか、その際の弁済額の見込みはどうなるか、住宅を残せるか、どんな書類が必要なのかといった問題は、慎重に検討してみないと分かりません。

個人再生を利用するにあたって、まずは一度泉総合法律事務所にご相談ください。
当事務所の経験豊富な弁護士が、一人ひとりに合った最適な債務整理の方法をアドバイスいたします。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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